『日本人はなぜ外国人に「神道」を説明できないのか』を読んで印象に残ったこと。
神道とは、究極的には「感謝」と「祈り」を繰り返すことによって、「蘇り」を見せるという「好循環のサイクル・システム」です。
願いや計画、目標について神様の前で誓い、上手くいけば神様に感謝しながら報告し、時には「お祭り」をし、自分が生かされていること、努力できる環境にいることに「感謝」しながら、神様にまた祈る。
神道とは、神々にも人間にも「何かがある」と考え、そのために私たち自身が明るく努力して乗り切っていくという考え方。
神道は「宗教」ではない。
「宗教」の3要件である「教義」、「教祖」、「経典」が神道にはない。
そのため神道は「宗教」を超越し、「宗教」と対立構造にならない。
神々と人間は調和できると考えるのが神道の特長。
神道は宗教ではなく、全人類に共通する自然を愛し、人を愛するという考え方。
神道は「宗教」ではなく、「世界の普遍的な考え方」
神道の良さは「神聖さ」にある。
神道は「個」の利益を目指すのではなく、「公」の幸福を祈る。
神道とは、豊かな自然と人間を結びつけ、後世に大切に伝えていき、「聖」なるものと「俗」なるものを分け、「聖」なるものを大事にする、古いものを新しくして、常にエコロジカルに再生を繰り返していく循環性を持つ。
その美学の実践のために、神々と人間が一体化して努力するこという「人類の英知」である。
神道は他の宗教から「簡単に滅ぼせるか弱い存在」と見えても、必ずどこかで生き残り、また蘇って勢いを取り戻すという特性を持つ。
神道は意見や性質の異なる相手と、最初は反発し合いながら、「共存」できる場所と時空間を見つけ出し包容し、最終的に「共栄」する。
神道は「二元論」で語れない。
日本神話から見える、神道の8つのエッセンス。
①自然と人は神と共に一体であって、お互いに影響し合い、大切にすべき(国生み神話など)
②もともと「国」とは「漂えるもの」であるから、「修め」「理(つく)り」「固め」「成す」ものである(修理固成)
③武芸・芸術文化・技術を一体として大事にし、自らを磨く(文武両道)
④労働を貴び、働く神々と人との関係を大切にする(天照大神も機織りや田植えをする)
⑤身体だけでなく、心と魂、それに伴う技術を磨き、常に美しく仕上げる(禊祓神話)
⑥自らの家族や友人、恋人、配偶者との協力と話し合いの「和」を大事にする。
⑦人間は生きている限り、知力を尽くして明るく自らの困難を切り開き、時には「武」によって相手と戦う(神武天皇の東征)
⑧常に自らの足下の地域を大切にする。「個人」のことよりも「周囲」のことを大切にして神々に誓いを立てる(宇気比神話)
現代科学ですら地震に対し予測も予防も出来ない状態なので、
古代の日本人は国土の安寧と発展を祈り、自らが生かされていることへ感謝を捧げながら、今を一生懸命に生きた方が良いと考え、
いざ災害となれば、人々の痛めつけられた心をつなぎ止め、被災した後には前向きに復興に立ち向かう強い精神性を育んだ方がより健全なのだと考えた。
ここに神道の本質がある。
「自然の営み=八百万の神々」によって育まれてきたのが本来の日本人の精神性=神道。
祭りは「禊ぎ祓え」つまり神様に向かって無事安全を祈り、汚れや悪霊、怨霊を追い払う「再出発の儀式」の意味合いがある。
また、祭りは、生産過程の最終段階で、地域共同体に住む人々が集まり、「ケ」から「ハレ」に転じ、気分を一新して力を合わせて物事や災厄の悪い状況を変え、経済的に勢いを増すためのイノベーションの効果もある。
日本のもの作り、つまり伝統的な技術力の高さの精神性は、「神々への感謝と奉納」から来ている。
神道は、歴史と伝統を経たうえでのシンプルさによって、物事を分かりやすく感性に訴えて話をすることができる。
それが神道がアニメや漫画、小説などによって若い人に受け入れられている理由。
日本の生け花では、全体の「空間」を意識する。生け花をやっている日本人は、知らず知らずのうちに、花を生ける空間のなかに、自然や無限の神々の居住する空間を表現する。
日本の伝統文化の「中心」には神道があり、その周辺に「間」ができて、その「間」(日本的な曖昧な時空間や場所)が何もかもを包含するような寛容性を持つ。
人間には、その場ではわからないことがある。そんな時日本では、曖昧な「間」を通して、結論に至るという思考法を採ることが多い。
日本人のようにYESかNOか、という二者択一的な考え方をしない方法は神道的価値観。
八百万の神々の下に、自然や人が集まり、決して上から目線ではなく、ゆるやかに共存共栄してゆくという神道的価値観が、
時間的な「間」(タイミング)、空間的な「間」(雰囲気、空気)を大事にする日本人の価値観を生んだ。
日本では、伝統文化でも高度な技術でも時間をかけて、時間と時間の「間」を利用してより良くしていく文化がある。
