ハプスブルク家、ブルボン家の華やかな物語や彼らを描いた絵画と比べて、本作のそれはビックリするくらい重くて暗くて怖い。
寒々しい空と大地、秘密主義と神秘主義、圧政と陰謀と暗殺をミキサーにかけてレンジでチンしたら出来上がるのがロマノフ家なんじゃなかろうか。
『皇女ソフィア』の相変わらずのインパクトを見るたびにそんな戯言を考えたりする。
中野さんの素晴らしく読みやすい文章は本作でも健在。
味も素っ気もない「歴史教科書」を読むより余程勉強になりますね。
蛇足ですが。
あとがきにある、「大津事件の処理の見事さ」と「日露戦争の勝利」は「明治日本の優秀さと強運を示している」、というのは別に主観とか思想とかではなく紛れもない事実です。
別に内容と関係ないことを書いたわけでもなし。
そんなことを書くなみたいなレビューに、ちょっと疑問を感じました。
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名画で読み解く ロマノフ家 12の物語 (光文社新書) 新書 – 2014/7/17
中野 京子
(著)
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幽閉、裏切り、謀略、そして暗殺。
帝政ロシア、ドロドロの300年。
中野京子の「名画で読み解く」
シリーズ最新刊!
名画がわかれば、歴史が見えてくる――
◎内容紹介◎
弟が姉を、夫が妻を幽閉し、
父が息子を、妻が夫を殺してきた歴史だ――
(本文より)
ロマノフ王朝の始祖ミハイルが即位した1613年から、二月革命により一家全員が処刑されたニコライ二世まで、304年の歴史を12枚の絵画とともに読み解いていく。
幽閉、裏切り、謀略、暗殺――愛と憎しみに翻弄された帝政ロシアの興亡を、わかりやすく解説する。
『名画で読み解く ハプスブルク家 12の物語』『名画で読み解く ブルボン王朝 12の物語』に続く「名画で読み解く」シリーズ、待望の第3弾。
◎あとがきより◎
絶対君主制はおそらく滅びるべくして滅んだ。
そんな中、どこよりもロマノフ王朝の終わり方が衝撃的なのは、連綿と続いてきた無気味な秘密主義に根ざしているからでしょう。
水面下で密やかに物事が処理されるため、人々はもはや公式発表も通達も信用しなくなる。
飽きもせず語られてきた、「実はまだ生きている」貴人伝説の源もここにあると思われます。
(中略)
ハプスブルクやブルボンとはずいぶん趣の異なるロマノフ王朝興亡史を、知られざるロシアの名画とともに楽しんでいただけたら幸いです。
◎目次◎
第1章 ワシーリー・スリコフ『フョードシヤ・モロゾワ』
第2章 シャルル・フォン・ステュイベン『ピョートル大帝の少年時代の逸話』
第3章 ニコライ・ゲー『ピョートルと息子』
第4章 カルル・ヴァン・ロー『エリザヴェータ女帝』
第5章 コンスタンチン・フラヴィツキー『皇女タラカーノヴァ』
第6章 ウィギリウス・エリクセン『エカテリーナ二世肖像』
第7章 ニコラ=トゥサン・シャルレ『ロシアからの撤退』
第8章 ジョージ・ドウ『アレクサンドル一世』
第9章 イリヤ・レーピン『ヴォルガの舟曳き』
第10章 山下りん『ハリストス 復活』
第11章 ボリス・クストーディエフ『皇帝ニコライ二世』
第12章 クロカーチェヴァ・エレーナ・ニカンドロヴナ『ラスプーチン』
◎著者プロフィール◎
中野京子(なかのきょうこ)
作家・ドイツ文学者。
北海道生まれ。
早稲田大学講師。
著書に、『名画で読み解く ハプスブルク家 12の物語』『名画で読み解く ブルボン王朝 12の物語』(ともに光文社新書)、『怖い絵』シリーズ(角川文庫)、『中野京子と読み解く 名画の謎』シリーズ(文藝春秋)、『名画と読む イエス・キリストの物語』(大和書房)など、訳書にツヴァイク『マリー・アントワネット上・下』(角川文庫)などがある。
月刊「文藝春秋」にて、「中野京子の名画が語る西洋史」を連載中。
著者ブログは「花つむひとの部屋」
帝政ロシア、ドロドロの300年。
中野京子の「名画で読み解く」
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弟が姉を、夫が妻を幽閉し、
父が息子を、妻が夫を殺してきた歴史だ――
(本文より)
ロマノフ王朝の始祖ミハイルが即位した1613年から、二月革命により一家全員が処刑されたニコライ二世まで、304年の歴史を12枚の絵画とともに読み解いていく。
