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投資される経営売買される経営 単行本 – 2016/6/1
中神 康議
(著)
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購入オプションとあわせ買い
東大、京大、一橋、早稲田、上智、そしてハーバードビジネススクールも!
--企業だけでなく大学・ビジネススクールでの講演も続々決定。会社とは
何か、投資家とは何か、まさに現代経済を知る必読書
オムロン、ピジョン、丸井グループ、タダノ、サンゲツ---数々の優良上場企業で幹部・マネジャーの課題図書に続々採用! !
「ハーバード・ビジネス・レビュー読者が選ぶベスト経営書2016」で名だたる経営書、翻訳書とならび16位にランクイン!
「なぜあの会社は長期投資され、うちの会社は短期売買ばかりされるのか…。」
経営者から見ると、投資家の行動には理解できないことが多いようです。
「うちは長期投資です」と言いながらいつの間にか売り抜けられていたり、
業績が悪い競合のほうがむしろ長期に投資されていたり…
本書では、経営者からは見えづらい投資家の本性や生態・分類を明らかにした上で、
長期投資家の投資ロジックを全て公開。長期投資される経営と短期売買される経営の
分岐点とはなにかを明らかにします。
巻末には楠木建・一橋大学大学院教授による30頁超の「長めの解説」が。
経営者にとっての本書の価値を、楠木先生独特の鋭くも軽妙な語り口で解説されています。
「長期投資家が考える良い経営」が理解できます。
【楠木建・一橋大学ビジネススクール教授推薦】
景色が晴れるような思いがする。
もっと言えば、目から鱗が落ちる。
日本最良と呼ばれる投資家による、これまでになかった経営論。
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【楠木建・一橋大学ビジネススクール教授推薦】
景色が晴れるような思いがする。
もっと言えば、目から鱗が落ちる。
日本最良と呼ばれる投資家による、これまでになかった経営論。
- 本の長さ259ページ
- 言語日本語
- 出版社日経BPマーケティング(日本経済新聞出版
- 発売日2016/6/1
- 寸法13.7 x 2.5 x 19.5 cm
- ISBN-104532320860
- ISBN-13978-4532320867
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商品の説明
著者について
中神 康議 (なかがみ・やすのり)
みさき投資株式会社代表取締役社長
大学卒業直後から経営コンサルティング業界に入る。アンダーセン・コンサルティング(現アクセンチュア)、コーポレイトディレクション(CDI)のパートナーとして、約20年弱にわたり幅広い業種で経営コンサルティングに取り組む。数多くのクライアント企業価値向上の実体験を元に、『働く株主』(R)投資モデルの有効性を確信。2005年に投資助言会社を設立し、上場企業への厳選長期エンゲージメント投資活動を開始。数々のエンゲージメント成功事例を産む。2013年にはみさき投資株式会社を設立し、引き続きエンゲージメント投資に取り組んでいる。近著に、『ROE最貧国 日本を変える』『経済学は何をすべきか』(ともに共著、日本経済新聞出版社)がある。慶應義塾大学経済学部卒。カリフォルニア大学バークレー校経営学修士(MBA)。公益社団法人日本証券アナリスト協会検定会員(CMA)。『山を動かす』研究会発起人・代表幹事
みさき投資株式会社代表取締役社長
大学卒業直後から経営コンサルティング業界に入る。アンダーセン・コンサルティング(現アクセンチュア)、コーポレイトディレクション(CDI)のパートナーとして、約20年弱にわたり幅広い業種で経営コンサルティングに取り組む。数多くのクライアント企業価値向上の実体験を元に、『働く株主』(R)投資モデルの有効性を確信。2005年に投資助言会社を設立し、上場企業への厳選長期エンゲージメント投資活動を開始。数々のエンゲージメント成功事例を産む。2013年にはみさき投資株式会社を設立し、引き続きエンゲージメント投資に取り組んでいる。近著に、『ROE最貧国 日本を変える』『経済学は何をすべきか』(ともに共著、日本経済新聞出版社)がある。慶應義塾大学経済学部卒。カリフォルニア大学バークレー校経営学修士(MBA)。公益社団法人日本証券アナリスト協会検定会員(CMA)。『山を動かす』研究会発起人・代表幹事