神道では、自然を神様として扱うことがあるだけに、不自然な作法を取らず、時間と場所、相手によって、対応を変える。
日本の伝統的な作法やマナーは神道に基づく。
あらゆる物事とは 、一つの価値観で決まるのではなく 、多元的に多くの価値観が合わさったり離れたりして 、最終的には 「共存共栄 」するように決まって行くのが正しい。
つまり、宇宙を含めたこの世界の物事の成り立ちとは 、 「一神教 」ではなく 、 「多神教 」ででき上がっている。
量子力学の研究が進み「 0 」と 「 1 」の 「間 」である 「神道的世界観 」が存在することがわかり 、それが日本と世界を良くすることにつながる。
神道は「世界に通じる普遍的な考え方」
しかし、この神道的な世界観は、人間が強引に近づこうとすると、かえって遠ざかる。
自然が自然のうちに 、ときには競争と淘汰を 、あるいはお互いが共存共栄を繰り返して生きるように 、私たち日本人は 、この 「神道的価値観 」を大切にしながら 、自分たちの足下を見つめて 、日本と地域の伝統的文化や精神性という 「間 」を楽しみたい。
プライム無料体験をお試しいただけます
プライム無料体験で、この注文から無料配送特典をご利用いただけます。
非会員 | プライム会員 | |
---|---|---|
通常配送 | ¥410 - ¥450* | 無料 |
お急ぎ便 | ¥510 - ¥550 | |
お届け日時指定便 | ¥510 - ¥650 |
*Amazon.co.jp発送商品の注文額 ¥3,500以上は非会員も無料
無料体験はいつでもキャンセルできます。30日のプライム無料体験をぜひお試しください。
新品:
¥897¥897 税込
ポイント: 28pt
(3%)
無料お届け日:
4月1日 月曜日
発送元: Amazon.co.jp 販売者: Amazon.co.jp
新品:
¥897¥897 税込
ポイント: 28pt
(3%)
無料お届け日:
4月1日 月曜日
発送元: Amazon.co.jp
販売者: Amazon.co.jp
中古品: ¥384
中古品:
¥384

無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません。
ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
日本人はなぜ外国人に「神道」を説明できないのか (ベスト新書) 新書 – 2018/1/10
山村 明義
(著)
{"desktop_buybox_group_1":[{"displayPrice":"¥897","priceAmount":897.00,"currencySymbol":"¥","integerValue":"897","decimalSeparator":null,"fractionalValue":null,"symbolPosition":"left","hasSpace":false,"showFractionalPartIfEmpty":true,"offerListingId":"bxCRCursOHYY5v7aU0lZwzewHBjBZ7ldh%2FhCujGFmPQH0e6PpXVtcAqjIn2DCHtWGiwbouIuba5TkQZrxAA4x8FhA8v9rmzJc0Nn3c0hAj0SO4Rg9w%2BrdY5QmmdUoZ%2BrlfO5vkW4VVQ%3D","locale":"ja-JP","buyingOptionType":"NEW","aapiBuyingOptionIndex":0}, {"displayPrice":"¥384","priceAmount":384.00,"currencySymbol":"¥","integerValue":"384","decimalSeparator":null,"fractionalValue":null,"symbolPosition":"left","hasSpace":false,"showFractionalPartIfEmpty":true,"offerListingId":"bxCRCursOHYY5v7aU0lZwzewHBjBZ7ld4hyfv2MSXoq0LxRba%2BTQBtd1F7KSuAVLw1Rd7ylo%2Fa%2FS27jhyufUxB1kS04kcOP9FycZ7VSEfYP5Ot%2Fz2qnV%2BAandjqZO6tjXSbUgeyUzou3XMiqyb1%2F9XG4DsrvcPyU6Kt8daf8i0%2FyjvfZtg4VUg%3D%3D","locale":"ja-JP","buyingOptionType":"USED","aapiBuyingOptionIndex":1}]}
購入オプションとあわせ買い
大嘗祭、大相撲、歌舞伎、アニメ、経営学、量子論、リベラル思想―
その根源には「神道」の精神がある!
