癌の転移がわかったとき高校一年と小学五年の子供にどうしても伝えられなかった。本当に動けなくなるまで口にしてはいけないと思った。子供を苦しめる時間は短いほど良いと思った。しかし、転移の痛みから涙が溢れるまでになった時隠しきれないと思い現状を伝えるにいたった。
それで良かったのかいつもビクビクしてきたこの2年。この本に救われたような気がした。もし伝えていなければ私は逆に子供たちを傷つけていた、恐らく生涯にわたり。癌になったからこそ与えられるものが絶対あると確信させてくれるのがこの本であった。
次のchapterではこんなことが書いてありますが、辛くなりそうならまだ閉じていて構いませんと優しく寄り添ってくれるかのように話が進められており安心して読むことができた。
子供は実際確実に成長した。私が絶対的に守ってあげなければ壊れてしまうと思っていたのに、真実を話してからは逆に自分が守られていると実感する。著者はそんな親子に数々寄り添い、癌をただ辛い経験で終わらせないという信念のもと産み出された本なのだと感じた。読んでみてほしい、今読めなくても手にしておいて欲しい人の顔が次々に浮かんできた。
愛する子供の笑顔とともに。
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がんになった親が子どもにしてあげられること 単行本 – 2018/2/9
大沢 かおり
(著)
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購入オプションとあわせ買い
◆年間5万6143人、子を持つすべてのがん患者と関係者に捧げる希望の書
2015年、日本国内の子どもを持つがん患者の推計が初めて公開された。
国立がん研究センター中央病院のデータだけを見ても、
がん患者の内およそ4人に1人が当てはまる計算だ。
子どもに自分の「がん」のことを伝えるのか、伝えないのか。
伝えるとしたら、どう伝えればいいのか。
親が「がん」になった子どもを、周囲はどのようにサポートしていけばいいのか。
これがいま、大きな課題となっている。
本書では、「がんになった親」が「子ども」にできることは何かという観点から、
専門家がアドバイスする。2人に1人が「がん」に罹患する時代、必携の1冊。
◆本書の目次
Introduction どの選択も、間違いではありません
Chapter1 子どもに伝えたほうがいいの?
できるだけ早く伝えることのメリット 等
Chapter2 子どもへの伝え方 ――基本編
はじめに伝えたい3つのポイント 等
Chapter3 子どもへの伝え方 ――発達に応じて
赤ちゃんから3歳くらいまでのお子さん(0~3歳)/小学校入学前の幼いお子さん(4~5歳)/小学生くらいのお子さん(6~11歳)/思春期のお子さん(12~18歳) 等
Chapter4 周りにサポートを求める
子どものためになる相談先は? 等
Chapter5に進む前に
Chapter5 あなたが遺してあげられるもの
レガシーワーク(思い出づくり)等
Conclusion 「がん」になったからこそ
Information 「がん」と向き合うために必要な情報
◆プロフィール
医療ソーシャルワーカー、精神保健福祉士、社会福祉士。1990年、上智大学卒業。91年、東京共済病院勤務。2007年から院内がん相談支援センター専任ソーシャルワーカー。08年、がんになった親とその子どもをサポートする「Hope Tree」を設立。10年、親ががんになった子どものサポート活動「CLIMB(クライム)」を実施。ホームページ上での情報提供、研修会など、支援活動を続けている。過去に自らも乳がんを患い、最愛の夫を自殺というかたちで亡くしている。その経験が現在の仕事に活きている。http://www.hope-tree.jp
2015年、日本国内の子どもを持つがん患者の推計が初めて公開された。
国立がん研究センター中央病院のデータだけを見ても、
がん患者の内およそ4人に1人が当てはまる計算だ。
子どもに自分の「がん」のことを伝えるのか、伝えないのか。
伝えるとしたら、どう伝えればいいのか。
親が「がん」になった子どもを、周囲はどのようにサポートしていけばいいのか。
これがいま、大きな課題となっている。
本書では、「がんになった親」が「子ども」にできることは何かという観点から、
専門家がアドバイスする。2人に1人が「がん」に罹患する時代、必携の1冊。
◆本書の目次
Introduction どの選択も、間違いではありません
Chapter1 子どもに伝えたほうがいいの?
