将軍様、あなたのために映画を撮ります [DVD]
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フォーマット | 色, ドルビー |
コントリビュータ | シン・サンオク, ロス・アダム, 金正日, ロバート・カンナン, チェ・ウニ |
言語 | 韓国語 |
稼働時間 | 1 時間 37 分 |
商品の説明
≪映画≫と≪金正日≫、驚愕の拉致事件の真実。
1978年―― 韓国の女優と、映画監督が北朝鮮によって拉致された。
一体なんのために? 二人が辿った数奇な運命が、今、明かされる。
ユーロスペース(東京)ほか全国順次公開作品
―独裁者に拉致された悲運の韓国女優の平壌での実体験と脱出劇は拉致問題を抱える日本人には必見である! !
辺 真一(「コリア・レポーター」編集長)
―これぞドキュメンタリーの力。劇映画では到達出来ない恐怖と面白さ。
松江哲明(映画監督)
<ストーリー>
1978年、韓国人女優崔銀姫(チェ・ウニ)と、著名な映画監督である申相玉(シン・サンオク)が北朝鮮に拉致された事件を追ったドキュメンタリー映画。亡命から30年の時を経た今、ベールに包まれた国家の内幕が明かされる。
★特典映像
〇オリジナル予告編
★北朝鮮に拉致された女優と映画監督の二人は、どのようにして生還できたのか?本邦初公開となる金正日の肉声や貴重な資料・インタビューでおくる驚異のドキュメンタリー! 孤独な独裁者が愛したもの、それは映画だった――
★各国の映画祭で話題に!
第31回サンダンス映画祭 ワールド・ドキュメンタリー・コンペティション部門出品
第66回ベルリン国際映画祭 Panorama Dokumente部門出品
<キャスト>
チェ・ウニ、シン・サンオク、金正日 ほか
<スタッフ>
監督:ロバート・カンナン、ロス・アダム
【DVD仕様】2016年/イギリス/カラー/本編97分/16:9LB/片面1層/音声:韓国語・日本語・英語ドルビーデジタル2.0chステレオ/日本語字幕/1枚組
※仕様は変更となる場合がございます。
(C)2016 Hellflower Film Ltd/the British Film Institute
発売元:彩プロ
販売元:TCエンタテインメント
登録情報
- 言語 : 韓国語
- 製品サイズ : 30 x 10 x 20 cm; 60 g
- EAN : 4562474184700
- 監督 : ロバート・カンナン, ロス・アダム
- メディア形式 : 色, ドルビー
- 時間 : 1 時間 37 分
- 発売日 : 2017/4/5
- 出演 : チェ・ウニ, シン・サンオク, 金正日
- 字幕: : 日本語
- 販売元 : TCエンタテインメント
- ASIN : B01MY969ZX
- 原産国 : 日本
- ディスク枚数 : 1
- Amazon 売れ筋ランキング: - 171,797位DVD (DVDの売れ筋ランキングを見る)
- - 1,442位外国のドキュメンタリー映画
- カスタマーレビュー:
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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それは、独裁者との会話を「隠し録りした録音テープ」だ。
他のインタビュー映像や再現映像がどうかということはともかく、
このテープの肉声(少し酔っているか)と笑い声には、「真実」の凄みがある。
映画内でも指摘されているが、この証拠があるかないかで話が違ってくる。
素材としては、特に拉致された二人が密かに録音した音声テープと云う最高の素材があり、これを中心に事実検証する内容であれば、ドキュメンタリーとしても完成されていたであろう。
しかし、再現ドラマなのか判り難い映像を差し込みながら、物語として構成してしまった為に、ドキュメンタリーとしての公正さを欠いたものになってしまったと感じる方が大きくなってしまった。
また、今では入手可能である申監督の北朝鮮での映画作品の分析など、証言を裏付ける資料はいくらでもあるだろうに、そこへの言及は少ない。
構成としても、この事件を知らない人には前提条件の説明が不十分な気がした。
勿論、知っていれば最低限の事は出ているのは判るのだが、あまり上手い構成に思えなかったので、そこら辺も付記しておく。
(本であれ、NHKスペシャルの様なTVドキュメンタリーであれ、最初に何についてどう云う形で伝えていくかの定義を徹底的にやった方が解りやすいのが多いでしょ?ダメなドキュメンタリーはそこが散漫でただのザッピング映像みたいな構成のが多すぎる)
あとは、日本語字幕の問題としては、海外作品でオリジナルの文字表示があるものではしょうがないのかも知れないが、字幕位置がそれを避けて左右どちらかに縦書きになるシステムはどうにかして欲しいものだ。
