合う合わないあるかもしれませんが一度読んでみてください。
深いです。
細かい説明はいりません。
人生で一度は読んでおくべき図書です。
あくまでも個人的感想。
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罪と罰〈上〉 (新潮文庫) 文庫 – 1987/6/9
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『罪と罰 (上)(下)巻セット』 こちらをチェック
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一つの死と百の生命(いのち)の交代――
独自の犯罪哲学によって、高利貸の老婆を殺し財産を奪った貧しい学生ラスコーリニコフ。良心の呵責に苦しむ彼の魂の遍歴を辿る歴史的傑作。
鋭敏な頭脳をもつ貧しい大学生ラスコーリニコフは、一つの微細な罪悪は百の善行に償われるという理論のもとに、強欲非道な高利貸の老婆を殺害し、その財産を有効に転用しようと企てるが、偶然その場に来合せたその妹まで殺してしまう。この予期しなかった第二の殺人が、ラスコーリニコフの心に重くのしかかり、彼は罪の意識におびえるみじめな自分を発見しなければならなかった。
独自の犯罪哲学によって、高利貸の老婆を殺し財産を奪った貧しい学生ラスコーリニコフ。良心の呵責に苦しむ彼の魂の遍歴を辿る歴史的傑作。
鋭敏な頭脳をもつ貧しい大学生ラスコーリニコフは、一つの微細な罪悪は百の善行に償われるという理論のもとに、強欲非道な高利貸の老婆を殺害し、その財産を有効に転用しようと企てるが、偶然その場に来合せたその妹まで殺してしまう。この予期しなかった第二の殺人が、ラスコーリニコフの心に重くのしかかり、彼は罪の意識におびえるみじめな自分を発見しなければならなかった。
- ISBN-104102010211
- ISBN-13978-4102010211
- 版改
- 出版社新潮社
- 発売日1987/6/9
- 言語日本語
- 寸法14.8 x 10.5 x 2 cm
- 本の長さ585ページ
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出版社より

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白痴〔上〕 | 白痴〔下〕 | 貧しき人びと | 永遠の夫 | 賭博者 | 地下室の手記 | |
カスタマーレビュー |
5つ星のうち4.1
76
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5つ星のうち4.0
57
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5つ星のうち3.7
56
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5つ星のうち4.3
20
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5つ星のうち4.1
60
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5つ星のうち4.2
165
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価格 | ¥1,100¥1,100 | ¥1,100¥1,100 | ¥572¥572 | ¥605¥605 | ¥605¥605 | ¥649¥649 |
【新潮文】ドストエフスキー 作品 | 白痴と呼ばれる純真なムイシュキン公爵を襲う悲しい破局……作者の”無条件に美しい人間”を創造しようとした意図が結実した傑作。 | 世間から侮㚽の目で見られている小心で善良な小役人マカール・ジェーヴシキンと薄幸の乙女ワーレンカの不幸な恋を描いた処女作。 | 妻は次々と愛人を替えていくのに、その妻にしがみついているしか能のない”永遠の夫”トルソーツキイの深層心理を鮮やかに照射する。 | 賭博の魔力にとりつかれ身を滅ぼしていく青年を通して、ロシア人に特有の病的性格を浮彫りにする。著者の体験にもとづく異色作品。 | 極端な自意識過剰から地下に閉じこもった男の独白を通して、理性による社会改造を否定し、人間の非合理的な本性を主張する異色作。 |