登録情報
- 出版社 : 日経BPマーケティング(日本経済新聞出版; New版 (2016/6/1)
- 発売日 : 2016/6/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 259ページ
- ISBN-10 : 4532320860
- ISBN-13 : 978-4532320867
- 寸法 : 13.7 x 2.5 x 19.5 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 180,049位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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2023年5月18日に日本でレビュー済み
「欧米」と簡単に言う人が多いが、もともと英語圏とヨーロッパ大陸では価値観が異なっていた。英語圏では、企業は投資家(株主)の利益を最大化するために活動すると考えてきた。これを一言で表現すると、「投資利回り最大化」になる。投資利回りを最大化する方法は決まっていて、それは発展途上国の中で一番優秀な国に投資すること。有能な人間を安い賃金で雇えて、効率よく物を生産できる国に投資すること。
ヨーロッパ大陸では、企業は地域社会に貢献するために活動すると考えてきた。雇用を維持し、地域の経済・文化に貢献することが使命であると考えてきた。これが後になって、国家に貢献するために発展していくのだが、ともかく日本の考え方はヨーロッパ大陸のほうに近かったといえる。近江商人の「三方よし」の教えを思い出してほしい。
19世紀のイギリス資本は根こそぎアメリカに移ってしまった。当時は、投資利回り最大化を実現できる国がアメリカだったからである。そして現代、アメリカ企業は国内の工場を閉鎖して、中国・ブラジル等第三国に生産設備を移している。これは「投資利回り最大化」という価値観からは、正しい行動である。
しかしその結果、中流階級の安定した仕事が激減し、安い時給のパートしか見つからなくなった。それでも統計上は失業者には入らない。その一方で、投資に回すまとまった資産を持つ人はますます儲かるようになり、ガードマンに守られ美観が保たれた高級住宅地に住むようになる。こうして貧富の二極分化が加速度をつけて拡大し、都市は荒廃していく。これがアングロサクソンの価値観の行き着く先である。MBAに代表されるアメリカ式経営を賞賛する人は、これをどう考えているのだろうか?
もうひとつの行き着く先は、地方文化の破壊である。詳しい説明は省くが、チェーン店というのは投資利回りを最大化するために、アメリカで考え出されたシステムである。これが広まれば、地域の個性ある店は廃業に追い込まれていく。そしてどこに行っても同じチェーン店が同じ商品を提供するようになるのである。つまり地方ごとの特色が廃れていき、無機質な巨大社会が出現する。アメリカはすでにそうなっているが、これが「投資利回り最大化」「ROE至上主義」を達成した国の姿である。参考文献:中野剛志「真説・企業論」「変異する資本主義」
ヨーロッパ大陸では、企業は地域社会に貢献するために活動すると考えてきた。雇用を維持し、地域の経済・文化に貢献することが使命であると考えてきた。これが後になって、国家に貢献するために発展していくのだが、ともかく日本の考え方はヨーロッパ大陸のほうに近かったといえる。近江商人の「三方よし」の教えを思い出してほしい。
19世紀のイギリス資本は根こそぎアメリカに移ってしまった。当時は、投資利回り最大化を実現できる国がアメリカだったからである。そして現代、アメリカ企業は国内の工場を閉鎖して、中国・ブラジル等第三国に生産設備を移している。これは「投資利回り最大化」という価値観からは、正しい行動である。
しかしその結果、中流階級の安定した仕事が激減し、安い時給のパートしか見つからなくなった。それでも統計上は失業者には入らない。その一方で、投資に回すまとまった資産を持つ人はますます儲かるようになり、ガードマンに守られ美観が保たれた高級住宅地に住むようになる。こうして貧富の二極分化が加速度をつけて拡大し、都市は荒廃していく。これがアングロサクソンの価値観の行き着く先である。MBAに代表されるアメリカ式経営を賞賛する人は、これをどう考えているのだろうか?
