『放課後のキーノート』もそうですが、本作もティーンが安心して読める一冊でした。家族の物語です。
物語の陰の主人公ともいえる澄生は、実に山田詠美的な大人びたヒーロー。若くして非業の死を遂げる彼は、残された家族の頭上に否が応にも深く大きな陰を落とし続けるのでした。最も顕著に現れてしまうのが最愛の息子の死という現実を受け入れられずにアル中となる母でした。まごうことなき悲劇ですが、きょうだいのうちの誰かを偏愛する母親というのは、極端でなければ家族のごく一般的なテーマだなと共感できました。平等ではない。
ゆるやかに奏でられる音楽のような物語だと読み進めていたのですが、最後の1ページで私は大きな衝撃を受けました。すべからく「死」とはつづきを失くすこと。生きることに長けた美しき生き物、澄生ゆえ「死」の悲しみや無念さが強く喚起され、読了後、ながくながく尾を引く物語となりました。心にじわじわくる傑作です。
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明日死ぬかもしれない自分、そしてあなたたち (幻冬舎文庫) Kindle版
ひとつの家族となるべく、東京郊外の一軒家に移り住んだ二組の親子。それは幸せな人生作りの、完璧な再出発かと思われた。しかし、落雷とともに訪れた長男の死をきっかけに、母がアルコール依存症となり、一家の姿は激変する。「人生よ、私を楽しませてくれてありがとう」。絶望から再生した温かい家族たちが語りだす、喪失から始まる愛惜の物語。
- 言語日本語
- 出版社幻冬舎
- 発売日2015/8/5
- ファイルサイズ2657 KB
- 販売: Amazon Services International LLC
- Kindle 電子書籍リーダーFire タブレットKindle 無料読書アプリ
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商品の説明
著者について
1959年東京生まれ。数々の賞を受賞し、四半世紀以上もの間、話題作を発表し続ける、現代を代表する女流作家。
登録情報
- ASIN : B014GTN9ZS
- 出版社 : 幻冬舎 (2015/8/5)
- 発売日 : 2015/8/5
- 言語 : 日本語
- ファイルサイズ : 2657 KB
- Text-to-Speech(テキスト読み上げ機能) : 有効
- X-Ray : 有効
- Word Wise : 有効にされていません
- 付箋メモ : Kindle Scribeで
- 本の長さ : 208ページ
- Amazon 売れ筋ランキング: - 128,128位Kindleストア (Kindleストアの売れ筋ランキングを見る)
- - 933位幻冬舎文庫
- - 2,925位日本文学研究
- - 3,178位評論・文学研究 (Kindleストア)
- カスタマーレビュー:
著者について
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1959(昭和34)年、東京生れ。明治大学文学部中退。’85年『ベッドタイムアイズ』で文藝賞受賞。同作品は芥川賞候補にもなり、衝撃的なデビューを 飾る。’87年には『ソウル・ミュージック・ラバーズ・オンリー』で直木賞受賞。さらに、’89(平成元)年『風葬の教室』で平林たい子文学賞、’91年 『トラッシュ』で女流文学賞、’96年『アニマル・ロジック』で泉鏡花文学賞、2000年『A2Z』で読売文学賞、’05年『風味絶佳』で谷崎潤一郎賞を 受賞する(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『 熱血ポンちゃん膝栗毛 (ISBN-13: 978-4101036243)』が刊行された当時に掲載されていたものです)
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2020年4月22日に日本でレビュー済み
レポート
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15人のお客様がこれが役に立ったと考えています
