新潮文庫の若きウェルテルは途中で挫折した人間ですが、この本で初めて通読するだけでなく、ウェルテルがなぜ傑作なのかを知ることができました。
その他のウェルテル訳はあまりにもお上品すぎたのでしょう。
この翻訳では、ヴァルターがアウトサイダー(落第生)的視点から描かれて、社会への呪詛、社会的価値観を体現する人間への呪詛も饒舌に語っています。
ヴァルターを読んで自殺した若者が多かったという逸話はあまりにも有名です。
これは、ヴァルターが、ひとりの勝者のために多くの敗者があり、その敗者のための物語であったということの証左ではないでしょうか。それは現代も変わりません。どんな大学に行き、どんな会社に入ろうとも、ビルゲイツの一人勝ちともいってもいい。(あなたがジョブスを出そうが、別に誰でもいい)
主人公は恋愛へと真っしぐらに進む書簡体小説です。でも、その背景には主人公の深い絶望があります。
恋愛へと真っしぐらに進むには、その背景に意識しようがしまいが絶望が必要なのです。そして、最後にはこの絶望が露呈されるという結末です。
お上品な文体と落第生的文体、この内容にふさわしいのはどちらかで分かれるのだと思います。
私は本当のヴァルターが日本語で読めるのはこの本だけだと思いました。
プライム無料体験をお試しいただけます
プライム無料体験で、この注文から無料配送特典をご利用いただけます。
非会員 | プライム会員 | |
---|---|---|
通常配送 | ¥410 - ¥450* | 無料 |
お急ぎ便 | ¥510 - ¥550 | |
お届け日時指定便 | ¥510 - ¥650 |
*Amazon.co.jp発送商品の注文額 ¥3,500以上は非会員も無料
無料体験はいつでもキャンセルできます。30日のプライム無料体験をぜひお試しください。
新品:
¥1,430¥1,430 税込
ポイント: 43pt
(3%)
無料お届け日:
3月31日 日曜日
発送元: Amazon.co.jp 販売者: Amazon.co.jp
新品:
¥1,430¥1,430 税込
ポイント: 43pt
(3%)
無料お届け日:
3月31日 日曜日
発送元: Amazon.co.jp
販売者: Amazon.co.jp
中古品: ¥608
中古品:
¥608

無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません。
ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
ゲーテ ポケットマスターピース 02 (集英社文庫ヘリテージシリーズ) 文庫 – 2015/10/27
この商品はセット買いができます
『ポケットマスターピース(集英社文庫ヘリテージシリーズ) 全13冊セット』 こちらをチェック
{"desktop_buybox_group_1":[{"displayPrice":"¥1,430","priceAmount":1430.00,"currencySymbol":"¥","integerValue":"1,430","decimalSeparator":null,"fractionalValue":null,"symbolPosition":"left","hasSpace":false,"showFractionalPartIfEmpty":true,"offerListingId":"UfbwoQOEyfFBh9OFPBaktwlK2JmHWgUHbdcLyCYQyvr1YzLVRD249dDTMzmgXoFXQ6YrxxK2N76k2SvUPwwxYDeIyJttXESwlcuJ0dxRBr%2BcN6E99BpWDxLg5Un99JBPZZ5tyXVIS2Q%3D","locale":"ja-JP","buyingOptionType":"NEW","aapiBuyingOptionIndex":0}, {"displayPrice":"¥608","priceAmount":608.00,"currencySymbol":"¥","integerValue":"608","decimalSeparator":null,"fractionalValue":null,"symbolPosition":"left","hasSpace":false,"showFractionalPartIfEmpty":true,"offerListingId":"UfbwoQOEyfFBh9OFPBaktwlK2JmHWgUHO8fyfQMmTIRAkQmxkT2bzbhB8ojnj3OkmfY%2BSLfS1JdC%2FpmNSKZvr%2BiysPVmZZwJgU0islXHXN3seRj7ScFrV4DhsZMoZk2uPkF5ICsRYP%2FpIZ9v5R4X%2BZy1oJZC9iI%2FZRReoAr8WVDtFrVhEij7LgR%2B3yUzvhI6","locale":"ja-JP","buyingOptionType":"USED","aapiBuyingOptionIndex":1}]}
購入オプションとあわせ買い
あの〈ウェルテル〉の華奢なイメージを覆す新訳『若きヴェルターの悩み』。そのほか『ファウスト』『親和力』の抄訳を加え、文豪ゲーテの真髄を分かりやすく集約した現代人必読の書。(解説/大宮勘一郎)
大宮勘一郎=編
【収録内容】
若きヴェルターの悩み
親和力 第二部
ファウスト 第二部(抄)
解説 大宮勘一郎
作品解題 大宮勘一郎/松井尚興/粂川麻里生
ゲーテ著作目録
ゲーテ主要文献案内
ゲーテ年譜
大宮勘一郎=編
【収録内容】
若きヴェルターの悩み
親和力 第二部
ファウスト 第二部(抄)
解説 大宮勘一郎
作品解題 大宮勘一郎/松井尚興/粂川麻里生
ゲーテ著作目録
ゲーテ主要文献案内
ゲーテ年譜
- 本の長さ816ページ
- 言語日本語
- 出版社集英社
- 発売日2015/10/27
- 寸法10.5 x 3 x 15.2 cm
- ISBN-104087610357
- ISBN-13978-4087610352
よく一緒に購入されている商品

対象商品: ゲーテ ポケットマスターピース 02 (集英社文庫ヘリテージシリーズ)
¥1,430¥1,430
最短で3月31日 日曜日のお届け予定です
残り2点(入荷予定あり)
¥1,430¥1,430
最短で3月31日 日曜日のお届け予定です
残り3点(入荷予定あり)
¥1,430¥1,430
最短で3月31日 日曜日のお届け予定です
残り3点(入荷予定あり)
総額:
当社の価格を見るには、これら商品をカートに追加してください。
ポイントの合計:
pt
もう一度お試しください
追加されました
一緒に購入する商品を選択してください。
この商品をチェックした人はこんな商品もチェックしています
ページ 1 以下のうち 1 最初から観るページ 1 以下のうち 1
商品の説明
著者について
ゲーテ,ヨハン・ヴォルフガング・フォン
1749.8.28‐1832.3.22。ドイツの詩人、小説家、劇作家。神聖ローマ帝国のフランクフルト・アム・マインに生まれる。疾風怒涛期のドイツの文芸運動を牽引。文学のみならず、政治家、自然科学研究と幅広い分野で活躍。
大宮勘一郎(おおみや・かんいちろう)
1960年山形市生まれ。東京大学大学院総合文化研究科(地域文化研究専攻)博士課程単位取得退学。専門はドイツ文学・ドイツ思想。現在、東京大学大学院人文社会系研究科教授。著書に『ベンヤミンの通行路』(未來社)など。
1749.8.28‐1832.3.22。ドイツの詩人、小説家、劇作家。神聖ローマ帝国のフランクフルト・アム・マインに生まれる。疾風怒涛期のドイツの文芸運動を牽引。文学のみならず、政治家、自然科学研究と幅広い分野で活躍。
大宮勘一郎(おおみや・かんいちろう)
1960年山形市生まれ。東京大学大学院総合文化研究科(地域文化研究専攻)博士課程単位取得退学。専門はドイツ文学・ドイツ思想。現在、東京大学大学院人文社会系研究科教授。著書に『ベンヤミンの通行路』(未來社)など。
登録情報
- 出版社 : 集英社 (2015/10/27)
- 発売日 : 2015/10/27
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 816ページ
- ISBN-10 : 4087610357
