
無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません。
ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
グローバル経済の誕生: 貿易が作り変えたこの世界 (単行本) 単行本 – 2013/8/22
全地球上を覆い尽くすグローバル経済の網の目は、ごく普通の人たちの営みと歴史的偶然が東アジアの交易網と結びつき、生み出されたものだった。その誕生の歴史をひもとく。
- 本の長さ435ページ
- 言語日本語
- 出版社筑摩書房
- 発売日2013/8/22
- ISBN-104480867236
- ISBN-13978-4480867230
この商品をチェックした人はこんな商品もチェックしています
ページ 1 以下のうち 1 最初から観るページ 1 以下のうち 1
商品の説明
出版社からのコメント
世界史の新たな潮流「グローバルヒストリー」の中心的人物、ケネス・ポメランツの初邦訳。翻訳は、経済学を、人間が人間らしく生きていくためのモラルサイエンスに戻そうと日々教壇で熱弁をふるう、福田邦夫明治大学教授と、吉田敦明治大学助教
著者について
ケネス・ポメランツ
シカゴ大学歴史学部教授。アメリカ歴史学会会長。専門は中国史。
スティーヴン・トピック
カルフォルニア大学歴史学部教授。専門はラテンアメリカ史。
シカゴ大学歴史学部教授。アメリカ歴史学会会長。専門は中国史。
スティーヴン・トピック
カルフォルニア大学歴史学部教授。専門はラテンアメリカ史。
登録情報
- 出版社 : 筑摩書房 (2013/8/22)
- 発売日 : 2013/8/22
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 435ページ
- ISBN-10 : 4480867236
- ISBN-13 : 978-4480867230
- Amazon 売れ筋ランキング: - 415,891位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 242位経済史 (本)
- カスタマーレビュー:
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2019年7月27日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
まず、翻訳書と思えない位日本語が読みやすかったです。内容も貿易の作り上げてきた様々な歴史が忠実にまとめられていて、世界の歴史は貿易が培ってきたと言っても過言ではないと実感しました。貿易業のはしくれとして、国と国をよりよく繋げる役目に発展できたらと考えています。
2020年4月20日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
この本の内容の全体感は、
①著者達が捉える貿易の負の側面のエピソードを、たくさんの小見出しを使ってダイジェスト的にまとめてくれている。
②グローバル経済とは何か、どのようにして形成されたのかについて幾つかの主要な考え方の統合を試みている。
③ヨーロッパ中心主義に基づく教義に根拠はない、世界経済は長年にわたって存在してきたのであり、非ヨーロッパ人こそが形成上重要な役割を果たしたと主張。
④ジャレド・ダイアモンドも『銃・病原菌・鉄』において既に近い主張をしたことだが、゛ヨーロッパ人が大いに有利な立場にいるが、暴力を行使する事によって、或いは運によって歴史に登場してきたのであり、最初からヨーロッパ人が旺盛な企業家精神をもち、社会的適応性も持っていたという考え方には、疑問”を呈す(18世紀から優れた生産テクノロジーを持つようになった)。
といったものだ。
①のような、小見出しを多用しているまとめ方は、ビジネス本を読みなれている人には読みやすいと思う。また、エピソードが盛りだくさんなので、歴史にあまり詳しくない人なら、今まで知らなかったことをたくさん知ることができると思う。
著者は、ヨーロッパ中心主義と呼ばれている歴史解釈に修正を求め対抗している代表的学者の一人。個人的には、こういった主張を前面に出している人の書籍は理論展開がダイレクトで、いささか気ぜわしさを感じ、不快になることがあるが、この辺は人それぞれ感じ方は違ってくると思います。
この本全体に対する個人的感想を書くと、歴史書としての考え抜かれた重み、鋭さのようなものがあまり感じられなかった(★3つにしようとも思ったが、上記①を評価し★4つ)。例えば、④の場合、ジャレド・ダイアモンドの著書内容には゛確かに”と素直に反応できるが、この本に同等の力はないように思われる。
近年、世界はポピュリズムと自国第一主義・強権主義に満ち溢れてきているのと、第一次世界大戦を境とした世界覇権の移動から久しぶりに次の覇権移動が起きるやもしれない局面に差し掛かっていること、その他もろもろが合わさって、結構厄介な時代になってきたようだ。
冷戦時代のような、捉え方によっては実に安定感もあった時期が過ぎ、別にそれまでならさして意識していなくても自分の生活に大きな支障が出ずに済んだこともあった継続的な価値観が壊れ出してきている部分も多い。
よって、ヨーロッパ中心主義と称されるものを含めて、改めて世界の繋がり方を曲解なく理解できれば、過去の時代以上に役立つことが多いに違いない。そういったものが今後より多く世に出てくるを期待する。
ところで、ポメランツの単著である『大分岐』は、2000年の著作で2015年に翻訳本が出ている。
対して、この共著の邦訳出版は2013年ながら、原著ベースでは『大分岐』の6年後に書かれており、どちらかといえば似た様ような主題を追いかけている部分もある。時間の経過から、ポメランツのグローバル世界の捉え方が進化している部分があるので、こちらを読めば『大分岐』は特に読まなくてもいいように思う。