役に立った
2014年4月12日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
山田詠美さんの本を読むのは10年ぶりくらい。
新聞の書評を見て、「読まねば」と思って時間が経ち、アマゾンの中古で遅まきながら購入。
ミカママとその連れ子澄生、真澄の兄妹、マコパパとその連れ子創太は、ミカママとマコパパの再婚で一つの家族になり、その後末娘千恵が生まれ、みんなが微妙に気遣いをしつつ、仲の良い理想の家族であることが当たり前になっていた幸せな日々が、長男澄生の突然の落雷死により、崩壊する。
いや、澄生の死をもって、今までの「幸せな家族」というものの多くの部分が、澄生という存在によって保たれていたこを知って、残された家族たちは愕然とし、途方に暮れる。
残された者たちは、変わらぬ幸せな家族を何とか維持しようとするけど、もはや決して澄生がいたときと同じようには戻らず、ミカママは心を壊されてゆく。
澄生がいたときは、特に何もしないでもそこにいて笑っててくれるだけで、何もかもうまく回っていたけど、それを保つためには、どれほどの有形無形の努力と工夫が、残された「普通の人々」には必要なのか。
澄生の存在の大きさを誰よりも理解し、澄生亡き後、自分がその替りにはなれず、忍耐と暗中模索の日々を強いられる妹真澄。
壊れてゆくミカママに気づこうとせず、哀れにもなおも気を引こうと明るい子供を演じる創太。
「澄生の死」が、覚えている記憶・自分というものの原点になり、失ったマイナスの中であがく家族の姿を見つめ、その中で成長する千恵。
描かれている世界は、「サラリーマン、共働き、兄妹2人、郊外のマンション住まい」みたいなかつての平均的家族像からすれば非「日常」だとは思うけど、もはやそんなお話みたいな、いや、大きな問題も無い家族というもの自体最近の日本からは無くなっているのかも知れず、山田詠美さんのさすがの筆捌きのなせる技か、すんなり受け止められた。
いろんな意味で、「学年に一人くらいいるかいないか」、それか「10年仕事してて1~2人くらいしか会えないような」存在である澄生。
たぶん、仕事や勉強は誰よりもでき、努力もするけど、あまり苦労とか感じさせないし、泣き言は言わない。
人に優しく、困ってる人を助ける。
かといって真善美ではなく、ちょっとクールなところもある、上からも下からも信頼を集める存在。
澄生はそんな人です、たぶん。
みなさんの周りにもそんな人が一人くらいはいる、いたのではないでしょうか?
そして、そんなかけがえのない人を失ったことがある方も。
自分もそんな経験をしたことがありますが、その衝撃ははかりしれず、数年とか10年の単位で続くんですね。
だって、10年に1人くらいしか会えないような人ですから。
だから、そんな人を失って、ましてやそれが最愛の子ならば、ミカママが心を病んでしまったのも、よく理解できる気がしました。
創太が、家族の気を引こうとする「ワイワイ族」から恐る恐る足を踏み出して、幼い千恵と二人、ミカママの入院する病院を訪ね、会えないままの帰り道、落胆する妹を背負って、駅への道を急ぐシーン、創太は声もなく歯を食いしばって泣きながら歩いているんですけど、千恵は最初「雨が降ってる?」と思うんですけど、そのうち創太の涙を理解して、また千恵は千恵で心の中で泣きつつ、何かを少し理解する。
印象的なシーンです。
結局ミカママからふつうの母親としての愛情はもらえなかった創太が、大学卒業後に、学食のおばちゃんであり母親と同世代の真知子とひょんなことから付き合い始める。
それは、母親の愛情不在のまま、暗い影を落とす家庭環境の中で育った創太の身の上からすればうなづけることなのかも知れないけど、「どってことない」「ありがたい」を口癖とする真知子の描かれ方が自然で、二人がそうなったのはしごく当然のように思えてくる。
世の中、つらいことをしょって、それでもつらいことを「どってことない」って笑い流して、いいことがあると、「本当にありがたい」と生きている人がいる。
創太や、自分も含めた読者は、自分たちの至らなさに気づかされる。
千恵は、創太の大学の同級生、武郎と付き合うけど、武郎の微妙な態度の変化、心移りを感じ取り、「大事な人をこれ以上失いたくない」という思いに駆られる。
