まず第一印象は「スカッと晴れわたる初夏、吹き抜ける風を感じてドライブ。ときどき、深緑のティータイム」(ん?ジャケ写だ!)。
軽快な躍動感で疾走してゆく、全編これ『ドライブ・ミュージック』です。シングル[4.][7.]に先行配信[1.][2.]とタイアップ[5.][10.]も納得かと。
ところで[3.][5.][6.][9.][12.]は、前作ティー・フォー・スリーの軽妙洒脱な色を引き継ぐ『カフェ・ミュージック』でもあるところが面白くてNegiccoとの相性もバッチリ。ライヴで生きてくる楽曲が詰まったこの最新アルバムが今後の活動の軸になるのかな?
勿論、歌詞やソロ曲、アルバム・タイトルは彼女たちが次のフェーズに入ったことを明示しています。
「原点回帰から始まる三者三様の物語」は、詞を抒情的に響かせるコーラス・バラード[11.]
硝子色の夏
で「観客との共有世界」が一旦は終演。しかしエンドロールには、このアルバムをドライブでもカフェでも幕引きさせない、色彩と私情の複雑なコントラストが待っています。
[12.]
雫の輪
はアルバムのタイトルとアートワークを象徴する曲ですが……息を呑む美しさ(涙)。ゴージャスでクラシカルなバカラック的世界は本編のストーリーを一挙に引き受けつつ[13.]イントロ過ぎからその鮮烈な色彩対比とはうらはらに微妙な共感の襞を帯びてゆくのです。
その
15
ですが(イチゴと読むそうです)Negicco+EDMをトランスで調合したナンバー。重い歌詞を呆気らかんと歌う彼女たちに拍子抜けして幕は下ります。雫の輪で頂点に達した感情は、最後宙吊りにされることで何かモヤモヤした気分が残ってしまう。
強いて挙げれば、この曲がアルバムの「傷」になることもある、と感じます。それとも、近年の活動しかリアルタイムを共有できなかった新参者の「嘆き」でしょうか?
しかし、つい最近 DA PUMP/U.S.A.現象を知ることで、それを真に受ける必要はなく『単純に踊れるサウンドとメロディ』が実は重要なのだ!と思うに至ったのです(特に音響面で不利な屋外や大会場のライヴを考えると)。
なるほどイチゴは世界的潮流のトラップに背を向け、ドラムンベース&トランスもあえて流行とは真逆(曲解?)あくまでも明朗闊達にアゲてくる!すると「傷」が「同調圧力の亀裂」にみえるから不思議です(妄想?)。
その意味ではデビュー曲(
Negicco 2003~2012 -BEST-
収録)とのモチーフ繋がりよりも、むしろ[5.]
Tell me why?
との親和性を感じるのです(こじ付け)。
因みに初期作品を集めたこのコンプリート盤、2曲を除き作詞・作編曲・演出は全てconnie氏プロデュース。ところが以降の楽曲制作で彼は、全面的な関与から次第に「黒子役」にシフトしてゆきます。それとは逆にステージやメディアにデュエットや下ハモに([10.]
グッデイ・ユア・ライフ (下りver.)
、雫の輪)など、共演は増えてゆくネギヲタ1号ぶり(笑)。この羨ましい距離感(苦笑)が「Negicco」を今の音楽業界内でユニークな存在にしている、と考える人も多いのではないでしょうか?
一方でその存在が渋谷系とシティポップの関係、テクノとフューチャーベースの境界、といった類の喧噪から無縁の地平にあるがゆえに『独自の普遍的音楽』を意識させるインパクトを、ジワジワと持ちはじめています(ここは確信)。
感度の高い人は「1st-
Melody Palette
~ ビートメーカー&コンポーザーの化学反応を模索」していた時点で既に気付いていたようです。
そこから「2nd-
Rice&Snow
/3rd-
ティー・フォー・スリー
/
Negicco 2011~2017 -BEST- 2
. etc.~ アイドルの楽曲属性を拡張」の過程を経て、ようやく「4th Album ~ 現代歌謡の総括」で開花しつつあるオリジナリティ、と断言できそうです。
最後に総評ですが、ミキシングを含むトータル・ディレクションが旧作より確実にブラッシュアップされてます。全曲よく練られたアレンジで全く聞き飽きませんし(インスト盤タワレコ限定販売 - 2018.10.16)歌もセリフ調があったり意外な転調や変奏が多かったり楽しめるはず。
ソロ曲は各々の my color を打ち出した意欲作でありNegiccoのセットリストにも入れて欲しいところ…初回限定盤、お勧めです!
