「幸せになるための『自己啓発本』を読んでも幸せにはなれないということを伝える『自己啓発本』」であり、その自己矛盾に逆に興味を持たされ一気に読んでしまった。
著者はこの矛盾は百も承知で執筆しており、従来の自己啓発本(「情熱探し」や「完璧な生活」というような本)を痛快に批判しているが、一方で本著の目指すものは序文に記されているように、「幸せについての何か大きな原則を発見しよう」というものではない。
具体的には本著には、従来言われている自己啓発にからむ96もの事例が挙げられ、それを評価・批判しているが、各事例が「正しくない」ことを「正しいこと」からふるい分けるフィルターとなっており、読んでいくと目から鱗が落ちる部分が多くあった。
ただ、一見総花的に見える多数の事例の中にも、一貫した信念というものも垣間見えるのも本著の魅力である。従来の自己啓発本は不幸に打ち勝つという「西洋医学風」のアプローチが主体だが、本著では不幸と共存する「東洋的な見方」も重視しているようにも伺える。
世界中の人が全員競争に打ち勝って「著名人」や「高所得者」になったとしてもおそらく人々の幸福度はあまり変わらず(著者は「幸福に飽きる」という表現をしている)、一方では世の中の資源が急速に消費されていくことになるのかもしれない。
著者にはこういった全体性を見極めるという大局観があるからこそ、「幸せについての何か大きな原則を発見しよう」とするよりも、むしろ控えめに「正しくないアプローチを排除する」ためのテクニックやツールを挙げている。
原著の副題 “HOW TO BECOME SLIGHTLY HAPPIER AND GET A BIT MORE DONE”を眺めてみると、著者の謙虚さとともにその意気込みが感じられ、今後他の著作も邦訳されてより多くの人の眼に触れていくことを願う。

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HELP!最強知的“お助け”本 単行本 – 2014/8/1
- 本の長さ325ページ
- 言語日本語
- 出版社東邦出版
- 発売日2014/8/1
- ISBN-104809411796
- ISBN-13978-4809411793
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登録情報
- 出版社 : 東邦出版 (2014/8/1)
- 発売日 : 2014/8/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 325ページ
- ISBN-10 : 4809411796
- ISBN-13 : 978-4809411793
- Amazon 売れ筋ランキング: - 342,942位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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上位レビュー、対象国: 日本
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2014年8月26日に日本でレビュー済み
自己啓発書を読んでいて、いつも気になることがある。
「この本の主張はわかった。自信満々で一点の曇りもない。
でも、他の本にはどう書いてあるのだろう?」
「HELP!」はそんなひねくれ者の疑問に答えてくれる、一風変わった本である。
イギリス「ガーディアン」誌のコラムニストである著者は
「人がほんの少し幸せに過ごすためのヒント」をテーマにしたコラムを
連載するにあたって、大量の自己啓発書やビジネス書を読みあさり、
さらにはあのサイエントロジーまで取材したという。
1冊読むだけで、自己啓発書を何十冊と読んだ気分になれる……かもしれない。
ちなみに肝心のアドバイスは、冷静で小粒だ。自己啓発書の読み過ぎで、
美辞麗句が信じられなくなってしまったのかもしれない。
残念ながらイギリスの本なので、日本の売れ筋が網羅されているわけではない。
「日本の自己啓発書・ビジネス書」を扱った類書が待たれる。
「この本の主張はわかった。自信満々で一点の曇りもない。
でも、他の本にはどう書いてあるのだろう?」
「HELP!」はそんなひねくれ者の疑問に答えてくれる、一風変わった本である。
イギリス「ガーディアン」誌のコラムニストである著者は
「人がほんの少し幸せに過ごすためのヒント」をテーマにしたコラムを
連載するにあたって、大量の自己啓発書やビジネス書を読みあさり、
さらにはあのサイエントロジーまで取材したという。
