どこかアンパンマンに似た、利他主義のテーマが私を心地良くしました。真野さんのフレッシュさが本来生きているものではない世界のアイコンに良く似合っていました。
慣れ過ぎた役者だとかえって馬鹿馬鹿しくなったかも知れません。それを思うと、真野さんの今(当時)でなくては出来なかった絶妙さも感じます。
辛い日に見るとさらに辛くなります。それ程人間社会の煩悶が、若いメンバーが演じるこの芝居にさえあるのはある意味絶望的です。人間社会と人間性の欠陥がこれ程小さなクラスルームにさえあり、それを見逃さない台本は観劇以上に迫るものがあるから、辛くもなるのでした。
そのリアリティーは、私はスマイレージ4人の徹した演技に依ると思います。特に福田花音さんは何か天性の表現者の様でした。また、今でも前田憂佳さんや小川紗季さんがハロプロに残っていたら、ハローの図は眩しく凄かったろうと、その絵を今日にも楽しく想えます!
私の人生の節目になぜか必ず登場する真野さん。というか真野さんの登場するDVD。キティじゃないですが、物にも魂があると昔、南の国で聞いた言葉が頭の中に浮かびました。苦しむ人間を救ったのは人間ではないもので、今とは合わない思想でした。そこが無償で与えるアンパンマンと私にはだぶりました。
どうも現実と合わない私も、どこかこの芝居の中の真野・晴尾キティさんの様に、違う国から来たのかな、などと思いながら(笑)、何かに優しく包まれて、しみじみして芝居を見終わりました。有難う。