本書を読む前は、南京事件否定派の「30万人もいなかった」を鵜呑みで信じていた。
本書を読み、1次史料から歴史的事実を明らかにしていくことの大切さを、改めて認識した。
南京事件はあったのです。正確な被害者人数を明らかにするのは難しいものの、複数の当事者の日記が同様の記載をしていることからも、明らかなのです。

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「南京事件」を調査せよ 単行本 – 2016/8/25
清水 潔
(著)
ギャラクシー賞テレビ部門優秀賞、放送人グランプリ2016準グランプリ、平和・協同ジャーナリスト基金賞奨励賞、メディア・アンビシャス賞、放送人の会・準グランプリ、第16回「石橋湛山記念 早稲田ジャー ナリズム大賞」公共奉仕部門大賞、日本民間放送連盟賞 テレビ報道番組優秀賞受賞 各方面から大絶賛のテレビ番組『日テレNNNドキュメント 南京事件 兵士たちの遺言』が、大幅な追加取材で待望の書籍化!
77年目の「調査報道」が事実に迫る。
南京事件」は本当にあったのか?
なかったのか?
戦後70周年企画として、調査報道のプロに下されたミッションは、77年前に起きた「事件」取材だった。「知ろうとしないことは罪」――心の声に導かれ東へ西へと取材に走り廻るが、いつしか戦前・戦中の日本と、安保法制に揺れる「現在」がリンクし始める……。伝説の事件記者が挑む新境地。
77年目の「調査報道」が事実に迫る。
南京事件」は本当にあったのか?
なかったのか?
戦後70周年企画として、調査報道のプロに下されたミッションは、77年前に起きた「事件」取材だった。「知ろうとしないことは罪」――心の声に導かれ東へ西へと取材に走り廻るが、いつしか戦前・戦中の日本と、安保法制に揺れる「現在」がリンクし始める……。伝説の事件記者が挑む新境地。
- 本の長さ278ページ
- 言語日本語
- 出版社文藝春秋
- 発売日2016/8/25
- ISBN-104163905146
- ISBN-13978-4163905143
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登録情報
- 出版社 : 文藝春秋 (2016/8/25)
- 発売日 : 2016/8/25
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 278ページ
- ISBN-10 : 4163905146
- ISBN-13 : 978-4163905143
- Amazon 売れ筋ランキング: - 384,407位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 58,341位ノンフィクション (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
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ジャーナリスト
1958(昭和33)年、東京都生れ。
新潮社「FOCUS」編集部を経て、2018年7月現在は日本テレビ報道局記者・特別解説委員。
早稲田ジャーナリズム大学院講師他。
受賞歴
・2001年『桶川ストーカー殺人事件 遺言』で日本ジャーナリスト会議(JCJ)大賞
・2014年『殺人犯はそこにいる』で新潮ドキュメント賞、日本推理作家協会賞(評論その他の部門)を受賞
・警視総監賞(交通事故問題連載企画)
・編集者が選ぶ雑誌ジャーナリズム賞(桶川事件連載企画)
・日本民間放送連盟最優秀賞(足利事件報道)
・ギャラクシー賞 奨励賞(NNNドキュメント'10「検察…もう一つの疑惑〜封印された真犯人」
・編集者が選ぶ雑誌ジャーナリズム賞(足利事件連載企画)
・日本民間放送連盟テレビ報道部門優秀賞(連続幼女誘拐・殺人事件に新事実 2011年)
・ギャラクシー賞 優秀賞(NNNドキュメント'15「南京事件〜兵士達の遺言」)
・早稲田ジャーナリズム大賞、その他受賞多数
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2023年2月14日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
当時30万人以上が犠牲となった南京虐殺は史実なのか、という疑問に対して、どのように綿密な調査をおこなって真実を暴いていくのか、という点に期待してページをめくりましたが、本書の構造はもっと重層的・有機的で、読み終わったとき、ある種の感動を禁じえませんでした。