そしてMY COLOR、(興奮を抑えつつ)傑作です‼
[追記]
リリースから約7か月後、リーダーのNao☆さんの入籍と活動の継続が公表されました。
この物語にはNegiccoの、3人の心の揺れと結束が織り込まれていた、として再度聴きこむと感慨も大きなものになります。
[Never Ending Story][キミはドリーム]は彼と出会った喜びの壮大さにリアリティがあるし、[ノスタルジア]には彼女たちがステージでの今を生きてゆく愛おしさを、[硝子色の夏]には最後まで添い遂げた未来のNao☆さんを。。。きりがありません。
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曲目リスト
ディスク: 1
1 | Never Ending Story |
2 | キミはドリーム |
3 | スマホに写らない |
4 | 愛、かましたいの |
5 | Tell me why? |
6 | She’s Gone |
7 | カリプソ娘に花束を |
8 | そして物語は行く |
9 | ノスタルジア |
10 | グッデイ・ユア・ライフ (下りver.) |
11 | 硝子色の夏 |
12 | 雫の輪 |
13 | 15 |
ディスク: 2
1 | 菜の花 |
2 | 星のかけら |
3 | あの娘が暮らす街(まであとどれくらい?) |
4 | はじまりの場所 |
商品の説明
今年7月で結成15周年を迎える新潟在住アイドル・ユニットNegiccoの
2年振りとなる4枚目のオリジナルアルバム「MY COLOR」発売決定!
豪華作家陣が多数参加した収録楽曲の詳細、さらにジャケット写真、新アーティスト写真も同時公開!
すでにシングルでリリースされている「愛、かましたいの」、「カリプソ娘に花束を」、
そしてライブで披露されている「スマホに写らない」、今作のリード曲「キミはドリーム」など
全13 曲(初回限定盤に付属されるDisc2 には全4 曲)が収録となる。
登録情報
- 梱包サイズ : 14 x 12.4 x 1 cm; 200 g
- メーカー : T-Palette Records
- EAN : 4997184986236
- レーベル : T-Palette Records
- ASIN : B07DNQGDZK
- ディスク枚数 : 2
- Amazon 売れ筋ランキング: - 177,712位ミュージック (ミュージックの売れ筋ランキングを見る)
- - 55,375位J-POP (ミュージック)
- カスタマーレビュー:
イメージ付きのレビュー

5 星
ネギ色
Negiccoのアルバムは1stからアナログ盤で買っているが、毎回とても作りの良い見開きジャケで、バーコードの位置にまでこだわりが感じられるデザインだ。加えて今作は、Negicco初のカラーヴァイナルということだけど、これがちょっと他で見たことのない絶妙な緑色(葱色?)で、聴く前からテンションが上がる。アナログ盤待ちだったので楽曲も初聴なのだが、これだけ多様な作家陣でありながら毎度「大事にされてる」感が半端ない。安心して聴ける。
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上位レビュー、対象国: 日本
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2018年7月9日に日本でレビュー済み
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2018年7月9日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2年ぶり、4枚目となる待望のオリジナルアルバム。
通常盤では13曲のうち実に11曲が新曲という非常に聴き応えのあるアルバムになっている。
アルバム曲はひとつひとつが珠玉の曲となっていて、聴くときの気分によってお気に入りが変わるくらい選ぶのは難しい。
このレビューを書いているときのお気に入りは「スマホに写らない」「Tell mi why?」「そして物語は行く」と初回限定盤でしか聴けない「はじまりの場所」
「はじまりの場所」は初回限定盤にしか収録されていないが、この曲をこそひとりでも多くの人に聴いてほしい。Negiccoをど真ん中に感じられる曲だと思う。
ぜひ初回限定盤を。
通常盤では13曲のうち実に11曲が新曲という非常に聴き応えのあるアルバムになっている。
