『万葉集』を勉強しているものです。丁度、家持の歌を習っているところで、家持の人生の背景を知りたくなりました。
現場に赴き綴られた本書は、実態を反映されていると、感じました。
今まで、良く分からなかったことも知れて、家持の印象が大分変わりました。
今度はメモを取りながら復習してみます。親ガチャとか叫ばれる世の中ですが、
そんなものではないことを家持は教えてくれます。
どんな時代でも、どんな立場でも、皆一生懸命生きてきたのですね。歌を残してくださり大伴家持氏に感謝です。

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大伴家持 - 波乱にみちた万葉歌人の生涯 (中公新書 2441) 新書 – 2017/6/20
藤井 一二
(著)
天平文化を代表する歌人として知られる大伴家持は、政争渦巻く中を歩んだ官人でもあった。その波乱にみちた生涯を立体的に描き出す。
- 本の長さ240ページ
- 言語日本語
- 出版社中央公論新社
- 発売日2017/6/20
- 寸法11 x 1.1 x 17.3 cm
- ISBN-104121024419
- ISBN-13978-4121024411
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商品の説明
著者について
1941年生れ.富山県立山町出身.64年富山大学文理学部文学科卒業.金沢経済大学助教授,同教授,金沢星稜大学教授などを経て,現在,金沢星稜大学名誉教授,城西国際大学客員教授,松蔭大学特任教授,大連大学・黒河学院客員教授.専攻は,日本古代史,文化交流史,博士(文学). 著書に『初期荘園史の研究』(塙書房)、『和同開珎』(中公新書,1991年)、『東大寺開田図の研究』(塙書房,1997年)、『古代日本の四季ごよみ』(中公新書,1997年)、 『天平の渤海交流』(塙書房,2010年)などがある。
登録情報
- 出版社 : 中央公論新社 (2017/6/20)
- 発売日 : 2017/6/20
- 言語 : 日本語
- 新書 : 240ページ
- ISBN-10 : 4121024419
- ISBN-13 : 978-4121024411
- 寸法 : 11 x 1.1 x 17.3 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 106,245位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2023年9月13日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2022年2月20日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
継体天皇治世下の大伴金村から繋がる名門武門貴族としての大伴家持が、後発の藤原一族との政争に巻き込まれて、最後は本人没後に長屋王暗殺事件の主犯にされる。なくなつた785年より26年も前の759年には、万葉集全巻の編纂は完成したらしい。後の世へのインパクトの面からも業績に感服します。
2020年1月9日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
大伴家持の一生を彼の詠んだ和歌とともにたどっていくという趣旨の本でしたが、残念ながら私は作者の想定する読者ではなかったようです。
私としては、家持の生きた奈良時代の政治史を知りたかったのですが、和歌の紹介やそれを詠んだときに家持が置かれていた状況の説明に主眼が置かれているようでした。このため、「○○の変」のようなものがあっても、その背景や影響は簡単に述べられているだけです。影響については、家持を含めた貴族たちが昇進した、配流になったなどのトピックに多く割かれていますが、私の浅薄な知識と理解力では、大伴○○、藤原○○がやたらと出てきて誰が誰やら、さっぱりついていけませんでした。
恐らく、興味のあるひとにとっては労作で貴重な書籍となるでしょうが、奈良時代の政治史に興味がある人は、購入する前に実物を見たほうが良いかもしれません。
また、すでに奈良時代について豊富な知識を持っている方は、知識をさらに深めるために読んでも良いかもしれません。
私としては、家持の生きた奈良時代の政治史を知りたかったのですが、和歌の紹介やそれを詠んだときに家持が置かれていた状況の説明に主眼が置かれているようでした。このため、「○○の変」のようなものがあっても、その背景や影響は簡単に述べられているだけです。影響については、家持を含めた貴族たちが昇進した、配流になったなどのトピックに多く割かれていますが、私の浅薄な知識と理解力では、大伴○○、藤原○○がやたらと出てきて誰が誰やら、さっぱりついていけませんでした。