真澄は、上品な家庭に育ったお嬢様の世界から出て、ビジネスの世界に入り、父親の会社を助け、意図して兄妹たちや病気の母親、気弱な父親に対してリーダーシップをとるようになる。そんな彼女も、妻子ある彼氏を「失いたくない」と思い、長年の心の封印を解いて、行動を起こす。
二人とも、いや創太、マコパパも含めた残された家族は、みんな「これ以上大事な人を失いたくない」という思いで必死に生きているんですね。
かと言って、それは決してネガティブで消極的な「守り」の人生ではなくって、「それでも人を好きでいるのは、すごい素敵なこと」っていう山田詠美さんの哲学というか、「本を書く理由」みたいなものは、昔昔の「ソウルミュージックラバーズオンリー」とかの頃から変わっておらず、勇気づけられました。
最終章、「澄生を忘れる」「15年経つのに、まだそこにいる澄生を天国に送る」ためでなく、「澄生を、死んじゃったけど、いつも、これからもずっと一緒にいる家族として、改めて迎え入れる」ために、澄生の誕生日を開く。
その発想には、思わずにっこりしてしまいました。
そうです、忘れようとしても忘れられるはずなんかないんです、あまりにも大切な人ですから。
だったら、ちゃんと目に見える形で、行動に表して、そこにいてもらえばいい。
形が変わっただけなんです。心の中に、空気の中にいて、いつも守ってくれる存在に。
その誕生会、家族の再出発の会に、武郎や、真澄の彼氏もやってきて、それで新しい大きな家族が形造られてゆく。
そして、その場で、衰弱の極みに達したミカママは倒れるけど、でも、たぶんみんなの「これ以上失いたくない」という強い思いで、戻ってくる。
素敵です、よかったです。
最終章を読んでいたら、最近涙腺が緩いので、涙ぐんでしまいました(笑)。
読みなれた筆致でしたけど、やはりいいものはいいですね。
新聞の書評を見て、「読まねば」と思って時間が経ち、アマゾンの中古で遅まきながら購入。
ミカママとその連れ子澄生、真澄の兄妹、マコパパとその連れ子創太は、ミカママとマコパパの再婚で一つの家族になり、その後末娘千恵が生まれ、みんなが微妙に気遣いをしつつ、仲の良い理想の家族であることが当たり前になっていた幸せな日々が、長男澄生の突然の落雷死により、崩壊する。
いや、澄生の死をもって、今までの「幸せな家族」というものの多くの部分が、澄生という存在によって保たれていたこを知って、残された家族たちは愕然とし、途方に暮れる。
残された者たちは、変わらぬ幸せな家族を何とか維持しようとするけど、もはや決して澄生がいたときと同じようには戻らず、ミカママは心を壊されてゆく。
澄生がいたときは、特に何もしないでもそこにいて笑っててくれるだけで、何もかもうまく回っていたけど、それを保つためには、どれほどの有形無形の努力と工夫が、残された「普通の人々」には必要なのか。
澄生の存在の大きさを誰よりも理解し、澄生亡き後、自分がその替りにはなれず、忍耐と暗中模索の日々を強いられる妹真澄。
壊れてゆくミカママに気づこうとせず、哀れにもなおも気を引こうと明るい子供を演じる創太。
「澄生の死」が、覚えている記憶・自分というものの原点になり、失ったマイナスの中であがく家族の姿を見つめ、その中で成長する千恵。
描かれている世界は、「サラリーマン、共働き、兄妹2人、郊外のマンション住まい」みたいなかつての平均的家族像からすれば非「日常」だとは思うけど、もはやそんなお話みたいな、いや、大きな問題も無い家族というもの自体最近の日本からは無くなっているのかも知れず、山田詠美さんのさすがの筆捌きのなせる技か、すんなり受け止められた。
いろんな意味で、「学年に一人くらいいるかいないか」、それか「10年仕事してて1~2人くらいしか会えないような」存在である澄生。
たぶん、仕事や勉強は誰よりもでき、努力もするけど、あまり苦労とか感じさせないし、泣き言は言わない。
人に優しく、困ってる人を助ける。
かといって真善美ではなく、ちょっとクールなところもある、上からも下からも信頼を集める存在。
澄生はそんな人です、たぶん。
みなさんの周りにもそんな人が一人くらいはいる、いたのではないでしょうか?
