
無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません。
ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
大阪弁おもしろ草子 (講談社現代新書 786) 新書 – 1985/9/1
田辺 聖子
(著)
〈大阪弁〉には、よういわんわ(私ではなし能わぬことである)、けったくそ悪い(縁起でもない、いまいましい)、ちちくる(男女がしのびあって情を交わす)、タンノする(もう十分、飽きるほど堪能した)、いてこます(やっつける)、あきまへん、おおきに……等々、上方文化の伝統と風土がはぐくんだ独特の表現と言い回しが、いまなお根づよく残っている。庶民の暮らしや風俗へのこまやかな観察をもとに大阪弁のおかしさ、楽しさ、せつなさのあれこれを自在闊達の筆さばきで生き生きと描き出す快著。
「けったくそ悪い」――これは古語の「けたいが悪い」、卦体(けたい)、すなわち気持、気色、などから来ているらしいが、「けったくそ悪い」は縁起でもない、いまいましいという意味になる。ライバルに恋人を奪われ、その結婚式の招待状が来たりすると、「けったくそ悪い」である。ふつうの不愉快ではない。腹が癒(い)えぬ、どうしてくれよう、という意味もこめられ、そのいまいましさを晴らすすべも、さし当って思いつかない、という悶々の状態。ここはやっぱり「クソ」が入ってもよい、いや入らなくてはこの悶々のやるせなさが表現できません。「けったくそ悪い!」とひとりごつと、少しは胸の憂いの雲も晴れようというもの。――本書より
「けったくそ悪い」――これは古語の「けたいが悪い」、卦体(けたい)、すなわち気持、気色、などから来ているらしいが、「けったくそ悪い」は縁起でもない、いまいましいという意味になる。ライバルに恋人を奪われ、その結婚式の招待状が来たりすると、「けったくそ悪い」である。ふつうの不愉快ではない。腹が癒(い)えぬ、どうしてくれよう、という意味もこめられ、そのいまいましさを晴らすすべも、さし当って思いつかない、という悶々の状態。ここはやっぱり「クソ」が入ってもよい、いや入らなくてはこの悶々のやるせなさが表現できません。「けったくそ悪い!」とひとりごつと、少しは胸の憂いの雲も晴れようというもの。――本書より
- 本の長さ207ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日1985/9/1
- ISBN-104061457861
- ISBN-13978-4061457867
この商品をチェックした人はこんな商品もチェックしています
ページ 1 以下のうち 1 最初から観るページ 1 以下のうち 1
商品の説明
著者について
1928年、大阪市に生まれる。1947年、樟蔭女子専門学校国文科卒業。1960年頃から、ラジオ、テレビ・ドラマの執筆で活躍。1964年、『感傷旅行(センチメンタル・ジャーニー)』で第50回芥川賞を受賞。以後、軽妙な筆致で男女の哀歓を描いた小説や、辛辣にして洒脱なエッセイでファンを魅了している人気作家。『田辺聖子長篇全集』――文藝春秋――に代表される小説作品の他、評伝『千すじの黒髪』――文藝春秋――など多彩な著書がある。
登録情報
- 出版社 : 講談社 (1985/9/1)
- 発売日 : 1985/9/1
- 言語 : 日本語
- 新書 : 207ページ
- ISBN-10 : 4061457861
- ISBN-13 : 978-4061457867
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,098,819位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 663位日本語の語源・歴史・方言
- - 2,778位講談社現代新書
- カスタマーレビュー:
著者について
著者をフォローして、新作のアップデートや改善されたおすすめを入手してください。

1928年3月27日大阪生まれ。樟蔭女専国文科卒。56年「虹」で大阪市民文芸賞。64年「感傷旅行」で第50回芥川賞、『花衣ぬぐやまつわる…』で女流文学賞、『ひねくれ一茶』で吉川英治文学賞をそれぞれ受賞する。2008年文化勲章受章(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『 愛してよろしいですか? (ISBN-13: 978-4087465785 )』が刊行された当時に掲載されていたものです)
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2018年3月18日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
黒犬のケツって、尾も白い、つまり面白くないという意味だそうです。傑作でした。
2016年2月22日に日本でレビュー済み
昭和60年9月発刊です。
流石田辺聖子はん、大阪弁の神髄を押えてらっしゃる。
よういわんわ、ちちくる、そやないかな、けったくそ悪い、はる、タンノする、
明治・大正の大阪弁1,2、
新大阪弁、いてこます、あたんする、せいてせかん、昔親父世代が使用していた言葉に久し振りに会いました。
中公文庫に大阪弁ちゃらんぽらんがありますが、これはその続編だそうです。上方文化、上方風俗に根差し、
人生の酸いも甘いも噛み分けた人物から言われると、、、、深いなあと思ってしまいます。そこそこやな、ぼつぼついこか
これなどは関西人でないと理解できないコンセプトです。
流石田辺聖子はん、大阪弁の神髄を押えてらっしゃる。
よういわんわ、ちちくる、そやないかな、けったくそ悪い、はる、タンノする、
明治・大正の大阪弁1,2、
新大阪弁、いてこます、あたんする、せいてせかん、昔親父世代が使用していた言葉に久し振りに会いました。
中公文庫に大阪弁ちゃらんぽらんがありますが、これはその続編だそうです。上方文化、上方風俗に根差し、
人生の酸いも甘いも噛み分けた人物から言われると、、、、深いなあと思ってしまいます。そこそこやな、ぼつぼついこか
これなどは関西人でないと理解できないコンセプトです。