プライム無料体験をお試しいただけます
プライム無料体験で、この注文から無料配送特典をご利用いただけます。
非会員 | プライム会員 | |
---|---|---|
通常配送 | ¥410 - ¥450* | 無料 |
お急ぎ便 | ¥510 - ¥550 | |
お届け日時指定便 | ¥510 - ¥650 |
*Amazon.co.jp発送商品の注文額 ¥3,500以上は非会員も無料
無料体験はいつでもキャンセルできます。30日のプライム無料体験をぜひお試しください。
新品:
¥1,110¥1,110 税込
ポイント: 11pt
(1%)
無料お届け日:
3月31日 日曜日
発送元: Amazon 販売者: 京都ブックストア
中古品: ¥18

無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません。
ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
スタフ staph 単行本 – 2016/7/13
購入オプションとあわせ買い
危険な中学生アイドルを乗せて。
街をワゴンで駆けながら、料理を売って生計を立てる女性・夏都(なつ)。
偶然にも芸能界を揺るがすスキャンダルを知ってしまった彼女は、
その流出を防ぐため、緑色の髪をしたアイドル・カグヤと協力することに。
ある女性の携帯電話に残されたメールを削除するという、
難しくないミッションのはずだったのだが――。
想像をはるかに超えたラストで話題騒然となった「週刊文春」連載作。
- 本の長さ375ページ
- 言語日本語
- 出版社文藝春秋
- 発売日2016/7/13
- ISBN-104163904808
- ISBN-13978-4163904801
この商品をチェックした人はこんな商品もチェックしています
商品の説明
メディア掲載レビューほか
読後にわかるタイトルの意味に涙する
夢野久作の『ドグラ・マグラ』、阿部和重の『シンセミア』、桐野夏生の『メタボラ』。とっさに意味がつかめないタイトルは、否応なく気になる。道尾秀介の『スタフ』もまた然り。
ワゴン車でお弁当を売る仕事をしている女性が主人公なら、異国の料理の名前だろうか。飲食の業界用語だろうか。否、新しい犯罪手法かもしれない。早く答えが知りたいと、ページをめくる手は自然と逸る。
著者が初めて女性を主人公に据えた本書。三二歳の掛川夏都(なつ)は、元夫が言い出しっぺの「移動デリ」を、離婚した後に意地で始めてしまった。結果、夏都にのしかかる、開業資金のローン、ワゴンを停めている駐車場で持ち上がった問題、不倫して出て行った元夫へのもやもや。
思い余って甥の智弥(ともや)にグチをこぼすが、その智弥もまた悩みの種だ。智弥は海外で看護師をしている姉の子で、夏都が預かり世話をしている。まだ十三歳の中学二年生だというのに大人びていて、理性的なアドバイスもくれるが、図星を突いてくることも。
グチは言えても、誰かに聞いてほしい本当の気持ちは結局抱え込んでしまう夏都は、意地っ張りな分、ナイーブで、自分で自分を責めて傷を深くする。ああ、こういう甘えベタなところが、イマドキ女子!
夏都がまず〈保健所のほうから来ました〉という男に拉致され、その犯行グループと関わっていくところから、誘拐や脅迫や金銭目的の犯罪……ドミノ倒しのように事件が起き、息つく暇もなく状況が変わっていく。果たしていちばんの黒幕は誰で、何が目的なのか。
道尾作品では、序盤の他愛ない会話の中にさらりと出てくるフレーズが、全体を貫く重要なメッセージだったりするのだが、今回は、智弥のひとことが鍵。
誰も彼もが傷ついていないふりでやり過ごす不器用さ。ノーと言えずに受け入れてしまったからこその孤独。人としての当たり前の弱さ。それらが入り交じり、反転して罪は生まれた。真相がわかったとき、ちょっと一発殴ってやってもいいくらいだ。誰を? それは読者によって違うかもしれない。それくらい、事件の全体像は込み入っている。
わかってもらいたくて、でも素直になれなくて。登場人物全員が、大なり小なり寂しさを胸に秘めている。そのひとりひとりを抱きしめたくなるような、心優しいミステリーだ。
ちなみに、スタフの意味をググるなら、ぜひ読後に。その方が腑に落ちるし、なんなら、うるっと涙腺がゆるんでしまうくらいの、意味深なタイトルだからだ。
評者:三浦 天紗子
(週刊文春 2016.08.01掲載)登録情報
- 出版社 : 文藝春秋 (2016/7/13)
- 発売日 : 2016/7/13
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 375ページ
