近年出会った歴史書の中では 文句なく面白い
ただ この面白さというのは 歴史に対するスリリングな思想的な解釈というような鮮やかな手つきではなく 実際の家事―労働過程(夕食のシチューを作るということが100年前・200年前はどういう事だったのか)を著者が最後まで手放さなかったことによる これによって実際の生活にかかわる細部がはっきりわかるし テクノロジーの発達によって見えなくなってしまった労働(結局 お母さんの労働は残る!)の実態や 家庭内に入ってきたテクノロジーは 子供と男の家庭内での労働を消滅させた という結論も 改めて指摘されてみて”なるほど”と膝を叩いくことになる 著者がそれぞれの時代での家事のリアリティにこだわったというのは 著者自身の実際の家事(の経験)に対する違和感が基になっている 実態が伴っているところに何か切迫感が感じられる
また 家事テクノロジーがはいってくることによって労働効率は飛躍的に上昇したが(以前は 家族全員で家事をしたのが お母さんだけでできるようになった) 一方で条件も上がった(1週間に1度しかしなかった洗濯が 毎日の労働になった)という指摘も目から鱗 家事は資本主義社会の縮図という意味合いからすると 翻って外のお父さんも同様に デジタル化などで作業効率は上がったものの その分求められる要件が上がって 仕事でヘトヘトになると言う事なのかもしれない(効率UPは 資本主義の至上命題だ!)
最後に やはり家事労働が金銭に換算しずらいこともあってなかなか表だって扱われなかったために”ない事”にされてしまっていたのを この本は最近のはやりコトバで言えば”見える化した”という意味合いからしても 男性は読むべしですが その結果として”面白いから”と奥さんに進めると反発を食らうことになります”男には見えないかもしれないけど 主婦は現実として家事をしているのに わざわざコトバで説明してもらわなくても・・・・”と ご注意を!
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お母さんは忙しくなるばかり: 家事労働とテクノロジーの社会史 単行本 – 2010/10/15
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19世紀以来の工業化、20世紀の家庭電化による家事労働の再編は、主婦の仕事を本当に楽にしたのだろうか? かつては夫や子どもたち、さらには使用人も含めて分担していた家事労働が、テクノロジーの進化とともに主婦に集約されてゆくアイロニカルな過程、今日まで強固に存在する「男女別領域」の教義が確立される過程を、社会史・技術史の視点から描いた家事労働論の基本文献。柏木博氏推薦。〔社会史・技術史〕
- 本の長さ340ページ
- 言語日本語
- 出版社法政大学出版局
- 発売日2010/10/15
- 寸法13.8 x 2.3 x 19.5 cm
- ISBN-104588364146
- ISBN-13978-4588364143
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商品の説明
著者について
ニューヨーク州立大学教授を経て,現在,ペンシルベニア大学教授.専門は科学技術の社会史.1992-94年には米国技術史学会(Society for the History of Technology/SHOT)の会長を務めた.本書のほか,Our Parents’ Lives: The Americanization of Eastern European Jews(『東欧からのユダヤ系移民の生活と米国民化』Basic Books, 1989. 夫君Neil M. Cowanと共著),A Social History of American Technology(『米国技術の社会史』Oxford University Press, 1997),Heredity and Hope: The Case for Genetic Screening(『遺伝と希望──遺伝子スクリーニングと優生学の比較』Harvard University Press, 2008)の著書がある.
東京に生まれる.東京大学工学部電子工学科卒業.同大学大学院博士課程修了.工学博士.中央大学勤務を経て,2008年3月まで東京農工大学教授.日本科学技術史学会会長.1975-77年,西ドイツ(当時)アレクサンダー・フォン・フンボルト財団給費研究員としてミュンヘン工科大学に留学.1991-92年,米国ワシントンDCのスミソニアン国立アメリカ歴史博物館に留学.1996年に博物館学芸員資格を取得.専門は高電圧工学,技術史,博物館学.