ネタバレになるので詳しくは述べませんが、本書ではいくつもの伏線が張り巡らされており、それらが全て回収されながら、南京虐殺の真実へと読者を導くと同時に、そもそも「真実を希求すること」は私たちにとって何を意味するのかが示されます。
正直、本書の7割ほどで終わる南京虐殺の検証よりも、その後に展開されるもう一つの「調査報道」の方に衝撃を受けました。
また、本書を読んでいて自分でも可笑しくなるくらい盲点だったのは、海軍中将の大西瀧治郎に関する記述です。
"後に海軍中将となる大西は特攻隊の創始者のひとりと言われている。終戦間近になっても、彼は特攻の必要性を強く訴え続けていたという。「二千万人の男子を特攻隊として繰り出せば戦局挽回は可能」「国民全部が特攻精神を発揮すれば、たとえ負けたとしても日本は亡びない」などと主張。敗戦の日まで、若い命が次々と奪われていったのである。(中略)思えば、こんなところにも日本軍による虐殺行為の有無の答えは埋め込まれていたのだ。戦争で勝つためには自国民の命すら問題としない軍である。まして敵国民の命など元から配慮をするはずなどないのだ。"
本当に素晴らしい本です。
ネタバレになるので詳しくは述べませんが、本書ではいくつもの伏線が張り巡らされており、それらが全て回収されながら、南京虐殺の真実へと読者を導くと同時に、そもそも「真実を希求すること」は私たちにとって何を意味するのかが示されます。
正直、本書の7割ほどで終わる南京虐殺の検証よりも、その後に展開されるもう一つの「調査報道」の方に衝撃を受けました。
また、本書を読んでいて自分でも可笑しくなるくらい盲点だったのは、海軍中将の大西瀧治郎に関する記述です。
"後に海軍中将となる大西は特攻隊の創始者のひとりと言われている。終戦間近になっても、彼は特攻の必要性を強く訴え続けていたという。「二千万人の男子を特攻隊として繰り出せば戦局挽回は可能」「国民全部が特攻精神を発揮すれば、たとえ負けたとしても日本は亡びない」などと主張。敗戦の日まで、若い命が次々と奪われていったのである。(中略)思えば、こんなところにも日本軍による虐殺行為の有無の答えは埋め込まれていたのだ。戦争で勝つためには自国民の命すら問題としない軍である。まして敵国民の命など元から配慮をするはずなどないのだ。"
本当に素晴らしい本です。
2016年8月29日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
桶川ストーカー、北関東連続幼女殺害と清水記者の本には、単にるジャーナリズムだけではなく、行動し結果を出すという意味で度肝を抜かれてきたので、今回国民的問題である南京事件の本を出すというのを知って予約注文で読みました。
さすがに前作とは違い、75年以上前の出来事なので、直接その場にいた人はもはや誰もいなくなってしまったので、資料に頼るしかないわけだが、一次資料、つまり直接関係者が自分で残した資料を集めたことを最初のとっかかりとしている。幸いなことに直接の加害者である兵士たちの出身地である東北で、すでに資料集めをされている人と接触することができたおかげで彼らの日記や取材のビデオを入手することができ、そして彼らの日記がフィクションでないことを確認するために軍や港の公式資料、また別の人々の証言から地理的時間的整合性を確認している。
いままで百人切り事件はありえないとか、南京事件の写真とされたものが別の写真だったりねつ造されたものだったりという断片的な情報ばかりがネットなどに飛び交っていて、いった南京事件がどういう背景で発生したものかなどよくわからなかったが、さきの数々の一次資料を総合することで事件にいたるまでのストーリーが浮かび上がらせてくれたことで、事件に対する理解が非常に深まった。
この本でかなりはっきりさせたのは南京占領時に確保した数万人の捕虜たちに対して食料などを与えることができず、また釈放すればいつ逆襲されるかわからないので、全員皆殺しにせよという命令が下され、揚子江沿いの空き地に5000人単位で集められ、事前に設置された機関銃で射殺、死んだふりをしている人間の息の根をとめるために銃剣でできるだけ突き刺し、さらに油をかけて火をつけたということが2日間かそれ以上にわたって行われたということ。
捕虜の殺害だけだと中国が主張する30万人以上という数字にはならないが、日本軍の補給線が伸び切り、徴発という形で現地の人々から食料を奪い取れという指令が軍本部からでていることを考えれば民間人を強姦、乱暴、殺害したことは大いにあり得るという推測をしている。