アルバム曲はひとつひとつが珠玉の曲となっていて、聴くときの気分によってお気に入りが変わるくらい選ぶのは難しい。
このレビューを書いているときのお気に入りは「スマホに写らない」「Tell mi why?」「そして物語は行く」と初回限定盤でしか聴けない「はじまりの場所」
「はじまりの場所」は初回限定盤にしか収録されていないが、この曲をこそひとりでも多くの人に聴いてほしい。Negiccoをど真ん中に感じられる曲だと思う。
ぜひ初回限定盤を。
2021年9月11日に日本でレビュー済み
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1stアルバムにしてNegiccoの方向性を決定づけた『Melody Palette』は素晴らしい作品だし、
『Rice&Snow』と『ティー・フォー・スリー』にいたってはアイドル史だけでなくJ-POP史に燦然と輝く名作だと思っています。
初めて聴いたときは、新潟のローカルアイドルがなんでこんなにすごいの?って大きな衝撃を受けました。
そんなわけで、期待値が高過ぎたこともあって物足りなく感じてしまったのが本作です。
めちゃくちゃ高いハードルではあるけれど、それでも越えてくると思っていたからこその肩透かし感。
じゃあ凡作なのか駄作なのかってわけでもなく、とても上質な作品だし無名のアイドルがこんなアルバム出したら絶賛してたかもしれません。
『Rice&Snow』と『ティー・フォー・スリー』にいたってはアイドル史だけでなくJ-POP史に燦然と輝く名作だと思っています。
初めて聴いたときは、新潟のローカルアイドルがなんでこんなにすごいの?って大きな衝撃を受けました。
そんなわけで、期待値が高過ぎたこともあって物足りなく感じてしまったのが本作です。
めちゃくちゃ高いハードルではあるけれど、それでも越えてくると思っていたからこその肩透かし感。
じゃあ凡作なのか駄作なのかってわけでもなく、とても上質な作品だし無名のアイドルがこんなアルバム出したら絶賛してたかもしれません。
2018年8月2日に日本でレビュー済み
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Negiccoは昔からアイドルっぽくない楽曲が多いですが、前回に続き名立たるアーティストに楽曲提供を受けいい出来になっていると思います。
昔からアーティストの皆さんが曲を提供したくなるアイドルとして業界では有名ですが、今回もそんなアーティストの曲が沢山入っていて素晴らしいアルバムになっています。
昔からNegiccoの曲を作って下さってるconnieさんと富田恵一さんの「雫の輪」はperfumeさんの「願い」に通ずつ名曲です。
Negiccoのアルバムは前回の「ティー・フォー・スリー」もそうでしたがアイドルの枠を超えた素晴らしいアルバムになっています。だから、業界の人達に愛されるのだと思います。一度ライブを見に行くと虜になってしまうようなグループなんです。
年齢を感じさせないビジュアルも魅力の一つですね!私のようなオジサンでも応援したくなるアイドルなんです。(ちょっと脱線しました。)
昔からアーティストの皆さんが曲を提供したくなるアイドルとして業界では有名ですが、今回もそんなアーティストの曲が沢山入っていて素晴らしいアルバムになっています。
昔からNegiccoの曲を作って下さってるconnieさんと富田恵一さんの「雫の輪」はperfumeさんの「願い」に通ずつ名曲です。
Negiccoのアルバムは前回の「ティー・フォー・スリー」もそうでしたがアイドルの枠を超えた素晴らしいアルバムになっています。だから、業界の人達に愛されるのだと思います。一度ライブを見に行くと虜になってしまうようなグループなんです。
年齢を感じさせないビジュアルも魅力の一つですね!私のようなオジサンでも応援したくなるアイドルなんです。(ちょっと脱線しました。)
2018年12月1日に日本でレビュー済み
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Negiccoのアルバムは1stからアナログ盤で買っているが、毎回とても作りの良い見開きジャケで、バーコードの位置にまでこだわりが感じられるデザインだ。加えて今作は、Negicco初のカラーヴァイナルということだけど、これがちょっと他で見たことのない絶妙な緑色(葱色?)で、聴く前からテンションが上がる。
