2011年度を福島の高校三年生として迎えた四人の物語。
フィクションであり、原作もあるが、ももちさんは、福島の高校生との交流など、綿密な取材と、誠実な思いに基づいて、今なおつづく、複雑、多層、多様なリアリティの一部をよく表現していると思いました。
何度も目をこすり、ハンカチを目に当てました。これまで、ぼくが聞いたり、読んだり、見たりしてきたことともかなり重なりました。とくに、最近、会津若松でお話を聴かせていただいた避難者たちの声との共振を感じました。
「放射能」ゆえの福島県人への差別。傷口は完治することなく、むしろ、何度も開いてしまう。政治家、コメンテイターの二枚舌。米や野菜、食料を作る人々の落胆、絶望、寄せられる誹謗中傷。避難所生活の陰と光。子どもたち。友人、家族関係もひっくり返るまでに揺さぶられる。
福島県の人々はこの作品をどう思われるのでしょうか。それが一番大事だと思います。
以前に、三里塚の農民を襲った苦難を描いたコミック「ぼくの村の話」でも涙が出たことを思いだしました。
悩んだ挙句に、高校三年生がついに出した決断は、意外でしたが、新鮮でした。
既成の枠からこぼれるものを掬うために、オールタナティブを創造していく、そういう政治が確立されるべきだと思いました。

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デイジー ~3.11女子高生たちの選択~(1) (KC デザート) コミック – 2013/3/13
2011年3月11日、東日本大震災。そして原発事故。放射能の恐怖、身近な仲間たちとのいさかい、いわれもない風評被害。誰も経験したことのない現実の中で、悩み、もがきながら生きる福島に住む4人の高校3年生の女子高生たち。4人は何を見、何を考え、どんな進路を選択したのか?今だから知ってほしい、彼女たちが過ごした1年間の素顔の物語。
- 本の長さ176ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日2013/3/13
- ISBN-104063657272
- ISBN-13978-4063657272
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2013年8月27日に日本でレビュー済み
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2013年8月21日に日本でレビュー済み
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少女漫画なのでやたらアップなどがあり若干読みにくいのですが、内容はほぼノンフィクションとのことで、彼女たちの今時の軽い言葉遣いの中にも不安や怒り、揺れ動く気持ちのひとつひとつが表れてました。
福島を引っ越す人は 「裏切り者」 「卑怯者」 と言われているというのがショックでした。 「自分は福島に残って暮らしているのに、取り残された感」 を強烈に感じてしまうのかもしれません。
福島の女性は将来健康被害が出るかもしれないから、と恋人にフラレるエピソードもたまらなく切ない。自分は悪くないのに、なんで…とやり切れないでしょう。そして自分自身も将来を不安に思うでしょう。
米農家の父が 「殺人者」 呼ばわりされてしまうなんて。本当の殺人者は国民に嘘をついて原発推進してきた政治家・電力会社の奴らなのに、何ら厳罰を受けることもないのはおかしいと改めて思う。
福島を引っ越す人は 「裏切り者」 「卑怯者」 と言われているというのがショックでした。 「自分は福島に残って暮らしているのに、取り残された感」 を強烈に感じてしまうのかもしれません。
福島の女性は将来健康被害が出るかもしれないから、と恋人にフラレるエピソードもたまらなく切ない。自分は悪くないのに、なんで…とやり切れないでしょう。そして自分自身も将来を不安に思うでしょう。
米農家の父が 「殺人者」 呼ばわりされてしまうなんて。本当の殺人者は国民に嘘をついて原発推進してきた政治家・電力会社の奴らなのに、何ら厳罰を受けることもないのはおかしいと改めて思う。
2014年4月29日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
震災後の福島の女子高生たちの話。
今回の震災で、様々な選択をした人々。
それが間違いで、正解だ、ということは、ない。
どの立場の人の気持ちもよくわかる。
考えさせられる作品です。
今回の震災で、様々な選択をした人々。
それが間違いで、正解だ、ということは、ない。
どの立場の人の気持ちもよくわかる。
考えさせられる作品です。
2018年8月29日に日本でレビュー済み
この漫画には問題のある表現や描写が多数出てきます。
(具体的には「市内は安全とはいえない」「福島の人でも福島の食品は食べない」「こんな放射能まみれのド田舎は出ていきたい」など)
悪い面だけ言いっぱなしで、安全性には一切触れることなく、風評被害や差別を煽ったまま終わってしまいます。さて、この漫画を読んだ人はどのような影響を受けるでしょうか?
しかもこの作者の卑怯なところは、表面的には「風評被害や差別はよくない」というポーズをとっていることです。自分が加害者であるという自覚がまったくない。
わたしの知り合いの福島の人はこの漫画を読んで「許せない」「こんな風に書かれて悔しい」と言っていました。(わたしがこの作品を知ったのはその人からです)
福島や東北の人を無理矢理「被害者」「可哀想なひと」にしないでください。恐怖や不安をバラまいてそれを「いい話」で誤魔化さないでください。それでお金儲けしないでください。
ももち麗子さんの作品は好きだったのに、この漫画を読んでとても残念な気分になりました。
(具体的には「市内は安全とはいえない」「福島の人でも福島の食品は食べない」「こんな放射能まみれのド田舎は出ていきたい」など)
悪い面だけ言いっぱなしで、安全性には一切触れることなく、風評被害や差別を煽ったまま終わってしまいます。さて、この漫画を読んだ人はどのような影響を受けるでしょうか?
しかもこの作者の卑怯なところは、表面的には「風評被害や差別はよくない」というポーズをとっていることです。自分が加害者であるという自覚がまったくない。
わたしの知り合いの福島の人はこの漫画を読んで「許せない」「こんな風に書かれて悔しい」と言っていました。(わたしがこの作品を知ったのはその人からです)
福島や東北の人を無理矢理「被害者」「可哀想なひと」にしないでください。恐怖や不安をバラまいてそれを「いい話」で誤魔化さないでください。それでお金儲けしないでください。
ももち麗子さんの作品は好きだったのに、この漫画を読んでとても残念な気分になりました。
2013年3月14日に日本でレビュー済み
ももち先生の透明感のある絵柄が重いテーマでも親しみやすさを感じさせてくれて、読みながら笑いながら、テレビ報道では知ることの出来ない福島の人たちの生の感情や思いを少しでも感じることができたかも。原作の小説も読んでいて深く心に残っているので、マンガ版が今後どう展開するかが楽しみ!大勢の人に読んで欲しいです。