「猫町」も「ウォーソン夫人の黒猫」も物語としてはあまりうまいとは思いませんが
その文章から喚起されるイメージは強烈なもので、一度読んだら映像が忘れられません。
「日清戦争異聞(原田重吉の夢)」は小説として一番できが良いように感じました。
かつて隆盛を極めたものが零落し、芝居小屋に身をやつすというありがちな設定ですが、
無頼派が書くような世間の風の冷たさや悲哀に満ちた男の物語が胸に沁みました。
小説作品よりも随筆や散文詩のほうが言葉の切れ味がすさまじかったです。
心の隅では自分も思っていたけどうまく言葉に表現できないでいた考えや思いを、
的確に文章で代弁してくれているような親しみを感じさせてくれます。
小説は枠の中で制限されているというか、少し窮屈そうな印象を受けましたが、
随筆や散文では文章に詩的な表現が輝き、無辺の広がりを見せてくれていました。
何年か経つと不意に思い出し、本を手に取ってページをめくりたくなる素敵な作品です。
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猫町 他一七篇 (岩波文庫 緑 62-3) 文庫 – 1995/5/16
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東京から北越の温泉に出かけた「私」は,ふとしたことから,「繁華な美しい町」に足を踏みいれる.すると,そこに突如人間の姿をした猫の大集団が…….詩集『青猫』の感覚と詩情をもって書かれたこの「猫町」(一九三五)をはじめ,幻想風の短篇,散文詩,随筆十八篇を収録.前衛詩人としての朔太郎の面目が遺憾なく発揮された小品集.
- ISBN-104003106237
- ISBN-13978-4003106235
- 出版社岩波書店
- 発売日1995/5/16
- 言語日本語
- 寸法10.5 x 1 x 14.8 cm
- 本の長さ176ページ
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2015年11月21日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
他の作品に登場していて興味を持ったので購入しました。
「萩原 朔太郎」その名前はよく知っていたものの
代表作の名前も浮かばなかったし、読んだ事も
ない事に驚きました!
読書が大好きなので、1度読んだ物語は
ほとんど頭に残るので、読み返す事を
余りしないのですが、この作品は、短編集
ですが、何度でも読みたくなります♪
表題作が有名のようですが、他の作品も
とても面白いです!
「なんでもっと早く読まなかったのか!」と
後悔した1冊です。
「萩原 朔太郎」その名前はよく知っていたものの
代表作の名前も浮かばなかったし、読んだ事も
ない事に驚きました!
読書が大好きなので、1度読んだ物語は
ほとんど頭に残るので、読み返す事を
余りしないのですが、この作品は、短編集
ですが、何度でも読みたくなります♪
表題作が有名のようですが、他の作品も
とても面白いです!
「なんでもっと早く読まなかったのか!」と
後悔した1冊です。
2007年6月6日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
表題作が菅野覚明『神道の逆襲』や春日武彦『不幸になりたがる人たち』に引用されているのを読んで、原典をようやく手に取った。編者の解説が3分の1ぐらいのボリュームがあり、これが初心者にとって非常によかった。
清岡は、萩原が夢見ていた美しい近代の幻想が、全体主義と軍国主義が席巻する時代において、群集によって「無残に破壊されるかもしれないという絶望に近い思い」を読み取る。
それぞれの多様な読みを読み比べることが面白かった。私などの思いが及ばぬほど、深い。
その他も、萩原が親交のあった芥川が出てきたり、ニーチェやショーペンハウアーに触れていたり、昔の東京の景色が現代的な都市のイメージをもって語られており、それぞれ興味深い。
中でも、「老年と人生」が、性欲に振り回されなくなった自由さをあげて、加齢を肯定的に書いているところがよかった。老年を楽しむために、まだまだ修行不足だと言いながらも。
清岡は、萩原が夢見ていた美しい近代の幻想が、全体主義と軍国主義が席巻する時代において、群集によって「無残に破壊されるかもしれないという絶望に近い思い」を読み取る。
それぞれの多様な読みを読み比べることが面白かった。私などの思いが及ばぬほど、深い。
その他も、萩原が親交のあった芥川が出てきたり、ニーチェやショーペンハウアーに触れていたり、昔の東京の景色が現代的な都市のイメージをもって語られており、それぞれ興味深い。
中でも、「老年と人生」が、性欲に振り回されなくなった自由さをあげて、加齢を肯定的に書いているところがよかった。老年を楽しむために、まだまだ修行不足だと言いながらも。
2015年2月20日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
萩原朔太郎という近代詩の天才が、日常の散歩、そのさなかにふと、起こった感覚の混乱が、こんな不思議で幻想的な小品を生んだ、奇跡のような作品。
2010年1月19日に日本でレビュー済み
萩原朔太郎の小説(風散文詩)、散文詩、随筆から抄録した18遍を収めた小品集である。朔太郎の詩は文庫本でも普及しているので、手軽に読むことができるが、詩以外のジャンルではそうはいかない。収載作は、朔太郎が30代末から50代にかけての作品である。朔太郎後期の仕事であり、あの『月に吠える』『青猫』の詩人が、それ以降どのような展開を遂げていたのかが分かる。