もうひとつの行き着く先は、地方文化の破壊である。詳しい説明は省くが、チェーン店というのは投資利回りを最大化するために、アメリカで考え出されたシステムである。これが広まれば、地域の個性ある店は廃業に追い込まれていく。そしてどこに行っても同じチェーン店が同じ商品を提供するようになるのである。つまり地方ごとの特色が廃れていき、無機質な巨大社会が出現する。アメリカはすでにそうなっているが、これが「投資利回り最大化」「ROE至上主義」を達成した国の姿である。参考文献:中野剛志「真説・企業論」「変異する資本主義」
2022年3月16日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
大学の授業の参考書でしたが、長期投資の考え方を理論的かつ実践的に示した教科書となっています。
投資を始める人、ガバナンスに関わる人、経営者が読むべき名著だと思います。
投資を始める人、ガバナンスに関わる人、経営者が読むべき名著だと思います。
2020年12月3日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
こういう本をもっと読みたい!と思う一冊。
いわゆる理論やフレームワークの紹介だけであれば物足りない。(たくさんある)
経験談では、汎用的ではない(自慢話はたくさんある)
この本はそうではなく、理論的であり、実践的である。
いわゆる理論やフレームワークの紹介だけであれば物足りない。(たくさんある)
経験談では、汎用的ではない(自慢話はたくさんある)
この本はそうではなく、理論的であり、実践的である。
2016年7月3日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
「経営者と投資家(株主)。時には利害が対立し、対峙する二律背反する存在」。しかし本書は「両者は敵対するものでは決してなく、互いに対話することで学びあえる存在」と捉える。
筆者は経営コンサルタント(経営者に助言)から、運用会社トップ(長期投資家=株主)に転じた中神康議氏。10社程度の日本企業に投資する特殊なファンドを運用。運用業界では知る人ぞ知る氏の渾身の労作だ。
実務経験のない経営学者による机上の空論でも、海外の経営学者の翻訳書でもない。経営関係の書籍で類書はなく、異色のもの。長期投資家が考える良い経営を語った、今までにないタイプの経営論で、筆者のこれまでのビジネス体験そのものといってもいい。
そのため、これまで堅実な経営をしてきた経営者の立場からすると、かなり違和感がある。ただ、これまで指摘されるまで気づかなかった「気づき」もあり、経営者や運用業界の関係者が読んでも参考になり得る。
本書出版の背景には、経営者と投資家の対話が現時点では不十分で、誤解があるとの筆者の危機感がある一方、経営者側が投資家に対する理解の浅さに警鐘を鳴らす狙いがありそうだ。これは投資家の考えていることと、経営者の考えていることが異なるからに他ならない。
筆者によれば、投資家と経営者に優劣はなく、互いに学ぶことによって日本の会社はもっとよくなるとエールを送っているのかもしれない。経済のエンジンは企業であり、企業のエンジンは経営。経営がよくなれば会社がよくなり、会社がよくなれば経済もよくなり、投資家としての投資リターンもあがる。この好循環を生み出すために投資家がどのようなことを考えているのかを明らかにするのが本書の狙いだ。
一口に投資家といっても、時間軸が大きく異なる。個人でも株価の値上がりを期待する者、長期安定的な配当を重視する者など様々だ。筆者の立場は長期の投資家。長期投資家の立場から、短期売買(うりかい)される会社と、長期投資される会社の違いは何かに迫り、投資される会社に変わるために必要なことを明らかにしようと試みている。
本書はこれらの問題意識について一つ一つ解を与えていく。全体で約260ページ。平易な言葉で書かれているので読みやすく、1日もあれば十分読破可能だ。全5章立てで、最後に楠木建一橋大院教授による「解説」がつく。
どこから読み進めても特段問題は生じない。 読みどころは、人によって変わり得る。例えば、そもそもどんな投資家がいるのか知りたい経営者であれば、第1章(なぜ投資家は分かりづらい行動をとるのか―投資家生態学)から、順番に読み進めるといい。各章の終わりに「まとめ」があり、サマリーが書かれている。