著書に,『博物館の歴史』(法政大学出版局,2008年.2010年度全日本博物館学会賞受賞),『ミュンヘン科学博物館』(編著,講談社,1978年),『てれこむノ夜明け──黎明期の本邦電気通信史』(共編著,電気通信調査会,1994年),『ノーベル賞の百年──創造性の素顔』(共同監修,ユニバーサル・アカデミー・プレス,2002年),『岩垂家・喜田村家文書』(監修,創栄出版,2004年),『百万人の電気技術史』(工業調査会,2006年),『静電気がわかる本』(工業調査会,2007年),その他がある.
東京に生まれる.東京大学工学部電子工学科卒業.同大学大学院博士課程修了.工学博士.中央大学勤務を経て,2008年3月まで東京農工大学教授.日本科学技術史学会会長.1975-77年,西ドイツ(当時)アレクサンダー・フォン・フンボルト財団給費研究員としてミュンヘン工科大学に留学.1991-92年,米国ワシントンDCのスミソニアン国立アメリカ歴史博物館に留学.1996年に博物館学芸員資格を取得.専門は高電圧工学,技術史,博物館学.
著書に,『博物館の歴史』(法政大学出版局,2008年.2010年度全日本博物館学会賞受賞),『ミュンヘン科学博物館』(編著,講談社,1978年),『てれこむノ夜明け──黎明期の本邦電気通信史』(共編著,電気通信調査会,1994年),『ノーベル賞の百年──創造性の素顔』(共同監修,ユニバーサル・アカデミー・プレス,2002年),『岩垂家・喜田村家文書』(監修,創栄出版,2004年),『百万人の電気技術史』(工業調査会,2006年),『静電気がわかる本』(工業調査会,2007年),その他がある.
登録情報
- 出版社 : 法政大学出版局 (2010/10/15)
- 発売日 : 2010/10/15
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 340ページ
- ISBN-10 : 4588364146
- ISBN-13 : 978-4588364143
- 寸法 : 13.8 x 2.3 x 19.5 cm
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2016年3月20日に日本でレビュー済み
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2015年1月4日に日本でレビュー済み
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原著の " More Work For Mother " は女性研究史上外せない重要書です。いわゆるフェミニズム(マルクス主義的なものからその後のものまで含む)の文脈からではなく、科学史の観点から書かれた家事と技術についての社会史です。何よりも、著者自らが、文献とその「使用法」についてまで解説をしており、邦訳でもそこはちゃんと訳されているので、初学者からある程度研究をした人まで役に立つものだと思います(ただし、原著がだいぶ前のものなので、その時点で参考文献は止まっていますが、その時点までで「アメリカで女性に関わる歴史を見るには、どういった問題点があってどういったものが参照されたのか」という水準では役に立つと言うことです)。著者のかたの訳も丁寧で非常に読みやすく、感謝しかない本です。
が、一点大きな問題があります。それは、参考文献表がまとまってついていないという点です。前述のように著者自ら参考文献について解説している部分があるので、割愛されたのだと思うのですが、研究に使う上ではアルファベティカル、ないし年代順でも並んでいる文献表がないのは非常に困ります。使い勝手が半分以下になります。
また、少し気になったのは、原著では脚注だったものを、文中注にしているため、これも非常に読みづらいです。おそらくは本の版型の問題から来ているのだと思いますが、これほどの名著ならば、A4版で5000円超えで出しても良かったと思います。法政大学出版局の本は四六が多いので揃えるというのがあったのだとは思いますが…… せめて、章末注か何かにしてもらえたら良かったと思います。
何度も言いますが、内容は翻訳の質も含めて満点です。
が、一点大きな問題があります。それは、参考文献表がまとまってついていないという点です。前述のように著者自ら参考文献について解説している部分があるので、割愛されたのだと思うのですが、研究に使う上ではアルファベティカル、ないし年代順でも並んでいる文献表がないのは非常に困ります。使い勝手が半分以下になります。
また、少し気になったのは、原著では脚注だったものを、文中注にしているため、これも非常に読みづらいです。おそらくは本の版型の問題から来ているのだと思いますが、これほどの名著ならば、A4版で5000円超えで出しても良かったと思います。法政大学出版局の本は四六が多いので揃えるというのがあったのだとは思いますが…… せめて、章末注か何かにしてもらえたら良かったと思います。
何度も言いますが、内容は翻訳の質も含めて満点です。
2016年2月7日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