さらに清水氏はスコープを広げて、日清戦争の勃発が「邦人保護」という名目ではじまったこと、そしていまの安倍政権が「邦人保護」を前に出して憲法改正を画策していることの危機感を暗にほのめかしている。
ということで、かなりの事実に基いた結論と推量、そしてほのめかしがいろいろ入った本なので、いままでの清水氏の本とは違うな、という印象をうけた。前の本だと権力に噛みついた力強さ、まさに「ペンは剣よりも強し」を感じさせたけれど、今回は特に清水氏でなくてもやれたような印象がある。とはいうものの、逆に言えば、これくらいの調査でかなりはっきりしたことがわかったはずなのに、マスコミやネットの論争のままにほったらかしていた政府に怒りを感じた。広島の原爆記念館などありとあらゆる資料やインタビュー、日記を集めているのに、南京事件についてはまるで積極的に調査していない。
清水氏もあとがきで言っていたが、東北で資料を集めてくれていた人がもしいなかったら、この本は成立していなかっただろうと。
以前に産経新聞で兵士の証言で「虐殺など見たことも聞いたこともない」とか、別の本で当時南京に住んでいた48人の証言を取ると、だれも大虐殺があったなどとは「東京裁判まで知らなかった」と言っている、だから、南京事件など中国のねつ造で最初からなかった、日本人がそんな残酷なことをするわけがない、という櫻井よしこをはじめとする愛国主義からくる主張など、いまだに「あった、なかった」の論争はありこれからも続くであろうが、少なくとも、数万人の捕虜を日本軍が計画的に処刑したということは事実であり、これは明らかに条約違反だし、一万人以上を数日間の間に殺したことを「大虐殺」と言ってはいけないだとだれも言わないであろうと思われる。
この本を読んだ人には同じ第一次資料として当時南京にいた48人の証言をまとめた「南京事件」日本人48人の証言を読むことをおすすめする。清水氏の本と違って直接殺害の当事者である兵士の証言はないが、たしかに誰も「大虐殺はなかった」とはいっているが、揚子江沿い、下関付近で数千人の捕虜を銃殺したことやその死体を見たという証言が載っている。捕虜を数千人規模で殺害しても当時の感覚ではそれは戦争ではよくあることで、特別虐殺だとは誰も思っていないことがわかる。
自分の義理の祖父も満州へ出兵にいった一人で、かれは中国人のことを「チャンコロ」と言っていた。その言いぶりは明らかに日本人と同じ人間同士としての意識はなく動物かモノをいう時のそれであった。南京の捕虜を伝える当時の新聞をみても「捕虜大量」というかわりに「捕虜大漁」という言葉を使っていることから人間として尊重していないことは明らか。
勿論を捕虜を殺害するというのは彼らの本意ではなかったと思うが、マインドセットとしては、やむを得ずBSEの感染の可能性のある牛を何千頭処分したときの判断に近いものがあるのではないか。捕虜が日本人だったら絶対にしないだろう。
清水氏は、いまの「爆買い」という言葉にも中国人に対する蔑視の気持ちが垣間見えることを伝えている。
確かに中国側もどう考えても感情的に大げさにいっているとしか思えないわけで、たとえば今アメリカのAmazonで一番売れている「Rape of Nanking」という本の紹介をみても、日本軍は殺す前にレイプ、拷問をした、とか、30万人以上の犠牲者は、日本の広島と長崎の犠牲者の数よりも多い、など、拡大解釈したり、日本の原爆被害者の気持ちを逆なでするような言い方をする部分も多いかと思う。これが、「言われたら言い返す」的な不毛なピンポンゲームを生み出している原因であることは間違いない。
さすがに前作とは違い、75年以上前の出来事なので、直接その場にいた人はもはや誰もいなくなってしまったので、資料に頼るしかないわけだが、一次資料、つまり直接関係者が自分で残した資料を集めたことを最初のとっかかりとしている。幸いなことに直接の加害者である兵士たちの出身地である東北で、すでに資料集めをされている人と接触することができたおかげで彼らの日記や取材のビデオを入手することができ、そして彼らの日記がフィクションでないことを確認するために軍や港の公式資料、また別の人々の証言から地理的時間的整合性を確認している。
いままで百人切り事件はありえないとか、南京事件の写真とされたものが別の写真だったりねつ造されたものだったりという断片的な情報ばかりがネットなどに飛び交っていて、いった南京事件がどういう背景で発生したものかなどよくわからなかったが、さきの数々の一次資料を総合することで事件にいたるまでのストーリーが浮かび上がらせてくれたことで、事件に対する理解が非常に深まった。