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カラマーゾフの兄弟〔上〕 | カラマーゾフの兄弟〔中〕 | カラマーゾフの兄弟〔下〕 | 悪霊〔上〕 | 悪霊〔下〕 | 死の家の記録 | |
カスタマーレビュー |
5つ星のうち4.2
415
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5つ星のうち4.2
256
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5つ星のうち4.4
318
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5つ星のうち4.3
118
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5つ星のうち4.6
85
|
5つ星のうち4.1
81
|
価格 | ¥1,100¥1,100 | ¥1,045¥1,045 | ¥1,100¥1,100 | ¥979¥979 | ¥1,034¥1,034 | ¥990¥990 |
カラマーゾフの三人兄弟を中心に、十九世紀のロシア社会に生きる人間の愛憎うずまく地獄絵を描き、人間と神の問題を追究した大作。 | 無神論的革命思想を悪霊に見立て、それに憑かれた人々の破滅を実在の事件をもとに描く。文豪の、文学的思想的探究の頂点に立つ大作。 | 地獄さながらの獄内の生活、悽惨目を覆う笞刑、野獣のような状態に陥った犯罪者の心理──著者のシベリア流刑の体験と見聞の記録。 |
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虐げられた人びと | 罪と罰〔上〕 | 罪と罰〔下〕 | 未成年〔上〕 | 未成年〔下〕 | |
カスタマーレビュー |
5つ星のうち4.5
57
|
5つ星のうち4.2
363
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5つ星のうち4.4
296
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5つ星のうち4.2
42
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5つ星のうち4.1
34
|
価格 | ¥979¥979 | ¥935¥935 | ¥990¥990 | ¥1,045¥1,045 | ¥1,100¥1,100 |
青年貴族アリョーシャと清純な娘ナターシャの悲恋を中心に、農奴解放、ブルジョア社会へ移り変わる混乱の時代に生きた人々を描く。 | 独自の犯罪哲学によって、高利貸の老婆を殺し財産を奪った貧しい学生ラスコーリニコフ。良心の呵責に苦しむ彼の魂の遍歴を辿る名作。 | ロシア社会の混乱を背景に、「父と子」の葛藤、未成年の魂の遍歴を描きながら人間の救済を追求するドストエフスキー円熟期の名作。 |
登録情報
- 出版社 : 新潮社; 改版 (1987/6/9)
- 発売日 : 1987/6/9
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 585ページ
- ISBN-10 : 4102010211
- ISBN-13 : 978-4102010211
- 寸法 : 14.8 x 10.5 x 2 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 11,809位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 4位ロシア・ソビエト文学 (本)
- - 210位新潮文庫
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2023年11月14日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2023年7月2日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ドストエフスキーの作品の中でも、話の中に出てくる人間関係がやや複雑のように感じたが、ロシア人の人物の名前を覚えるのにやや苦労した。
2024年1月26日に日本でレビュー済み
ドストの最大の魅力は 都合よくストーリーが展開されることが