できるだけ早く伝えることのメリット 等
Chapter2 子どもへの伝え方 ――基本編
はじめに伝えたい3つのポイント 等
Chapter3 子どもへの伝え方 ――発達に応じて
赤ちゃんから3歳くらいまでのお子さん(0~3歳)/小学校入学前の幼いお子さん(4~5歳)/小学生くらいのお子さん(6~11歳)/思春期のお子さん(12~18歳) 等
Chapter4 周りにサポートを求める
子どものためになる相談先は? 等
Chapter5に進む前に
Chapter5 あなたが遺してあげられるもの
レガシーワーク(思い出づくり)等
Conclusion 「がん」になったからこそ
Information 「がん」と向き合うために必要な情報
◆プロフィール
医療ソーシャルワーカー、精神保健福祉士、社会福祉士。1990年、上智大学卒業。91年、東京共済病院勤務。2007年から院内がん相談支援センター専任ソーシャルワーカー。08年、がんになった親とその子どもをサポートする「Hope Tree」を設立。10年、親ががんになった子どものサポート活動「CLIMB(クライム)」を実施。ホームページ上での情報提供、研修会など、支援活動を続けている。過去に自らも乳がんを患い、最愛の夫を自殺というかたちで亡くしている。その経験が現在の仕事に活きている。http://www.hope-tree.jp
- 本の長さ205ページ
- 言語日本語
- 出版社ポプラ社
- 発売日2018/2/9
- ISBN-104591157989
- ISBN-13978-4591157985
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登録情報
- 出版社 : ポプラ社 (2018/2/9)
- 発売日 : 2018/2/9
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 205ページ
- ISBN-10 : 4591157989
- ISBN-13 : 978-4591157985
- Amazon 売れ筋ランキング: - 264,032位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
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4 星
医学云々じゃなくて、あなたに読んで欲しい
対象たる子供の年齢別に分けて話されています。感染るの?死んじゃうの?など子供の疑問ににも大沢さんの明確な答えがあります。医学的な裏付けや各論のなさで-2文章の分かり安さ+1
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2018年2月23日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2019年3月4日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
対象たる子供の年齢別に分けて話されています。
感染るの?死んじゃうの?
など子供の疑問ににも大沢さんの明確な答えがあります。
医学的な裏付けや各論のなさで-2
文章の分かり安さ+1
感染るの?死んじゃうの?
など子供の疑問ににも大沢さんの明確な答えがあります。
医学的な裏付けや各論のなさで-2
文章の分かり安さ+1

対象たる子供の年齢別に分けて話されています。
感染るの?死んじゃうの?
など子供の疑問ににも大沢さんの明確な答えがあります。
医学的な裏付けや各論のなさで-2
文章の分かり安さ+1
感染るの?死んじゃうの?