- ISBN-10 : 4163904808
- ISBN-13 : 978-4163904801
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,153,285位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について

1975年東京生まれ。04年『背の眼』で第5回ホラーサスペンス大賞特別賞を受賞し、デビュー。07年『シャドウ』で本格ミステリ大賞、09年『カラスの親指』で日本推理作家協会賞、10年には『龍神の雨』で大藪春彦賞、『光媒の花』で山本周五郎賞を受賞。『向日葵の咲かない夏』は、オリコン調べによる“09年度で最も売れた本”となる。最近では、月9ドラマ『月の恋人~Moon Lovers~』(CX系)の原作を書いたことでも話題に。
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
親に気に掛けてもらいたくて頑張った子供時代を思い出しました。
ミステリー小説、推理小説 ってこういうもの(パターン)なのかな…と思いつつ。
正直、推理ものはあまり好きではありません。
一つ一つの情景描写や人の言動を漏らさず読んで推理していかないとおもしろくないですから、気が抜けません。
気を抜く必要もないのですが、読んでてしんどいな って。
それでも道尾さんの小説はおもしろくて、4分の3あたりから読む速度が上がり、わーーっと興奮が押し寄せてきました。純粋におもしろかったです。
最初と最後がおもしろかった。その間はちょっと無理やりな展開もあったり、説明的だったり、ドラマ的だったり(ドラマでありそうな。人物の配置まで書かれてあるのですが、想像しやすい分、こちらが想像する余白がまったくない感じ。映像を見ている感じ。)。
それはそれでわかりやすくて、描写も丁寧で「さすが」って思います。
最後の真相は、予想もしていた部分も多々ありますが、そこまで…?と、ナツとともに驚きました。
「カラスの親指」は映画を見たことはあります。あれもドンデン返しで、「へ~~」と感心しましたが、今ひとつでした。作り込まれすぎな感じがして、そんな計ったとおりにいくもんかね~ と冷めてしまったのを覚えています。あのときの感じも、今回もありましたし、「骸の爪」でもありました。
でも、それは「推理小説だから」という偏見(?)が、「まぁいいではないか、おもしろかったし」と納得させました。
ナツの意地とか、セクハラに対する感情とか、とても共感したし、よく女性の心情を表しているなぁと思いました。
まぁ、誘拐された後、協力しようなんて首突っ込まないですけどね、まず(笑)生活と仕事の方で精一杯でしょうしね。
私の場合、それとは別に、自分の子供の頃からの母親に対する感情や思いが、読後に沸々とよみがえりました。
トモヤやスガヌマの少年時代のそれとはちょっと違うけど、かなりのドロドロした呪縛みたいなもんが(笑)
ナツの姉への嫉妬みたいなもんは、それに比べると全然軽いし、staphというほどのもんでもない、かわいい感情だと思いますが。
ナツが「それら」に気づけなかったのも無理はないです。
あと、セクハラの部分も、自分も似た経験(枕じゃないけど)があるので、それも思い出して、苦々しく思ったり。
人の側面はいろいろある ってのも、よくわかります。100%悪人、100%善人 なんていない。恨みたいのに良い部分もあるからモヤモヤってなる(笑)
スガヌマについては、最初からキレ者だと思ってました。序盤は状況・人物をよく観察して、先手を打たせて相手のパターンを分析し、自分は熟考し先の先を読んでから手を打つ。考えてから答える。だから緩慢でとぼけているような印象。相手に油断させる意味もあるかと。
そして、全体がわかって見えてきたところから、考えるまでもなく解が見えるようになってきて、王手をかける。
スガヌマはきっとわりと外見もかっこいいのでは。メガネなしでおしゃれしたら、ナツも見直してましたよね。どの俳優が適役だろう?など考えつつ。老けたウォーリーねぇ・・・。
滝藤 賢一を思い浮かべていました。普段は瓶底メガネかけてるんだけど、メガネないときや「発見」したときは眼光するどいの(笑)
謎だったのは、序盤の、ナツの元夫の恋人がナツのデリに来て素性を明かすところ。普通そんなことしないし、私にはまったく理解できませんでした。
自分なりに考えてみて思ったのは…、元夫が「俺、彼女との人生に賭けてみたいんだ(p27)」と言ったその理由が鍵のような。
それって、恋人に自分の夢とか語った結果思ったことですよね?