幽閉、裏切り、謀略、暗殺――愛と憎しみに翻弄された帝政ロシアの興亡を、わかりやすく解説する。
『名画で読み解く ハプスブルク家 12の物語』『名画で読み解く ブルボン王朝 12の物語』に続く「名画で読み解く」シリーズ、待望の第3弾。
◎あとがきより◎
絶対君主制はおそらく滅びるべくして滅んだ。
そんな中、どこよりもロマノフ王朝の終わり方が衝撃的なのは、連綿と続いてきた無気味な秘密主義に根ざしているからでしょう。
水面下で密やかに物事が処理されるため、人々はもはや公式発表も通達も信用しなくなる。
飽きもせず語られてきた、「実はまだ生きている」貴人伝説の源もここにあると思われます。
(中略)
ハプスブルクやブルボンとはずいぶん趣の異なるロマノフ王朝興亡史を、知られざるロシアの名画とともに楽しんでいただけたら幸いです。
◎目次◎
第1章 ワシーリー・スリコフ『フョードシヤ・モロゾワ』
第2章 シャルル・フォン・ステュイベン『ピョートル大帝の少年時代の逸話』
第3章 ニコライ・ゲー『ピョートルと息子』
第4章 カルル・ヴァン・ロー『エリザヴェータ女帝』
第5章 コンスタンチン・フラヴィツキー『皇女タラカーノヴァ』
第6章 ウィギリウス・エリクセン『エカテリーナ二世肖像』
第7章 ニコラ=トゥサン・シャルレ『ロシアからの撤退』
第8章 ジョージ・ドウ『アレクサンドル一世』
第9章 イリヤ・レーピン『ヴォルガの舟曳き』
第10章 山下りん『ハリストス 復活』
第11章 ボリス・クストーディエフ『皇帝ニコライ二世』
第12章 クロカーチェヴァ・エレーナ・ニカンドロヴナ『ラスプーチン』
◎著者プロフィール◎
中野京子(なかのきょうこ)
作家・ドイツ文学者。
北海道生まれ。
早稲田大学講師。
著書に、『名画で読み解く ハプスブルク家 12の物語』『名画で読み解く ブルボン王朝 12の物語』(ともに光文社新書)、『怖い絵』シリーズ(角川文庫)、『中野京子と読み解く 名画の謎』シリーズ(文藝春秋)、『名画と読む イエス・キリストの物語』(大和書房)など、訳書にツヴァイク『マリー・アントワネット上・下』(角川文庫)などがある。
月刊「文藝春秋」にて、「中野京子の名画が語る西洋史」を連載中。
著者ブログは「花つむひとの部屋」
- 本の長さ229ページ
- 言語日本語
- 出版社光文社
- 発売日2014/7/17
- 寸法10.8 x 1.2 x 17.2 cm
- ISBN-104334038115
- ISBN-13978-4334038113
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登録情報
- 出版社 : 光文社 (2014/7/17)
- 発売日 : 2014/7/17
- 言語 : 日本語
- 新書 : 229ページ
- ISBN-10 : 4334038115
- ISBN-13 : 978-4334038113
- 寸法 : 10.8 x 1.2 x 17.2 cm
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- - 620位光文社新書
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著者について
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北海道生まれ。早稲田大学講師。専門はドイツ文学・西洋文化史(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『 名画で読み解く ブルボン王朝 12の物語 (ISBN-13: 978-4334035662 )』が刊行された当時に掲載されていたものです)
イメージ付きのレビュー

5 星
週刊誌のようでわかりやすい