恐らく、興味のあるひとにとっては労作で貴重な書籍となるでしょうが、奈良時代の政治史に興味がある人は、購入する前に実物を見たほうが良いかもしれません。
また、すでに奈良時代について豊富な知識を持っている方は、知識をさらに深めるために読んでも良いかもしれません。
2017年11月14日に日本でレビュー済み
「大伴家持と万葉集」
という内容だと勘違いしていたが
本書は
「綿密な史料検証に基づいた大伴家持の伝記」である。
説明文やレビューを読まずに購入した
当方の責任であることは重々承知しているが
肩透かしを食らった。
「大伴家持がどのような官位に就任して
どのような人々と交流を持ったのか」
ということを時系列を追いながら見ていくのが
本書の中核をなす内容なので
万葉集を期待していた当方にとっては
退屈極まりなかった。
しかし、「その時、その時に家持やその他の登場人物が
どのような気持ちで作歌したか」、という記述もあり
この点は非常に興味深く読めた。
「今更、当たり前のことを言うな」と言われそうだが
「今後は、購入前に必ず説明文とレビューをチェックしよう」
と心に誓ったのであった。
伝記としての完成度は高いと思うので★五つ。
いくら、自分の関心の外にある本だと言っても
間違って購入してしまったのは、自分の責任なので
★三つとかを付けるわけにはいかない。
という内容だと勘違いしていたが
本書は
「綿密な史料検証に基づいた大伴家持の伝記」である。
説明文やレビューを読まずに購入した
当方の責任であることは重々承知しているが
肩透かしを食らった。
「大伴家持がどのような官位に就任して
どのような人々と交流を持ったのか」
ということを時系列を追いながら見ていくのが
本書の中核をなす内容なので
万葉集を期待していた当方にとっては
退屈極まりなかった。
しかし、「その時、その時に家持やその他の登場人物が
どのような気持ちで作歌したか」、という記述もあり
この点は非常に興味深く読めた。
「今更、当たり前のことを言うな」と言われそうだが
「今後は、購入前に必ず説明文とレビューをチェックしよう」
と心に誓ったのであった。
伝記としての完成度は高いと思うので★五つ。
いくら、自分の関心の外にある本だと言っても
間違って購入してしまったのは、自分の責任なので
★三つとかを付けるわけにはいかない。
2017年9月22日に日本でレビュー済み
大伴家持の生涯について知りたいと思い手に取ったが、こちらの基本知識が不足している
ため、細かい記述は頭に残らなかった。ただ、家持の歩みを人物関係とともに丁寧にたどって
いるので、アウトラインはつかむことができた。
興味深かったのは、家持が反藤原仲麻呂の政争に加わらなかった理由を、親族であり友で
ある大伴池主が大原今城と対応を協議し、画策に巻き込まないようにしたとする考えである。
「家持の内省的な性格、橘諸兄亡きあとへの現実的な政界観察や、妹・娘を通じ藤原氏と姻戚
関係にある立場、そして家持が天平勝宝八年末までに四〇〇首以上の自作の歌を蓄積し一大
歌集の編纂を目指している」ことを鑑みたという。
また、家持の側から見てもその時期の「最大の関心事は進行中の歌集編纂にあった」とし、
「のちに集成される『万葉集』巻十七~二十のうち、あと三十数首を残すだけの段階にあった。
家持は橘奈良麻呂の計画に対処する際の自らの決断に、この天平時代の詠歌を集成する一大
歌集の完成に夢を託していたことが大きな要因であった」とする。
官人として懸命に生きた家持は、歌人としても「万葉集」を世に残すため懸命に生きたということか。
ため、細かい記述は頭に残らなかった。ただ、家持の歩みを人物関係とともに丁寧にたどって
いるので、アウトラインはつかむことができた。
興味深かったのは、家持が反藤原仲麻呂の政争に加わらなかった理由を、親族であり友で
ある大伴池主が大原今城と対応を協議し、画策に巻き込まないようにしたとする考えである。
「家持の内省的な性格、橘諸兄亡きあとへの現実的な政界観察や、妹・娘を通じ藤原氏と姻戚
関係にある立場、そして家持が天平勝宝八年末までに四〇〇首以上の自作の歌を蓄積し一大
歌集の編纂を目指している」ことを鑑みたという。
また、家持の側から見てもその時期の「最大の関心事は進行中の歌集編纂にあった」とし、
「のちに集成される『万葉集』巻十七~二十のうち、あと三十数首を残すだけの段階にあった。
家持は橘奈良麻呂の計画に対処する際の自らの決断に、この天平時代の詠歌を集成する一大
歌集の完成に夢を託していたことが大きな要因であった」とする。
官人として懸命に生きた家持は、歌人としても「万葉集」を世に残すため懸命に生きたということか。
2017年8月11日に日本でレビュー済み
越中国司としての大伴家持に少し興味があっただけで読んでみましたが、
意外と面白かった。
時代は、奈良朝後期、不比等の子供の四兄弟が相次いで亡くなった頃で、