かつて朔太郎の詩集を愛読したことのある私は期待を持ってページを開いた。作品のほとんどは初めて読むものであったが、なぜか懐かしい気がした。やはり時代性の刻印は拭いがたく、アンティークな物品をタンスの奥から取り出して鑑賞するような感じがあった。
しかし、書名ともなった「猫町」は、ムンクの「叫び」に通じるような印象があった。慣れ親しんだ世界が何かをきっかけに一瞬にして異貌を呈し崩壊するプロセスが、異常にリアルな心理的細部をもって描かれる。詩人の意識の秘密に触れたような気がした。
選者は、詩人・作家の清岡卓行氏。朔太郎の伝記的な背景にも触れる詳細な解説がつく。氏は、「猫町」の成立が軍国主義に染まっていく時代と深く関わっていることを指摘されていた。大いに啓発されるが、「猫町」が朔太郎の詩同様に今の読者にも魅力があるのは、やはり近代的自我の陰画が見事に映し出されていることにあると思う。
かつて朔太郎の詩集を愛読したことのある私は期待を持ってページを開いた。作品のほとんどは初めて読むものであったが、なぜか懐かしい気がした。やはり時代性の刻印は拭いがたく、アンティークな物品をタンスの奥から取り出して鑑賞するような感じがあった。
しかし、書名ともなった「猫町」は、ムンクの「叫び」に通じるような印象があった。慣れ親しんだ世界が何かをきっかけに一瞬にして異貌を呈し崩壊するプロセスが、異常にリアルな心理的細部をもって描かれる。詩人の意識の秘密に触れたような気がした。
選者は、詩人・作家の清岡卓行氏。朔太郎の伝記的な背景にも触れる詳細な解説がつく。氏は、「猫町」の成立が軍国主義に染まっていく時代と深く関わっていることを指摘されていた。大いに啓発されるが、「猫町」が朔太郎の詩同様に今の読者にも魅力があるのは、やはり近代的自我の陰画が見事に映し出されていることにあると思う。
2017年9月21日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ますむらひろしの漫画はアタゴオルより前はもうちょっとホラーファンタジーみたいな味が強かった。それに通じるものがあった。
ますむら作品はやっぱり宮沢賢治的で、その宮沢は朔太郎から影響を受けているらしい。『セロ弾きのゴーシュ』で主人公が蹴とばした猫が壁に当たって青く光る、なんてくだりがあったけど、これは『青猫』(その作品内容よりタイトルの語感)からの影響か?
ますむら作品はやっぱり宮沢賢治的で、その宮沢は朔太郎から影響を受けているらしい。『セロ弾きのゴーシュ』で主人公が蹴とばした猫が壁に当たって青く光る、なんてくだりがあったけど、これは『青猫』(その作品内容よりタイトルの語感)からの影響か?
2003年8月4日に日本でレビュー済み
萩原の思想の神髄を<新しき欲情><絶望の逃走><虚妄の正義>から読み取れば読みとるほど、『猫町』という一見大したことのなさそうな話は、痛烈な重みをもった真実なのだと思う。しかし、家では娘と酒の席でおちょこを揺らし、感慨深くマンドリンをかき鳴らしたり、書斎の机の引き出しに、秘密のマジックの道具をしまい込んで、私かに練習をしている。そのこどもらしい萩原の姿も、また真実の朔太郎である。本書は、「この手に限るよ」のような朔太郎のおちゃめな部分をかいま見ることのできる貴重な短編集だと思う。普段矢鱈に不幸だの、病気だの言われている朔太郎だが、神経質で臆病な彼は実に子どもらしい伸びやかな感性を持っている。
「およぐひとのてあしはななめにのびる」という詩を思い出!す一冊である。
「およぐひとのてあしはななめにのびる」という詩を思い出!す一冊である。
2019年11月10日に日本でレビュー済み
"だが次の瞬間には、何人にも想像されない、世にも奇怪な、恐ろしい異変事が現象した。見れば町の街路に充満して、猫の大集団がうようよと歩いているのだ"1935年発表の表題作他、短編小説に散文詩、随筆を収録した本書は日本近代詩の父として知られる著者の魅力が様々に感じられる小品集。
個人的には、友人も参加している某日本最大規模の読書会『猫町倶楽部』の名前の由来がこちらの表題作からとられているときいて、興味本位で手にとりました。
そんな本書は三篇の短編小説、十三篇の散文詩、二篇の随筆が著者の30代末から50代までの執筆期間において収録されているわけですが。ノスタルジックにしてデカダンス。前衛詩人としての著者の複雑な心境が様々に垣間見える様で楽しかった。
また、親交のあった芥川龍之介を慰めるつもりで声をかけて怒らせた様子にニーチェを重ねて『そんなものが何になる!そんなものが何になる!』軍人と比較して記しているのにも著者の気弱な性格、戦時中の不安な気持ちが感じられて、これまた興味深かった。
マンドリンにカメラに手品と多趣味にして孤独を愛した詩人の人柄を感じたい誰かへ。また気軽に読める作品集を探す誰かにもオススメ。
個人的には、友人も参加している某日本最大規模の読書会『猫町倶楽部』の名前の由来がこちらの表題作からとられているときいて、興味本位で手にとりました。
そんな本書は三篇の短編小説、十三篇の散文詩、二篇の随筆が著者の30代末から50代までの執筆期間において収録されているわけですが。ノスタルジックにしてデカダンス。前衛詩人としての著者の複雑な心境が様々に垣間見える様で楽しかった。
また、親交のあった芥川龍之介を慰めるつもりで声をかけて怒らせた様子にニーチェを重ねて『そんなものが何になる!そんなものが何になる!』軍人と比較して記しているのにも著者の気弱な性格、戦時中の不安な気持ちが感じられて、これまた興味深かった。
マンドリンにカメラに手品と多趣味にして孤独を愛した詩人の人柄を感じたい誰かへ。また気軽に読める作品集を探す誰かにもオススメ。