①著者達が捉える貿易の負の側面のエピソードを、たくさんの小見出しを使ってダイジェスト的にまとめてくれている。
②グローバル経済とは何か、どのようにして形成されたのかについて幾つかの主要な考え方の統合を試みている。
③ヨーロッパ中心主義に基づく教義に根拠はない、世界経済は長年にわたって存在してきたのであり、非ヨーロッパ人こそが形成上重要な役割を果たしたと主張。
④ジャレド・ダイアモンドも『銃・病原菌・鉄』において既に近い主張をしたことだが、゛ヨーロッパ人が大いに有利な立場にいるが、暴力を行使する事によって、或いは運によって歴史に登場してきたのであり、最初からヨーロッパ人が旺盛な企業家精神をもち、社会的適応性も持っていたという考え方には、疑問”を呈す(18世紀から優れた生産テクノロジーを持つようになった)。
といったものだ。
①のような、小見出しを多用しているまとめ方は、ビジネス本を読みなれている人には読みやすいと思う。また、エピソードが盛りだくさんなので、歴史にあまり詳しくない人なら、今まで知らなかったことをたくさん知ることができると思う。
著者は、ヨーロッパ中心主義と呼ばれている歴史解釈に修正を求め対抗している代表的学者の一人。個人的には、こういった主張を前面に出している人の書籍は理論展開がダイレクトで、いささか気ぜわしさを感じ、不快になることがあるが、この辺は人それぞれ感じ方は違ってくると思います。
この本全体に対する個人的感想を書くと、歴史書としての考え抜かれた重み、鋭さのようなものがあまり感じられなかった(★3つにしようとも思ったが、上記①を評価し★4つ)。例えば、④の場合、ジャレド・ダイアモンドの著書内容には゛確かに”と素直に反応できるが、この本に同等の力はないように思われる。
近年、世界はポピュリズムと自国第一主義・強権主義に満ち溢れてきているのと、第一次世界大戦を境とした世界覇権の移動から久しぶりに次の覇権移動が起きるやもしれない局面に差し掛かっていること、その他もろもろが合わさって、結構厄介な時代になってきたようだ。
冷戦時代のような、捉え方によっては実に安定感もあった時期が過ぎ、別にそれまでならさして意識していなくても自分の生活に大きな支障が出ずに済んだこともあった継続的な価値観が壊れ出してきている部分も多い。
よって、ヨーロッパ中心主義と称されるものを含めて、改めて世界の繋がり方を曲解なく理解できれば、過去の時代以上に役立つことが多いに違いない。そういったものが今後より多く世に出てくるを期待する。
ところで、ポメランツの単著である『大分岐』は、2000年の著作で2015年に翻訳本が出ている。
対して、この共著の邦訳出版は2013年ながら、原著ベースでは『大分岐』の6年後に書かれており、どちらかといえば似た様ような主題を追いかけている部分もある。時間の経過から、ポメランツのグローバル世界の捉え方が進化している部分があるので、こちらを読めば『大分岐』は特に読まなくてもいいように思う。
2013年11月29日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
まさに人生必読の書である。我々は、まるで洗脳を受けているかの様に毎日「グローバル」という言葉を耳にする。まるでそれが、この世で最も正しく美しいものであるかのように。
本書は、今日世界を斡旋している「グローバリゼーション」の始まりから、それがどのように形成され今に至っているのかを、それぞれ短いストーリーで紹介してくれている為、飽きがこなく非常に読みやすい。
小学校の時ヒーローとして学んだコロンブスとは何だったのか...コーヒーや砂糖、今日我々の周りに満ちあふれている格安の製品達の起原、エジソンがニューヨークの街を暗闇から明るい世界に変えた裏側で何が起っていたのか…様々なエピソードが、分かりやすく簡潔に述べられている。
何よりも、見事な翻訳により、翻訳本でないかのように気持ちよく読むことが可能である。
この本は、アメリカの歴史学会会長ポメランツ氏が書き起こされた名書であり、グローバル化が急進行する今日においてその起原・意義を理解できる必読の本である。
本書は、今日世界を斡旋している「グローバリゼーション」の始まりから、それがどのように形成され今に至っているのかを、それぞれ短いストーリーで紹介してくれている為、飽きがこなく非常に読みやすい。
小学校の時ヒーローとして学んだコロンブスとは何だったのか...コーヒーや砂糖、今日我々の周りに満ちあふれている格安の製品達の起原、エジソンがニューヨークの街を暗闇から明るい世界に変えた裏側で何が起っていたのか…様々なエピソードが、分かりやすく簡潔に述べられている。
何よりも、見事な翻訳により、翻訳本でないかのように気持ちよく読むことが可能である。
この本は、アメリカの歴史学会会長ポメランツ氏が書き起こされた名書であり、グローバル化が急進行する今日においてその起原・意義を理解できる必読の本である。
2014年4月22日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
日頃、当たり前の様に食べたり飲んだりしているコーヒー、チョコ、砂糖、茶、ジャガイモ等の歴史が分かって面白かった。
今日は「グローバル社会」と言われるが、別にグローバル社会は今始まったのではなく、今ほどだれでも簡単に海外に行けることは無いにせよ、500年前くらいから人々は活発に海を通じて、様々な物(含奴隷)を貿易したり、海賊行為を行っていたことも驚きだった。
さらには、歴史の教科書に出てくる東インド会社、アメリカ大陸を「発見」したとされるコロンブス、シンガポールに英雄の如く銅像があるラッフルズ等の素性も載っていて面白かった。
最近のニュースに接したり海外旅行する際に役立つ知識やウンチク話のネタを沢山仕入れることが出来た。
お薦めの1冊!
