この本は、日銀副総裁(予定)である岩田先生の書いた本です。
岩田先生は金融経済の専門家であり、90年代よりデフレについて研究をしてきました。
そしてデフレによる不況について、いち早く警鐘を鳴らしてきました。
この本は、そのデフレについて余すところなく解説した本です。
他のデフレの解説書と比べると、理論的な説明も多く、デフレのメカニズムをなぜそうなるのか
といった部分から知ることができます。この本は01年に出版されましたが、内容については現在まで
同じ問題が起こっており全く色褪せることはありません。
当時はデフレについての解説書、研究書がすくなく(教科書でもあまり記述はありませんでした)
多くの一般人がこの本によりデフレについて知ることになりました。
そうした意味で内容、量ともに現在の不況の原因を知る意味では最も素晴らしい教科書と言えるでしょう。
この本は既に「古典」と言える名著の地位を得ていると思います。
岩田先生も日銀副総裁になられる予定ですので、今後の金融政策を知る上でも
ぜひ読んでみることをおすすめします。

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デフレの経済学 単行本 – 2001/12/1
岩田 規久男
(著)
現在のデフレ現象に関して「デフレとは何か、なぜ起きるのか、何をもたらすのか」などの疑問をすべて解明。同時に、日本経済再生に必要な政策は何かを論じる。
- 本の長さ389ページ
- 言語日本語
- 出版社東洋経済新報社
- 発売日2001/12/1
- ISBN-104492393595
- ISBN-13978-4492393598
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商品の説明
メディア掲載レビューほか
デフレの経済学
1990年代の日本経済の低成長については、デフレの発生、規制による産業構造調整の遅れ、不良債権処理の遅れなど、様々な原因が挙げられている。著者はフローのデフレ(物価の持続的下落)とストックのデフレ(資産デフレ)により、デフレ・ギャップ(総需要の不足)が発生したことこそ真の原因であり、産業構造調整や不良債権処理が遅れているのは、あくまでその結果であるとの立場を取る。
1990年代の日本経済の低成長については、デフレの発生、規制による産業構造調整の遅れ、不良債権処理の遅れなど、様々な原因が挙げられている。著者はフローのデフレ(物価の持続的下落)とストックのデフレ(資産デフレ)により、デフレ・ギャップ(総需要の不足)が発生したことこそ真の原因であり、産業構造調整や不良債権処理が遅れているのは、あくまでその結果であるとの立場を取る。
本書ではデフレとは何か、なぜ起きるのかを解き明かしたうえで、デフレ下の経済情勢を解説する。デフレ下では企業の売上単価が下落するため、売上量は増えても売上高は減少する。借金の負担が重くなり、デフレでなければ健全な債権も不良債権に転化してしまう。また、衰退産業で過剰になった資本や労働、土地などが成長産業へスムーズに移動することが困難になる。そのため、失業率が上昇し、過剰設備が増え、産業構造調整が遅れる。
以上のことから、今、最も重要な経済政策はデフレの阻止であり、それには金融の量的緩和、円安誘導が有力な施策であると強調する。規制緩和、行政改革などの構造改革を進めることも重要だと指摘しつつ、デフレ圧力を伴う財政構造改革については、段階を踏んで慎重に進めることを提言する。
(日経ビジネス 2002/01/21 Copyright©2001 日経BP企画..All rights reserved.)
