週刊文春が快調である。どうやって次々とスクープをものにしているんだろう。
その内幕やウラ話を聞きたい。この本を手にした動機はそんなところだ。
最初はノンフィクションかお仕事小説(記者のたまごがいろんな経験を経て
成長していくといった)と思って読みはじめたが、じつは壮大な推理小説であった。
主人公(若い女性記者)の関わるこまごまとした一見つながりのない仕事や調査が
すべてひとつの事件の伏線になっており、これはこれで面白かった。
文藝春秋では外部のリソースだけに頼らず正社員が事件をおっかける。
ひとまかせにしない。扱っているものがキワモノだからこそ、なによりも読者の
「信頼」を得ることが重要であり手を抜けないという。
・・成果があってもなくても、とことん調べることに意味がある。
週刊誌は、空振りや無駄足の積み重ねでできている。そこをおろそかにしたら
おしまいだから。・・
・・記事の質だ。活字にならないところ、なってもほんのひと言のところに、どれだけ
手間ひまかけるかで全体が変ってくる。手を抜いたらあっという間に質が落ちる。・・
たかが週刊誌の記事と笑うなかれ。このような努力があるからこそ週刊誌は国民に
必要とされる。政治や法律では裁かれないこと、メディアが遠慮して扱わないことを
あぶりだすことで世の中をしかるべき方向に導いているのである。
主人公の新人記者が、経験不足の新人にもかかわらずrepresentative
(会社を代表するもの)として大切に扱われることにもなるほどと思った。

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スクープのたまご 単行本 – 2016/4/22
大崎 梢
(著)
この私が週刊誌記者になって、スキャンダルを追う!?
「週刊千石」に異動した新人女子部員が恐る恐るタレントのスキャンダルや事件取材に奮闘! リアリティ満載・感動のお仕事小説。
「週刊千石」に異動した新人女子部員が恐る恐るタレントのスキャンダルや事件取材に奮闘! リアリティ満載・感動のお仕事小説。
- 本の長さ321ページ
- 言語日本語
- 出版社文藝春秋
- 発売日2016/4/22
- ISBN-104163904433
- ISBN-13978-4163904436
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登録情報
- 出版社 : 文藝春秋 (2016/4/22)
- 発売日 : 2016/4/22
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 321ページ
- ISBN-10 : 4163904433
- ISBN-13 : 978-4163904436
- Amazon 売れ筋ランキング: - 329,956位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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2016年5月22日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2016年5月30日に日本でレビュー済み
微笑ましく好感を持って読みました。
週刊誌記者のお仕事本としては多分正直ぬるいと思う。が、「普通に善良」な感じのヒロインが頑張ってるのは読んでてとても気持ちが良い。
楽しみました。
週刊誌記者のお仕事本としては多分正直ぬるいと思う。が、「普通に善良」な感じのヒロインが頑張ってるのは読んでてとても気持ちが良い。
楽しみました。
2016年6月26日に日本でレビュー済み
主演は武井咲か波留で決定かと思われます。
それでいてジャニーズを3人くらいと名わき役を入れて、ゲストとして大物俳優。
視聴率と話題性に富み、ある程度の数字とマネーは獲得成功します。
でもって発表数カ月後には逆スクープでこの出演者内での熱愛が週刊文春にてスクープされるということになるでしょう。
やはりフィクションでありますのでそれなりに現実味には欠けるのでしょうが、その世界を知らない人間として勉強になりました。
この本を読む対象者は昼下がりを弄ばす主婦。若しくは、
ある意味で女子的ミーハー心を持つ20代後半男子。かなりニッチ層に最適です。
王様のブランチでも紹介されていたそうなので、週末にデートの予定も入っていないOLさんも読書対象になりますが、この本を読んでいるよりは「男を騙す心理学」的な本を読んでいたほうがマシかと。
お仕事探検に一役買ってくれる名作です!!
それでいてジャニーズを3人くらいと名わき役を入れて、ゲストとして大物俳優。
視聴率と話題性に富み、ある程度の数字とマネーは獲得成功します。
でもって発表数カ月後には逆スクープでこの出演者内での熱愛が週刊文春にてスクープされるということになるでしょう。
やはりフィクションでありますのでそれなりに現実味には欠けるのでしょうが、その世界を知らない人間として勉強になりました。
この本を読む対象者は昼下がりを弄ばす主婦。若しくは、
ある意味で女子的ミーハー心を持つ20代後半男子。かなりニッチ層に最適です。
王様のブランチでも紹介されていたそうなので、週末にデートの予定も入っていないOLさんも読書対象になりますが、この本を読んでいるよりは「男を騙す心理学」的な本を読んでいたほうがマシかと。
お仕事探検に一役買ってくれる名作です!!