のちの時代の、藤原氏が貴族社会を席捲する重苦しさとは異なる、各氏族が
天皇を敬愛しながら、仕事をし位階を進め、律令の官職もきちんと意味を
持ち、後に遥任が当たり前になる大宰帥や国司もまじめに赴任していて、
それでいて墾田永年私財法などで、少しずつ変化が現れ始めた頃です。
家持は聖武天皇の恭仁京の造営が進むと、内舎人として恭仁京で仕事をする
ことになり、並行して、紫香楽宮も造営される中で官人たちにアンケートを
行うと、意外にも恭仁京に人気があったりします。
五位に昇進し、越中国司に任じられ、赴任先の職務を全うしながら、掾として
越中にいた一族の池主らと越中の自然を歌に詠み込んで暮らします。
ようやく少納言として都に戻り、順調に昇進するものの、聖武帝が崩じ、
最有力者だった橘諸兄が薨じ、孝謙女帝が藤原仲麻呂を寵愛すると、宮廷には
少し不穏な空気が広まり、橘奈良麻呂の叛乱には池主も連座する中で同調せず、
次いで仲麻呂の乱にも薩摩赴任中で巻き込まれずに済むので、あるいは後の
藤原定家の非政治的宣言も、家持の生き方を念頭に置いたものかもしれません。
三位に登り、このまま藤原種継暗殺事件も乗り越えて平安朝を迎えるかと
思った矢先に亡くなり、葬送さえ許されず、息子も流罪になるなどしながら、
二十年後には許されているので、あるいは桓武天皇の謀略にはまった可能性も
高そうで、政争に巻き込まれた大伴氏はその後も衰退を続け、世は藤原の
天下を迎えます。
意外と面白かった。
時代は、奈良朝後期、不比等の子供の四兄弟が相次いで亡くなった頃で、
のちの時代の、藤原氏が貴族社会を席捲する重苦しさとは異なる、各氏族が
天皇を敬愛しながら、仕事をし位階を進め、律令の官職もきちんと意味を
持ち、後に遥任が当たり前になる大宰帥や国司もまじめに赴任していて、
それでいて墾田永年私財法などで、少しずつ変化が現れ始めた頃です。
家持は聖武天皇の恭仁京の造営が進むと、内舎人として恭仁京で仕事をする
ことになり、並行して、紫香楽宮も造営される中で官人たちにアンケートを
行うと、意外にも恭仁京に人気があったりします。
五位に昇進し、越中国司に任じられ、赴任先の職務を全うしながら、掾として
越中にいた一族の池主らと越中の自然を歌に詠み込んで暮らします。
ようやく少納言として都に戻り、順調に昇進するものの、聖武帝が崩じ、
最有力者だった橘諸兄が薨じ、孝謙女帝が藤原仲麻呂を寵愛すると、宮廷には
少し不穏な空気が広まり、橘奈良麻呂の叛乱には池主も連座する中で同調せず、
次いで仲麻呂の乱にも薩摩赴任中で巻き込まれずに済むので、あるいは後の
藤原定家の非政治的宣言も、家持の生き方を念頭に置いたものかもしれません。
三位に登り、このまま藤原種継暗殺事件も乗り越えて平安朝を迎えるかと
思った矢先に亡くなり、葬送さえ許されず、息子も流罪になるなどしながら、
二十年後には許されているので、あるいは桓武天皇の謀略にはまった可能性も
高そうで、政争に巻き込まれた大伴氏はその後も衰退を続け、世は藤原の
天下を迎えます。
2017年7月4日に日本でレビュー済み
万葉集を代表する歌人にして、その編者と考えられている大伴家持。
その生涯を丹念にたどりながら、その時々に作られた歌を紹介していく。
取り立てて、新設を取り上げるわけではないが、謎の多い人物の姿を、見事に描き出している。
読み終わったら、久し振りに、万葉集を手に取りたくなった。
その生涯を丹念にたどりながら、その時々に作られた歌を紹介していく。
取り立てて、新設を取り上げるわけではないが、謎の多い人物の姿を、見事に描き出している。
読み終わったら、久し振りに、万葉集を手に取りたくなった。
2017年8月1日に日本でレビュー済み
万葉集への漠然とした興味で手に取った。
良い意味で裏切られたのは、むしろ謎めく人物像に焦点が当てられていたことだ。
資料が少なく断定はしにくい時代だけに、挑戦的な試みである。
断定的な記述は少なくいものの、丹念に資料に根拠を求めて推理していく。
分かりやすさを求める風潮の中で、精確さを求めた研究者の矜持を感じた。
調べたところ、今年は大伴家持生誕1300年だという。
波乱万丈の人生だったかもしれないが、1300年たってもなお、
ここまで丹念に人物像を描いてもらえて家持も喜んでいることだろう。
歴史好きの人におすすめしたい。
良い意味で裏切られたのは、むしろ謎めく人物像に焦点が当てられていたことだ。
資料が少なく断定はしにくい時代だけに、挑戦的な試みである。
断定的な記述は少なくいものの、丹念に資料に根拠を求めて推理していく。
分かりやすさを求める風潮の中で、精確さを求めた研究者の矜持を感じた。
調べたところ、今年は大伴家持生誕1300年だという。
波乱万丈の人生だったかもしれないが、1300年たってもなお、
ここまで丹念に人物像を描いてもらえて家持も喜んでいることだろう。
歴史好きの人におすすめしたい。