この本でかなりはっきりさせたのは南京占領時に確保した数万人の捕虜たちに対して食料などを与えることができず、また釈放すればいつ逆襲されるかわからないので、全員皆殺しにせよという命令が下され、揚子江沿いの空き地に5000人単位で集められ、事前に設置された機関銃で射殺、死んだふりをしている人間の息の根をとめるために銃剣でできるだけ突き刺し、さらに油をかけて火をつけたということが2日間かそれ以上にわたって行われたということ。
捕虜の殺害だけだと中国が主張する30万人以上という数字にはならないが、日本軍の補給線が伸び切り、徴発という形で現地の人々から食料を奪い取れという指令が軍本部からでていることを考えれば民間人を強姦、乱暴、殺害したことは大いにあり得るという推測をしている。
さらに清水氏はスコープを広げて、日清戦争の勃発が「邦人保護」という名目ではじまったこと、そしていまの安倍政権が「邦人保護」を前に出して憲法改正を画策していることの危機感を暗にほのめかしている。
ということで、かなりの事実に基いた結論と推量、そしてほのめかしがいろいろ入った本なので、いままでの清水氏の本とは違うな、という印象をうけた。前の本だと権力に噛みついた力強さ、まさに「ペンは剣よりも強し」を感じさせたけれど、今回は特に清水氏でなくてもやれたような印象がある。とはいうものの、逆に言えば、これくらいの調査でかなりはっきりしたことがわかったはずなのに、マスコミやネットの論争のままにほったらかしていた政府に怒りを感じた。広島の原爆記念館などありとあらゆる資料やインタビュー、日記を集めているのに、南京事件についてはまるで積極的に調査していない。
清水氏もあとがきで言っていたが、東北で資料を集めてくれていた人がもしいなかったら、この本は成立していなかっただろうと。
以前に産経新聞で兵士の証言で「虐殺など見たことも聞いたこともない」とか、別の本で当時南京に住んでいた48人の証言を取ると、だれも大虐殺があったなどとは「東京裁判まで知らなかった」と言っている、だから、南京事件など中国のねつ造で最初からなかった、日本人がそんな残酷なことをするわけがない、という櫻井よしこをはじめとする愛国主義からくる主張など、いまだに「あった、なかった」の論争はありこれからも続くであろうが、少なくとも、数万人の捕虜を日本軍が計画的に処刑したということは事実であり、これは明らかに条約違反だし、一万人以上を数日間の間に殺したことを「大虐殺」と言ってはいけないだとだれも言わないであろうと思われる。
この本を読んだ人には同じ第一次資料として当時南京にいた48人の証言をまとめた「南京事件」日本人48人の証言を読むことをおすすめする。清水氏の本と違って直接殺害の当事者である兵士の証言はないが、たしかに誰も「大虐殺はなかった」とはいっているが、揚子江沿い、下関付近で数千人の捕虜を銃殺したことやその死体を見たという証言が載っている。捕虜を数千人規模で殺害しても当時の感覚ではそれは戦争ではよくあることで、特別虐殺だとは誰も思っていないことがわかる。
自分の義理の祖父も満州へ出兵にいった一人で、かれは中国人のことを「チャンコロ」と言っていた。その言いぶりは明らかに日本人と同じ人間同士としての意識はなく動物かモノをいう時のそれであった。南京の捕虜を伝える当時の新聞をみても「捕虜大量」というかわりに「捕虜大漁」という言葉を使っていることから人間として尊重していないことは明らか。
勿論を捕虜を殺害するというのは彼らの本意ではなかったと思うが、マインドセットとしては、やむを得ずBSEの感染の可能性のある牛を何千頭処分したときの判断に近いものがあるのではないか。捕虜が日本人だったら絶対にしないだろう。
清水氏は、いまの「爆買い」という言葉にも中国人に対する蔑視の気持ちが垣間見えることを伝えている。
確かに中国側もどう考えても感情的に大げさにいっているとしか思えないわけで、たとえば今アメリカのAmazonで一番売れている「Rape of Nanking」という本の紹介をみても、日本軍は殺す前にレイプ、拷問をした、とか、30万人以上の犠牲者は、日本の広島と長崎の犠牲者の数よりも多い、など、拡大解釈したり、日本の原爆被害者の気持ちを逆なでするような言い方をする部分も多いかと思う。これが、「言われたら言い返す」的な不毛なピンポンゲームを生み出している原因であることは間違いない。