など子供の疑問ににも大沢さんの明確な答えがあります。
医学的な裏付けや各論のなさで-2
文章の分かり安さ+1
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2018年7月31日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
優しい的確なプロのアドバイス。子を持つ親と、子供が関わる団体や学校関係者は、今や必読書です。
2018年6月22日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
緩和ケア病棟勤務で がん患者様が子供にしてあげられる事を一緒に考えることがありました。なかなか良いアドバイスが出来なかったように思い 何か学び得たいと思い購入しました。この本は とても参考になりました。
2018年4月18日に日本でレビュー済み
20年ほど前は、患者さん本人には、がん告知をしないことが当たり前だった。
大阪府立成人病センター(今は改称しているが)というのは、がんセンターのようなものだったが、それじゃ告知していないがん患者を紹介できないという開業医からの訴えがあったので、がんセンターと名付けるわけにはいかなかったという過去がある。
昔はがん告知が、今の「余命告知」に相当していたと言って良いほど難しかった。
当方も、がん告知マニュアルを熟読して、がん告知したものだった。
しかし、今では手術や抗がん剤治療するのに、がんと隠して治療する事は、一般的に
かなり少なくなった。
本人の意思を尊重するという意味だが、治療法が発展して、本人の望む治療を受けてもらうためには必須だからだ。
今でも地方では、がん告知を本人にしないでくれという風潮が残っていることがある。日本では2人に1人はがんになるという現実があっても、人口が少なく、近所づきあいの多いところでは、人の噂になることを嫌うし、どう対応すれば良いのかわからないからだろう。
先に家族だけ、がんと知っている場合は、本人は気が弱いから伝えないでくれと言われることがある。
だが当方(腫瘍内科医)は、やはりがん告知してもらってもいいと考えを改めてもらうという説得が、ほぼ100%できる。
(面倒なことになるので、可能な限り本人と家族には同時にがんと説明するが)
家族が、がん告知をいやがる理由は、がんと告知された後に、どんな感じで本人のショックや落ち込みが発生するのかわからないし、どう対応して良いか、皆目見当がつかないからだ。
よって、とりあえず、本人に伝えることを嫌がる。
それに対して当方は、以下のように説明している。
・がんと伝えないことは、問題の先送りに過ぎない
・家族親族内での口裏合わせは非常に疲れるし、本人の疑心暗鬼が起こり、いずればれる。
・本人が本当のことを知るのが遅れると、残された時間も少なくなり、かえって恨まれる
・本人の望む治療選択ができない。
その上で、
・がんのショックは、医療者や周囲の支援があれば、一時的に落ち込んでも1か月ほどでかなり回復することがわかっている
・最もショックなことを先に知っておけば、この後覚悟を持って治療に臨める
・本人家族にとって厳しいことでも、先に受け止めることで、将来がん告知に関連するいやな心配やトラブルの芽を、先に摘み取れることのメリットは大きい。
・がんとわかった上で、今からできることに注力することで、最大限の展望が開ける。
と説明すると、ほとんどの家族はがん告知に同意してくれる。
というのが前置きで、本題はここから。
多様な役割を担っている子育て世代のがん患者さんの苦悩は大きい。
ことに、自分の子供に、がんのことをどう伝えるか、大変に悩ましいものだ。
そのことを主要テーマに置いた患者会もいくつかあるほどだ。
子供に親のがんを伝えるのが難しい理由はいろいろあるだろうが、大きな理由としては、まだ一般的なことになっていないからだろう。
つまり、患者本人へのがん告知でさえ、一般的になったのは、がん患者さんの増えた最近の話であるから、年齢層による受け止め方が相当違っている子供達への親のがんの伝え方については、とにかく参考例が周囲にない。
相談できる経験者は少ないし、最近急増した相談支援センターの職員のノウハウも蓄積されていない。主治医自身も当然守備範囲外だからなかなかアドバイスできないものだ。
要は、伝えるべきか、どう伝えるべきか、伝えた後どう過ごすべきか、そのノウハウが何もわかっていない段階で、不安と葛藤が募るのは当然だろう。
逆に言うと、その経験知識やノウハウだけでもわかると、かなり不安は解消されると言うことでもある。
もちろん、それを知った上で、自分の家族にどう落とし込むかは、本人の努力が必要なのは言うまでもない。
そういった中、経験豊富な相談員から、そのものズバリの指導書が出たのは大変喜ばしい。
しかもお子さんの年齢層別による対応の仕方など、とても実践的なアドバイスが詰め込まれている。
この本の素晴らしいことを敢えて3つあげると以下のようなことだ。
(1)がんとわかって子供に伝えるかどうか悩んでいる読者へ、押しつけないような配慮があること。
「ためらい戸惑う時間さえも、いま、あなたが心を落ち着かせるために必要なプロセスです。」
「まずは相談室を頼ってみること」→これは、「行動することが、物事を前進させる」という意味でもある。
「子供にがんと伝えることが今はできなくても、この本に目を通しておけば、いつか伝えるときに役に立つ」
この本では、「あなたが遺してあげられるもの」という章では、読む気分になれた人だけが、目にできるように、本の後のほうに目次を分けて記載されている。
がんになった親が、自分の終末期のことに関しては、考えるのが辛くなる事を想定しての配慮だろう。
(2) 子供の年齢層ごとの思考、行動パターン別の対応方法を詳説している。
これは、経験豊富なプロでないとなかなか書けない。
(3) 厳しい現実や問題に直面することを単に慰めるだけでなく、今からでもできる将来への糧としてとらえる考え方
「がんになった事は悪いことばかりではない。」という言葉でわかるが、とにかく気分はどん底でも、覚悟を決めれば、展望は開けるという姿勢には大変好感が持てる。
これは当方のブログのモットーでもあるからだ。
本の中には以下のような印象的な記載がある。
・親ががんのことを伝えないとどうなるかというと….