経営者ではない私の場合は、まず第2章(会社には(当たらずとも遠からずの)「絶対価値」がある)、第3章(持続的に価値が上がる会社とはどんな会社か)を読むことにした。本書の最大のキーワードである、「長期投資される経営」とは何か、「短期売買される経営」とは何かの違いについて知りたかったためだ。
例えば、「v(企業価値)=[b(事業×p(ヒト)]m(経営手腕)」といった方程式。企業の価値は、bとpの掛け算がベースとなり、全体にmがベキ乗でかかってくるという考え方が紹介されているが、抽象的で一読しただけでは理解できなかった。
しかし、その後、第4章(投資される経営―持続的価値向上の事例集)を読んで、問題は解決した。前述の方程式を具体的な会社の経営改善事例にあてはめ、解説しているためだ。具体的にはピジョンやアインファーマシーズなどの筆者が投資した会社のケースを詳述している。
次いで第5章(投資される経営のための基本ガイド)は投資される経営に必要なことを説く、本書の目玉だ。例えば、なぜ長期投資家はROE(自己資本利益率)ではなく、ROIC(投下資本利益率)を重視するのか、最適現金水準、キャッシュ・コンバージョン・サイクルの重要性など、こんな視点があったのかなどいくつも気づかされる。
1つ注文を付けるとすると、第5章の最後「謝辞」のあとに、約40ページにわたる楠木建一橋大院教授による「長めの解説」なる論評がある。楠木氏は外見的には著名な大学教授だが、経歴を見ると、筆者の経営する運用会社の経営諮問委員会のメンバー、実質的には「身内」で、第三者とは言えない。
本書の帯には楠木氏の写真付きで、「楠木氏推薦!&解説」と強調しており、出版社サイドの売り方としては理解できるが、下品な感じがするのは私だけか。例えば、投資される側の経営者にインタビューするなど、工夫の余地はあったのではないか。このため、改善期待の意味も込めて2点減点とした。
筆者は経営コンサルタント(経営者に助言)から、運用会社トップ(長期投資家=株主)に転じた中神康議氏。10社程度の日本企業に投資する特殊なファンドを運用。運用業界では知る人ぞ知る氏の渾身の労作だ。
実務経験のない経営学者による机上の空論でも、海外の経営学者の翻訳書でもない。経営関係の書籍で類書はなく、異色のもの。長期投資家が考える良い経営を語った、今までにないタイプの経営論で、筆者のこれまでのビジネス体験そのものといってもいい。
そのため、これまで堅実な経営をしてきた経営者の立場からすると、かなり違和感がある。ただ、これまで指摘されるまで気づかなかった「気づき」もあり、経営者や運用業界の関係者が読んでも参考になり得る。
本書出版の背景には、経営者と投資家の対話が現時点では不十分で、誤解があるとの筆者の危機感がある一方、経営者側が投資家に対する理解の浅さに警鐘を鳴らす狙いがありそうだ。これは投資家の考えていることと、経営者の考えていることが異なるからに他ならない。
筆者によれば、投資家と経営者に優劣はなく、互いに学ぶことによって日本の会社はもっとよくなるとエールを送っているのかもしれない。経済のエンジンは企業であり、企業のエンジンは経営。経営がよくなれば会社がよくなり、会社がよくなれば経済もよくなり、投資家としての投資リターンもあがる。この好循環を生み出すために投資家がどのようなことを考えているのかを明らかにするのが本書の狙いだ。
一口に投資家といっても、時間軸が大きく異なる。個人でも株価の値上がりを期待する者、長期安定的な配当を重視する者など様々だ。筆者の立場は長期の投資家。長期投資家の立場から、短期売買(うりかい)される会社と、長期投資される会社の違いは何かに迫り、投資される会社に変わるために必要なことを明らかにしようと試みている。
本書はこれらの問題意識について一つ一つ解を与えていく。全体で約260ページ。平易な言葉で書かれているので読みやすく、1日もあれば十分読破可能だ。全5章立てで、最後に楠木建一橋大院教授による「解説」がつく。
どこから読み進めても特段問題は生じない。 読みどころは、人によって変わり得る。例えば、そもそもどんな投資家がいるのか知りたい経営者であれば、第1章(なぜ投資家は分かりづらい行動をとるのか―投資家生態学)から、順番に読み進めるといい。各章の終わりに「まとめ」があり、サマリーが書かれている。
