表題の編集者という単語が気になり、手に取ってみると表紙が綺麗で衝動買いしてしまいました。あらすじに目を通してみると死去した作家、そしてその遺言に基づくとある作品の翻訳と、興味のある分野のことばかりですぐにでも読みたくなったものですが、いつの間にか積み本に。
数ヶ月ぶりに手を取って読んでみると、なぜ開かずにいたのか不思議なくらいのめり込み、2日と経たずに読了してしまいました。
物語は、表紙を一見した時に抱いたクールで静かな印象とは違いとても熱く情熱的なものでした。
この作品は面白いんだという思いを原動力にしてより多くの人に読んでもらえるようにと努力をする主人公には好感が持てましたし、同時に面白い本が売れるとは限らないという言葉も重くのしかかるようでした。
人が他人とコミュニケーションを取るとき、そこには少なからずなんらかの壁が存在します。趣味の違い、お互いをよく知らないからこその不安感や期待、生きてきた環境の差異…一人一人違う人生を生きて日々違うことを感じているからこそ、他人と接するうえで壁は当然のように存在します。
読者は、作品を通して作家と対話することができます。でもそこにもまた壁が存在するものです。それは良いとも悪いとも限らないもので、違いや無知といったものから自由な想像・解釈が生まれます。
異邦人と異国の文化、そして言語の違い。そういったものを含めた様々な壁を、この作品は取り扱っています。
読み終えた今は、その壁が高く立ちはだかる事があっても、真っ向から挑戦し続ければきっとその先にある信頼や理解が得られるのだと思えました。
これは作品を心から愛する人達の物語です。
一冊一冊の本に込められた世界を愛してやまない方、
編集や翻訳などの仕事に興味のある方、
言葉一つから垣間見える微妙なニュアンスの違いを疑問に思ったことがある方、
外国と日本の文化や感覚、生活習慣の違いを味わいたい方。
そんな方にお勧めしたい本です。
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雨ときどき、編集者 (メディアワークス文庫) 文庫 – 2015/1/24
近江泉美
(著)
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購入オプションとあわせ買い
死去してしまった担当人気作家。その『遺言』を胸に、編集者は出版業界に無謀な戦いを挑む!
出版不況にあえぐ大手出版社『仙葉書房』。そこに勤める中堅文芸編集者・真壁のもとに、一通の手紙が舞い込んだ。それは、新人時代からいがみ合いながら共に成長してきた担当作家・樫木重昂からの『遅れてきた遺言』。「真壁、俺の本を親父に届けてくれ――」。
樫木の父親は生粋のドイツ人。日本文学は読むことができないため、作品を翻訳する必要があった。真壁は『遺言』を胸に、超マイナー言語である日本語で書かれた『名作』を、世界に羽ばたかせる決意をする。出版業界と翻訳業界の狭間で東奔西走する文芸編集者の苦悩、その行く末は……!?
出版不況にあえぐ大手出版社『仙葉書房』。そこに勤める中堅文芸編集者・真壁のもとに、一通の手紙が舞い込んだ。それは、新人時代からいがみ合いながら共に成長してきた担当作家・樫木重昂からの『遅れてきた遺言』。「真壁、俺の本を親父に届けてくれ――」。
樫木の父親は生粋のドイツ人。日本文学は読むことができないため、作品を翻訳する必要があった。真壁は『遺言』を胸に、超マイナー言語である日本語で書かれた『名作』を、世界に羽ばたかせる決意をする。出版業界と翻訳業界の狭間で東奔西走する文芸編集者の苦悩、その行く末は……!?
- 本の長さ338ページ
- 言語日本語
- 出版社KADOKAWA/アスキー・メディアワークス
- 発売日2015/1/24
- 寸法10.7 x 1.6 x 15.1 cm
- ISBN-104048691856
- ISBN-13978-4048691857
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商品の説明
著者について
東京都出身、在住。英会話学校事務、日本語教員と異文化交流盛んな仕事を経て、2012年小説家デビュー。言語と各国文化の小話に目がない。
登録情報
- 出版社 : KADOKAWA/アスキー・メディアワークス (2015/1/24)
- 発売日 : 2015/1/24
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 338ページ
- ISBN-10 : 4048691856
- ISBN-13 : 978-4048691857
- 寸法 : 10.7 x 1.6 x 15.1 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 566,554位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 955位メディアワークス文庫
- - 13,397位日本文学
- カスタマーレビュー:
著者について
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2015年2月19日に日本でレビュー済み
近江泉美は嘆美なものを書くのかと思っていたが、リアリティのある話を書くに至ったのだと思う。
マンガのようなベタな展開もあるのだが、日本文学の海外展開という題材と、その現状、実際に
やるとなったらどうなるかというリアリティが、ベタな展開を忘れさせるおもしろさだった。小説としても
おもしろいが、文学界の現状や翻訳とはどうあるべきかを描いた新書や解説本としても十分成り立つの
ではないかと思わせるものがあった。
結末は……もう少し先まで書いてほしかった。作家としては、こういう書き方が「美しい」仕上がり?と
思うのかも知れない(奥ゆかしい結末の小説は数多く存在する)が、ロイスマクマスタービジョルドの
ように、だめ押しのエピローグと言うくらいがっつりエピローグをほしがる読者もいることを分かってほしい。
完成した翻訳本の行方も、編集者と他の人間関係の行方も、がっつり書いてほしかった。
マンガのようなベタな展開もあるのだが、日本文学の海外展開という題材と、その現状、実際に
やるとなったらどうなるかというリアリティが、ベタな展開を忘れさせるおもしろさだった。小説としても
おもしろいが、文学界の現状や翻訳とはどうあるべきかを描いた新書や解説本としても十分成り立つの
ではないかと思わせるものがあった。
結末は……もう少し先まで書いてほしかった。作家としては、こういう書き方が「美しい」仕上がり?と
思うのかも知れない(奥ゆかしい結末の小説は数多く存在する)が、ロイスマクマスタービジョルドの
ように、だめ押しのエピローグと言うくらいがっつりエピローグをほしがる読者もいることを分かってほしい。
完成した翻訳本の行方も、編集者と他の人間関係の行方も、がっつり書いてほしかった。
2015年11月3日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ドイツ人の行動や考え方がすごくリアリティがあります。たまたま自分も似たようなことを考えた経験があり、近江さんなぜそこまで知ってるの、と感動しました。翻訳の難しさについても共感です。話は主人公のスキルで翻訳者と深いところまで話せたのかなとちょっとだけ違和感、涼のスキルだったらまだ納得できますけど。でも面白かった、一気に読みました。