殆ど無い・・・という点ではないでしょうか
それは 物語の構想が 練りに練られているから・・・と言われています
具体的には 物語の奥に 民話や神話が 織り込まれていると言われ
つまり 何重奏もの音楽のように いくつもの物語が 同時に進行している・・・
とされていることです。
※江川卓氏の書物「謎解きカラマーゾフの兄弟」より
ドストエフスキーが 『世界唯一』 とされる所以です
このような 重奏構造をもつ ドストの小説だからこそ
ドストの小説は 人間としてのコアな部分に 入り込んでくるのではないかと
個人的には 思います
ドストの書物は 自己啓発書 宗教書 哲学書に劣らない読み物です
読んでいると 「自らの力で 自己を確立しようする自己」の芽生えていることに
気づくと思います
宇宙観や世界観を形成する上での 視点だけでなく
審美眼を培い 勤労 愛を尊ぶ心も 培養してくれるように思う
漱石もドストも 伝えている
思想の探求は ほどほどで構わない
大切なのは 思索よりも 生活そのものであって
そのための 愛や思いやりが いかに尊いものか
特に学生時代に読んでおくとよい書物と思う
殆ど無い・・・という点ではないでしょうか
それは 物語の構想が 練りに練られているから・・・と言われています
具体的には 物語の奥に 民話や神話が 織り込まれていると言われ
つまり 何重奏もの音楽のように いくつもの物語が 同時に進行している・・・
とされていることです。
※江川卓氏の書物「謎解きカラマーゾフの兄弟」より
ドストエフスキーが 『世界唯一』 とされる所以です
このような 重奏構造をもつ ドストの小説だからこそ
ドストの小説は 人間としてのコアな部分に 入り込んでくるのではないかと
個人的には 思います
ドストの書物は 自己啓発書 宗教書 哲学書に劣らない読み物です
読んでいると 「自らの力で 自己を確立しようする自己」の芽生えていることに
気づくと思います
宇宙観や世界観を形成する上での 視点だけでなく
審美眼を培い 勤労 愛を尊ぶ心も 培養してくれるように思う
漱石もドストも 伝えている
思想の探求は ほどほどで構わない
大切なのは 思索よりも 生活そのものであって
そのための 愛や思いやりが いかに尊いものか
特に学生時代に読んでおくとよい書物と思う
2021年1月2日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
本作は、
階級、権力と非権力のような、
強い人間原理 ( 人間至上主義的 ) がはたらく社会背景が色濃い作品の印象ではある。
終末は、母と許し、自尊心との対比で物語が進んでいく。
- フョードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(1821年11月11日〔ユリウス暦10月30日〕 - 1881年2月9日〔ユリウス暦1月28日〕)は、
ロシアの小説家・思想家である。)
利権に執着すればするほど、集産主義的なシステムに近づいていき、
視野狭窄的な主観解釈のループに入り、
ナショナリズムが台頭、少数派が支持し、
対立が起きる可能性を持ち合わせ、
多様性に対して非寛容なシステムとなっていくのかもしれない。
( トロッコ問題のような視野狭窄的な選択肢 )
人の心理は移り変わりやすいものという観点、
別の選択肢の余地と、自分はいずれ独り死に行くものという観点、
なぜ高利貸しが存在するのかという観点、
作中で釈尊が登場したらといった思考実験的な観点などで、
より色眼鏡を削ぎ落した主人公が見えてくるのかもしれない。
お金という紙切れとは何か?
といった問いに向き合いながら、
散逸構造的な歴史の構造を考察することができる。
階級、権力と非権力のような、
強い人間原理 ( 人間至上主義的 ) がはたらく社会背景が色濃い作品の印象ではある。
終末は、母と許し、自尊心との対比で物語が進んでいく。
- フョードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(1821年11月11日〔ユリウス暦10月30日〕 - 1881年2月9日〔ユリウス暦1月28日〕)は、
ロシアの小説家・思想家である。)
利権に執着すればするほど、集産主義的なシステムに近づいていき、
視野狭窄的な主観解釈のループに入り、
ナショナリズムが台頭、少数派が支持し、
対立が起きる可能性を持ち合わせ、
多様性に対して非寛容なシステムとなっていくのかもしれない。