アナログ盤待ちだったので楽曲も初聴なのだが、これだけ多様な作家陣でありながら毎度「大事にされてる」感が半端ない。安心して聴ける。
アナログ盤待ちだったので楽曲も初聴なのだが、これだけ多様な作家陣でありながら毎度「大事にされてる」感が半端ない。安心して聴ける。

Negiccoのアルバムは1stからアナログ盤で買っているが、毎回とても作りの良い見開きジャケで、バーコードの位置にまでこだわりが感じられるデザインだ。加えて今作は、Negicco初のカラーヴァイナルということだけど、これがちょっと他で見たことのない絶妙な緑色(葱色?)で、聴く前からテンションが上がる。
アナログ盤待ちだったので楽曲も初聴なのだが、これだけ多様な作家陣でありながら毎度「大事にされてる」感が半端ない。安心して聴ける。
アナログ盤待ちだったので楽曲も初聴なのだが、これだけ多様な作家陣でありながら毎度「大事にされてる」感が半端ない。安心して聴ける。
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2018年8月9日に日本でレビュー済み
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いつの間に彼女たちは、
たくましさや力強さも自然に表現できるようになったのだろう。
カワイイだけじゃない、
たくさんの魅力が感じられるアルバムです。
たくましさや力強さも自然に表現できるようになったのだろう。
カワイイだけじゃない、
たくさんの魅力が感じられるアルバムです。
2018年7月12日に日本でレビュー済み
NegiccoのT-paletteレーベルのアルバムは全て買い(初回限定盤があれば初回限定盤を)、近場のライブには行く程度にはファンの者です。
今回、彼女たちの幅を広げようと、様々なアーティストに作詞、作曲を依頼し、いろんなタイプの歌がおさめられていますが…
良い曲も何曲も有りますが、正直聞いていて辛い曲が何曲か有ります。
低い音階の音程が合ってない。声が安定していない。聞いていて、声を絞り出している感じがする、など…
(彼女たちの歌は失礼ながらその傾向は有りますが、その何曲に限っては許容しづらい程度に如実です。)
彼女たちのスタイルに合わない、彼女たちの音域に有っていない曲が何曲か有ります。
特に「She’s Gone」は聞いててホントに辛い。音域も上にも下にも広く、難しい曲だというのはわかりますが…正直彼女たちが曲を自分たちのものに出来ている気がしません。
音程やピッチを加工して収録されたのがこれだと、ライブで聞くのが怖いです。(※生歌を聞いて印象が違ったら修正します。)
今回、彼女たちの幅を広げようと、様々なアーティストに作詞、作曲を依頼し、いろんなタイプの歌がおさめられていますが…
良い曲も何曲も有りますが、正直聞いていて辛い曲が何曲か有ります。
低い音階の音程が合ってない。声が安定していない。聞いていて、声を絞り出している感じがする、など…
(彼女たちの歌は失礼ながらその傾向は有りますが、その何曲に限っては許容しづらい程度に如実です。)
彼女たちのスタイルに合わない、彼女たちの音域に有っていない曲が何曲か有ります。
特に「She’s Gone」は聞いててホントに辛い。音域も上にも下にも広く、難しい曲だというのはわかりますが…正直彼女たちが曲を自分たちのものに出来ている気がしません。
音程やピッチを加工して収録されたのがこれだと、ライブで聞くのが怖いです。(※生歌を聞いて印象が違ったら修正します。)
2019年6月22日に日本でレビュー済み
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前作同様、バラエティに富み、歌唱方法に広がりが認められ、なおかつ統一感。やはり、ブランドものでした。ただ、「雫の輪」でいったんおさまった後、「15」で終わります。この曲は、ずっと15周年ライブのための仕掛けだと思っていましたが、ひょっとしたら、本当の落としどころは初回限定版の4曲目なのかもしれません。最近聴き直して、そう思わされたので、レビューを書くことにしました。「雫の輪」と一緒に、この曲を聴いて、改めて15周年のお祝いを申し上げます。基本的に聴きやすくてテンポのいい曲がお好きで、一緒に、ちょっとしっとり系も味わいたいと思われるJーPOPファンにお勧めします。残り少ないようですが、「15」と違う終わり方が聴いてみたい方には初回限定版をお勧めします。