2016年8月30日に日本でレビュー済み
「週刊文春の記者の仕事内容を書いた本」、だけの前知識しかなく読み始めたが、止まらずに読破。
正直、「週刊文春」は外注中心で作っていると思っていた。(注:文中に文春とは一切書かれていない。そう推察されるだけ)
この主人公のような、ジャーナリスト意欲もない、右も左も分からない新人の正社員を取材現場投入しているという事が真実なら、それは、登場する人々と同様に私も驚いた。
だって、文春だよ。ほとんどの社員は「文芸書が大好き」で入っていると思う。
よもや、自分自身が事件取材するなんて、入社前ほとんどリアルに思っていないだろう。
だって、新聞社でもテレビ局でもない、芥川賞と直木賞を取り仕切る文春だよ。
でも、読み進んで分かった。
なんで文春がノンフィクション書籍が充実しているのか。
この、本離れの時代に、芥川賞と直木賞をちゃんと世間の話題にし続けているのか。
因みに、この問いの答えは本には直接書いていない。私が勝手に理解しただけ。
仕事への意欲とは。責任感とは。価値とは。仕事仲間とは。
色々な切り口があり、しかもミステリー要素も加味された、非常によく出来たエンタメ小説。
マスコミへの就職を考えている若者は、是非一読して就職戦線に向かって欲しい本。
勿論、単なる週刊誌製作現場を覗き見たい人にもうってつけの一冊。読後感も良い。
正直、「週刊文春」は外注中心で作っていると思っていた。(注:文中に文春とは一切書かれていない。そう推察されるだけ)
この主人公のような、ジャーナリスト意欲もない、右も左も分からない新人の正社員を取材現場投入しているという事が真実なら、それは、登場する人々と同様に私も驚いた。
だって、文春だよ。ほとんどの社員は「文芸書が大好き」で入っていると思う。
よもや、自分自身が事件取材するなんて、入社前ほとんどリアルに思っていないだろう。
だって、新聞社でもテレビ局でもない、芥川賞と直木賞を取り仕切る文春だよ。
でも、読み進んで分かった。
なんで文春がノンフィクション書籍が充実しているのか。
この、本離れの時代に、芥川賞と直木賞をちゃんと世間の話題にし続けているのか。
因みに、この問いの答えは本には直接書いていない。私が勝手に理解しただけ。
仕事への意欲とは。責任感とは。価値とは。仕事仲間とは。
色々な切り口があり、しかもミステリー要素も加味された、非常によく出来たエンタメ小説。
マスコミへの就職を考えている若者は、是非一読して就職戦線に向かって欲しい本。
勿論、単なる週刊誌製作現場を覗き見たい人にもうってつけの一冊。読後感も良い。
2016年9月22日に日本でレビュー済み
週刊誌の女性記者を主人公とした、連作もののお仕事小説の先入観で読み進めていきましたが、いい意味で期待を裏切られました。第一話を読み終え、第二話に進むにあたり違和感を感じましたが、読み終えるとすっきりとします。ミステリー的な要素も、しっかりと織り込まれています。
勿論、お仕事小説がメインでありので、これを読むと、週刊誌の取材記者の仕事への意識や週刊誌そのものへの見方が、少々オーバーですがガラリと変わるかもしれません。仕事への取組や考え方を通じて主人公は成長していく姿は当然ながら、物事への取材意識の高さや矜持も伺えます。それが、冒頭にも書きましたミステリーとも上手く絡まり、よく仕上がっています。
勿論、お仕事小説がメインでありので、これを読むと、週刊誌の取材記者の仕事への意識や週刊誌そのものへの見方が、少々オーバーですがガラリと変わるかもしれません。仕事への取組や考え方を通じて主人公は成長していく姿は当然ながら、物事への取材意識の高さや矜持も伺えます。それが、冒頭にも書きましたミステリーとも上手く絡まり、よく仕上がっています。