( トロッコ問題のような視野狭窄的な選択肢 )
人の心理は移り変わりやすいものという観点、
別の選択肢の余地と、自分はいずれ独り死に行くものという観点、
なぜ高利貸しが存在するのかという観点、
作中で釈尊が登場したらといった思考実験的な観点などで、
より色眼鏡を削ぎ落した主人公が見えてくるのかもしれない。
お金という紙切れとは何か?
といった問いに向き合いながら、
散逸構造的な歴史の構造を考察することができる。
2024年1月4日に日本でレビュー済み
「千の善行を思えば、多少の悪は許される。」
古くからある優生思考にかぶれた青年は、洋の東西、時代背景を問わずウヨウヨしている。凡庸一過性の社会生活に覚醒を与えるために事件を起こし、本人は黙したまま内心で快哉を叫ぶ。
大学生ラスコリーニコフが、世に顰蹙を買う高利の金貸し老婆を殺害したことが問われるべきで、金品を強奪した窃盗行為は、言わば行きがけの駄賃にすぎない。
彼は奪い取った金品を、ほとぼりが冷めたころ掘り出しにくるつもりで『箱馬車製造書か鉄工所』の建物脇の石の『くぼみ』に隠したではないか、いやあれは「投棄」したのだ。
彼が学資や日々の生活費に窮していたことは事実だが、殺害の動機はあくまで 営利目的ではないと解釈できる部分もたしかにある。
二つのエピソードがある。
酒場でうらぶれた退職官吏マルメラードフに見込まれ、家庭と女房のグチに付き合い、酩酊するままアパートまで送り届け、癇癪持ちの女房とみすぼらしい三人の幼子のいる極貧な生活実態を目の当たりにして、ラスコーリニコフは質草で得た金をそっと置いていく。
街中、彼の前をふらふらしながら歩く娘がいる。衣服と髪は乱れて酒気もあり、しどけないありさまだ。傍らにそれを好色の目で眺める、紳士体で鼻メガネの似合いそうな、中年男の『下心』を見抜いて牽制するために、ラスコーリニコフは巡査に頼んで娘を安全圏に誘導してもらうよう金を渡す。
これらはラスコーリニコフの性分であり、金貸し老婆を殺害する前の「露払い」とは思えない。大学生としての生活は、母親からの長文の手紙によれば、自分の年給から少々と、妹ドゥーニャが大地主のスヴィドリガイロフのもとで下働きした俸給によるものだった。
スヴィドリガイロフという男はドゥーニャに色目を使い追いかけ回すのでドゥーニャは愛想をつかし辞めてしまったと手紙にあり、この手のあらぬ噂の火消しには時を要した。
そして、スヴィドリガイロフの妻ペトローヴナから、遠縁にあたる資産家で45歳になる七等文官ルージンという人物を紹介され、ドゥーニャとの結婚を前提に近づきになりたいという知らせであった。種も仕掛けもある善意にラスコーリニコフは眉をひそめた。
母と妹の生活実態はこのように一難去ってまた一難である。
ふだんから熱っぽい半病人のようなラスコーリニコフの日常を心配していた世話焼きな友人のラズミーヒンさえも、自分に探りを入れるように思え、老婆殺害の一件以来、より不安定な精神状態になったラスコーリニコフは、犯罪当事者にもたらされる身の周りへの意識過敏と疑心暗鬼に苛まれていた、「自分が疑われている」と。
それと同時に、今までになかった矜持が、妙なアイデンティティとなってラスコーリニコフの心に巣くい始めていた。「どいつも俺に疑いをかけている。だが俺は真っ向から反駁してやる。とくに…」その注意人物とは、ラズミーヒンの知己で、ラスコーリニコフも少なからず見覚えのある、『ごみみたいな』ポルフィーリイ予審判事であった。
ある夜、通りで馬車の事故に出くわした。そこには血だらけで横たわる、酔い潰れて虫の息の退職官吏マルメラードフの哀れな姿があった。居合わせたラスコーリニコフだけが身元を知っていたので、数人の男たちと一緒にマルメラードフの住まい、ぼろアパートに担ぎ込んだ。いつかの晩、酔潰れて担ぎ込んだ初対面のマルメラードフを送り届けた時、女房は思う存分亭主を罵り、顔をひっぱたいたり、掻きむしったりなすがまま、「これでいいんだ」とラスコーリニコフにニヤけたようにだらしなく目配せし、自分の存在を確かめられて、自虐的でうれしそうなマルメラードフを思い出した。
しかし今度ばかりは女房の顔色はちがっていた。粗末な衣装で呆然と立ち尽くす子どもたちを隅っこに追いやって、破れ汚れたソファの上にマルメラードフを寝かせた。
型通り医者が呼ばれ、先を見越して司祭までが顔を出した。駆けつけてきた長女ソーニャの衣装は鮮やかで周囲の目を引いた。この家の生計を一手に引き受けてる『さげすまれ、ふみにじられ、おめかしして、そんな自分を恥じながら、死の床の父と永別の番がくるのをつつましく待っている娘』であった。マルメラードフは許しを乞い絶命した。