今日は「グローバル社会」と言われるが、別にグローバル社会は今始まったのではなく、今ほどだれでも簡単に海外に行けることは無いにせよ、500年前くらいから人々は活発に海を通じて、様々な物(含奴隷)を貿易したり、海賊行為を行っていたことも驚きだった。
さらには、歴史の教科書に出てくる東インド会社、アメリカ大陸を「発見」したとされるコロンブス、シンガポールに英雄の如く銅像があるラッフルズ等の素性も載っていて面白かった。
最近のニュースに接したり海外旅行する際に役立つ知識やウンチク話のネタを沢山仕入れることが出来た。
お薦めの1冊!
2013年11月21日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
タイトルはちょっととっつきにくい感じがするのですが、この本には、コーヒー、砂糖、綿花の歴史といった、身近な品物や生活に関するエピソードがたくさん書かれていて、30年前の中高生時代には歴史ぎらいだった僕でも非常に興味深く、また楽しく読み進められました。その一方で、資本主義あるいは貿易の進展のいかに大きな部分が、アフリカからの奴隷の酷使に支えられたものであったかということを、今さらながら知ることになりました。
僕は資本主義はプロテスタントの行動的禁欲から生まれたという物語を長らく信じていたのですが、この本は、そういう、美しい歴史観の転換を迫られる本でもありました。また、最近、グローバル化の進展ということが大きな声で語られますが、この本を読むと、資本主義は、もともと貿易を基礎としたグローバルなものであったし、大航海時代以来の貿易の伸展が、いかに激しく、暴力的なほどに世界を変えてきたかということがわかりました。
著者の一人であるポメランツ氏はアメリカの歴史学会の会長をされているような方であり、この本の内容は、最新の歴史学の成果を踏まえた正確なものなのだと思いますし、いろいろなことを考えさせられる本でありながらも、読みやすくて面白い本なので、幅広い人におすすめできる本だと思います。
僕は資本主義はプロテスタントの行動的禁欲から生まれたという物語を長らく信じていたのですが、この本は、そういう、美しい歴史観の転換を迫られる本でもありました。また、最近、グローバル化の進展ということが大きな声で語られますが、この本を読むと、資本主義は、もともと貿易を基礎としたグローバルなものであったし、大航海時代以来の貿易の伸展が、いかに激しく、暴力的なほどに世界を変えてきたかということがわかりました。
著者の一人であるポメランツ氏はアメリカの歴史学会の会長をされているような方であり、この本の内容は、最新の歴史学の成果を踏まえた正確なものなのだと思いますし、いろいろなことを考えさせられる本でありながらも、読みやすくて面白い本なので、幅広い人におすすめできる本だと思います。
2015年2月13日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
経済理論っていうのは、先進国に有利なようにできているのかもしれないね。こういう本を読むと、これはある種の暴露本だね。なんでってね。ようするに、経済発展ていうのが、「自由貿易」という美名の作用ではなくて、軍事力のよる「強奪」が主たる作用だっていうんだからね。まさにそうだよね。誤読といわれるかもしれないが、無論、力の相似国どうしなら、それは、自由貿易が双方の経済発展を促すみたいな論理はつうようするのかもしれんが、メキシコなどの資源に恵まれた中南米諸国の悲惨な現状をみるにつけ、ヨーロッパ人の残した禍根はあまりにもおおきいなあと思うわけで。海に囲まれた日本がなんと運のいいことか。
私たちの趣向品、嗜好品、とにかく、完璧なメイドインジャパンないてないし、もとをたどればいまだに、unfair tradeで多くはまわっているわけで。(そもそも、中国嫌いなら、百円ショップいくな!)