週刊誌のような文章なのですが、却って解説される絵とのギャップが鮮明で事実が浮かび上がってくるような面白さがあります。文芸春秋の巻頭に連載されているものですからやむをえないかも知れません。レーピンの「ボルガの船曳き」の解説は踏みにじられる人びとと書いてありますが、そもそも当時からロバや馬は使われていたのですからそのような事を人間にさせるには理由があったはずですがそれは週刊誌の文章ですからすっとばしています。平易に見ると内陸部の商人らが自分の積み荷を載せた船を引っ張っているように見えます。また強制労働であったとしても内陸部での塩等の不足から盗みを働いた人びとへの罰であったと評価もできるはずです。ラスプーチンの項はより扇情的な文章になっていますから、写真週刊誌であると思えば良いのではないでしょうか。ラスプーチンその人は史実だけを追うと、日本でよくある僧の上人や修験道のような人であったようです。持統天皇の寵愛を得た道鏡もそのような評価を受けていますね。ラスプーチンはニコライ二世が京都を訪れた際に仏教僧が政治に於いて大きな役割を得ている事を知った事から大衆の無意識な意見の代表者としての人物として政策に大衆の意思を反映させようとした結果として評価すべきであるのでしょうが、あまり日本の文系エリートは関心が無いようです。ラスプーチンがアレクサンドラの代理人として民衆と「農園」で会っていたと考えるのが合理性があるようです。政権末期には民衆から選抜された大臣が登場します。中野京子氏が描く「怪僧」が政敵から無防備に残虐に殺される描写は、肉体的に常軌を逸した奇人として描いているのですが、皇帝の支持基盤が大衆であった事。大衆は皇帝に軍務を通じて忠誠を示していた事。貴族と皇帝は人権で何世代に渡って対立していた事。アレクサンドラはイギリスのヴィクトリア女王の孫として宮廷から浮いていた事。(バルチック艦隊はイギリスの漁船を意図的に砲撃している)このような事実から、ラスプーチンの最後はキリストの受難のような政敵にあえて殺される事が目的であったように考えられます。終章は戦争非難ですが、国内の内紛でヨーロッパ各国が国民の統合の為、内政としての外交の帰結としての対外紛争が、科学の発展の為に未曽有の被害をもたらして収拾がつかなくなる事態を著者は「王権神授を信じ~平伏されるのに慣れ切ったニコライが~」と描写していますが、これは週刊誌特有のセンテンスですから事実は誰も国家に対して責任感を感じていない絶望であったように思われます。日露戦争の評価は乾坤一擲外敵を打ち負かしたとこれもまた文春の読者が喜びそうな書き方ですが、バルチック艦隊の回航というのは、サンクトペテルブルグのピョートルの夏の宮殿のバルコニーから見た時に、内政の延長としての紛争であったというのがつくづく判ると思います。読み物としてはとても面白いのですが、残っている絵と解説の文章のギャップがかなり面白いですね。
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2021年8月5日に日本でレビュー済み
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ロマノフ王朝が何故滅んだのか知りたかったから。
2022年11月10日に日本でレビュー済み
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これぐらい知識があったほうがいいね。
2022年10月27日に日本でレビュー済み
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近くて遠い国ロシア。学校の歴史ではほぼ教わることのない国ですが、要所要所で日本にとって大きな存在となります。どうして、この国が成り立っていったのか、難しい歴史背景ではなく流れとしてとらえるのならとても読みやすく理解しやすかったです。たくさんの登場人物も把握しやすく絵画による手助けが役に立ちました。
2019年10月1日に日本でレビュー済み
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ロマノフ王朝の話はあまりないので、系統だっていて読みやすかったのです。ただちょっと批判が過ぎると感じるところがありました。
2022年6月30日に日本でレビュー済み
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今のロシアとウクライナの攻防を理解するのに、ロマノフ王朝の滅亡が
ロシア人の在り方、考え方を教えてくれた。
ロシア人の在り方、考え方を教えてくれた。
2018年8月10日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