そして、そんなかけがえのない人を失ったことがある方も。
自分もそんな経験をしたことがありますが、その衝撃ははかりしれず、数年とか10年の単位で続くんですね。
だって、10年に1人くらいしか会えないような人ですから。
だから、そんな人を失って、ましてやそれが最愛の子ならば、ミカママが心を病んでしまったのも、よく理解できる気がしました。
創太が、家族の気を引こうとする「ワイワイ族」から恐る恐る足を踏み出して、幼い千恵と二人、ミカママの入院する病院を訪ね、会えないままの帰り道、落胆する妹を背負って、駅への道を急ぐシーン、創太は声もなく歯を食いしばって泣きながら歩いているんですけど、千恵は最初「雨が降ってる?」と思うんですけど、そのうち創太の涙を理解して、また千恵は千恵で心の中で泣きつつ、何かを少し理解する。
印象的なシーンです。
結局ミカママからふつうの母親としての愛情はもらえなかった創太が、大学卒業後に、学食のおばちゃんであり母親と同世代の真知子とひょんなことから付き合い始める。
それは、母親の愛情不在のまま、暗い影を落とす家庭環境の中で育った創太の身の上からすればうなづけることなのかも知れないけど、「どってことない」「ありがたい」を口癖とする真知子の描かれ方が自然で、二人がそうなったのはしごく当然のように思えてくる。
世の中、つらいことをしょって、それでもつらいことを「どってことない」って笑い流して、いいことがあると、「本当にありがたい」と生きている人がいる。
創太や、自分も含めた読者は、自分たちの至らなさに気づかされる。
千恵は、創太の大学の同級生、武郎と付き合うけど、武郎の微妙な態度の変化、心移りを感じ取り、「大事な人をこれ以上失いたくない」という思いに駆られる。
真澄は、上品な家庭に育ったお嬢様の世界から出て、ビジネスの世界に入り、父親の会社を助け、意図して兄妹たちや病気の母親、気弱な父親に対してリーダーシップをとるようになる。そんな彼女も、妻子ある彼氏を「失いたくない」と思い、長年の心の封印を解いて、行動を起こす。
二人とも、いや創太、マコパパも含めた残された家族は、みんな「これ以上大事な人を失いたくない」という思いで必死に生きているんですね。
かと言って、それは決してネガティブで消極的な「守り」の人生ではなくって、「それでも人を好きでいるのは、すごい素敵なこと」っていう山田詠美さんの哲学というか、「本を書く理由」みたいなものは、昔昔の「ソウルミュージックラバーズオンリー」とかの頃から変わっておらず、勇気づけられました。
最終章、「澄生を忘れる」「15年経つのに、まだそこにいる澄生を天国に送る」ためでなく、「澄生を、死んじゃったけど、いつも、これからもずっと一緒にいる家族として、改めて迎え入れる」ために、澄生の誕生日を開く。
その発想には、思わずにっこりしてしまいました。
そうです、忘れようとしても忘れられるはずなんかないんです、あまりにも大切な人ですから。
だったら、ちゃんと目に見える形で、行動に表して、そこにいてもらえばいい。
形が変わっただけなんです。心の中に、空気の中にいて、いつも守ってくれる存在に。
その誕生会、家族の再出発の会に、武郎や、真澄の彼氏もやってきて、それで新しい大きな家族が形造られてゆく。
そして、その場で、衰弱の極みに達したミカママは倒れるけど、でも、たぶんみんなの「これ以上失いたくない」という強い思いで、戻ってくる。
素敵です、よかったです。
最終章を読んでいたら、最近涙腺が緩いので、涙ぐんでしまいました(笑)。
読みなれた筆致でしたけど、やはりいいものはいいですね。
2023年12月24日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
それぞれのキャラクターはしっかりしていて、ストーリーも面白い。
日常に訪れた一つの事件を皮切りに、これだけ非日常な物語を書けるのはすごいと思う。
しかし、暗い。
読み上げ機能を使って、読むのではなく聞いたのだが、読み飛ばすことができないため「登場人物は悲しんでいます」という事実を様々な視点から聞かされるので、暗さと冗長さに疲れてしまった。
普通に読めば、また違ったのかもしれないが、読む時間が取れないので聞くしか無い。
(この意味でライトノベルは動きがあるしストーリーがサクサク進むので、聞いていても楽。しかしこの物語のようなオリジナリティはない)