-- 日経BP企画
内容(「MARC」データベースより)
デフレとは何か、なぜ起きるのか? デフレに関するすべての疑問を解き明かし、1992年以降の日本の低成長の本当の原因を述べるとともに、いま最も重要な経済政策は金融の量的緩和以外にないことを提示する。
登録情報
- 出版社 : 東洋経済新報社 (2001/12/1)
- 発売日 : 2001/12/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 389ページ
- ISBN-10 : 4492393595
- ISBN-13 : 978-4492393598
- Amazon 売れ筋ランキング: - 392,387位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 382位経済思想・経済学説 (本)
- - 1,308位経営学 (本)
- - 1,731位経済学 (本)
- カスタマーレビュー:
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上位レビュー、対象国: 日本
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2003年1月15日に日本でレビュー済み
現在の日本経済に対する適切な診断書であり、処方箋(長期国債買い切りオペの増額によるインフレ・ターゲット政策)である。インフレ・ターゲット政策だけで、日本経済が回復するとは思わないが、必要条件の一つであることについてはまったく同感。デフレが続けば、政府や企業は借金の重みに耐えられなくなる。一刻も早いデフレからの脱却が必要という本書の主張は、まったくもってそのとおり。経済は危機的状況、非常事態にあり、打てる手はすべて打つべき。インフレ・ターゲットに消極的な発言を繰り返す日銀総裁にも是非読んで欲しい。
2005年11月1日に日本でレビュー済み
昨今の日本の長期不況を理解する上で、デフレというキーワードは欠かせない。そのデフレの発生原理、デフレが経済を蝕んでいくそのメカニズムから、さらにはその処方箋まで、これらを学部レベルの平易な経済学で網羅的、系統的に論じた画期的な本。
「構造改革」教を批判するためにマクロ経済学を理解することは必須の教養であり、是非多くの人に勧めたい。経済学に不案内な人でも、スティグリッツの『入門経済学』レベルの本で学習しながらであれば読めるはず。
「構造改革」教を批判するためにマクロ経済学を理解することは必須の教養であり、是非多くの人に勧めたい。経済学に不案内な人でも、スティグリッツの『入門経済学』レベルの本で学習しながらであれば読めるはず。
2015年7月7日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
岩田氏が日銀副総裁になる前から読んでいたが、いま手元に見当たらないのでネットで再び入手した。非伝統的金融政策推進派の理論の大筋をつかむのにはよい。
2002年1月26日に日本でレビュー済み
日本経済が問題を抱えていることは周知のことだ。だが、論壇では、その問題の本質が、さまざまに「危機」や「破綻」をいいたてるデマゴーグたちの雑音によって一般人にはみえにくくなっている。
この本は、そうした狂騒とは距離をおいて、現在の危機が、総需要不足によるデフレ不況にあり、その危機の克服のためには、多くの真摯な経済学者たちがすでに提案している「インフレ・ターゲット」政策が必要であること、そのためには日銀の責任が重要であることを説得的に論証していく。
400頁と厚い本だ。だが、叙述は論理的で読みやすい。日本経済について真剣かつ冷静な診断と処方箋を求めている全国民必読の書である。
この本は、そうした狂騒とは距離をおいて、現在の危機が、総需要不足によるデフレ不況にあり、その危機の克服のためには、多くの真摯な経済学者たちがすでに提案している「インフレ・ターゲット」政策が必要であること、そのためには日銀の責任が重要であることを説得的に論証していく。
400頁と厚い本だ。だが、叙述は論理的で読みやすい。日本経済について真剣かつ冷静な診断と処方箋を求めている全国民必読の書である。
2002年3月23日に日本でレビュー済み
近年の先進国ではインフレーションが常態であるので,デフレーションについて解説した本は少ないようだ。「デフレの経済学」の発行は2001年末だが,日本の現状からすると,時宜にかなった出版だ。
本書は,デフレの原因やその(悪い)効果や,日本(高橋財政など)および外国における過去のデフレ対策法を,わかり易く説明している。通貨供給を増加させることによって緩やかなインフレが実現すれば,期待実質金利の低下や実質賃金の調整や需要増を通じて,経済が成長路線に戻る,と本書は主張している。また,いわゆる構造改革はインフレの下でなければ成功し難い,というのも本書の重要な主張だ。
