「校閲ガール」にはまった読者にとって、本書は更に魅力的なはず。シリーズ第三作はミステリー要素もたっぷりですが、それ以上に仕事に対する重きの置き方、やりたい仕事と向いている仕事の違い、仕事をする女(男も米岡もですが)の幸せとは何かを真面目に問いかけてきます。
悦子は経験を深めながらジャンプアップ。大好きな是永との関係が進むし、あいかわらず校閲の領域を越えての深い読み込み推理で作家の隠す苦悩を明らかにし、とうとう雑誌編集部への異動を勝ち取ります。そこでは文章を書くという新しい仕事と雑用と苦闘しながら姉妹雑誌の編集長同士の諍いの原因をバックナンバーから読み解きます。やればできる子、悦子はやります。そして、大きな選択を迫られる人生の岐路に至るのでした。
最後の畳み方が少し性急感じますが、深い気付きは案外一瞬に訪れるのかもしれません。伏線は十分でしたから。
とても深く、甘くも苦いものを含みながらも爽やかなシリーズでした。多分これで完結かな。(おまけマンガのラストを参照)
蛇足問題:悦子に「可愛いんだから笑っとけよ」と言ったのは誰でしょう。
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校閲ガール トルネード 単行本 – 2016/10/27
宮木 あや子
(著)
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河野悦子、ついに憧れのファッション誌に!?モデル兼作家との恋の行方は?
ファッション誌の編集者を夢見る校閲部の河野悦子。恋に落ちたアフロヘアーのイケメンモデル(兼作家)と出かけた軽井沢で、ある作家の家に招かれて……。そして社会人3年目、ついに憧れの雑誌の編集部に異動に!?
ファッション誌の編集者を夢見る校閲部の河野悦子。恋に落ちたアフロヘアーのイケメンモデル(兼作家)と出かけた軽井沢で、ある作家の家に招かれて……。そして社会人3年目、ついに憧れの雑誌の編集部に異動に!?
- 本の長さ224ページ
- 言語日本語
- 出版社KADOKAWA
- 発売日2016/10/27
- ISBN-104041044928
- ISBN-13978-4041044926
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著者について
●宮木 あや子:1976年神奈川県生まれ。2006年『花宵道中』で第5回「女による女のためのR-18文学賞」で大賞と読者賞をW受賞してデビュー。著書に『雨の塔』『野良女』『憧憬☆カトマンズ』『婚外恋愛に似たもの』『帝国の女』『喉の奥なら傷ついてもばれない』など。繊細で叙情性あふれる作風と、女性たちの本音をあけすけに吐露しつつも明るく突き抜けた作風の両方を巧みに駆使し、女心やそれをとりまく環境を鮮烈に描き出す注目作家。『セレモニー黒真珠』で2013年第9回酒飲み書店員大賞を受賞。2014年『花宵道中』が安達祐実主演で映画化。
登録情報
- 出版社 : KADOKAWA (2016/10/27)
- 発売日 : 2016/10/27
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 224ページ
- ISBN-10 : 4041044928
- ISBN-13 : 978-4041044926
- Amazon 売れ筋ランキング: - 744,727位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2016年10月30日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2016年12月6日に日本でレビュー済み
『
校閲ガール
』、『
校閲ガール ア・ラ・モード
』に次ぐ<校閲ガール>シリーズ、待望の第3弾です。
今回、校閲話は少し鳴りをひそめて、河野悦子は憧れのLassy編集部、ではなくその姉妹誌でほんの短期間ですが、お試し程度に編集者としてのお仕事をすることになります。学生時代からの目標をほぼ手中に収めたと思った瞬間から、悦子は戸惑いと共にひとつのことを学んでいくことになります。
それは、同じように憧れの職業を手にした多くの社会人が一度ならず感じることだといえるでしょう。私自身も社会人生活30年の途上で、この悦子の気持ちと重なる思いを幾度もしたものです。
その意味でこのシリーズは、単なるお仕事一所懸命物語で終わらぬしたたかさを持っているといえます。
悦子のみならず、社会人として歩み始めて間のない多くの主要登場人物たちが転機を迎えます。その新しい道へと一歩を踏み出すときに必ず味わう不安やほろ苦さを彼らもまた噛みしめる姿が描かれます。
ライトノベルとしての軽さと軽やかさを持つ小説とはいえ、なかなか侮れないという思いをもって書を閉じました。
-----------------
ところで、気になる漢字表記がありました。校閲部に勤める女性が主人公である小説だけに、まさか校閲ミスということもないのでしょうが、以下のとおり指摘しておきます。
*103頁:「関れる」、
*180頁:「関って」、「関る人」とありますが、
――平成22年11月30日内閣告示の常用漢字表では「かかわる」と読ませるのであれば「関わる」と表記すると定められています。
調べてみたところ、「関る」と表記すると「あずかる」と読むことになります。
