歴史上日本人には馴染みの薄かった、テレジア・カバァリスから見たフランス革命の物語。
男性遍歴が半端ない彼女の異性遍歴が物語の前半で正直途中まで読んであまりのくどさに放置していました。
今回数年かけて読了。漫画化されていたのは知っていたけど、特に読む気にはなっていませんでした。
でも、後半を読むとおおっと思いました。
ロベスピエールの失脚の様子がテレジアの視点から詳しく描かれている。ここは面白かったです。
更に、フランス革命の暗部も作者がテレジア視点で描写しているのが平易な文章で書かれています。
この本だけで言及するのは足りないのでしょうが、フランス革命って、共産革命の前身のようなものだったのだなと思わされます。
思想統制、粛清、独裁、既存の宗教の否定(まあ、カトリックの庶民の締め付けも相当なものだったとは思いますが)
人間って、革命という名で美化していながらやっていることは何百年単位でも変わらないものなのだと思わされました。
フランス革命の共和体制派の政治家兼革命家達の弱点をテレジアは一つの考えに固執するのは折れやすく脆いというような主旨の言葉で表現しています。
著者のフランス革命を通してみた意見はそういうことなのでしょう。
前半のテレジアの男性遍歴は後半の男性を手玉に取る様子の伏線なのでしょう。ちょっとくどいけど。
後半の緊張感と爽快感溢れる描写は、さほどこの時代に深い造詣が無い者としては興味深いです。
造詣が深い方々は異論があるでしょうけど。
ベルばらでちょっと説明されていたロベスピエールとか、サン・ジェスト達がどのように失脚していったかがある程度分かります。
前半の男性遍歴の部分はほどほどにして、もっと、テレジアの政治的な部分の活動を強調したほうが、より面白かったのですが。
まあ、後半の面白さから星4つとしました。
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令嬢テレジアと華麗なる愛人たち (集英社文庫) 文庫 – 2007/5/18
藤本 ひとみ
(著)
恋と自由の為に革命を生きぬいた女性の生涯
恋多き逸話と仏革命のスキャンダルを身に纏う絶世の美女マダム・テレジア・タリアン。欲しいものを全て手に入れ、パリの女王とも呼ばれた女性の華麗で波乱に満ちた生涯。渾身の歴史長編。
恋多き逸話と仏革命のスキャンダルを身に纏う絶世の美女マダム・テレジア・タリアン。欲しいものを全て手に入れ、パリの女王とも呼ばれた女性の華麗で波乱に満ちた生涯。渾身の歴史長編。
- 本の長さ536ページ
- 言語日本語
- 出版社集英社
- 発売日2007/5/18
- ISBN-104087461580
- ISBN-13978-4087461589
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登録情報
- 出版社 : 集英社 (2007/5/18)
- 発売日 : 2007/5/18
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 536ページ
- ISBN-10 : 4087461580
- ISBN-13 : 978-4087461589
- Amazon 売れ筋ランキング: - 306,371位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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上位レビュー、対象国: 日本
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2014年8月3日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2016年11月2日に日本でレビュー済み
要するに作者の好みって、このテレジアみたいな、悪女かつ逞しく、したたかな女なんだなと思います。
性欲、金銭欲、名誉欲などのあらゆる快楽を存分に追求し、抜け目なく立ち回って、美味しい所は見逃さず、男も金も全部ゲットよ!!みたいな。
テレジアの少女時代の叔父との近親相姦とかも、とてもついていけませんし。とにかく何でも、自らの欲望最優先な女性だということは、よくわかりました。
それに、結局テレジアって、一時は「革命の女神」とか呼ばれて、革命を支持するかのように振る舞っていながら、結局はある貴族と結婚したんですよね。
結局は彼女って、特にこれといった思想も信念もない、いいとこ取りの風見鶏のようにしか、思えなかったのですが。私はこういう女性って、全然好きになれませんね。これなら、彼女と似たような所があるジョゼフィーヌの方が、何となく可愛気があるなと思いました。
とはいえ、池田理代子の描くジョゼフィーヌも、いろいろと美化され過ぎだとは思うけれど。
例えば、同時代人の、彼女が美女なんて証言は、どこにもないですし。当時の肖像画を見ても、特に美女だとは思えませんし。
それから、話は戻りますが、以前から何となく感じていたのですが、私は藤本ひとみって、桐生操とかと同じく、所詮薄っぺらい通俗作家だなとは思うけれど(昔の角川文庫の〇〇英雄伝シリーズで、ナポレオンとマリー・アントワネットは、嫌いって書いていたはずだと思いますし。特にナポレオンは美形じゃないからとか、書いていたし。彼らに関しては、完全に、仕事として書いているだけかと思います。)
何か藤本ひとみの作風って、レディースコミックスの世界とすごく通じるものがあるなと思いました。
だから人気があるのかな?という感じで。身も蓋もない、女のあらゆる欲望追及の世界を、十六世紀から十八世紀のフランスだの、貴族だの、社交界だのとかいう小道具で、華麗に装飾して見せているような。