「子供が自分を責めることにつながる危険性」
「家族から自分が仲間はずれになってしまう可能性」
「不安の正体をはっきりさせないと問題の先送りになる→その問題が大きくなる可能性が高くなる」
「もし親以外から、がんの事を知らされると、子供はショックを受ける」
「隠しておくと、ネット検索して、子供が情報の洪水に覆われる。」
「ガンを親に持つ子供のアンケートでは、『もっと早くから伝えてほしかった』『親が元気なときから知っておきたかった』とされている」
・逆に、がんと伝えることは
「親ががんになることは子供にとってはマイナスの経験ばかりではない。」
「専門家からみても、人生の困難な出来事を乗り越える力を養い、精神的に成長するチャンスとなる。」
「ショックを受けても、子供は予想外に回復力がある。」
「家族がオープンにしてコミュニケーションを取ることで、がんによりうまく対応できるようになると言う多くの報告がある。」
「正直に打ち明けることは子供にとって成長のチャンスであり、患者さんにとっては、がんと向き合う面で大きな支援となる。」
「家族の一員として、早くケアの仲間に入れてあげることになる。」
「万一体調が悪化したときも、子供に隠しておく必要がなく、支援が得られる。」
「子供自身にもできることがあることを知ってもらうことの大事さ」
厳しい試練ではあるが、その試練から逃げないことが、将来への投資につながると言っても良いだろう。
実際、自分が、普通のがん患者さんに、がんとの向き合い方を説明するときは、同様な考え方でアドバイスをしている。
子育て世代のがん患者さん向けの、勇気をもらえる一冊ではあるが、家族との付き合いがある、普通のがん患者さんにとっても、これからどう人生を送っていくか多くのヒントが得られる良書となる。
子育て世代のがんの友人へのプレゼントとしても良いのではないだろうか?
大阪府立成人病センター(今は改称しているが)というのは、がんセンターのようなものだったが、それじゃ告知していないがん患者を紹介できないという開業医からの訴えがあったので、がんセンターと名付けるわけにはいかなかったという過去がある。
昔はがん告知が、今の「余命告知」に相当していたと言って良いほど難しかった。
当方も、がん告知マニュアルを熟読して、がん告知したものだった。
しかし、今では手術や抗がん剤治療するのに、がんと隠して治療する事は、一般的に
かなり少なくなった。
本人の意思を尊重するという意味だが、治療法が発展して、本人の望む治療を受けてもらうためには必須だからだ。
今でも地方では、がん告知を本人にしないでくれという風潮が残っていることがある。日本では2人に1人はがんになるという現実があっても、人口が少なく、近所づきあいの多いところでは、人の噂になることを嫌うし、どう対応すれば良いのかわからないからだろう。
先に家族だけ、がんと知っている場合は、本人は気が弱いから伝えないでくれと言われることがある。
だが当方(腫瘍内科医)は、やはりがん告知してもらってもいいと考えを改めてもらうという説得が、ほぼ100%できる。
(面倒なことになるので、可能な限り本人と家族には同時にがんと説明するが)
家族が、がん告知をいやがる理由は、がんと告知された後に、どんな感じで本人のショックや落ち込みが発生するのかわからないし、どう対応して良いか、皆目見当がつかないからだ。
よって、とりあえず、本人に伝えることを嫌がる。
それに対して当方は、以下のように説明している。
・がんと伝えないことは、問題の先送りに過ぎない
・家族親族内での口裏合わせは非常に疲れるし、本人の疑心暗鬼が起こり、いずればれる。