近年、日本の文化や習慣に興味を持つ外国人が急増しています。
また、神社などに関心を示す若者も多くなっているようです。
しかし、私たちは日本文化の根本ともいえる「神道」をきちんと説明できるでしょうか…?
「神道とは何か?」「日本とは何か?」について、
気鋭の神道思想家が、歴史教科書、伝統文化、芸能やスポーツ、衣食住など多角的に分析した一冊です。
シントウって何だろう…?
●「神道」=「アニミズム」ではない
●戦前に「国家神道」は成立しなかった! ?
●「禊ぎ祓へ」は現代でも通用する
●「日本語」が「英語」ともっとも違う点
●神社や神様には「地域らしさ」がある
●神道の「間」と日本建築の「間」
●日本料理の起源
●日本のアニメや漫画はなぜ世界を席巻するのか
●神道の「見える化」と「量子論」etc.
その根源には「神道」の精神がある!
近年、日本の文化や習慣に興味を持つ外国人が急増しています。
また、神社などに関心を示す若者も多くなっているようです。
しかし、私たちは日本文化の根本ともいえる「神道」をきちんと説明できるでしょうか…?
「神道とは何か?」「日本とは何か?」について、
気鋭の神道思想家が、歴史教科書、伝統文化、芸能やスポーツ、衣食住など多角的に分析した一冊です。
シントウって何だろう…?
●「神道」=「アニミズム」ではない
●戦前に「国家神道」は成立しなかった! ?
●「禊ぎ祓へ」は現代でも通用する
●「日本語」が「英語」ともっとも違う点
●神社や神様には「地域らしさ」がある
●神道の「間」と日本建築の「間」
●日本料理の起源
●日本のアニメや漫画はなぜ世界を席巻するのか
●神道の「見える化」と「量子論」etc.
- 本の長さ272ページ
- 言語日本語
- 出版社ベストセラーズ
- 発売日2018/1/10
- 寸法11 x 1.3 x 17.5 cm
- ISBN-104584125708
- ISBN-13978-4584125700
よく一緒に購入されている商品

対象商品: 日本人はなぜ外国人に「神道」を説明できないのか (ベスト新書)
¥897¥897
最短で4月1日 月曜日のお届け予定です
残り2点(入荷予定あり)
¥2,600¥2,600
最短で4月1日 月曜日のお届け予定です
残り1点 ご注文はお早めに
総額:
当社の価格を見るには、これら商品をカートに追加してください。
ポイントの合計:
pt
もう一度お試しください
追加されました
一緒に購入する商品を選択してください。
この商品をチェックした人はこんな商品もチェックしています
ページ 1 以下のうち 1 最初から観るページ 1 以下のうち 1
商品の説明
著者について
山村明義(やまむら・あきよし)
作家、ジャーナリスト、神道思想家。
昭和35(1960)年、熊本県生まれ。早稲田大学を卒業後、金融業界誌社員、出版社契約記者から作家・ジャーナリスト。
平成7(1995)年頃より、政治・経済・社会・宗教の思想を独自に調査思索し、リベラル思想の退潮を知る。
その後、世界のあらゆる思想を比較しても、日本の神道思想が優れていることを学んだことをきっかけに神道思想家となる。
現在、一般社団法人日本人らしさ・地域らしさ研究所理事長。
著書に、『神道と日本人』(新潮社)、『GHQの日本洗脳』(光文社)、『GHQが洗脳できなかった日本人の「心」』(小社)など多数がある。
作家、ジャーナリスト、神道思想家。
昭和35(1960)年、熊本県生まれ。早稲田大学を卒業後、金融業界誌社員、出版社契約記者から作家・ジャーナリスト。
平成7(1995)年頃より、政治・経済・社会・宗教の思想を独自に調査思索し、リベラル思想の退潮を知る。
その後、世界のあらゆる思想を比較しても、日本の神道思想が優れていることを学んだことをきっかけに神道思想家となる。
現在、一般社団法人日本人らしさ・地域らしさ研究所理事長。
著書に、『神道と日本人』(新潮社)、『GHQの日本洗脳』(光文社)、『GHQが洗脳できなかった日本人の「心」』(小社)など多数がある。
登録情報
- 出版社 : ベストセラーズ (2018/1/10)
- 発売日 : 2018/1/10
- 言語 : 日本語
- 新書 : 272ページ
- ISBN-10 : 4584125708
- ISBN-13 : 978-4584125700
