鍼灸マッサージ師です。
「構造構成主義」という哲学的な考え方で、痛みの原理と治療方法を模索した内容だった。
本書では主に痛みがなかなかよくならない慢性痛症に対して、様々な視点をもって痛みという大きな構造に向き合い、様々な方向から少しずつ解きほぐしていくことを目的としている。
それを理解するため、痛みの構造を構成する志向や受け取り方、価値観に対する考え方が様々な方向性から説明されていたのだが、哲学的な話は難しくて読みにくく感じた。
それでも、原理を実践に生かすという章では、治療に関して有益な考え方が紹介されていて、勉強になった。
以下に印象に残った内容を抜粋。
・患者さん自身が今ある痛みを自らのものだと認識し、痛みを望ましい方向にもっていくために、痛みの悪循環というイメージを説明し、自分の中の構造を変化させていくという考え方を理解してもらうことが重要
・治療関係の形として①「まな板の上の鯉」スタイル、②「いっしょに痛みをやっつけよう」スタイル、③「私はあなたのガイド」スタイルと3つの形があるが、痛みは患者さんが抱えているものであり、痛みとの向き合い方を考えるという意味では③が望ましい
・ある薬剤を投与して痛みが改善した場合、「薬で痛みがよくなった」、「先生がよくしてくれた」と患者さんが考えてしまうことで治療構造の形が崩れてしまう可能性がある。「よくなったのは○○さんが上手に自分の痛みをコントロールできるようになったからだ」という、痛みの変化は患者さんの自発的な取り組みであり続けるようサポートするのが治療者の役割。

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ナニコレ?痛み×構造構成主義: 痛みの原理と治療を哲学の力で解き明かす 単行本 – 2016/6/9
阿部 泰之
(著)
“構造構成主義”という哲学から痛みを捉えようとする新たな試みの書.構造構成主義を用いて理論的に痛みを解説し,さらに,理論を臨床に役立たせる実例も併せて提示.親しみやすいイラストで,痛みを“哲学”することをやさしく解説した.痛みを診るすべての医療者はもちろん,痛みを理解したい一般の方へもおすすめの一冊.
- 本の長さ144ページ
- 言語日本語
- 出版社南江堂
- 発売日2016/6/9
- 寸法15 x 1 x 21 cm
- ISBN-104524265872
- ISBN-13978-4524265879
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登録情報
- 出版社 : 南江堂 (2016/6/9)
- 発売日 : 2016/6/9
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 144ページ
- ISBN-10 : 4524265872
- ISBN-13 : 978-4524265879
- 寸法 : 15 x 1 x 21 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 657,967位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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2016年7月18日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
この本は、医療ではとても希な「理論書」と「学習支援書」です。
今回は「痛み」を対象とした理論として展開されていますが、今後、医療の様々な領域でも応用可能な理論展開です。
初めて読む方々にも理解しやすくなるよう、出典や参考資料も提示もあるので、先ずは読み通してみられることをお勧めします。きっとこれまでにないや痛みの捉え方を感じることが出来るでしょう。
恐らく、ほとんどの書評が論じないであろう重要点がもう一つ「学習方法」についての示唆です。90頁からの「治療論に入る前に」で示されているように、私たちは一般的に「学んだ」というのが、「信じて、覚える(引用)」で終わっています。この状態やこれに基づく「行為も不安定(引用)」であり、著者はこれを改善するために治療関係での「形」(106頁から)を提唱しています。その一例として「人間関係の原理としての他者承認」(92頁)からの部分では他者承認での「形」としてのユマニチュードの実践を勧めています。
この1冊が医療者の科学観や学習観に重要な基盤となると信じております。この本に基づいて学ぶ医療学生・医療者が増えることを願っています。
今回は「痛み」を対象とした理論として展開されていますが、今後、医療の様々な領域でも応用可能な理論展開です。
初めて読む方々にも理解しやすくなるよう、出典や参考資料も提示もあるので、先ずは読み通してみられることをお勧めします。きっとこれまでにないや痛みの捉え方を感じることが出来るでしょう。
恐らく、ほとんどの書評が論じないであろう重要点がもう一つ「学習方法」についての示唆です。90頁からの「治療論に入る前に」で示されているように、私たちは一般的に「学んだ」というのが、「信じて、覚える(引用)」で終わっています。この状態やこれに基づく「行為も不安定(引用)」であり、著者はこれを改善するために治療関係での「形」(106頁から)を提唱しています。その一例として「人間関係の原理としての他者承認」(92頁)からの部分では他者承認での「形」としてのユマニチュードの実践を勧めています。
この1冊が医療者の科学観や学習観に重要な基盤となると信じております。この本に基づいて学ぶ医療学生・医療者が増えることを願っています。
2017年12月6日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
よくわからなかった。私がばかなのかもしれませんが、理解が難しい。