原克『アップルパイ神話の時代』と同様、非常におもしろく、かつ興味深い内容であった。あくまでもアメリカ(植民地時代も含めて)社会での変化であるが、自給自足時代は大人の男女が夫婦として家政を分担することが生存に必須であったが、工業化の進展は、主として男が担っていた労働が外部化された。つまり元々家事として男がおこなっていた仕事が家庭ではなくなり、同時に、市場経済が拡大していくことで、男は外で働いて賃金を獲得し、そのカネで自給していたものを購入するようになった。結果、生活水準は向上するが、家のなかでの女がする仕事は(省力化が進む一方で)増加した、といったシナリオを実証的に記述している。
そのほかにも、工業化以前から工業化への移行期に進展した家庭での変化が詳述されている。多くの若者が「召使い」「使用人」として働き、ある程度余裕のある家庭では、過酷な労働を使用人の補助によってこなしていた。ところが工業化は若い労働力を必要とし、若者もそれによって多くの賃金が得られるようになると、結果的に良質で安い使用人を確保できなくなる。他方で工業化・電化により、さまざまな家庭向け製品が量産され、個々の家事は省力化されたが、製品導入により、いままで存在しなかった労働が発生したり、生活水準向上のために洗濯の量や頻度が高まり、結果的に主婦の忙しさは変わらなかった。
こういった事柄が細かく分析されているので、いろいろと考察できる。たとえば「おふくろの味」にしたところで、そもそも味付けに凝った料理を作るには、食材が豊富にそろい、なおかつ調理器具がある程度そろうといった前提条件が必要となる。であれば、庶民階層にそのような実践ができるのは、当然ながら工業化中期以降となるはずだ(本書でシチューを取りあげた箇所がほぼ相当)。衣服にしたって、糸や布を量産できるようになってはじめて、庶民でもいろいろな選択が可能になる。工業化以前であれば、服を簡単に買うこと自体が不可能だろうし、自足にも限界がある。最低限の道具も外部から調達せねばならん。
そんなことを考えると、我らが自分たちの現在の生活を暗黙の基準とし、そこに至る系譜を考えるとき、どうしても工業化中期を起点にしてしまう、となりがちなのも当然か。逆にいえば、工業化つまり機械化・電化というのは断絶に近い転換点だということになる。
そのほかにも、工業化以前から工業化への移行期に進展した家庭での変化が詳述されている。多くの若者が「召使い」「使用人」として働き、ある程度余裕のある家庭では、過酷な労働を使用人の補助によってこなしていた。ところが工業化は若い労働力を必要とし、若者もそれによって多くの賃金が得られるようになると、結果的に良質で安い使用人を確保できなくなる。他方で工業化・電化により、さまざまな家庭向け製品が量産され、個々の家事は省力化されたが、製品導入により、いままで存在しなかった労働が発生したり、生活水準向上のために洗濯の量や頻度が高まり、結果的に主婦の忙しさは変わらなかった。
こういった事柄が細かく分析されているので、いろいろと考察できる。たとえば「おふくろの味」にしたところで、そもそも味付けに凝った料理を作るには、食材が豊富にそろい、なおかつ調理器具がある程度そろうといった前提条件が必要となる。であれば、庶民階層にそのような実践ができるのは、当然ながら工業化中期以降となるはずだ(本書でシチューを取りあげた箇所がほぼ相当)。衣服にしたって、糸や布を量産できるようになってはじめて、庶民でもいろいろな選択が可能になる。工業化以前であれば、服を簡単に買うこと自体が不可能だろうし、自足にも限界がある。最低限の道具も外部から調達せねばならん。
そんなことを考えると、我らが自分たちの現在の生活を暗黙の基準とし、そこに至る系譜を考えるとき、どうしても工業化中期を起点にしてしまう、となりがちなのも当然か。逆にいえば、工業化つまり機械化・電化というのは断絶に近い転換点だということになる。
2013年7月8日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
図書館でたまたま手に取り、ぜひ自分でゆっくり読みたいと思い、アマゾンで初めて注文。
本のタイトルもはっきり覚えていなかったのですが
検索も早くできて、こわごわ注文。配達され、ほしかった本を手に取ることが出来ました。翻訳が固い文体で、もう少し、読みやすい日本語にならないものかと思いましたが、全体に熱意をもって訳してくださっているのがわかりました。
本のタイトルもはっきり覚えていなかったのですが
検索も早くできて、こわごわ注文。配達され、ほしかった本を手に取ることが出来ました。翻訳が固い文体で、もう少し、読みやすい日本語にならないものかと思いましたが、全体に熱意をもって訳してくださっているのがわかりました。
2015年12月22日に日本でレビュー済み
「今の主婦はスイッチ一つで何でも済んで楽だよな」
なーんてセリフが「現代は女尊男卑社会だ」と主張する層から聞かれる。(主にネット上で)
確かに、現代の母親は食洗器や洗濯乾燥機、ルンバ、ネット通販など
10~20年前では考えられないような便利な武器を手に入れた。
では昔と比べて母親の家事労働時間は減っているのか?
