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ジェネシスのCDを買うなら、2007〜2009年にかけておこなわれた最新リマスターだ。
このアルバム「Invisible Touch」もそうか……。
うーむ。微妙だ。
確かに、音が磨き上げられ、残響処理が施され、音場が広がった。
しかし、そのために、リズムのキレが失われた。
1986年発売のLP時代から愛聴している人は、ここに違和感を持つはずだ。
確かに、音はフワーッと上品に広がって綺麗になったが、グイグイと押してくるようなリズムの推進力が消えている。きっと、「あれっ、こんなだっけ？」と思うはずだ。
LP時代に愛聴していたアルバムなので、2007年最新リマスターを期待して聴いたが、「あれっ、こんな感じだっけ……」とガックリした。
2007年最新リマスターは、ひとつひとつの音を磨き上げ、音が響く空間をゴージャスにしている。しかし、そのために、リズムのキレが大きく失われた。
このアルバムは、ハーモニーというより、リズムのキレが命。
その勢いよく前進するビート感覚が消失した（涙）。
これは第１曲目のアルバムタイトル曲「Invisible Touch」を聴くとすぐにわかる。
これでは、アルバムの魅力が台無しだ
１曲目の「Invisible Touch」は、リズムメインの曲。
そのリズムのダイナミズムを味わいたかったら、リマスター以前の旧盤が断然良い。
最新版と旧盤を１曲目の「Invisible Touch」で比較すると、はっきりとそれがわかる。
しかし、最新リマスターが悪いと言っているわけではない。これはこれで良い。なので、このアルバムのファンは両方持つといい。
ところで、1994年にジェネシスのアルバムに「DEFINITIVE EDITION REMASTER」の盤が出た。ケースの裏面に「DEFINITIVE EDITION REMASTER」と大きく表記があるからすぐわかる。
ところが、このアルバムに関しては「DEFINITIVE EDITION REMASTER」がない。
1995年に、ジェネシスの全アルバムが廉価版で発売されたが、他のアルバムは「DEFINITIVE EDITION REMASTER」なのだが、このアルバムに関しては、旧盤のままなのだ。
それだけ、旧盤のサウンドが良い。リマスターの必要性なし。ということなのだろう。
しかし、1995年の盤も聴いてみたが、まったく同じというわけではなかった。やや高音域が強調されている音像だ。なので、リズムのキレが旧盤に比べて少しばかり良い。リマスター以前の盤を持つなら、1995年の盤がオススメ。
それ以前の旧盤は、高音域が、若干、出ていないので、1995年盤に比べると、乾いた感じの音に聞こえる。このドライな音が好きという人もいるかもね。
1995年の盤の音がちょっとキツいという人は、マイルドなそれ以前の旧盤がよいだろう。
というわけで、リマスター以前の旧盤も「Invisible Touch」はなかなか良いので、捨てたり、売ったりせず、大事にしておくといいよ。
以上、原音が良くわかると定評のソニーのモニターヘッドホンのMDR-CD900STで聴き、音の違いを徹底比較してみました。
星は５つつけたが、これは CD盤の評価ではなく、アルバム（楽曲）の評価。
どうぞ、参考にしてくださいね。
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