小説への熱い思いを持ちながら結果を出せない三流編集者・俊太郎と
鮮やかなデビューを飾ったものの泣かず飛ばずで、バイトで糊口をしのぐ作家・豊隆。
「物語」をつくろうとする、幼なじみの二人による葛藤と成長の物語。
斜陽といわれて久しい出版業界、とくに冬の時代といわれている
小説を取り巻く状況と関係者の内情が誇張なくリアルに描かれている。
プライドと諦め、家族や生活に縛られて思うように動けない状態から、
はじめは燻りでしかなかった思いが燃え上がり、まず自分たちが変わり、
その熱は次第に協力的とは言えなかった周りの人々も少しずつ動かしていく。
この二人のように、自分は仕事に誠実に向き合えているか?
人からどう見られているかを気にせず、本気になれているか?
他人や環境のせいにして逃げたり、自分をごまかしたりしていないか?
物語を読み進めるにつれて、そんな問いを突きつけられている気がして、
自然と背筋が伸びた。自分と仕事を見つめ直させてくれる一冊。

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小説王 単行本 – 2016/5/10
早見 和真
(著)
文芸冬の時代に放つ激熱エンタテインメント
大手出版社の文芸編集者・俊太郎と、華々しいデビューを飾ったものの鳴かず飛ばずの作家・豊隆は幼馴染みだった。いつか仕事を。そう約束したが、編集長の交代などで、企画すら具体的にならないまま時間だけが過ぎていく。やがて、俊太郎の所属する文芸誌は存続を危ぶまれ、豊隆は生活すら危うい状況に追い込まれる。そんな中、俊太郎は起死回生の一手を思いつく。三流編集者と売れない作家が、出版界にしかけた壮大なケンカの行方は!?
小説の役割は終わったのか? 「STORY BOX」連載時から、作家・編集者・書店員の方々をざわつかせた問題作がついに刊行。小説をめぐる、男たちの熱きドラマ! 『イノセント・デイズ』『95』で大注目の作家が、文芸冬の時代に放つ、激熱のエンタテインメント!!
【編集担当からのおすすめ情報】
装画は、故・土田世紀先生の『編集王』のカットを使用。
読んでいただいた書店員さんから、熱いコメントが多数寄せられています。
大手出版社の文芸編集者・俊太郎と、華々しいデビューを飾ったものの鳴かず飛ばずの作家・豊隆は幼馴染みだった。いつか仕事を。そう約束したが、編集長の交代などで、企画すら具体的にならないまま時間だけが過ぎていく。やがて、俊太郎の所属する文芸誌は存続を危ぶまれ、豊隆は生活すら危うい状況に追い込まれる。そんな中、俊太郎は起死回生の一手を思いつく。三流編集者と売れない作家が、出版界にしかけた壮大なケンカの行方は!?
小説の役割は終わったのか? 「STORY BOX」連載時から、作家・編集者・書店員の方々をざわつかせた問題作がついに刊行。小説をめぐる、男たちの熱きドラマ! 『イノセント・デイズ』『95』で大注目の作家が、文芸冬の時代に放つ、激熱のエンタテインメント!!
【編集担当からのおすすめ情報】
装画は、故・土田世紀先生の『編集王』のカットを使用。
読んでいただいた書店員さんから、熱いコメントが多数寄せられています。
- 本の長さ306ページ
- 言語日本語
- 出版社小学館
- 発売日2016/5/10
- ISBN-104093864403
- ISBN-13978-4093864404
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登録情報
- 出版社 : 小学館 (2016/5/10)
- 発売日 : 2016/5/10
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 306ページ
- ISBN-10 : 4093864403
- ISBN-13 : 978-4093864404
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,062,060位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2016年7月27日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
学生の時は何をしていたか?と就職時の面接で面接官に聞かれ、[ホストです」と答える1行目からぐいぐい引き込まれました。
物凄く熱い小説です。
こんな風に私も生きてみたいと思わされてしまいました。
夢を追い続ける人生の素敵さを直球で投げつけられます。
読み終えると力が漲ってる自分に、にやり。
まだ負けないわよとにやり。
お勧めです。
物凄く熱い小説です。
こんな風に私も生きてみたいと思わされてしまいました。
夢を追い続ける人生の素敵さを直球で投げつけられます。
読み終えると力が漲ってる自分に、にやり。
まだ負けないわよとにやり。
お勧めです。
2016年7月29日に日本でレビュー済み
このタイトル。この装丁。読み手を目一杯煽ってますねえ。
惜しくも急逝した土田世紀の編集王の熱をそのまま、
今の閉塞した出版会文学会に叩き付けぶちまけした。
小学校の時の学級新聞部での親友の男友達が、いい大人になって
挫折と鬱屈をくぐり抜けて自分の存在そのものを小説の創造に賭する。
蒼き小説家と若き編集者。
情熱と更に熱い執筆への執着。
挫折感と失落感と高揚感と解放感。
重しとなる編集長。
センセイと呼ばれながら創作に全精力を注ぎこむ人気作家
「あの候補の中で どうにか 小説の体をなしているのは君のものだけだった。
でも、それはあくまで体だけだ。小説じゃない。
その意味では一番タチの悪い作品だったとも言える。
君、書くことを舐めてるだろ?