経営者ではない私の場合は、まず第2章(会社には(当たらずとも遠からずの)「絶対価値」がある)、第3章(持続的に価値が上がる会社とはどんな会社か)を読むことにした。本書の最大のキーワードである、「長期投資される経営」とは何か、「短期売買される経営」とは何かの違いについて知りたかったためだ。
例えば、「v(企業価値)=[b(事業×p(ヒト)]m(経営手腕)」といった方程式。企業の価値は、bとpの掛け算がベースとなり、全体にmがベキ乗でかかってくるという考え方が紹介されているが、抽象的で一読しただけでは理解できなかった。
しかし、その後、第4章(投資される経営―持続的価値向上の事例集)を読んで、問題は解決した。前述の方程式を具体的な会社の経営改善事例にあてはめ、解説しているためだ。具体的にはピジョンやアインファーマシーズなどの筆者が投資した会社のケースを詳述している。
次いで第5章(投資される経営のための基本ガイド)は投資される経営に必要なことを説く、本書の目玉だ。例えば、なぜ長期投資家はROE(自己資本利益率)ではなく、ROIC(投下資本利益率)を重視するのか、最適現金水準、キャッシュ・コンバージョン・サイクルの重要性など、こんな視点があったのかなどいくつも気づかされる。
1つ注文を付けるとすると、第5章の最後「謝辞」のあとに、約40ページにわたる楠木建一橋大院教授による「長めの解説」なる論評がある。楠木氏は外見的には著名な大学教授だが、経歴を見ると、筆者の経営する運用会社の経営諮問委員会のメンバー、実質的には「身内」で、第三者とは言えない。
本書の帯には楠木氏の写真付きで、「楠木氏推薦!&解説」と強調しており、出版社サイドの売り方としては理解できるが、下品な感じがするのは私だけか。例えば、投資される側の経営者にインタビューするなど、工夫の余地はあったのではないか。このため、改善期待の意味も込めて2点減点とした。
2018年3月30日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
本書を読んで感じたことと「公理」を基に、みさき投資について考察し、それを組織レベルからひと個人に展開し、感想文的にまとめました。
本書を読んで、1番強く沸き上がった感情はみさき投資で働く人に会いたいというものです。なぜなら、本書のいたるところから経営者の中神さん、そしてみさき投資自体の誠実さ、謙虚さ、そしてその中でも確固としてある自分/会社への信頼を感じたからです。
そのみさき投資ですが、私はみさき投資自身が長期投資される最適な企業を実践されていると、本書を読みながら思いました。それは
V=(b×p)^m
の公理をみさき投資自身が満たしていると思うからです。事業の資質の観点からは、エンゲージメント投資・働く株主という点で特異なビジネスを展開していて、そのような投資家は現在少なく供給は少ないと思います。一方、市場を見ると長期投資を望む会社は多く、比較的需要過多になっているのではないでしょうか。ヒトの気質の観点からは、HOP(Hungry, Open, Public)を本書の著者の中神さんから非常に強く感じManagement Depth も言わずもがなかと思います。最後に経営の洗練の観点ですが、これは業界多方面のプロである方が働かれているみさき投資は完璧に満たしているのではないでしょうか。挙げられた公理の実践を自らが達成し、長期的な価値向上に突き進んでいる魅力をひしひしと感じました。
このような組織体制は、組織がひとの集合体で有機的な存在であるために、ひと個人にも落とし込めるのではないでしょうか。長期的に関係を構築される人は上記の素質を満たし、惜しくも長期的に関係構築が難しい人は上記の素質を必ずしも満たしていないかもしれないと感じました。素質を満たす人は、接した時間は少なくともずっと心に残り、自分の中で長期的に意味を成し続けるのだと思いました。
本書を読んで、1番強く沸き上がった感情はみさき投資で働く人に会いたいというものです。なぜなら、本書のいたるところから経営者の中神さん、そしてみさき投資自体の誠実さ、謙虚さ、そしてその中でも確固としてある自分/会社への信頼を感じたからです。
そのみさき投資ですが、私はみさき投資自身が長期投資される最適な企業を実践されていると、本書を読みながら思いました。それは
V=(b×p)^m