・本人が本当のことを知るのが遅れると、残された時間も少なくなり、かえって恨まれる
・本人の望む治療選択ができない。
その上で、
・がんのショックは、医療者や周囲の支援があれば、一時的に落ち込んでも1か月ほどでかなり回復することがわかっている
・最もショックなことを先に知っておけば、この後覚悟を持って治療に臨める
・本人家族にとって厳しいことでも、先に受け止めることで、将来がん告知に関連するいやな心配やトラブルの芽を、先に摘み取れることのメリットは大きい。
・がんとわかった上で、今からできることに注力することで、最大限の展望が開ける。
と説明すると、ほとんどの家族はがん告知に同意してくれる。
というのが前置きで、本題はここから。
多様な役割を担っている子育て世代のがん患者さんの苦悩は大きい。
ことに、自分の子供に、がんのことをどう伝えるか、大変に悩ましいものだ。
そのことを主要テーマに置いた患者会もいくつかあるほどだ。
子供に親のがんを伝えるのが難しい理由はいろいろあるだろうが、大きな理由としては、まだ一般的なことになっていないからだろう。
つまり、患者本人へのがん告知でさえ、一般的になったのは、がん患者さんの増えた最近の話であるから、年齢層による受け止め方が相当違っている子供達への親のがんの伝え方については、とにかく参考例が周囲にない。
相談できる経験者は少ないし、最近急増した相談支援センターの職員のノウハウも蓄積されていない。主治医自身も当然守備範囲外だからなかなかアドバイスできないものだ。
要は、伝えるべきか、どう伝えるべきか、伝えた後どう過ごすべきか、そのノウハウが何もわかっていない段階で、不安と葛藤が募るのは当然だろう。
逆に言うと、その経験知識やノウハウだけでもわかると、かなり不安は解消されると言うことでもある。
もちろん、それを知った上で、自分の家族にどう落とし込むかは、本人の努力が必要なのは言うまでもない。
そういった中、経験豊富な相談員から、そのものズバリの指導書が出たのは大変喜ばしい。
しかもお子さんの年齢層別による対応の仕方など、とても実践的なアドバイスが詰め込まれている。
この本の素晴らしいことを敢えて3つあげると以下のようなことだ。
(1)がんとわかって子供に伝えるかどうか悩んでいる読者へ、押しつけないような配慮があること。
「ためらい戸惑う時間さえも、いま、あなたが心を落ち着かせるために必要なプロセスです。」
「まずは相談室を頼ってみること」→これは、「行動することが、物事を前進させる」という意味でもある。
「子供にがんと伝えることが今はできなくても、この本に目を通しておけば、いつか伝えるときに役に立つ」
この本では、「あなたが遺してあげられるもの」という章では、読む気分になれた人だけが、目にできるように、本の後のほうに目次を分けて記載されている。
がんになった親が、自分の終末期のことに関しては、考えるのが辛くなる事を想定しての配慮だろう。
(2) 子供の年齢層ごとの思考、行動パターン別の対応方法を詳説している。
これは、経験豊富なプロでないとなかなか書けない。
(3) 厳しい現実や問題に直面することを単に慰めるだけでなく、今からでもできる将来への糧としてとらえる考え方
「がんになった事は悪いことばかりではない。」という言葉でわかるが、とにかく気分はどん底でも、覚悟を決めれば、展望は開けるという姿勢には大変好感が持てる。
これは当方のブログのモットーでもあるからだ。
本の中には以下のような印象的な記載がある。
・親ががんのことを伝えないとどうなるかというと….
