いまだに後を絶たない飲酒運転。
今さら言うまでもないが、たとえ事故がなかったにしても、
逮捕されれば本人よりも周りが苦しめられる現実を考えねばならない。
「俺だけは見つからない」、著者にもそういう一面が確かにあった。
これは、一流であろう企業に勤務していた著者の懺悔録であるといっても
過言ではない。
サラリーマンが飲酒運転で捕まり、執行猶予判決を受けたものの
無免許運転を犯して逮捕、起訴から悪夢の刑務所暮らし。
刑務所内での後悔と贖罪の日々。しかし、刑務所内で体験した意外にも温かい人情、
人間の底意地の悪さ、更生施設としての刑務所に対する様々な疑問を考えながら
仮釈放を待つ姿は他人事ではないのかもしれない。
著者が逮捕されたのが昭和五十年代なため、本書の内容と異なり現在は刑務所や受刑者も
様変わりしているかもしれないが、本筋は変わらないだろう。最近は刑務所も人権問題等で
やりにくいかもしれないが「受刑者に人権はない」、これは看守の偽らざる心境だろう。
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