何かを劇的に変えない限り書き続けることは出来ない。
心がないんだよッ!
お前の小説モドキでは、読者の心 を震わせられないッ!!」
他にも思わず音入れしたくなる激熱ゲキアツ台詞がいっぱいです。
あの土田さんの魂魄が早見さんに憑依したように、
脳内スクリーンに編集王の名シーンが次々にフラッシュされます。
読んでないひとも本好きならば充分煽られること請け合い。
ひょっとすると又吉ハンが火花で書きたかった世界ってコレだったん
じゃないか?ってすら思いたくなりました。
熱をもって暑さを制す。梅雨明けにナイスなセレクトの一冊でした。
惜しくも急逝した土田世紀の編集王の熱をそのまま、
今の閉塞した出版会文学会に叩き付けぶちまけした。
小学校の時の学級新聞部での親友の男友達が、いい大人になって
挫折と鬱屈をくぐり抜けて自分の存在そのものを小説の創造に賭する。
蒼き小説家と若き編集者。
情熱と更に熱い執筆への執着。
挫折感と失落感と高揚感と解放感。
重しとなる編集長。
センセイと呼ばれながら創作に全精力を注ぎこむ人気作家
「あの候補の中で どうにか 小説の体をなしているのは君のものだけだった。
でも、それはあくまで体だけだ。小説じゃない。
その意味では一番タチの悪い作品だったとも言える。
君、書くことを舐めてるだろ?
何かを劇的に変えない限り書き続けることは出来ない。
心がないんだよッ!
お前の小説モドキでは、読者の心 を震わせられないッ!!」
他にも思わず音入れしたくなる激熱ゲキアツ台詞がいっぱいです。
あの土田さんの魂魄が早見さんに憑依したように、
脳内スクリーンに編集王の名シーンが次々にフラッシュされます。
読んでないひとも本好きならば充分煽られること請け合い。
ひょっとすると又吉ハンが火花で書きたかった世界ってコレだったん
じゃないか?ってすら思いたくなりました。
熱をもって暑さを制す。梅雨明けにナイスなセレクトの一冊でした。
2016年6月12日に日本でレビュー済み
『かつて一冊の本に救われ~』という煽り文句に始まる、数々の熱いコメントの書かれた帯が巻かれ、表紙の半分を占める「小説王」の文字、睨めつけるような土田 世紀の絵。
読み手に喧嘩をふっかけるパワー全開で、思わずページを開かされてしまう。ジャケットを取りはずと、これまた赤地に白字でびっしりと本文中の活字が並ぶ。
まことしやかに囁かれる文藝の世界のイメージの描写から、男性作家に言われる「女を書くことができない」という具体的な指摘、連載のあり方などまで、具体的に描きながら、そしてそれがまた、小学館のSTORYBOXという文芸誌に連載しながら、この作品は生み出されている。
幼なじみの二人が、作家と編集者になり、出版界に喧嘩を売っていく――。
魅力的な題材を、文芸誌そのもに掲載しながら、紡ぐ。これが面白くないわけがない!
三分の二までは、こんな傑作があるのだろうか。これが読めればもう他は要らないんじゃないかとまで思えた。
しかしながら、過去の恋人をストーリーに絡ませ、それが……。というところから失速していく。
テーマが大上段に変わってしまい、家族や、文芸編集者の生き様へスポットが当たってしまうのだ。
脇役陣の存在感も期待したほど広がらず、葛藤やピンチも主人公達を危ぶむものでもない。
善人ばかりでてきてしまい、実は悪人に見えても善人であるというあっけなさになってしまう。
最終的には、みんな良い人良かったねとなるだけなので、カタルシスが無かった。
主人公の子どもが作家を目指して、それが才能があると書かれたり、文芸の残酷さはここには恐らく無い。
あるとすれば賞レースくらいなのだろうが、それさえもいい話として落とされてしまった。
また、気になるのは、主人公二人が似た描き方をされるので、区別が付きにくいところか。
これが商業誌の限界だとも言われているようで残念。
物語には当事者意識を持たせることが大事という件は良かった。
だけど、もっと闇があるんじゃないの?