2022年7月31日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
著者の清水潔は、チーフディレクターとして、NNNドキュメント「南京事件 兵士たちの遺言」(日本テレビ・2015年10月4日放送)を作成した。
その時、活用した資料が、『陣中日記』(旧日本軍兵士の日記帳)という格好の一次資料である。
それらの資料は、『南京大虐殺を記録した皇軍兵士たち』(大月書店)の編者の一人である福島県在住の方から譲り受けたものという。
資料には、『陣中日記』の原本やコピー、そして証言ビデオも含まれている。
なお、旧日本軍としての階級は、少尉、伍長、上等兵、一等兵、そして二等兵などである。
さて、南京市での出来事(特に、1937年12月16日付け(昭和12))については、具体的に7名分の日記が紹介されている。
要約すれば、「揚子江岸にて数千人を銃殺・・・」となる。
清水潔は、このテレビ放映の後に、『陣中日記』の裏取り調査を中国本土で重ねて、本書『「南京事件」を調査せよ』にまとめあげた。
ところで、南京において、日本軍による行過ぎた暴力行為が、多発していたことは間違いない。
そして、その情報は、昭和天皇の元にも届いていた。
例えば、NHK WEB特集「昭和天皇「拝謁記」の衝撃」(2019年9月17日18時04分)によれば、「拝謁記」の中に、次のような記述があるという。
「支那事変で南京でひどい事が行ハれてるといふ事をひくい其筋でないものからウス/\(うす)聞いてはゐた」。
なお、「拝謁記」とは、初代宮内庁長官・田島道治が、昭和天皇との対話(戦後)を詳細に書き残したメモ書きである。
注)
田島道治・宮内府長官:
1948年(昭和23年)6月5日 - 1949年(昭和24年)5月31日
田島道治・宮内庁長官:
1949年(昭和24年)6月1日 - 1953年(昭和28年)12月16日
NHK WEB特集では、「拝謁記」について、次のように記している。
「昭和天皇が戦争への後悔を繰り返し語り、深い悔恨と反省の気持ちを表明したいと強く希望していたことが分かった。昭和天皇の生々しい肉声が記された超一級の資料」。
記録は残されている。
後は、それをどう解釈して、今後にどのように生かしていくかであろう。
その時、活用した資料が、『陣中日記』(旧日本軍兵士の日記帳)という格好の一次資料である。
それらの資料は、『南京大虐殺を記録した皇軍兵士たち』(大月書店)の編者の一人である福島県在住の方から譲り受けたものという。
資料には、『陣中日記』の原本やコピー、そして証言ビデオも含まれている。
なお、旧日本軍としての階級は、少尉、伍長、上等兵、一等兵、そして二等兵などである。
さて、南京市での出来事(特に、1937年12月16日付け(昭和12))については、具体的に7名分の日記が紹介されている。
要約すれば、「揚子江岸にて数千人を銃殺・・・」となる。
清水潔は、このテレビ放映の後に、『陣中日記』の裏取り調査を中国本土で重ねて、本書『「南京事件」を調査せよ』にまとめあげた。
ところで、南京において、日本軍による行過ぎた暴力行為が、多発していたことは間違いない。
そして、その情報は、昭和天皇の元にも届いていた。
例えば、NHK WEB特集「昭和天皇「拝謁記」の衝撃」(2019年9月17日18時04分)によれば、「拝謁記」の中に、次のような記述があるという。
「支那事変で南京でひどい事が行ハれてるといふ事をひくい其筋でないものからウス/\(うす)聞いてはゐた」。
なお、「拝謁記」とは、初代宮内庁長官・田島道治が、昭和天皇との対話(戦後)を詳細に書き残したメモ書きである。
注)
田島道治・宮内府長官:
1948年(昭和23年)6月5日 - 1949年(昭和24年)5月31日
田島道治・宮内庁長官:
1949年(昭和24年)6月1日 - 1953年(昭和28年)12月16日
NHK WEB特集では、「拝謁記」について、次のように記している。
「昭和天皇が戦争への後悔を繰り返し語り、深い悔恨と反省の気持ちを表明したいと強く希望していたことが分かった。昭和天皇の生々しい肉声が記された超一級の資料」。
記録は残されている。
後は、それをどう解釈して、今後にどのように生かしていくかであろう。
2023年3月10日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
一次資料の発掘や、生存者へのインタビュー、現地取材などを尽くしており、信用できる本です。