字幕で潰れると云うのを嫌うのなら、そもそも字幕が下であっても映像を邪魔しているのだから、海外の聴覚障碍者向け母国語字幕とまでは行かないまでも、日本の映画作品ももう少し視聴者への配慮の方を優先して貰いたいと常々思っている。
また、ドキュメンタリーなら日本語の部分も字幕を付けるべきだったと思う。
TVのドキュメンタリーでもそうしてるのが今は多いでしょ。
あと、ドキュメンタリーを文字起こしした書籍などでは注釈が普通に入っている訳で、映像作品でも簡単な括弧書きなどを入れて解りやすくする配慮があっても良いと思っている。
その辺も最近のTVドキュメンタリーでは入っているものも見受けられるので、恣意性が入らない程度の補足はあっても差し支えないだろう。
むしろ、編集して切り取って繋げている映像作品においては、余程、編集で判りやすく構成していると言えない限り、情報量は過剰な方が視聴者に公正な判断をさせやすいと思っている。
そう云う意味でも、ドキュメンタリーとしての配慮が足りないと感じる部分が見受けられる作品であった。
色々、勿体ない惜しい作品だった。
字幕は、さっと読んでスグに意味が伝わるように、簡略的に訳すのが通例ではあるが、それを利用して「ある意図」に合致するように、うまいこと日本語訳がなされているような字幕が、何か所もあるようだ。出演人物の肝心要な「一言」が翻訳されず、字幕に現れない所が多くある。加えて録音テープについても、金正日の発言に至るまでの前談の会話がないと、なんとも言えないものばかり。
「本人から渡北の打診があるが、どうするか?」という前談があれば「連れて来い」という発言があっても、なんらおかしいものではないのである。作中の「連れてきた事を総括した」「自己批判をした」という金正日の発言は連れてきた「方法」の事であって、「無理やり連れてきた事」に対してでは無いのかもしれないのである。
この事件について世界一般で知られている筋書きは、韓国の1960年代の軍事独裁政権の弾圧により映画製作を禁止され、多額の借金を背負って首が回らなくなっていた申監督と崔元夫人が、香港で北朝鮮のシンパと接触し、映画事業を発展させようとしていた当時の北朝鮮の思惑と現状を打破したい申監督らの思惑が見事に合致し、結果、渡北に至ったというもの。
北朝鮮に行けば、抱えた多額の借金が全てチャラになり、自分を追い込んだ当時の韓国軍事政権への見返しにもなり、資金に糸目を付けず映画作製が出来る(金正日がスポンサーであり北朝鮮の国庫が資金源なのだから)ことに魅惑を感じた申監督や崔元夫人が、自らが渡北希望を頻繁に口にしていた結果、それが北朝鮮に伝わった事で成し遂げられ、北朝鮮では金正日の庇護で一時は一世風靡したものの、その後、国際的に社会主義国家が崩壊し始め、その影響で北朝鮮の懐事情も厳しくなるやいなや、今度は北朝鮮に見切りをつけてアメリカに亡命した…というのがこの事件に対する世界一般的な解釈。
・崔元夫人が、香港で宿をそのままにして忽然と姿を消したのは「失踪者」になることで借金取りから姿をくらます為であったという事、既に過去の現地捜査と元夫人の証言で明らかにされている。当時彼女には多額の借金があり、それは元夫(申監督)が当時の韓国軍事政権から、映画許可を取り消された事に起因する借金であった。
・崔恩姫元夫人が北朝鮮の南浦(ナンポ)港に着いた時に「金正日が出迎えた」となっているが、いつ襲ってくるかもしれない「拉致してきた」人物を(サングラスの柄で眼球を突く事くらい女性にでも簡単に出来る)を、金正日が「直」に港で出迎えて握手するなんて事は有りえない話なのである。金正日が南浦で崔恩姫元夫人を出迎えたという事は、来客が「善意で北に渡ってきた人物」(少なくとも恨みや敵意を持っていない人物)であり、「両者の思惑が合致していた入北だった」という真相の表れの可能性が高い。
北朝鮮は高度に組織化された国家である。米韓が合同であれだけ多くの予算と屈指の特殊軍備を使って北朝鮮トップの「斬首作戦」を常に練り狙っているが、戦後70年近く経過しても未だに成功に至っていない。南浦で「拉致者」を直に出迎えてしまうような軽率な金正日及び北朝鮮の警護態勢ならば、とうの昔に米韓の特殊部隊によって暗殺作戦が成功しているはずである。
加えて言うなら、韓国には、日本の植民地から解放された後、北朝鮮が実施した「土地改革」によって資産をすべて没収され韓国地域に逃げのびた、言わば「命を賭してでも金一族に復讐したい輩」などはゴマンといるのである。現にそういう勢力(西北青年会など)は、(金日成が主催した)南北連席会議に参加した民族主義者の巨頭、金九や、南北分断に強く反対した独立運動指導者、呂運亨などあらゆる独立志士、南北分断反対派らをことごとく暗殺している。刺し違える覚悟のあるこのような勢力を利用すれば、「直に出迎える金正日」などは、いとも簡単に暗殺できるのである。