日常に訪れた一つの事件を皮切りに、これだけ非日常な物語を書けるのはすごいと思う。
しかし、暗い。
読み上げ機能を使って、読むのではなく聞いたのだが、読み飛ばすことができないため「登場人物は悲しんでいます」という事実を様々な視点から聞かされるので、暗さと冗長さに疲れてしまった。
普通に読めば、また違ったのかもしれないが、読む時間が取れないので聞くしか無い。
(この意味でライトノベルは動きがあるしストーリーがサクサク進むので、聞いていても楽。しかしこの物語のようなオリジナリティはない)
2016年4月7日に日本でレビュー済み
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全くの、あたし個人の印象ですが、詠美さんの中にある種、「革命」が起きたかのようです。
もちろん、今までの詠美さんの数々の文章も「丁寧にセンスよく、美しくまとめ上げられている」という感じの文章がとても好きな私でしたが・・・
読了後そんなに日にちが経っていない私ですので。 ただ単に「そういう第一印象だった」だけ、なのかも知れません。
まだ、うまく表現できません。 兎に角、「登場させた人物一人ひとりを愛(いと)おしみ、丁寧に、本当にていねいに物語を編み上げている」そう感じたのは、私にとり間違いのない事実です。
読んだあと、世界がまったく違って見え、感じてくる。
そんな得がたい衝撃をもたらしてもらいたいが為に、私は本を読んでいるのだと、この物語に出会ってあらためて、思い知りました。
これからまた、詠美さんはどんな物語を紡ぎ出してくれるのでしょうか?
楽しみでタノシミで仕方ありません(^ー^)/☆☆☆♪
もちろん、今までの詠美さんの数々の文章も「丁寧にセンスよく、美しくまとめ上げられている」という感じの文章がとても好きな私でしたが・・・
読了後そんなに日にちが経っていない私ですので。 ただ単に「そういう第一印象だった」だけ、なのかも知れません。
まだ、うまく表現できません。 兎に角、「登場させた人物一人ひとりを愛(いと)おしみ、丁寧に、本当にていねいに物語を編み上げている」そう感じたのは、私にとり間違いのない事実です。
読んだあと、世界がまったく違って見え、感じてくる。
そんな得がたい衝撃をもたらしてもらいたいが為に、私は本を読んでいるのだと、この物語に出会ってあらためて、思い知りました。
これからまた、詠美さんはどんな物語を紡ぎ出してくれるのでしょうか?
楽しみでタノシミで仕方ありません(^ー^)/☆☆☆♪
2013年12月21日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ひさしぶりに山田詠美がいい!
はじけてる
言葉が生き生きと飛び交ってる
あのぐいぐい感が戻ってきてる
ボンちゃんではなくて正攻法で
どの登場人物にも憑依して
息つく暇ないほどにこころに迫る
バツイチどおしの再婚
しかも多感なお年頃のコブ付きどおしと来てる
でも子供たちのねちねちしたいがみあいでもなく
悩みごととも異なり
それは、意外なアクシデントから
家族それぞれの心に闇が根付き、
少しずつ足並みは狂い始める
長男の死が招く母の喪失
あまりに深かった彼女の愛ゆえに
弟妹たちは虚脱感というか逃げ場を失った思いに苛まれる
誰も彼女の空白を埋められない
でも彼らは-父親も含めて
ひたすら優しい、哀しい
血のつながりはなくても
大切なものを守り育むことに
試行錯誤し、傷つき、時を重ねる
それぞれの成長とともに
いつしか本物以上の家族の繋がりができて
互いを冷静に思いやる心の余裕も生まれる
母を責めずに、自分の足でしっかり踏みしめ前を向く
ラストの爽快は涙を堪えられない
はじけてる
言葉が生き生きと飛び交ってる
あのぐいぐい感が戻ってきてる
ボンちゃんではなくて正攻法で
どの登場人物にも憑依して
息つく暇ないほどにこころに迫る
バツイチどおしの再婚
しかも多感なお年頃のコブ付きどおしと来てる
でも子供たちのねちねちしたいがみあいでもなく
悩みごととも異なり
それは、意外なアクシデントから
家族それぞれの心に闇が根付き、
少しずつ足並みは狂い始める
長男の死が招く母の喪失
あまりに深かった彼女の愛ゆえに
弟妹たちは虚脱感というか逃げ場を失った思いに苛まれる
誰も彼女の空白を埋められない
でも彼らは-父親も含めて
ひたすら優しい、哀しい