ラスコーリニコフは、女房のカテリーナ・イワーノヴナへ葬儀費用にと、母からの仕送りの金二十ルーブリを渡した。
ラスコーリニコフは『死刑を宣告された者が、不意にまったく思いがけなく特赦を申しわたされたときの感じ』に似た生命感にあふれていた。下の娘ポーレチカが彼のあとを追いかけてきて親しげに名を聞いた。ソーニャと母親に言われて来たのだ。
『幻影、仮想の恐怖、妄想よ、さらばだ!…生命がある。理性と光明の世界にたてこもるぞ…これからどうなるか!しのぎをけずってみようじゃないか!』
『』は本文より
古くからある優生思考にかぶれた青年は、洋の東西、時代背景を問わずウヨウヨしている。凡庸一過性の社会生活に覚醒を与えるために事件を起こし、本人は黙したまま内心で快哉を叫ぶ。
大学生ラスコリーニコフが、世に顰蹙を買う高利の金貸し老婆を殺害したことが問われるべきで、金品を強奪した窃盗行為は、言わば行きがけの駄賃にすぎない。
彼は奪い取った金品を、ほとぼりが冷めたころ掘り出しにくるつもりで『箱馬車製造書か鉄工所』の建物脇の石の『くぼみ』に隠したではないか、いやあれは「投棄」したのだ。
彼が学資や日々の生活費に窮していたことは事実だが、殺害の動機はあくまで 営利目的ではないと解釈できる部分もたしかにある。
二つのエピソードがある。
酒場でうらぶれた退職官吏マルメラードフに見込まれ、家庭と女房のグチに付き合い、酩酊するままアパートまで送り届け、癇癪持ちの女房とみすぼらしい三人の幼子のいる極貧な生活実態を目の当たりにして、ラスコーリニコフは質草で得た金をそっと置いていく。
街中、彼の前をふらふらしながら歩く娘がいる。衣服と髪は乱れて酒気もあり、しどけないありさまだ。傍らにそれを好色の目で眺める、紳士体で鼻メガネの似合いそうな、中年男の『下心』を見抜いて牽制するために、ラスコーリニコフは巡査に頼んで娘を安全圏に誘導してもらうよう金を渡す。
これらはラスコーリニコフの性分であり、金貸し老婆を殺害する前の「露払い」とは思えない。大学生としての生活は、母親からの長文の手紙によれば、自分の年給から少々と、妹ドゥーニャが大地主のスヴィドリガイロフのもとで下働きした俸給によるものだった。
スヴィドリガイロフという男はドゥーニャに色目を使い追いかけ回すのでドゥーニャは愛想をつかし辞めてしまったと手紙にあり、この手のあらぬ噂の火消しには時を要した。
そして、スヴィドリガイロフの妻ペトローヴナから、遠縁にあたる資産家で45歳になる七等文官ルージンという人物を紹介され、ドゥーニャとの結婚を前提に近づきになりたいという知らせであった。種も仕掛けもある善意にラスコーリニコフは眉をひそめた。
母と妹の生活実態はこのように一難去ってまた一難である。
ふだんから熱っぽい半病人のようなラスコーリニコフの日常を心配していた世話焼きな友人のラズミーヒンさえも、自分に探りを入れるように思え、老婆殺害の一件以来、より不安定な精神状態になったラスコーリニコフは、犯罪当事者にもたらされる身の周りへの意識過敏と疑心暗鬼に苛まれていた、「自分が疑われている」と。
それと同時に、今までになかった矜持が、妙なアイデンティティとなってラスコーリニコフの心に巣くい始めていた。「どいつも俺に疑いをかけている。だが俺は真っ向から反駁してやる。とくに…」その注意人物とは、ラズミーヒンの知己で、ラスコーリニコフも少なからず見覚えのある、『ごみみたいな』ポルフィーリイ予審判事であった。
ある夜、通りで馬車の事故に出くわした。そこには血だらけで横たわる、酔い潰れて虫の息の退職官吏マルメラードフの哀れな姿があった。居合わせたラスコーリニコフだけが身元を知っていたので、数人の男たちと一緒にマルメラードフの住まい、ぼろアパートに担ぎ込んだ。いつかの晩、酔潰れて担ぎ込んだ初対面のマルメラードフを送り届けた時、女房は思う存分亭主を罵り、顔をひっぱたいたり、掻きむしったりなすがまま、「これでいいんだ」とラスコーリニコフにニヤけたようにだらしなく目配せし、自分の存在を確かめられて、自虐的でうれしそうなマルメラードフを思い出した。
しかし今度ばかりは女房の顔色はちがっていた。粗末な衣装で呆然と立ち尽くす子どもたちを隅っこに追いやって、破れ汚れたソファの上にマルメラードフを寝かせた。
