児童虐待の増加が社会問題化する中、施設ではなく里親による養護の重要性が高まっている。
本書を読むと、里子に対して献身的な努力をする里親一人ひとりの姿に涙が、養育責任を放棄して子どもを放り出す身勝手な実親達に怒りが、溢れてくる。
我が家は、まだまだ実子が小さいのでいますぐ里子預かれる環境にはないが、実子が手を離れた後のことを云々する前に、まず、手元の実子を愛情をこめて育てていこう、と改めて感じ入った。

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「家族」をつくる: 養育里親という生き方 (中公新書ラクレ 199) 新書 – 2005/12/1
村田 和木
(著)
児童虐待の急激な増加によって、生みの親と暮らせない子どもを預かり育てる「里親制度」が見直され始めた。血のつながらない里親子が心を通わせていく様子を通して、親とは、家族とは何かを考える。
- 本の長さ254ページ
- 言語日本語
- 出版社中央公論新社
- 発売日2005/12/1
- ISBN-104121501993
- ISBN-13978-4121501998
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商品の説明
著者からのコメント
取材をしていると、「人間って、捨てたもんじゃないなぁ」「人間って素晴らしいなぁ」と感じることが多々ありました。“里親子”という親子関係は、一般的にはほとんど知られていませんが、その小さなドアを開けると、思いのほか、大きくて深い世界が広がっています。それは里親子の問題が、児童虐待、夫婦関係、貧困、社会的格差、日本の福祉のあり方など、社会のいろいろな問題とつながっているからです。一人でも多くの人たちが、里親子という親子関係を理解し、と同時に、家庭で暮らせない子どもたちの存在に目を向けてくれるよう願っています。
著者について
1956年福島県いわき市生まれ。宇都宮大学農学部農芸化学科卒業。雑誌『暮しの手帖』『東京人』の編集者を経て、1998年より、フリーランスのライターとして活動を始める。雑誌を中心にインタビュー記事やルポルタージュを執筆。2003年、『中央公論』(9月号)に「すべての子どもに帰れる場所」という里親家庭のルポを掲載。それをきっかけに、“親はいても家庭がない”子どもたちの現状や里親養育の取材を続けている。
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2006年1月9日に日本でレビュー済み
途中で何度も涙が溢れてきた。
本書には里親になり、里子と接し、いろいろな苦労を乗り越えてきた実例が紹介されている。子どもの暴力や不登校、反抗などに対し、実に気長に見守って成長を促している姿が感動的だった。
自分の幼児期、思春期のころ、それなりに見守ってくれた両親に、あらためて感謝したい気持ちになった。
本書には里親になり、里子と接し、いろいろな苦労を乗り越えてきた実例が紹介されている。子どもの暴力や不登校、反抗などに対し、実に気長に見守って成長を促している姿が感動的だった。
自分の幼児期、思春期のころ、それなりに見守ってくれた両親に、あらためて感謝したい気持ちになった。
2012年11月28日に日本でレビュー済み
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児童虐待の問題で考えなければならないのは第一に子供の生命を守り、第二に親の生活を再建することだと思います。親の生活再建が難しい場合、代わって子供の養育を担うのが児童養護施設と里親ですが、人間形成において「家族の中で育つ経験が大切」という観点から、施設よりも里親が望ましいというのが本書のスタンスです。
本書は里親や、里親のもとで育った子供たちの体験を多数紹介しています。成功例ばかりではありませんが、一つ屋根の下に暮らす大人と子供がぶつかり、葛藤し、理解し合っていくさまは血縁の有無にかかわりなく「家族」の営みそのものです。
里親たちの苦労には、一般の子育てと重なる部分があります。里子たちは心に傷を抱えていますが、行政のサポートや地域の理解が不十分なため養育に行き詰まり、焦り、ストレスを抱え、ついには虐待しそうになります。核家族で育児情報を得られず、ノイローゼになる若いお母さんと同じですね。子育てを家庭だけで抱え込まず、昔のように地域ぐるみで面倒をみるべきであり、そうした仕組みづくりが必要だと感じました。
子供は親の所有物ではありません。養育に関しては子供を第一に考えるべきです。簡単なことではないかもしれませんが、里親制度のような子供を社会全体で守り支える制度に、市民がボランティア精神を発揮し、広くかかわれるようになるといいですね。
本書は里親や、里親のもとで育った子供たちの体験を多数紹介しています。成功例ばかりではありませんが、一つ屋根の下に暮らす大人と子供がぶつかり、葛藤し、理解し合っていくさまは血縁の有無にかかわりなく「家族」の営みそのものです。
里親たちの苦労には、一般の子育てと重なる部分があります。里子たちは心に傷を抱えていますが、行政のサポートや地域の理解が不十分なため養育に行き詰まり、焦り、ストレスを抱え、ついには虐待しそうになります。核家族で育児情報を得られず、ノイローゼになる若いお母さんと同じですね。子育てを家庭だけで抱え込まず、昔のように地域ぐるみで面倒をみるべきであり、そうした仕組みづくりが必要だと感じました。
子供は親の所有物ではありません。養育に関しては子供を第一に考えるべきです。簡単なことではないかもしれませんが、里親制度のような子供を社会全体で守り支える制度に、市民がボランティア精神を発揮し、広くかかわれるようになるといいですね。
2006年6月20日に日本でレビュー済み
里親になった親と子ども双方が「家族」となっていくさまをつづっている。沢山のケースを取り上げているので1家族については詳しくはないが、失敗例もあり、里親制度を知る手がかりにはなる。 俺は今後庶民が子どもを作ることは、その子どもにとっては迷惑で不幸な事ばかりであると思っているので、新たな「不幸」を生み出すのでなく、既に生まれている「不幸」をどう社会で共有していくかの解決策として里親制度を利用すべきであると考える。 虐待・放棄等子育てできない人の子どもが「かわいそう」と事件発覚後よく「かわいそう」と言われるが、ワイドショーでも里親について触れられる事は少ない。「かわいそう」に思うなら里親になってはどうか? いつも他人事のように言うだけの偽善者たちよ!