- 寸法 : 11 x 1.3 x 17.5 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 180,288位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
著者をフォローして、新作のアップデートや改善されたおすすめを入手してください。

著者の本をもっと発見したり、よく似た著者を見つけたり、著者のブログを読んだりしましょう
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2018年2月10日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2018年7月22日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
面白い内容だと思うけど、「それって神道関係あるの?」と思う所が多いですね。
2018年1月23日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
神道は、言挙げしない。
教祖もいない。教義もない。戒律もない。ただ、禊ぎ祓へを行う。
神道に書籍なく天地を以って書籍となし、日月を以って証明とす。
浄明正直、自然崇拝、世間崇拝(世間様)。
時・空の「間」、時空を超える「場」、通じる「気配」により整える。
つまり、階層を持たない日本古来からの古層にある世界である。
日本的リベラルの言う西欧由来の自由・人権・平等とは異世界である。
一神教の大本ユダヤ教は、砂漠で生まれた。砂漠の民は政争の敗者であり、勝者を呪い復讐を誓った。
そして、生き残るため他民族を駆逐し追い払う大義を必要とした。一神教とは復讐する宗教である。
キリスト教は、ヨーロッパ原住民をキリスト教徒化してしまった。
マルクスの父親は、代々のユダヤ教のラビであった。
それらが、鏡に映す如く似ているのは同根だからであろう。
一神教は、外部世界に階層を作る。そして、アジア・アフリカ諸国を神の名に於いて侵略・植民地化し宣教師は、その先兵となった。 秀吉の時代には、女衒として稼いだ。なので、秀吉は買い戻しを命じたほどであった。
世界を動かすルールは、白人キリスト教世界が築き上げた。それは、今に続く。
教祖もいない。教義もない。戒律もない。ただ、禊ぎ祓へを行う。
神道に書籍なく天地を以って書籍となし、日月を以って証明とす。
浄明正直、自然崇拝、世間崇拝(世間様)。
時・空の「間」、時空を超える「場」、通じる「気配」により整える。
つまり、階層を持たない日本古来からの古層にある世界である。
日本的リベラルの言う西欧由来の自由・人権・平等とは異世界である。
一神教の大本ユダヤ教は、砂漠で生まれた。砂漠の民は政争の敗者であり、勝者を呪い復讐を誓った。
そして、生き残るため他民族を駆逐し追い払う大義を必要とした。一神教とは復讐する宗教である。
キリスト教は、ヨーロッパ原住民をキリスト教徒化してしまった。
マルクスの父親は、代々のユダヤ教のラビであった。
それらが、鏡に映す如く似ているのは同根だからであろう。
一神教は、外部世界に階層を作る。そして、アジア・アフリカ諸国を神の名に於いて侵略・植民地化し宣教師は、その先兵となった。 秀吉の時代には、女衒として稼いだ。なので、秀吉は買い戻しを命じたほどであった。
世界を動かすルールは、白人キリスト教世界が築き上げた。それは、今に続く。
2018年1月22日に日本でレビュー済み
日本人の生活様式(広義)と神道の関係を具体的な事例で説明しているのは評価できる。
しかし著者の個人的な意見とは言え、気になる点を敢えて述べて本書の問題点を指摘したい。
①確かに「日本神道は欧米人の考えるような宗教ではない」と条件付けをしているが、宗教の定義如何によっては神道も宗教ではないのか?宗教の定義は宗教学者の数ほどあると言われる以上、欧米人の考える宗教だけが、宗教なのか?「日本人には宗教(心)がない」と外国人に強弁するステレオタイプの日本人インテリを再生産することに寄与するのではないかと危惧する。
②「キリスト教からの自由、で始まったイギリスのジョン・ロック」というのも、誤解を呼ぶ表現。ロックの思想の根底にはピューリタンの流れがあり、彼の「所有の権利」もキリスト教をベースにした論理付けであるからして、単なる反キリスト教てき啓蒙主義者では無いことは明らかである。