型通り医者が呼ばれ、先を見越して司祭までが顔を出した。駆けつけてきた長女ソーニャの衣装は鮮やかで周囲の目を引いた。この家の生計を一手に引き受けてる『さげすまれ、ふみにじられ、おめかしして、そんな自分を恥じながら、死の床の父と永別の番がくるのをつつましく待っている娘』であった。マルメラードフは許しを乞い絶命した。
ラスコーリニコフは、女房のカテリーナ・イワーノヴナへ葬儀費用にと、母からの仕送りの金二十ルーブリを渡した。
ラスコーリニコフは『死刑を宣告された者が、不意にまったく思いがけなく特赦を申しわたされたときの感じ』に似た生命感にあふれていた。下の娘ポーレチカが彼のあとを追いかけてきて親しげに名を聞いた。ソーニャと母親に言われて来たのだ。
『幻影、仮想の恐怖、妄想よ、さらばだ!…生命がある。理性と光明の世界にたてこもるぞ…これからどうなるか!しのぎをけずってみようじゃないか!』
『』は本文より
2024年1月21日に日本でレビュー済み
内容は色々と考えさせられるものですが、ごちゃごちゃ言わず読んでみてください、普通に面白いです。
カラマーゾフ同様、登場人物の名前を覚えるのに苦労しました。また、一度きりでは伏線回収を確認できなかったというか覚えられないので上下巻2回続けて読みました。1週目は1ヶ月半、2週目は2週間で読み終わりました。
明るいほのぼのとした話ではないですが、サスペンス要素、哲学的な要素、人間の醜さ、色々な要素が絡み合い、シンプルに面白いです。カラマーゾフの上巻前半と比べれば、全体的にはるかにサクサクと読み進められます。
この本には、代表的な悪人が3人登場します。
1人目はルージン。2人目はスヴィドリガイロフ。そして、3人目は主人公のラスコーリニコフです。3人ともそれぞれ、気持ち悪いところがありますが1番の悪人は、ラスコーリニコフです。他の方も書いてましたが、自分が殺した2人に対しての悔恨や謝罪の念がほとんど感じられません。最終的には、ソーニャの心の美しさに動かされるような形で落とし前をつけますが、犯した罪の割には刑が軽く、これには著者の意図が反映されてます。実際、インタビューで著者はラスコーリニコフと同じような理論のもと、殺人を犯していた可能性があるとほのめかしていたようです。
結論、読み物としては普通に面白いのですが、不快な登場人物や考え方が出てきます。まあ何が正しいのかは私にもわかりませんし、色々と考えさせられたことは確かです。読んで、よかったです。
カラマーゾフ同様、登場人物の名前を覚えるのに苦労しました。また、一度きりでは伏線回収を確認できなかったというか覚えられないので上下巻2回続けて読みました。1週目は1ヶ月半、2週目は2週間で読み終わりました。
明るいほのぼのとした話ではないですが、サスペンス要素、哲学的な要素、人間の醜さ、色々な要素が絡み合い、シンプルに面白いです。カラマーゾフの上巻前半と比べれば、全体的にはるかにサクサクと読み進められます。
この本には、代表的な悪人が3人登場します。
1人目はルージン。2人目はスヴィドリガイロフ。そして、3人目は主人公のラスコーリニコフです。3人ともそれぞれ、気持ち悪いところがありますが1番の悪人は、ラスコーリニコフです。他の方も書いてましたが、自分が殺した2人に対しての悔恨や謝罪の念がほとんど感じられません。最終的には、ソーニャの心の美しさに動かされるような形で落とし前をつけますが、犯した罪の割には刑が軽く、これには著者の意図が反映されてます。実際、インタビューで著者はラスコーリニコフと同じような理論のもと、殺人を犯していた可能性があるとほのめかしていたようです。
結論、読み物としては普通に面白いのですが、不快な登場人物や考え方が出てきます。まあ何が正しいのかは私にもわかりませんし、色々と考えさせられたことは確かです。読んで、よかったです。
2022年3月31日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
主人公であるラスコーリニコフが行動している場面や心理は
とても興味深く先が気になるのですが、
それ以外は本筋からの枝葉の部分が多すぎて結構疲れます。
退屈なところも多いので読み進めるのは大変ですが
不思議とところどころに挟まれる物語のおもしろさで読めてしまいます。
難しいなと思っても止まらずに読み進めることをおすすめします。
とても興味深く先が気になるのですが、
それ以外は本筋からの枝葉の部分が多すぎて結構疲れます。
退屈なところも多いので読み進めるのは大変ですが
不思議とところどころに挟まれる物語のおもしろさで読めてしまいます。
難しいなと思っても止まらずに読み進めることをおすすめします。