「子供が自分を責めることにつながる危険性」
「家族から自分が仲間はずれになってしまう可能性」
「不安の正体をはっきりさせないと問題の先送りになる→その問題が大きくなる可能性が高くなる」
「もし親以外から、がんの事を知らされると、子供はショックを受ける」
「隠しておくと、ネット検索して、子供が情報の洪水に覆われる。」
「ガンを親に持つ子供のアンケートでは、『もっと早くから伝えてほしかった』『親が元気なときから知っておきたかった』とされている」
・逆に、がんと伝えることは
「親ががんになることは子供にとってはマイナスの経験ばかりではない。」
「専門家からみても、人生の困難な出来事を乗り越える力を養い、精神的に成長するチャンスとなる。」
「ショックを受けても、子供は予想外に回復力がある。」
「家族がオープンにしてコミュニケーションを取ることで、がんによりうまく対応できるようになると言う多くの報告がある。」
「正直に打ち明けることは子供にとって成長のチャンスであり、患者さんにとっては、がんと向き合う面で大きな支援となる。」
「家族の一員として、早くケアの仲間に入れてあげることになる。」
「万一体調が悪化したときも、子供に隠しておく必要がなく、支援が得られる。」
「子供自身にもできることがあることを知ってもらうことの大事さ」
厳しい試練ではあるが、その試練から逃げないことが、将来への投資につながると言っても良いだろう。
実際、自分が、普通のがん患者さんに、がんとの向き合い方を説明するときは、同様な考え方でアドバイスをしている。
子育て世代のがん患者さん向けの、勇気をもらえる一冊ではあるが、家族との付き合いがある、普通のがん患者さんにとっても、これからどう人生を送っていくか多くのヒントが得られる良書となる。
子育て世代のがんの友人へのプレゼントとしても良いのではないだろうか?
2018年6月25日に日本でレビュー済み
すごく優しい色とイラストの装丁がとても和む。中の文章は、Hope Treeの教えそのままなのだけど、とても読みやすくわかりやすく書かれていて。
活字を読むことから遠ざかっていたアラフォーのおばちゃんでも、やっとあらかたの常用漢字を理解した5年生の娘でも、そのことを経験した人なら、
「分かる分かる」「あるある!」「ウンウン」「そうかぁ」
と、胸にスッと落ちてくる感じがする。
告知されたばかりでまだ不安の渦中にいる人にもとても優しい。
もちろん終末期のことも、しっかり書かれていて、人生の最期のやるせなさを覚えることは認めつつ、それでいて、読み終えた後は希望の光が差し込む。
子供が、自分の病気のことを知りたがっている時。
医療ガイドラインのようながっつり医学書だと、子供に説明するにはあまりにも困難。
ネットで検索してしまうと、ついネガティブな方向に持ってかれることがある。それを我が子が検索しているかもしれないと思うと、かなりぞっとする。
だけどこの本なら、しっかりと、胸に落とし込みながら、希望の光の道筋に案内してくれる。
たまに行き詰まった時、読み返します。
サバイバーということを抜きにしても、親の立場として、たくさんの育児のヒントが、ここにあります。
活字を読むことから遠ざかっていたアラフォーのおばちゃんでも、やっとあらかたの常用漢字を理解した5年生の娘でも、そのことを経験した人なら、
「分かる分かる」「あるある!」「ウンウン」「そうかぁ」
と、胸にスッと落ちてくる感じがする。
告知されたばかりでまだ不安の渦中にいる人にもとても優しい。
もちろん終末期のことも、しっかり書かれていて、人生の最期のやるせなさを覚えることは認めつつ、それでいて、読み終えた後は希望の光が差し込む。
子供が、自分の病気のことを知りたがっている時。
医療ガイドラインのようながっつり医学書だと、子供に説明するにはあまりにも困難。
ネットで検索してしまうと、ついネガティブな方向に持ってかれることがある。それを我が子が検索しているかもしれないと思うと、かなりぞっとする。
だけどこの本なら、しっかりと、胸に落とし込みながら、希望の光の道筋に案内してくれる。
たまに行き詰まった時、読み返します。
サバイバーということを抜きにしても、親の立場として、たくさんの育児のヒントが、ここにあります。