ラヴロフスキー版ロミオとジュリエット。今は色んな版のロミオとジュリエットが出ていますが、この版が無ければ生まれてなかったでしょう。原点ですが、あたらめて見ると、ドラマチックで現代的な振付です。ドラマと踊りのバランスが絶妙です。
シクリャローフとヴィシニョーワ、音楽的な踊りで素晴らしいです。でも驚いたのは、踊りだけが素晴らしいのではなかったこと、ロミオとジュリエット、二人の初恋にのめり込めたことでした。細やかで心のこもった演技で、胸に響きました。ここまでの演技はなかなか見れないものだと思います。主人公二人だけではなく、他のダンサーの方も生き生きと演技されていて、見ごたえがあります。また一つ、マストアイテムが増えました。本当に嬉しいです。
余談ですが、バレエの映像作品では、不必要なアップに残念な思いをすることが多々ありますが、これは違いました。全体的には中~遠距離からダンスをしっかり見せてくれますが、スポット的に抜いた表情のアップで、より心情が理解できるのです。舞台を鑑賞するときに、オペラグラスを使いたいポイントがあるのですが、それに近い感覚でした。ストレス無く鑑賞でき、とても嬉しかったです。