- ISBN-13 : 978-4087610352
- 寸法 : 10.5 x 3 x 15.2 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 557,849位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 4,709位集英社文庫
- カスタマーレビュー:
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2022年3月7日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2021年11月30日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
若きウェルテルの悩みはこの本の訳ではわざと現代語訳にしたようですが、あんまり成功している様には思えません。ウェルテルは金持ちのお坊ちゃまですが粗野ではありません。何が一番ショックってウェルテルが自分を「俺」って言うこと。どうかこの永遠のプラトニックラブを粗野な言葉でぶち壊すのはやめてもらいたい。旺文社文庫版(訳:井上正蔵)をぜひ読んでください。そしてウェルテルの言葉、そこから語られる美しくも神秘的な、生命の息吹さえ感じさせる自然の描写を感じ取ってください。
2018年11月20日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
圧倒的新訳感。古典作品の訳を一新し現代人により近く感じられる取り組みは古典が持つ役割を最大化させる装置として最高だと思う。大宮さんの訳のヴェルターは今までの訳本と比較するとかなりヴェルターの人物造形とは違って見えて面白い。
2015年12月2日に日本でレビュー済み
驚くような新訳、こころに焼き付く印象的な挿絵、快刀乱麻の解説、自由な訳注、親切な年表。
本書は新しいことが満載で、練りに練った編集が光るゲーテ選集です。
まず、新訳。「ヴェルター」では、大宮勘一郎氏が愛に破れた若者の側面よりも、魂が定まらず、「人生の意味に取りつかれて」ついには己に手をかける「知的アウトロー」p745の側面を強調するために乱暴な言葉使いをさせていて、その乱暴さには少なからず驚きます。新訳の現代性は、ロッテがヴェルターを拒否する言葉を読者の心に突き刺す武器として、さらに有効です。
「親和力」では、松井尚興氏が、理屈っぽい原典をスルッと読者に飲み込ませる日本語の流れの良さが魅力的です。
「ファウスト」は現代劇として面白いこと請け合います。翻訳者は粂川麻里生氏。特に第五幕は面白い。そして終曲の最後の八行、「神秘の合唱」には惜しみなく賛辞を贈ります。どんな訳か、まずは手に取ってお読みください。
そして、喜多木ノ実氏による挿絵の魅力的なこと。「ファウストの死」や「道化とメフィスト」の時空を超える構図にみられる想像力!天使たちやロッテやオティーリエが今にも動き出す巧みさ!幼い兄弟の柔らかい頬の線から伝わる温もり!一枚一枚がメッセージを語ります。それは時に新訳以上にゲーテ作品の魅力を伝えています。それらは画家の自信に満ちた筆使いによって増幅されています。特にファウストのような戯曲では、映像が目に浮かぶことは読者を助けるでしょう。それが陳腐なものではなく、想像力豊かなものであれば、読者も引きずられて想像の世界を広げるでしょう。集英社ポケットマスターピース第一集のカフカ集には挿絵がなかったので、一層印象的です。この画家の挿絵を、シリーズ中の、想像や幻想に満ちたもの、例えば、ポーやセルバンテスの選集にどうしても見てみたいです。いや、この画家が得意そうな子供が多く登場するもの、例えばトウェインやキャロルもいいかも。表紙が、理科か数学の教科書か、と取り違えかねない無機的なものだけに、中身には血潮の滾る挿絵を入れてもらって、想像力を膨らませる楽しみを味わいたいです。
さて、「親和力」の膨大で本文との関係がわからない訳注にも魂消ました。流麗で論理的な翻訳をしながらも、この訳者が本当にしたかったのは、当時の科学者に対するゲーテの当てこすり、あるいは自然科学知識という力への関心ないし憧憬を、訳注を通じて伝えることだったのかもしれません。