今回、校閲話は少し鳴りをひそめて、河野悦子は憧れのLassy編集部、ではなくその姉妹誌でほんの短期間ですが、お試し程度に編集者としてのお仕事をすることになります。学生時代からの目標をほぼ手中に収めたと思った瞬間から、悦子は戸惑いと共にひとつのことを学んでいくことになります。
それは、同じように憧れの職業を手にした多くの社会人が一度ならず感じることだといえるでしょう。私自身も社会人生活30年の途上で、この悦子の気持ちと重なる思いを幾度もしたものです。
その意味でこのシリーズは、単なるお仕事一所懸命物語で終わらぬしたたかさを持っているといえます。
悦子のみならず、社会人として歩み始めて間のない多くの主要登場人物たちが転機を迎えます。その新しい道へと一歩を踏み出すときに必ず味わう不安やほろ苦さを彼らもまた噛みしめる姿が描かれます。
ライトノベルとしての軽さと軽やかさを持つ小説とはいえ、なかなか侮れないという思いをもって書を閉じました。
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ところで、気になる漢字表記がありました。校閲部に勤める女性が主人公である小説だけに、まさか校閲ミスということもないのでしょうが、以下のとおり指摘しておきます。
*103頁:「関れる」、
*180頁:「関って」、「関る人」とありますが、
――平成22年11月30日内閣告示の常用漢字表では「かかわる」と読ませるのであれば「関わる」と表記すると定められています。
調べてみたところ、「関る」と表記すると「あずかる」と読むことになります。
2016年11月3日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
一気に読んでしまいました。
推理小説?恋愛小説??でもやっぱりお仕事一番!!と、いろいろな要素てんこ盛りで、ジェットコースターに乗っているかのような展開続きでした。
前作の『ア・ラ・モード』の内容もちゃんと関係していて、とても楽しく最後まで読めました。
これで完結なのかな…。
ちょっぴり残念です。
個人的には、貝塚くんとのことがとても気になります。
推理小説?恋愛小説??でもやっぱりお仕事一番!!と、いろいろな要素てんこ盛りで、ジェットコースターに乗っているかのような展開続きでした。
前作の『ア・ラ・モード』の内容もちゃんと関係していて、とても楽しく最後まで読めました。
これで完結なのかな…。
ちょっぴり残念です。
個人的には、貝塚くんとのことがとても気になります。
2016年11月7日に日本でレビュー済み
著者としては、ちょっとおバカなギャルを主人公にして、楽しさ満杯の、ドタバタ喜劇にしたかったのではないか、と思います。
しかし、読み進んでいくと、なんか暗い感じがするのです。
どうも、私にはなじめない作風でした。
全5話中の2話を読んで、ギブアップしました。
読んだ2話は前後編の、一種の暗号ものミステリとも言えるのですが、いまいちすっきりしないトリックでした。
要は私には合わない小説だったということでしょう。
こういうのがおもしろいと感じる人は、あまりお気になさらないように。
しかし、読み進んでいくと、なんか暗い感じがするのです。
どうも、私にはなじめない作風でした。
全5話中の2話を読んで、ギブアップしました。
読んだ2話は前後編の、一種の暗号ものミステリとも言えるのですが、いまいちすっきりしないトリックでした。
要は私には合わない小説だったということでしょう。
こういうのがおもしろいと感じる人は、あまりお気になさらないように。
2016年11月21日に日本でレビュー済み
今回はシリーズ第三弾。第二弾とは異なり、通常のエピソードに戻り、恋愛、職場異動、天職と読みごたえがありました。どうでも良いけど、『自腹』に関する貝塚のオヤジギャグ?に関心してしまいました(笑)。詳しくは本文で。続編が出ることを期待します。
2016年12月31日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
いやあ、面白かったです。
テレビでこの小説の存在を知り、読み始めましたが、三冊を続けて一気に読み進んでしまいました。
テレビ版と若干設定が違うとはいえ、それはそれで面白い。
久々に大ヒットの小説でした!!
テレビでこの小説の存在を知り、読み始めましたが、三冊を続けて一気に読み進んでしまいました。
テレビ版と若干設定が違うとはいえ、それはそれで面白い。
久々に大ヒットの小説でした!!
2016年10月31日に日本でレビュー済み
始めはドラマから入ったのですが、
待ちきれずに本を読み始め止まらなくなりました。
1冊目は3時間ほどで読破!のおもしろさ!!
ア・ラ・モードはサイドストーリーなのでちょっとだらけちゃいましたが、
この本は1冊目と同じ強靭な面白さを持っています!
えっちゃんかわいい!そして、完璧すぎない所が共感もてちゃっていいんだね。
やっぱり面白い。
待ちきれずに本を読み始め止まらなくなりました。
1冊目は3時間ほどで読破!のおもしろさ!!
ア・ラ・モードはサイドストーリーなのでちょっとだらけちゃいましたが、
この本は1冊目と同じ強靭な面白さを持っています!
えっちゃんかわいい!そして、完璧すぎない所が共感もてちゃっていいんだね。
やっぱり面白い。
2017年1月4日に日本でレビュー済み
基本的には楽しいお話だけど、そこが受けてるとこなんだろうけど、がちゃがちゃした部分が自分には読みにくい。
流れに躓く。自分が本書の「ターゲット層」から外れてるからだと思います。
流れに躓く。自分が本書の「ターゲット層」から外れてるからだと思います。