もちろん崔元夫人の発言は虚偽で「金正日は崔夫人を南浦港にて出迎えていない」という可能性もある。なぜなら申監督夫妻は、北朝鮮ではとても丁重に扱われ自由に映画撮影をさせてもらえていて(北朝鮮での映画作製は全て元夫妻本人らから起案、提案したものばかり)、自らもその厚遇を世界に向けて謳歌していたことは、当時世界的に知られていた事実であったことから、脱北後にそれら全てが「強制されていたこと」とするには、さすがに無理があるからである。その不自然さを拭う為の「歓迎を受けた、だから嫌ではなかった」という「自身が北朝鮮にコミットしたワケ」が必要になった結果、後になって「南浦港での金正日お出迎え逸話」を付けくわえた、という疑念である。
・南浦での金正日のお出迎えの真実がどちらにせよ…映画製作に没頭したいとう願望とは逆に韓国軍事政権の弾圧により映画製作の許可を取り消され、大きな借金を抱え首が回らなくなっていた時に都合良く、北朝鮮に「強制的に」拉致され、トップのお出迎えに始まる超絶VIP厚遇が始り、資金を気にしなくてもよいという映画人にとっての天国の道が開かれ、「北朝鮮の広告塔」として世界を巡り渦中の人物となり、権威ある賞を受賞し名声を轟かせ、過去境遇からの「一発逆転」を成し遂げた…と思ったら…北朝鮮の懐事情が悪くなった時期に合わせて脱北し、今度は「入北及び北朝鮮での活動は本意ではなく自分は被害者だ」と、反北朝鮮国家筆頭であるアメリカで「反北朝鮮の広告塔」として稼いで生活する……という流れを冷静にみれば「果してどっちがどっちを利用したのだろうか?」という疑問が出てくるのは自然な事ではないだろうか…そして、そもそも…作中での崔元夫人の発言は、本当に作品で扱われたような趣意だったのだろうか?何か違うように歪曲されて編集されてはいないだろうか?という疑念すら湧いてきてしまう。
・申監督の渡北経緯は、この作品の中でも明らかにされておらず(当時の韓国軍事政権からも睨まれ映画も造れず、多額の借金もかかえ八方塞がりだった事は作中でも語られている)、本作では申監督が北朝鮮に入国した直後に収監されたのは「収容所」ではなく「招待所」だという。「招待所」とは文字通り「招待」した要人の居住施設であって「収容所」とは全く別物の、北朝鮮の中では高級居住施設に値するものである(「招待所体験者」の証言は数多く世に出ている)。
・申監督が渡北した後に何らかの理由で「招待所」を脱出したという事は(作品では汽車に飛び乗った事は紹介されている)、北朝鮮からしてみれば、自らの意思で(申監督が)入北したにもかかわらず、そして事もあろうか「招待所」から逃避したということは、韓国から送られてきた「スパイ」の可能性があり、だから確保した後に「第6収容所」に送り尋問を繰り返した…という筋書き(北朝鮮の言い分)を成り立たせてしまうものである。
・入北意思が「元からあった」と思われような入北経緯によって申監督は、1999年に韓国への帰国を果した際、韓国の政府や映画諸団体から一切の援助や協力、助力を断られている(本来なら拉致被害者の「自力生還」という事で英雄扱いされるはずなのだが)。そしてこの事件については「南朝鮮(韓国)で追い込まれて生きる術に困っていた夫妻を救いだし、多額の貴重な資金(国費)を費やして自由に映画撮影をさせ本人の夢の実現に尽力してあげたのに、我が共和国(北朝鮮)は、彼ら(申監督元夫妻)に巧く騙され利用され、そして裏切られてしまった」という、申監督夫妻と北朝鮮で行動を共にした元北朝鮮高官脱北者(現在ロシア在住)の証言(脱北後のもの)も、現に世に出ているのである。
この作品は「アメリカにとって北朝鮮はどのような存在なのか?」という事を考えれば、作品の主旨が分かり易い。例えば後半に出てくる「金日成死去時に声を出して泣けない者は消された」というのはまったくのデタラメだという事、当時現地にいた多くの(長期滞在の)外国人らの証言もあれば、現に「おお泣き」していない人物のその後の活動が数多く確認されている。北朝鮮が鎖国的だから海外に真実が伝わらないのはもちろんの事、流布された北朝鮮情報のその後の「真偽確認」「裏取り」「実証」が殆どなされず、「デタラメを言ったもの勝ち」「言いたい放題」という現況が実在するのは言うまでもない。
その他、この作品内容のおかしな点を挙げればキリがないのだが…このレビューは決して、北朝鮮を擁護する意図はない。しかし「分かる人が見れば一発で分かる」ような、あまりに稚拙な歪曲や、「言ったもん勝ち」「裏取り不要に便乗した捏造や歪曲情報」が乱立するこの手の多くの作品をみると、こんな程度(低レベル)の北朝鮮分析だからこそ、「北朝鮮の民を救う」という大義を掲げる国際勢力が、未だに北朝鮮の民を救えていないのではないか?という事を改めて思い知らされてしまう。
「北朝鮮の民の救済と解放」を目指すなら、本気で、そして真面目にやってほしいものである。
基本的人権を抑圧する北朝鮮の独裁体制は、いつ終わるのでしょうか?
ドキュメンタリー作品としてのクオリティーは高いかと思います。