分かりやすく面白い。世界史が大の苦手な私ですがロシアに行くにあたり、どうしても歴史的に理解を深めておきたいと手に取りました。分かを理解するためには歴史も、歴史を理解するためには文化もと切り離せない二つを分かりやすくドラマティックに語っていてどんどん読めました。物語のように興味深いのとそれそれのエピソードに関連性があるので、知識として残っているのも嬉しいです。美術館巡りの際も役立ちました。おすすめです。中野さんの著書、次は何を読もうか考え中です。
2023年9月29日に日本でレビュー済み
中野京子の「名画で読み解くロマノフ家12の物語」は、これまでのハプスブルク家、ブルボン家よりもおもしろい。まずなにしろロシアという国が未だもって、あまり変わり映えのしない国だということがよく分かるのである。
ロシアについて知っていることと言えば、イワン雷帝、ピョートル大帝、エカテリーナ大帝、ソ連時代のレーニン、スターリン、音楽のTchaikovsky、Mussorgsky、Prokofiev、Shostakovichら、それから今を時めくプーチンくらいなものである。もう少し世界史を勉強しておけばよかったのだが、高校時代の日本史の先生の授業がおもしろかったために世界史まで手が回らなかったことにしておく。
さてまずイワン雷帝だが、息子を殺したという話は知っていたのだが、50歳の父が後継者である優秀な27歳の息子を杖で撲殺したとは知らなかった。そしてこのイワン雷帝が、ロマノフ家の人ではないことも知らなかった。ロマノフ家とは血縁があるようだが、イワン雷帝はリューリク朝と呼ばれるロマノフ家以前に存在した王朝に属するようなのだ。
さてロマノフ朝が始まるのは、ミハイル・ロマノフからである。ミハイル・ロマノフは、ピョートル大帝の祖父にあたり、在位は1613年から45年なので、30年以上帝位に就いていたことになる。ご存じのように、ちょうど江戸時代が始まった頃にあたる。ミハイルの前には、王家と血縁がないにもかかわらず、王位にあったボリス・ゴドゥノフがいたことも初めて知ったのである。言うまでもなくボリスは、Modest Mussorgskyのオペラの主人公であることは知っていたのだが……。さてミハイルは17歳で帝位に就いたのだが、中野によればなかなか慎重で知に長けた若者であったようで、ロマノフ朝の礎を築いていく。
さてロシアの皇帝と言えば、ピョートル大帝なのだけれども、ソフィアという異母姉と壮絶な権力闘争を繰り広げたとは知らなかった。中野の本を読まなければ、何の苦労もなく版図を拡大した偉大な帝王とだと思い込んでいただけだろう。ピョートルが身長2メートルの大丈夫だと知ったのも、中野の本のおかげである。ヘンリー8世と言い、強烈な個性を持つ王は背が高いらしい。
それからエカテリーナ大帝がドイツの小貴族出身で14歳でロシアに赴いたにもかかわらず、20年後には夫を暗殺して帝位に就いたとは知らなかった。ピョートルとは大違いの小柄で大帝とはとても結びつかないエカテリーナなのだが、ロマノフ朝の数多くの皇帝の中でピョートルと並んで大帝と呼ばれるのは彼女だけである。また彼女がどのくらい美術に関心があったのどうか分からないが、たぶんスペインのフェリペ2世や4世ほどではなかったのだろうけれど、美術品を買い漁ってエルミタージュ美術館の基礎を築いたのは間違いなさそうだ。
こうして中野の本を読んでみると、また世界史のおもしろさに気づくのである。中野先生がいなければ、世界史の最もおもしろい場面を知ることなく過ごしたことだろうと思うと、やはり感謝するのである。
ロシアについて知っていることと言えば、イワン雷帝、ピョートル大帝、エカテリーナ大帝、ソ連時代のレーニン、スターリン、音楽のTchaikovsky、Mussorgsky、Prokofiev、Shostakovichら、それから今を時めくプーチンくらいなものである。もう少し世界史を勉強しておけばよかったのだが、高校時代の日本史の先生の授業がおもしろかったために世界史まで手が回らなかったことにしておく。
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こうして中野の本を読んでみると、また世界史のおもしろさに気づくのである。中野先生がいなければ、世界史の最もおもしろい場面を知ることなく過ごしたことだろうと思うと、やはり感謝するのである。