の公理をみさき投資自身が満たしていると思うからです。事業の資質の観点からは、エンゲージメント投資・働く株主という点で特異なビジネスを展開していて、そのような投資家は現在少なく供給は少ないと思います。一方、市場を見ると長期投資を望む会社は多く、比較的需要過多になっているのではないでしょうか。ヒトの気質の観点からは、HOP(Hungry, Open, Public)を本書の著者の中神さんから非常に強く感じManagement Depth も言わずもがなかと思います。最後に経営の洗練の観点ですが、これは業界多方面のプロである方が働かれているみさき投資は完璧に満たしているのではないでしょうか。挙げられた公理の実践を自らが達成し、長期的な価値向上に突き進んでいる魅力をひしひしと感じました。
このような組織体制は、組織がひとの集合体で有機的な存在であるために、ひと個人にも落とし込めるのではないでしょうか。長期的に関係を構築される人は上記の素質を満たし、惜しくも長期的に関係構築が難しい人は上記の素質を必ずしも満たしていないかもしれないと感じました。素質を満たす人は、接した時間は少なくともずっと心に残り、自分の中で長期的に意味を成し続けるのだと思いました。
2016年7月5日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
あの楠木先生が「日本最良の」と呼ぶ投資家が書いた本だというので、買ってみた。
先生が言うとおり、「言われてみれば確かに!」という洞察にあふれていると感じた。
投資家の本性を「付加価値が薄い」ことと喝破しているところは目から鱗だったし、長期投資家は「会計上費用にしかならない」研究開発費や広告宣伝費を、それが正しく競争力につながっているのなら「過去にさかのぼって企業の絶対価値に足し戻す」、だから経営者は短期投資家に煩わされずにどんどん戦略的投資してください、というくだりには企業経営に携わるものとして勇気付けられた。
他にも気付きが多い本だが、僕が最も感銘を受けたのは、経営に真摯に取り組んでいる経営者への愛情溢れる優しい眼差し。
投資とはもっと無機質なものかと思っていたので、長期投資が経営者への深い共感があって初めて成り立つものだとは知らなかった。
経営者なら、こういう投資家にこそ投資してもらいたいと思うだろう。
そして、そのためには会社の経営をもっともっと磨き上げなければとも考えるのではないかと思う。
楠木先生による「長めの解説」は抱腹絶倒!
ここの部分だけでも必読だと思います。
先生が言うとおり、「言われてみれば確かに!」という洞察にあふれていると感じた。
投資家の本性を「付加価値が薄い」ことと喝破しているところは目から鱗だったし、長期投資家は「会計上費用にしかならない」研究開発費や広告宣伝費を、それが正しく競争力につながっているのなら「過去にさかのぼって企業の絶対価値に足し戻す」、だから経営者は短期投資家に煩わされずにどんどん戦略的投資してください、というくだりには企業経営に携わるものとして勇気付けられた。
他にも気付きが多い本だが、僕が最も感銘を受けたのは、経営に真摯に取り組んでいる経営者への愛情溢れる優しい眼差し。
投資とはもっと無機質なものかと思っていたので、長期投資が経営者への深い共感があって初めて成り立つものだとは知らなかった。
経営者なら、こういう投資家にこそ投資してもらいたいと思うだろう。
そして、そのためには会社の経営をもっともっと磨き上げなければとも考えるのではないかと思う。
楠木先生による「長めの解説」は抱腹絶倒!
ここの部分だけでも必読だと思います。
2019年3月30日に日本でレビュー済み
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長期投資、エンゲージメント投資を理解するのにおすすめの良書です。企業を無機質な銘柄として捉えることへの違和感や、短期投資収益を積み上げることへの虚しさ、投資業が付加価値の薄い事業だからこそ投資家は業種・国境横断的に企業の絶対価値やその持続的向上メカニズムを探求する本来的な動機を持つという見方は、元コンサルタントで現在投資家である著者ならではの視点であると感じ、大変興味深く思いました。投資業は実態経済や企業経営と切り離されて捉えられがちですが、本書を読み、投資家でありながらも長期的に経営陣と関係性を築いて企業経営進化を図るエンゲージメント投資というものがあることを学び、魅力に強く引き付けられました。