恋人は、元夫の求める「役」を引き受けてくれる とでも言ったのではないかなと思います。
ナツは夫を支えるべく移動デリの勉強をしたのだろうけれど、いつしか夫以上にのめり込んでしまい、夫の出る幕がなくなってしまったのではないか と。
夫は気分だけで盛り上がるが、自分は現実的にしっかりやるタイプ とナツが評価を下していたことからもわかる。
夫は自分の夢もイニシアチブもナツに取られてしまった。そんなところに、若くて頼りなげで素直な女が現れて、「この女なら…(俺が主役になれそう)」と思ったのではなかろうか。
実際ナツはデリを一人で切り盛りしているし、そこに自分(夫)がいるところを想像できなかったんじゃないかな、所在なげに指示されて動く姿くらいしか。
男って、まずは建前やプライドが成立してないとやる気出ないから。特に「主人」という立場からして。
そして問題は、元夫の恋人の「動機」。
元夫が元嫁(ナツ)のことを「すごい奴なんだ」と褒め称えたのではないかな。かつての自分の夢を一人で叶えてしまったんだ とか。
普通は元嫁情報なんて、恋人に話さないと思う。それも尊敬の念を持ってなんて。
それが恋人にはおもしろくなかった。「自分の方が上だ、選ばれたんだ」とナツに見せ付けたかった。それでどうこうしようなどなく。ただ自分のプライドのためだけに。
そんな感じかな?
後々答えが出てくるだろうと思っていたので、その辺や、元夫との関係は、それ以降特に何もなかったので残念だった(服は借りたのだが)。
そしてもう一つのモヤモヤ。
最後、「これで終わり?」と思ったんですけど、こういうものなんですかね…? その後が気になります。
やっと本心が出てきたから、もう解決したも同じなのかな。書くまでもないのかな。
どちらかいうと、ナツは「正論」タイプ。だから正論で諭そうとする、当然。
それに対して、
「わかってる、それが正しいのは。でも、そういう理屈じゃないんだ、人の気持ちは!それで叶っても意味ないんだ!」
ってことなのかなぁ・・・?
女が男に告白するよう仕向けるのと似てる?(それと一緒にしちゃアレだけど)
ワゴン車でのお弁当販売を営む三十路の女性が主人公の物語です。
なかなか珍しい設定を持ってきたなという意味で、入りはとても良かったです。
仲間がたくさん集まって、皆で和気あいあいと事件を追っていく感じです。
事件や展開などは、どこかで読んだような感じがしないでもなく、
それなりに楽しめましたが、最高とまではいきませんでした。
「愛」というと、しかし何故か、「欲しがるもの、飢えているもの、手に入れるもの」みたいなとらえられ方ばかりされている様な感じがします、この国あたりでは。やはり「愛」は、西洋のキリスト教的なものが浸透している国や社会とは、随分と捉えられ方・感じ方・考え方が異なっているのでしょうか。
(もっともジョージ・ハリスンのこの曲は、「GIVE ME LOVE PEACE ON EARTH」と普遍的な人類愛・人間愛を歌っているみたいなので、先程の方は決して批判をされていた訳ではありません。)
「愛」に飢えて、「愛」や「愛される事」を求める主人公達。母親はアフリカやアジアで奉仕支援活動を続け、なんとか母親を振り向かせようとする日本に残された高校生 智弥。「お母さんは僕のはなしなんかきいているひまないでしょ。後進国で天使のような子供達助けなきゃならないし。」
その姉の子を預かり、別れた元旦那を見返してやろうとワゴン車のデリ販売を続ける主人公 夏都。また何故かそれに関わってくる心に闇を抱える菅沼や色んな人々が、壮絶に愛を求め合って、ドラマチックに悲劇的にミステリアスにコミカルに絡み合いながら話はジェットコースター・ムービーの様に展開して行きます。
母親の人類愛、人間愛と、智弥の家族愛と。はたして主人公達が求め続ける「GIVE ME LOVE」の結末は?日本人にとって、いや人間にとって、非常に重いテーマの様な気がします。むしろ、この後どうなるのか、彼らはどう生きていくのか。・・・続編がとってもとっても気になります。
自分の生活だけでも苦しいはずなのに事件に協力しようという夏都の心情がよく分からなかったし、展開も強引すぎた。ところどころ緊迫した展開があるのだが、緊張感が感じられなかった。
また、夏都に好意を寄せている菅沼の不器用さは好きだったが、最後は曖昧なまま終わってしまったのも残念。