いやいやいや。
便利な道具を手に入れた。その代わりに現代の主婦には新たな仕事が課せられた。
たとえば上手にキャラ弁を作ったり、スマホやSNSを使いこなすこと。
「綺麗なママ」は理想というよりは、もはや義務というぐらい、今のママは全員ほんとうにオシャレでキレイ。
父親が家庭を顧みない。
昔は「男ってそうなのよね」というある意味、女性全体の問題だったのに
近年、一部のイクメンが目立ってきたばっかりに
「父親が家庭を顧みないのは、あんたがイクメンを捕まえられない魅力のない女だからでしょ」
という母親個人の問題になっちゃった
何これ。
なーんてセリフが「現代は女尊男卑社会だ」と主張する層から聞かれる。(主にネット上で)
確かに、現代の母親は食洗器や洗濯乾燥機、ルンバ、ネット通販など
10~20年前では考えられないような便利な武器を手に入れた。
では昔と比べて母親の家事労働時間は減っているのか?
いやいやいや。
便利な道具を手に入れた。その代わりに現代の主婦には新たな仕事が課せられた。
たとえば上手にキャラ弁を作ったり、スマホやSNSを使いこなすこと。
「綺麗なママ」は理想というよりは、もはや義務というぐらい、今のママは全員ほんとうにオシャレでキレイ。
父親が家庭を顧みない。
昔は「男ってそうなのよね」というある意味、女性全体の問題だったのに
近年、一部のイクメンが目立ってきたばっかりに
「父親が家庭を顧みないのは、あんたがイクメンを捕まえられない魅力のない女だからでしょ」
という母親個人の問題になっちゃった
何これ。
2017年6月15日に日本でレビュー済み
毎日新聞の書評で見たのだが、米国では、家事労働についての古典的著作(原書刊行は1983年)らしい。家電製品に代表されるテクノロジーの発展が主婦の家事をどれだけ楽にしたか(結論は、楽になるどころか家事が増える一方だ)を問うたもの。
目次の概略は下記の通り。
日本語版へのまえがき
弟1章 序説―家事労働とその道具
第2章 主婦であること―工業化以前における家事労働とその道具
第3章 家事労働の始まり―工業化の初期
第4章 20世紀における家事テクノロジーの変化
第5章 たどることのなかった道―家事労働のもう一つの社会学的・技術的アプローチ
第6章 1900~40年の家事テクノロジーと家事労働
第7章 第二次世界大戦後
終章 お母さんの労働は減るだろうか
訳者あとがき
日本語版へのまえがきの日付は2010年8月で、これがなかなか面白い。
内容に関して注意すべきは、そもそも研究書籍なので、家事労働とはいかなる不払い労働であり、欧米の生活史の中でどのようなものかということに、かなりの紙数が割かれており、主婦の家事労働以上に、その18世紀以前の生活史の方が興味深いという点だ。
特に、米国史を見れば、元来は自給自足で、鍋釜も自分や自分の周りで調達するのが当然だったという生活。パンを焼くのは当然なのだが、そのための粉をどうするかが大事で、その仕事は男性がしていたという辺り、面白くて、産業革命以来のテクノロジーが実は、男性を家事労働から解放して、外で働くようにしたという、マルクス主義的歴史観に近い話まで出てくる。
訳者は技術史が専門で、家電製品の影響という観点から、本書の翻訳に取り組んだらしいのだが、その点で興味深いのは、冷蔵庫の方式で、実は資本の論理で開発普及が進み、消費者が本当の意味で選択したのではない。GEの開発には、電力需要が増えるので、電力会社向けの売り上げまで読んでいたという記述があって、興味深い。
先ほど述べた日本語版へのまえがきで、著者は、本書刊行後の動向も踏まえて、家事労働がなぜ減らないかということについて、その生産物について、こう語っている。