今では、キリスト教対イスラム教みたいになっていて、いまだにどんぱちしてる。これがいつまで続くのかと思うが、いずれ私たちが復讐されるのも近いかもしれない。
ああ、こわい。
私たちの趣向品、嗜好品、とにかく、完璧なメイドインジャパンないてないし、もとをたどればいまだに、unfair tradeで多くはまわっているわけで。(そもそも、中国嫌いなら、百円ショップいくな!)
今では、キリスト教対イスラム教みたいになっていて、いまだにどんぱちしてる。これがいつまで続くのかと思うが、いずれ私たちが復讐されるのも近いかもしれない。
ああ、こわい。
2013年12月4日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
貿易の歴史が非常に多くの奴隷の人たちによって成立していることが、この本でよく分かった。
産業革命が世界的にどのような意味を持つのか、貿易の実態はそもそもどうなっているのか、など
世界史の見えないところが、この本では明らかにされており、視野が広がった。
価値観や思想の一元化であるグローバリゼーションがますます進む現代において、
『グローバル経済の誕生』は、そのような現代を見つめなおすきっかけを与えてくれると感じた。
産業革命が世界的にどのような意味を持つのか、貿易の実態はそもそもどうなっているのか、など
世界史の見えないところが、この本では明らかにされており、視野が広がった。
価値観や思想の一元化であるグローバリゼーションがますます進む現代において、
『グローバル経済の誕生』は、そのような現代を見つめなおすきっかけを与えてくれると感じた。
2013年12月29日に日本でレビュー済み
交易と貿易という言葉を区別して使う場合がある。
交易=貿易として、特に区別なく使われる場合ももちろんあるが、その両者を区別して使う場合、前者が強調するのはモノ自体の価値を交換するということである。
一方後者が強調するのは、モノと貨幣との交換であり、そして貨幣との交換のためにモノが生産され、それが支配的になってきた現代の交換である。または、モノが商品化され、商品が交換されることを強調するときに「貿易」という言葉がより適切な意味を持つ。
そして本書「グローバル経済の誕生」において、世界史の中でいかに「貿易」が支配的となり、それがもたらした様々な変化が描かれている。
例えば、「第一章 市場の掟」では、ヨーロッパの人々が参入しようとした当時のアジア域内貿易ネットワーク内のルールが描かれ、その複雑さやその合理性などは当時のヨーロッパに比べ、優れていた点を描いている。
しかしその後、「第五章 暴力の経済学」で暴力的なヨーロッパの進出がもたらした影響が描かれる。それは新大陸の発見の後、国家公認の海賊行為や奴隷貿易等の暴力的な富の収奪をイギリスを初め、ヨーロッパ諸国が行ったことによる様々な影響である。
そしてその富の収奪は「本源的蓄積」をイギリスにもたらしたのである。
これが後の産業革命につながり、世界経済のありようを変えてしまった。
暴力による富の収奪が今日の資本主義を形作っているという現在に至る歴史の負の側面がそこにはある。
歴史の複雑で多様な側面を「貿易」で切り取った時、その暴力性が浮かび上がってしまった。
これは今日の「グローバル」な世界を考える上で、見過ごせない歴史的事実である。
交易=貿易として、特に区別なく使われる場合ももちろんあるが、その両者を区別して使う場合、前者が強調するのはモノ自体の価値を交換するということである。
一方後者が強調するのは、モノと貨幣との交換であり、そして貨幣との交換のためにモノが生産され、それが支配的になってきた現代の交換である。または、モノが商品化され、商品が交換されることを強調するときに「貿易」という言葉がより適切な意味を持つ。
そして本書「グローバル経済の誕生」において、世界史の中でいかに「貿易」が支配的となり、それがもたらした様々な変化が描かれている。
例えば、「第一章 市場の掟」では、ヨーロッパの人々が参入しようとした当時のアジア域内貿易ネットワーク内のルールが描かれ、その複雑さやその合理性などは当時のヨーロッパに比べ、優れていた点を描いている。
しかしその後、「第五章 暴力の経済学」で暴力的なヨーロッパの進出がもたらした影響が描かれる。それは新大陸の発見の後、国家公認の海賊行為や奴隷貿易等の暴力的な富の収奪をイギリスを初め、ヨーロッパ諸国が行ったことによる様々な影響である。
そしてその富の収奪は「本源的蓄積」をイギリスにもたらしたのである。
これが後の産業革命につながり、世界経済のありようを変えてしまった。
暴力による富の収奪が今日の資本主義を形作っているという現在に至る歴史の負の側面がそこにはある。
歴史の複雑で多様な側面を「貿易」で切り取った時、その暴力性が浮かび上がってしまった。
これは今日の「グローバル」な世界を考える上で、見過ごせない歴史的事実である。