解説ではゲーテの魅力をそれぞれの訳者が簡潔にかつ熱気を持って語ります。作品の選び方とその並べ方、抄訳の編集の仕方、新訳の施し方、絵の挿入、久山雄甫氏の膨大な資料、それらがすべて、知の巨人であり、「面白いこと」を追い続けることは幸福に決まっているp744、と考えたというゲーテの生き方とその魅力を味わうことができるように、ファウストの「終曲」というクライマックスに向けて、巧みに編集されていることに気が付きます。抄訳を読むことは、ゲーテのような古典には似つかわしくないと逡巡しかねない向きもいらっしゃるかもしれませんが、抄訳であること、新訳であることは、この編集方針に乗っかってゲーテをスピード感をもって楽しむには必要なもののように感じます。読了すると、これらの翻訳者と新たな挿絵で全訳を読みたい、もっと読みたい、と、編者(大宮氏)が目論んだであろう「契約」に署名してしまいそうです。
本書は新しいことが満載で、練りに練った編集が光るゲーテ選集です。
まず、新訳。「ヴェルター」では、大宮勘一郎氏が愛に破れた若者の側面よりも、魂が定まらず、「人生の意味に取りつかれて」ついには己に手をかける「知的アウトロー」p745の側面を強調するために乱暴な言葉使いをさせていて、その乱暴さには少なからず驚きます。新訳の現代性は、ロッテがヴェルターを拒否する言葉を読者の心に突き刺す武器として、さらに有効です。
「親和力」では、松井尚興氏が、理屈っぽい原典をスルッと読者に飲み込ませる日本語の流れの良さが魅力的です。
「ファウスト」は現代劇として面白いこと請け合います。翻訳者は粂川麻里生氏。特に第五幕は面白い。そして終曲の最後の八行、「神秘の合唱」には惜しみなく賛辞を贈ります。どんな訳か、まずは手に取ってお読みください。
そして、喜多木ノ実氏による挿絵の魅力的なこと。「ファウストの死」や「道化とメフィスト」の時空を超える構図にみられる想像力!天使たちやロッテやオティーリエが今にも動き出す巧みさ!幼い兄弟の柔らかい頬の線から伝わる温もり!一枚一枚がメッセージを語ります。それは時に新訳以上にゲーテ作品の魅力を伝えています。それらは画家の自信に満ちた筆使いによって増幅されています。特にファウストのような戯曲では、映像が目に浮かぶことは読者を助けるでしょう。それが陳腐なものではなく、想像力豊かなものであれば、読者も引きずられて想像の世界を広げるでしょう。集英社ポケットマスターピース第一集のカフカ集には挿絵がなかったので、一層印象的です。この画家の挿絵を、シリーズ中の、想像や幻想に満ちたもの、例えば、ポーやセルバンテスの選集にどうしても見てみたいです。いや、この画家が得意そうな子供が多く登場するもの、例えばトウェインやキャロルもいいかも。表紙が、理科か数学の教科書か、と取り違えかねない無機的なものだけに、中身には血潮の滾る挿絵を入れてもらって、想像力を膨らませる楽しみを味わいたいです。
さて、「親和力」の膨大で本文との関係がわからない訳注にも魂消ました。流麗で論理的な翻訳をしながらも、この訳者が本当にしたかったのは、当時の科学者に対するゲーテの当てこすり、あるいは自然科学知識という力への関心ないし憧憬を、訳注を通じて伝えることだったのかもしれません。
解説ではゲーテの魅力をそれぞれの訳者が簡潔にかつ熱気を持って語ります。作品の選び方とその並べ方、抄訳の編集の仕方、新訳の施し方、絵の挿入、久山雄甫氏の膨大な資料、それらがすべて、知の巨人であり、「面白いこと」を追い続けることは幸福に決まっているp744、と考えたというゲーテの生き方とその魅力を味わうことができるように、ファウストの「終曲」というクライマックスに向けて、巧みに編集されていることに気が付きます。抄訳を読むことは、ゲーテのような古典には似つかわしくないと逡巡しかねない向きもいらっしゃるかもしれませんが、抄訳であること、新訳であることは、この編集方針に乗っかってゲーテをスピード感をもって楽しむには必要なもののように感じます。読了すると、これらの翻訳者と新たな挿絵で全訳を読みたい、もっと読みたい、と、編者(大宮氏)が目論んだであろう「契約」に署名してしまいそうです。