それからそういえばこの作者、以前に有名なナポレオンの寵姫のマリア・ヴァレフスカについても、かなり独断的な感じの解釈をして、否定的な感じに書いていましたが、確かに藤本ひとみの、こういう悪女的女性好きの傾向からすると、最初から自分を正妻にもしてくれる気もないナポレオンを想い続けて、なかなか再婚もしようともしなかった、彼女のような女性は、現実を見ようとしない、ただの愚かな女のようにしか、見えないのでしょうね。
性欲、金銭欲、名誉欲などのあらゆる快楽を存分に追求し、抜け目なく立ち回って、美味しい所は見逃さず、男も金も全部ゲットよ!!みたいな。
テレジアの少女時代の叔父との近親相姦とかも、とてもついていけませんし。とにかく何でも、自らの欲望最優先な女性だということは、よくわかりました。
それに、結局テレジアって、一時は「革命の女神」とか呼ばれて、革命を支持するかのように振る舞っていながら、結局はある貴族と結婚したんですよね。
結局は彼女って、特にこれといった思想も信念もない、いいとこ取りの風見鶏のようにしか、思えなかったのですが。私はこういう女性って、全然好きになれませんね。これなら、彼女と似たような所があるジョゼフィーヌの方が、何となく可愛気があるなと思いました。
とはいえ、池田理代子の描くジョゼフィーヌも、いろいろと美化され過ぎだとは思うけれど。
例えば、同時代人の、彼女が美女なんて証言は、どこにもないですし。当時の肖像画を見ても、特に美女だとは思えませんし。
それから、話は戻りますが、以前から何となく感じていたのですが、私は藤本ひとみって、桐生操とかと同じく、所詮薄っぺらい通俗作家だなとは思うけれど(昔の角川文庫の〇〇英雄伝シリーズで、ナポレオンとマリー・アントワネットは、嫌いって書いていたはずだと思いますし。特にナポレオンは美形じゃないからとか、書いていたし。彼らに関しては、完全に、仕事として書いているだけかと思います。)
何か藤本ひとみの作風って、レディースコミックスの世界とすごく通じるものがあるなと思いました。
だから人気があるのかな?という感じで。身も蓋もない、女のあらゆる欲望追及の世界を、十六世紀から十八世紀のフランスだの、貴族だの、社交界だのとかいう小道具で、華麗に装飾して見せているような。
それからそういえばこの作者、以前に有名なナポレオンの寵姫のマリア・ヴァレフスカについても、かなり独断的な感じの解釈をして、否定的な感じに書いていましたが、確かに藤本ひとみの、こういう悪女的女性好きの傾向からすると、最初から自分を正妻にもしてくれる気もないナポレオンを想い続けて、なかなか再婚もしようともしなかった、彼女のような女性は、現実を見ようとしない、ただの愚かな女のようにしか、見えないのでしょうね。
2014年11月6日に日本でレビュー済み
こんな本が図書館にあっていいのか・・
内容は大変面白い!
エロスを武器に自分の信念をもって生きるテレジア。
サロンで日がな一日遊ぶ、か弱い貴婦人とは一味もふた味も違います!
あと、結局美人って得なのねーって思ったり(笑)
エロい痛快女傑歴史小説としてとらえると面白いかも。。。
内容は大変面白い!
エロスを武器に自分の信念をもって生きるテレジア。
サロンで日がな一日遊ぶ、か弱い貴婦人とは一味もふた味も違います!
あと、結局美人って得なのねーって思ったり(笑)
エロい痛快女傑歴史小説としてとらえると面白いかも。。。
2013年7月23日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
フランス革命期の女性たちに関心がありましたので購入し、読んでみましたが、主人公の男性遍歴をだらだらと読まされただけ、なんの印象も残らない、うすっぺらなもので、途中で投げてしまいました。つまらない本です。そのため星ひとつにしましたが、個人的には星をゼロにしたいです。この作者の本は ほかにも読んだことがありますが、読んでがっかり、というものが少なくないです。桃色小説がお好きといったかたぐらいにしか、おすすめできませんでしょう。買ってお金を損しました。
2007年9月19日に日本でレビュー済み
テレジアという一人の奔放で自分に正直な女性の目を通した、フランス革命前後を描いた話です。
特に革命直後の狂気の時代に自身の幸福と信念の為に頭脳と美貌を屈指して戦うさまは壮観ですらあります。
歴史の影に女ありヾ(^O^)ですね。
漫画よりも原作の方が面白かったです。
この作者の「皇帝ナポレオン」にも彼女が重要な人物として登場してます。
この本とは少し違った彼女が、元夫タリアン達の視点で出てきて併せて読むと興味深いと思います。
歴史もそれに登場する人物も見る人によって違う見方があると感じさせます。
「令嬢テレジア」はちょと官能小説的ではありますが...。
特に革命直後の狂気の時代に自身の幸福と信念の為に頭脳と美貌を屈指して戦うさまは壮観ですらあります。
歴史の影に女ありヾ(^O^)ですね。
漫画よりも原作の方が面白かったです。
この作者の「皇帝ナポレオン」にも彼女が重要な人物として登場してます。
この本とは少し違った彼女が、元夫タリアン達の視点で出てきて併せて読むと興味深いと思います。
歴史もそれに登場する人物も見る人によって違う見方があると感じさせます。
「令嬢テレジア」はちょと官能小説的ではありますが...。
2009年12月30日に日本でレビュー済み
こんな風に狙った男を落とせて、次から次へと行けたら人生は楽しいよな〜と。中盤は確かに官能小説かと思うくらいで・・・ 世界史は疎いので、フランス革命についてちょっと勉強しようと思いました。(ベルバラでしか理解してないので)表紙の絵はオルセー美術館にあるリムスキー・コルサコフ伯爵夫人画なので、ちょっとビックリです。偶然にもこの絵が大好きで本屋でたまたま手にとった本なのですが。買いだったと思います。ただ、テレジアの絵でないのが、読者に誤解を与えてしまうのではないかと心配です。