1冊読むだけで、自己啓発書を何十冊と読んだ気分になれる……かもしれない。
ちなみに肝心のアドバイスは、冷静で小粒だ。自己啓発書の読み過ぎで、
美辞麗句が信じられなくなってしまったのかもしれない。
残念ながらイギリスの本なので、日本の売れ筋が網羅されているわけではない。
「日本の自己啓発書・ビジネス書」を扱った類書が待たれる。
2016年2月26日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
翻訳のせいかな。読みづらくて、すぐに読むのをやめました。読解力が無い私も悪いですよね。
2014年9月20日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
表紙の色とデザインがいい。
色々な自己啓発書にツッコミを入れてるが、ただ単に批判するだけじゃなく別の考えを提示している感じ。
反対の意見を知ることで理解が深まる。
なんてとこまでいかないけど、参考にはできる。
ただ、英国人全開の皮肉バリバリなので、訳文が読みにくかったりする。
色々な自己啓発書にツッコミを入れてるが、ただ単に批判するだけじゃなく別の考えを提示している感じ。
反対の意見を知ることで理解が深まる。
なんてとこまでいかないけど、参考にはできる。
ただ、英国人全開の皮肉バリバリなので、訳文が読みにくかったりする。
2014年8月19日に日本でレビュー済み
「これまでの自己啓発本で幸せになれた人は読まないでください」と帯にある。
モチベーションを上げるために、この本はどのくらい効果を発揮させるかはわからないが、
自己啓発を巡る読み物として非常におもしろい。
作者のスタンスが、私自身の立ち位置と近く感じられるので、すんなりと入ってくるのかもしれない。
私も自己啓発本を鵜呑みにできないのだ。
皮肉たっぷり、ユーモアたっぷりで、こんなにニヤニヤしながら本を読んだのは久しぶりだ。
読み進めていくのが楽しみな一冊。
そして、たくさんの気付きがある。
モチベーションを上げるために、この本はどのくらい効果を発揮させるかはわからないが、
自己啓発を巡る読み物として非常におもしろい。
作者のスタンスが、私自身の立ち位置と近く感じられるので、すんなりと入ってくるのかもしれない。
私も自己啓発本を鵜呑みにできないのだ。
皮肉たっぷり、ユーモアたっぷりで、こんなにニヤニヤしながら本を読んだのは久しぶりだ。
読み進めていくのが楽しみな一冊。
そして、たくさんの気付きがある。
2014年8月29日に日本でレビュー済み
書店で見かけて、前書きを読んで即購入しました。
私はどうも自己啓発本に書かれてあると、つい信じ込んでしまうタイプなのですが、以前から異なる意見も聞いてみたいと思っていました。というのも、本を読んだばかりの時点では「まさにその通り!」と思うのに、本に書かれている事を基準に物事を見ていくと、矛盾することが時間とともに増えていくからです。しかしその矛盾には本は答えていない。書かれていても、読者が書いてあるとおりに実践しないからということが多いですね。まぁ、確かにそうなのかもしれませんが。
そんなときに出会ったのが本書でした。ただ、本書は答えそのものはあまり書かれておらず、世間に出回る数々の自己啓発本に対して異なる視点を提供してくれます。もし自己啓発本に答えを求めるタイプの方なら、たぶん物足りないと感じるかもしれません。また、流行りの自己啓発本への批判を読んで憂さ晴らししたいという方にも、物足りないでしょう。
様々な意見を読み、自ら考えて自分なりの思想(というと大袈裟ですが)を作っていきたい方には、参考になるかと思います。
私はどうも自己啓発本に書かれてあると、つい信じ込んでしまうタイプなのですが、以前から異なる意見も聞いてみたいと思っていました。というのも、本を読んだばかりの時点では「まさにその通り!」と思うのに、本に書かれている事を基準に物事を見ていくと、矛盾することが時間とともに増えていくからです。しかしその矛盾には本は答えていない。書かれていても、読者が書いてあるとおりに実践しないからということが多いですね。まぁ、確かにそうなのかもしれませんが。
そんなときに出会ったのが本書でした。ただ、本書は答えそのものはあまり書かれておらず、世間に出回る数々の自己啓発本に対して異なる視点を提供してくれます。もし自己啓発本に答えを求めるタイプの方なら、たぶん物足りないと感じるかもしれません。また、流行りの自己啓発本への批判を読んで憂さ晴らししたいという方にも、物足りないでしょう。
様々な意見を読み、自ら考えて自分なりの思想(というと大袈裟ですが)を作っていきたい方には、参考になるかと思います。