このような本書における日本経済の現状分析は大変わかり易いが,処方箋の方はそうではない。本書は,日銀の当??金を増やせば,銀行の貸し出しが増え,通貨供給が増す,と主張する。一方,「銀行の不良債権を処理しなければ,金融を緩和しても,貨幣は金融機関に滞留して銀行貸出は増え難い」という論を唱える者も世間には多いが,本書はこのような論に対して充分反論しているようには見えない。本書は,インフレーション目標付きの長期国債買いきりを提案しているが,それが投資家や資産家の行動に与える影響をより詳しく分析すれば良かった,と思う。
と言うように,処方箋の部分がもっと充実していれば良かったのだが,現状分析の部分だけでも読む価値があると思う。
本書は,デフレの原因やその(悪い)効果や,日本(高橋財政など)および外国における過去のデフレ対策法を,わかり易く説明している。通貨供給を増加させることによって緩やかなインフレが実現すれば,期待実質金利の低下や実質賃金の調整や需要増を通じて,経済が成長路線に戻る,と本書は主張している。また,いわゆる構造改革はインフレの下でなければ成功し難い,というのも本書の重要な主張だ。
このような本書における日本経済の現状分析は大変わかり易いが,処方箋の方はそうではない。本書は,日銀の当??金を増やせば,銀行の貸し出しが増え,通貨供給が増す,と主張する。一方,「銀行の不良債権を処理しなければ,金融を緩和しても,貨幣は金融機関に滞留して銀行貸出は増え難い」という論を唱える者も世間には多いが,本書はこのような論に対して充分反論しているようには見えない。本書は,インフレーション目標付きの長期国債買いきりを提案しているが,それが投資家や資産家の行動に与える影響をより詳しく分析すれば良かった,と思う。
と言うように,処方箋の部分がもっと充実していれば良かったのだが,現状分析の部分だけでも読む価値があると思う。
2002年12月2日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
デフレの徹底解明を目指す教科書的ステータスを狙ったにしては、脇の甘い論理展開が目立つ。例えば、輸入デフレ説への反論として、アメリカも中国等低コスト国から輸入しているが、日本だけデフレだから輸入は原因でないと切り捨てている。だが、アメリカがインフレ状況にあれば、かかる輸入はデフレを起こさずとも高インフレを抑えている可能性があるのを全く無視している。また、輸入関連品の値段が下がっても、消費者が他の物へ支出を増やせば価格が上昇するので、やはり安い輸入品はデフレの原因とはならないと言っている。だが、消費者がその分他の物への支出を増やす保証は全くなく、仮に増やしてもその支出先が問題ではないか。例えば、余ったおカネを海外旅行費用等に回したら日本の物価は上がらない。また、長寿化・高齢化が進む日本では貯蓄に回されて消費に結びつかないのではという疑問もある。それに輸入デフレ説の根拠となり得るに過ぎない「メニュー・コスト」仮説が成立しないから、輸入デフレ説が誤っているとする論理展開も、もともと成り立つはずのない仮説を反論しているに過ぎず、極めて誤謬に満ちた構成だ。低コスト国による生産が供給曲線を右シフトさせたことがデフレ・ギャップの原因なら、著者の前提と異なる。
他に、コラムDでの銀行の貸倒引当金の会計処理法は全くの誤りである。B/Sで引当金を計上すれば他方で費用となって純利益、よって自己資本を減少させるはず。それを引当金は自己資本を減らさずにすむ打ち出の小槌の様に扱っている。引当金さえ計上すれば不良債権処理が終わるのなら、不良債権問題はとっくに解決している。
日本のフィリップス曲線の分析も、他の箇所でインフレ期待が重要だとしながら、期待インフレ率を無視した分析になっているのが腑に落ちない。
総じて、日本のデフレ状況の現象面での説明は確かに豊富だが、随所で穴が見られるものとなっている。残念だ。
他に、コラムDでの銀行の貸倒引当金の会計処理法は全くの誤りである。B/Sで引当金を計上すれば他方で費用となって純利益、よって自己資本を減少させるはず。それを引当金は自己資本を減らさずにすむ打ち出の小槌の様に扱っている。引当金さえ計上すれば不良債権処理が終わるのなら、不良債権問題はとっくに解決している。
日本のフィリップス曲線の分析も、他の箇所でインフレ期待が重要だとしながら、期待インフレ率を無視した分析になっているのが腑に落ちない。
総じて、日本のデフレ状況の現象面での説明は確かに豊富だが、随所で穴が見られるものとなっている。残念だ。
2016年10月14日に日本でレビュー済み
ひどい本でびっくりした。物価の考え方が完全に間違っている。
原油価格の上げ下げが物価に影響を与えないなんて、本当に経済学の先生なのか?
こんなのが日銀副総裁だから金融政策が失敗するのは当然だったのだ。
リフレ派は頭がいかれた連中ばかりで苦笑するしかない。
原油価格の上げ下げが物価に影響を与えないなんて、本当に経済学の先生なのか?
こんなのが日銀副総裁だから金融政策が失敗するのは当然だったのだ。
リフレ派は頭がいかれた連中ばかりで苦笑するしかない。