血のつながりはなくても
大切なものを守り育むことに
試行錯誤し、傷つき、時を重ねる
それぞれの成長とともに
いつしか本物以上の家族の繋がりができて
互いを冷静に思いやる心の余裕も生まれる
母を責めずに、自分の足でしっかり踏みしめ前を向く
ラストの爽快は涙を堪えられない
2015年9月22日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
10年ぶりくらいに山田さんの本を読みました。
独特の世界や表現も、変わっていなくてよかったです。
また他の本も読み返してみようと思いました。
独特の世界や表現も、変わっていなくてよかったです。
また他の本も読み返してみようと思いました。
2019年8月12日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
Amazonのセールで上位に来ていて、タイトルにも惹かれてなんとなく買ってみた本です。著者の作品を読むのは『ぼくは勉強ができない』以来でした。
ある2組の親子が、結婚をきっかけに東京郊外の一軒家に移り住んだところから物語は始まります。最初は絵に描いたような幸せな家庭の暮らしだったのが、長男の突然の死によって歯車が狂い、母はアルコール依存症になってしまい、、、というストーリーです。その後、家族はどのように暮らし、考え、互いに向き合ってきたのか。子供たちそれぞれの視点で物語が語られます。
子どもたちの語りが、それぞれ性格に合った表現に感じられ、惹き込まれました。長女として家族を支えなければと責任感の強いしっかり者の真澄、血がつながっていない母親の愛情を過剰なほどに求めてしまう甘えたがり(だった?)創太、唯一両親と血のつながりがある天真爛漫な千絵、と性格は全くバラバラです。それぞれの個性がよく描かれていると思います。そして、その語りの中で、思わずはっとする表現が何度も出てきます。たとえば、僕は千絵のこの表現が特に印象に残りました。「あたしは、これまで学んで来たことを確認する。満ち溢れた愛情は、人の幸せのために必ずしも正しく作用する訳ではないという、そのことを。我家は、満ち溢れた愛情の取り扱いに苦心する人々の集まりなのだ」。「愛情の取り扱いに苦心する」なんて、真理をついているというか、深さを感じます。
全般的に暗いトーンで物語は進みますが、最後はハッピーエンドで安心しました。著者の他の作品をもっと読んでみたいと思える小説となりました。
ある2組の親子が、結婚をきっかけに東京郊外の一軒家に移り住んだところから物語は始まります。最初は絵に描いたような幸せな家庭の暮らしだったのが、長男の突然の死によって歯車が狂い、母はアルコール依存症になってしまい、、、というストーリーです。その後、家族はどのように暮らし、考え、互いに向き合ってきたのか。子供たちそれぞれの視点で物語が語られます。
子どもたちの語りが、それぞれ性格に合った表現に感じられ、惹き込まれました。長女として家族を支えなければと責任感の強いしっかり者の真澄、血がつながっていない母親の愛情を過剰なほどに求めてしまう甘えたがり(だった?)創太、唯一両親と血のつながりがある天真爛漫な千絵、と性格は全くバラバラです。それぞれの個性がよく描かれていると思います。そして、その語りの中で、思わずはっとする表現が何度も出てきます。たとえば、僕は千絵のこの表現が特に印象に残りました。「あたしは、これまで学んで来たことを確認する。満ち溢れた愛情は、人の幸せのために必ずしも正しく作用する訳ではないという、そのことを。我家は、満ち溢れた愛情の取り扱いに苦心する人々の集まりなのだ」。「愛情の取り扱いに苦心する」なんて、真理をついているというか、深さを感じます。
全般的に暗いトーンで物語は進みますが、最後はハッピーエンドで安心しました。著者の他の作品をもっと読んでみたいと思える小説となりました。
2020年8月5日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
レビューが良かったから我慢して読んだが、最後まで平凡な話の流れでつまらなかった
ここまでレビューの期待が外れたのは久しぶり 落胆しても仕方ないからすぐ他の次の本を読んで退屈さを忘れたい
ここまでレビューの期待が外れたのは久しぶり 落胆しても仕方ないからすぐ他の次の本を読んで退屈さを忘れたい