③「白村江の戦いは、その後、唐と新羅が争ったため、日本にはあまり影響がなかったと指摘する無気もある・・」の表現も誤解を呼ぶもの。白村江の戦いは、誰と誰が戦った(唐・新羅軍と百済・倭軍の戦い)のかという点が明確にされていないために、なぜ当時の日本にとって大事件であったのかがわからなくなっている。
④神社はShrineではなく、Jinnjyaとすべきといいながら、神輿の表現に、「英語ではポータブル・シュライン、と呼ばれます」と何の説明や条件設定もなく、Shrineをつかっていることに違和感を覚える。
いずれにしても学術書ではないとは言え、読者に誤解を与える表記(特に比較論に於いて)が散見されることは、本書の内容の信頼性を毀損することに繫がると危惧する次第。
しかし著者の個人的な意見とは言え、気になる点を敢えて述べて本書の問題点を指摘したい。
①確かに「日本神道は欧米人の考えるような宗教ではない」と条件付けをしているが、宗教の定義如何によっては神道も宗教ではないのか?宗教の定義は宗教学者の数ほどあると言われる以上、欧米人の考える宗教だけが、宗教なのか?「日本人には宗教(心)がない」と外国人に強弁するステレオタイプの日本人インテリを再生産することに寄与するのではないかと危惧する。
②「キリスト教からの自由、で始まったイギリスのジョン・ロック」というのも、誤解を呼ぶ表現。ロックの思想の根底にはピューリタンの流れがあり、彼の「所有の権利」もキリスト教をベースにした論理付けであるからして、単なる反キリスト教てき啓蒙主義者では無いことは明らかである。
③「白村江の戦いは、その後、唐と新羅が争ったため、日本にはあまり影響がなかったと指摘する無気もある・・」の表現も誤解を呼ぶもの。白村江の戦いは、誰と誰が戦った(唐・新羅軍と百済・倭軍の戦い)のかという点が明確にされていないために、なぜ当時の日本にとって大事件であったのかがわからなくなっている。
④神社はShrineではなく、Jinnjyaとすべきといいながら、神輿の表現に、「英語ではポータブル・シュライン、と呼ばれます」と何の説明や条件設定もなく、Shrineをつかっていることに違和感を覚える。
いずれにしても学術書ではないとは言え、読者に誤解を与える表記(特に比較論に於いて)が散見されることは、本書の内容の信頼性を毀損することに繫がると危惧する次第。
2019年3月6日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
タイトルに興味を持ち、
読ませていただきました。
日本に来る外国人に、神道を
説明してあげたいと思います。
読ませていただきました。
日本に来る外国人に、神道を
説明してあげたいと思います。
2021年10月10日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
神道の理解が外からみた学者的理解ですっきりしない。たとえば、神道は開祖、教義などがないから宗教ではないとしているが、明治維新の政策と政教分離の視点からあえて神道の宗教的な側面が排除され、伊藤博文により天皇と神道が結び付けられ欧米に対抗しようとした経緯がある。神道の宗教的側面は神道の各宗派に引き継がれている。考えるきっかけにはよい本かもしれないが、こころに深く入ってこず薄っぺらい内容だ。
2018年3月15日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
国事の相撲論など、具体事例を豊富に交えた本質論。様々な角度からわかりやすく神道が解説されていて素晴らしい内容でした。
2018年2月9日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
全体的に、話の持って行き方や結論の導き方、著者の意見などが怪しくて、腑に落ちない箇所が散見される。また、単純に日本語の文章自体にも、繋がりがおかしく、意味が取りづらい箇所が多い。良いことも書いてあるのだろうけど、総じて、"鵜呑みにできない書籍"の匂いが強すぎて、どこまで真に受けていいのか、信頼していいのかの境界が怪しいため、とても読みづらかった。正直なところ、満足の行く読後感ではなかったが、あとがきは割と普通に書いてあって、その中の "あらゆる物事とは、一つの価値観で決まるのではなく、多元的に多くの価値観が合わさったり離れたりして、最終的には「共存共栄」するように決まっていくのが正しい" という一文だけは気に入った。