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春に散る 上 単行本 – 2016/12/31
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そのすべてを込めた感動巨編!
アメリカから40年ぶりに帰国した広岡は、
かつて共にボクシングの世界チャンプを目指した仲間3人と再会する。
共同生活を始めた4人が出会ったものとは──。
【上】目次予定
序章 ルート1
第一章 薄紫の闇を抜けて
第二章 四天王
第三章 壁の向こう
第四章 鳥海山
第五章 クロッシング〈交差点〉
第六章 昔をなぞる
第七章 雨
第八章 白い家
第九章 帰還
第十章 いつかどこかで
(下巻へつづく)
- 本の長さ432ページ
- 言語日本語
- 出版社朝日新聞出版
- 発売日2016/12/31
- 寸法18.8 x 13 x 2.5 cm
- ISBN-104022514418
- ISBN-13978-4022514417
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商品の説明
メディア掲載レビューほか
沢木耕太郎がボクシングにけりをつけるために書いた小説
これは間違いなく沢木文学のひとつの頂点を成す傑作である。自分の人生とも重ね合わせ、哀切や悔恨、様々な思いが胸に迫った。
沢木耕太郎は「人は人生のけりをどうつけるべきなのか。そもそも人生にけりなどつくのか」というテーマを追い続けた作家である。盛夏の輝きを切り取るのではなく、秋を迎え、さらに冬を迎えした者たちの、重荷を背負う息苦しい余生を、デビュー以来四十年近く、比肩する者なき天才的感性で問い続けてきた。
盛夏に燃やす炎の輝きが強い者ほどその後の老いゆく人生に苦しむ。沢木の考える老いの苦しみとは、死が近づく恐怖ではなく、けりをつけられずに生き続けることへの恐怖である。その生き地獄の前には肉体の死などいかほどのものでもない。
主人公の広岡仁一はボクシングの世界王者を目指して若き日に渡米したが挫折、四十年後の現在は事業で大成功をおさめている。しかし手に入れたのは金銭だけで結局なにも決着をつけられない人生に倦んでいた。その徒労を抱えたまま四十年ぶりに日本に帰国、偶然が重なって若き日に所属したジムに顔を出す。そこで、かつて一緒に世界王者を狙い“四天王"と呼ばれていた残り三人の消息を聞き、訪ね歩くことになる。
だがかつての仲間たちは、みな安寧とはほど遠いところにいた。一人は刑務所に入り、一人は破産状態、一人は妻に先立たれて家賃を滞納し住居を追い出されようとしていた。主人公と同じく誰ひとりけりをつけることができていない。その原因は、もちろん完全燃焼しきれずに引退したボクシングにあった。
主人公は一軒家を借り、刑務所から出てくる一人を待って、四十年ぶりに四人での共同生活を始める。「チャンプの家」と名付けられたこの家を拠点にして、四人は人生にけりをつけられるのか――。
本作は古希にあと一年をきった沢木が、本人が意識するとしないにかかわらず、『一瞬の夏』などでモチーフとして描き続けたボクシングにけりをつけるために書いた小説だ。上巻に、まさしくこの《ケリ》という言葉がテーマとして大切に置いてある。『流星ひとつ』で藤圭子との出会いに決着をつけ、『波の音が消えるまで』で深夜特急時の博打に決着をつけたように、この作品もまた、ボクシングに対する決着である。古希以降の沢木が自身の作家キャリアに、これからどんな作品をぶつけ、どんなけりをつけていくのか。彼の作品とともに青春を伴走してきたわれわれ読者は、その決着を見届ける義務がある。
評者:増田 俊也
(週刊文春 2017.3.30号掲載)登録情報
- 出版社 : 朝日新聞出版 (2016/12/31)
- 発売日 : 2016/12/31
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 432ページ
- ISBN-10 : 4022514418
- ISBN-13 : 978-4022514417
- 寸法 : 18.8 x 13 x 2.5 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 437,218位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 10,437位日本文学
- カスタマーレビュー:
著者について

1947(昭和22)年、東京生れ。横浜国大卒業。
ほどなくルポライターとして出発し、鮮烈な感性と斬新な文体で注目を集める。『若き実力者たち』『敗れざる者たち』等を発表した後、1979年、『テロルの決算』で大宅壮一ノンフィクション賞、1982年には『一瞬の夏』で新田次郎文学賞を受賞。常にノンフィクションの新たな可能性を追求し続け、1995(平成7)年、檀一雄未亡人の一人称話法に徹した『檀』を発表。
2000年に初めての書き下ろし長編小説『血の味』を刊行。2002年から2004年にかけて、それまでのノンフィクション分野の仕事の集大成『沢木耕太郎ノンフィクション』が刊行され、2005年にはフィクション/ノンフィクションの垣根を超えたとも言うべき登山の極限状態を描いた『凍』を発表、大きな話題を呼んだ。
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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ただ、この小説はちょっとドラマチックすぎる。ボクシングの生々しさや調整の難しさ、焦燥感といったこれまでノンフィクションで書かれていた要素はあまりない一方、登場人物一人一人の人生があまりに波乱万丈。そして、世界タイトルマッチが決まるまでマッチメイクにほとんど苦労せずにトントンと進む。
いくら小説とはいえ、沢木耕太郎が「それは、ヒ、ミ、ツ」なんてセリフを書くのは、30年前には思いもよらなかった。
スポ根ものかと思いましたが決して暗い話ばかりではなく、楽しく読むことができました。映画化でどのような脚本になるのかとても楽しみです。
多少予定調和なきらいはあるが、ハードボイルドな世界観が心地よく上下巻一気に読んだ。
上巻読了したところだが、これは重松清「定年ゴジラ」のボクサー版であった。3人を訪ね歩くところまでは良かったが、全員がおめおめと小躍りして集合したシーンは「勘弁してください」だった。ここからは老人4人組のドタバタ喜劇である。「チャンプの家」というネーミングは本当に気持ち悪い。完全にお爺さんの感覚。チンピラとのストリートファイトの場面など悲しいほど陳腐で、本当に沢木氏が書いたのかと疑いたくなるほどだった。マドンナとして、明るいが謎めいた、もったいぶったファザコン美女、佳菜子が不自然この上なく物語に絡む。今回、30年くらい前に読んで感銘を受けた「一瞬の夏」を同時に買ってこの本と並行して読むという貴重な体験をした。私が敬愛する沢木氏、30年間何をしていたのですか、出版マスコミに毒されて劣化したのでしょうか。興味が湧いて、年老いた実物の沢木氏を見てみようとYouTubeに行ったら悪い予感が的中し、周りに持ち上げられ自己陶酔、顎を手に乗せ肘をもう一つの手で支える得意のポーズで滑らかに喋る好々爺、沢木氏がいた。見なければよかった。「テロルの決算」「危機の宰相」「敗れざる者たち」「凍」の沢木氏はどこに行った。