「しかし、その生産物は変った。かつては主婦はバター、パン、布、衣服を生産し、これらはどれも彼らの家政の経済にとって非常に重要であった。今日では、これらと同じように重要であり同じように(あるいはもっと)熟練を要するがしかし別なものを生産している。それは、健康な人々(大人と子どもたち)、家庭から出かけて生産的な独立した生活をすることのできる人々、家庭の経済だけでなく自分たちが住んでいるコミュニティの経済にとっても欠かせない必要な人々を生産している。これが、現代の家事の意味であり価値である。」
さらに、少なくとも米国においては、自分の頃と、娘たちとで、家事労働の中身が変わらないと言っているのだが、日本においてどうだろうか。私には、コミュニティの変容と、コミュニティとの関わり方とが共に変わってきており、それが大きな意味を持っているように感じられるのだが。
ともかく、家庭というものがどのように維持されていたかを、主婦の目で見ることの重要さを教えてくれる本だ。
目次の概略は下記の通り。
日本語版へのまえがき
弟1章 序説―家事労働とその道具
第2章 主婦であること―工業化以前における家事労働とその道具
第3章 家事労働の始まり―工業化の初期
第4章 20世紀における家事テクノロジーの変化
第5章 たどることのなかった道―家事労働のもう一つの社会学的・技術的アプローチ
第6章 1900~40年の家事テクノロジーと家事労働
第7章 第二次世界大戦後
終章 お母さんの労働は減るだろうか
訳者あとがき
日本語版へのまえがきの日付は2010年8月で、これがなかなか面白い。
内容に関して注意すべきは、そもそも研究書籍なので、家事労働とはいかなる不払い労働であり、欧米の生活史の中でどのようなものかということに、かなりの紙数が割かれており、主婦の家事労働以上に、その18世紀以前の生活史の方が興味深いという点だ。
特に、米国史を見れば、元来は自給自足で、鍋釜も自分や自分の周りで調達するのが当然だったという生活。パンを焼くのは当然なのだが、そのための粉をどうするかが大事で、その仕事は男性がしていたという辺り、面白くて、産業革命以来のテクノロジーが実は、男性を家事労働から解放して、外で働くようにしたという、マルクス主義的歴史観に近い話まで出てくる。
訳者は技術史が専門で、家電製品の影響という観点から、本書の翻訳に取り組んだらしいのだが、その点で興味深いのは、冷蔵庫の方式で、実は資本の論理で開発普及が進み、消費者が本当の意味で選択したのではない。GEの開発には、電力需要が増えるので、電力会社向けの売り上げまで読んでいたという記述があって、興味深い。
先ほど述べた日本語版へのまえがきで、著者は、本書刊行後の動向も踏まえて、家事労働がなぜ減らないかということについて、その生産物について、こう語っている。
「しかし、その生産物は変った。かつては主婦はバター、パン、布、衣服を生産し、これらはどれも彼らの家政の経済にとって非常に重要であった。今日では、これらと同じように重要であり同じように(あるいはもっと)熟練を要するがしかし別なものを生産している。それは、健康な人々(大人と子どもたち)、家庭から出かけて生産的な独立した生活をすることのできる人々、家庭の経済だけでなく自分たちが住んでいるコミュニティの経済にとっても欠かせない必要な人々を生産している。これが、現代の家事の意味であり価値である。」
さらに、少なくとも米国においては、自分の頃と、娘たちとで、家事労働の中身が変わらないと言っているのだが、日本においてどうだろうか。私には、コミュニティの変容と、コミュニティとの関わり方とが共に変わってきており、それが大きな意味を持っているように感じられるのだが。
ともかく、家庭というものがどのように維持されていたかを、主婦の目で見ることの重要さを教えてくれる本だ。