読み手に喧嘩をふっかけるパワー全開で、思わずページを開かされてしまう。ジャケットを取りはずと、これまた赤地に白字でびっしりと本文中の活字が並ぶ。
まことしやかに囁かれる文藝の世界のイメージの描写から、男性作家に言われる「女を書くことができない」という具体的な指摘、連載のあり方などまで、具体的に描きながら、そしてそれがまた、小学館のSTORYBOXという文芸誌に連載しながら、この作品は生み出されている。
幼なじみの二人が、作家と編集者になり、出版界に喧嘩を売っていく――。
魅力的な題材を、文芸誌そのもに掲載しながら、紡ぐ。これが面白くないわけがない!
三分の二までは、こんな傑作があるのだろうか。これが読めればもう他は要らないんじゃないかとまで思えた。
しかしながら、過去の恋人をストーリーに絡ませ、それが……。というところから失速していく。
テーマが大上段に変わってしまい、家族や、文芸編集者の生き様へスポットが当たってしまうのだ。
脇役陣の存在感も期待したほど広がらず、葛藤やピンチも主人公達を危ぶむものでもない。
善人ばかりでてきてしまい、実は悪人に見えても善人であるというあっけなさになってしまう。
最終的には、みんな良い人良かったねとなるだけなので、カタルシスが無かった。
主人公の子どもが作家を目指して、それが才能があると書かれたり、文芸の残酷さはここには恐らく無い。
あるとすれば賞レースくらいなのだろうが、それさえもいい話として落とされてしまった。
また、気になるのは、主人公二人が似た描き方をされるので、区別が付きにくいところか。
これが商業誌の限界だとも言われているようで残念。
物語には当事者意識を持たせることが大事という件は良かった。
だけど、もっと闇があるんじゃないの?
2016年11月30日に日本でレビュー済み
本が売れないらしい。たしかに、電車でもみんなスマホの画面を見ていて、本を開いている人はまれです。
『小説王』は、そんなご時世に、物語の力を信じ、いい小説は必ず売れると信じてジタバタと苦闘する編集者が主人公です。
マンガで大きくなった出版社・神楽(かぐら)社では、文芸誌はお荷物扱いされている。『小説ゴッド』の編集部員・小柳俊太郎は、肩身の狭い文芸部で「そのうち大ベストセラーをだしてやる」と肩に力が入っている30代の若手だ。
小柳が編集者になったのは、小学校の同級生・吉田豊隆の本をだしたいからだ。吉田は18歳のときに『空白のメソッド』という作品で、ある文芸誌の新人賞を受賞した。10万部近くも売れ、映画化もされる。しかし、2作目以降は行き詰り、落ち目のままもがいている。ファミレスでアルバイトをしながら、いまも細々と書いている。
二人の再会に、それぞれの家族や恋人、先輩作家、同年代作家、さまざまな編集者たちがからみあい、オハナシがふくらんでいく。吉田の渾身の力作を引き出していく小柳の必死のたたかい、まるで二人の格闘です。
産み出されつつある小説は、吉田の父との確執を書いた小説らしい。読んだ小柳の興奮や、冷静なダメ出しや、どうやって市場に出して行こうかという作戦は詳しく語られるが、その小説自体は、読者は一字もよめない。
なるほど、こういう小説もありうるか。
主筋の進行を負いながら、当今の出版事情が興味深くレポートされていきます。本が売れないからこそ、出版社は自転車操業で点数をだすしかない。まるで資金繰り出版です。粗悪な新刊が棚をうめつくすから、良質な本が棚から追い出され、初版で消えていく。読者はますます離れる…まさに悪循環です。
文芸誌そのものが売れず、出版社のお荷物になっている。にもかかわらず、文芸誌を維持し、連載を単行本にまとめていくしか本はつくれない。作家の側からしても、毎月の連載の原稿料収入があればこそ作家生活を続けられるという、相互依存関係になっている。
1年かけた書き下ろしが初版5000部なら、1500円定価の印税1割はわずか75万円。まったく生活できない。雑誌連載の原稿料が20万円として、1年やれば240万、単行本化されて入る印税75万と合わせれば約300万。月2本の連載を持てればなんとか暮らせる。
なるほど、そういう仕組みか。
いろいろ感心しながら読んでいるうちに、『小説ゴッド』が廃刊になるという大ピンチがやってくる。小柳は、新興のITベンャー企業のソーシャルネットワーキングサービスに吉田の小説を載せるというアイデアを実現させ、大きな反響を得ていく。やがて、単行本になった新作『エピローグ』は、編集部・営業部の総力をあげた取り組みや書店員の応援で売れ始め、待望の増刷もかかった。廃刊の憂き目にあった『小説ゴッド』が、電子版で復活という芽もでてきた…。
物語に、小説に、未来はある。小柳の静かな確信が作品全体のエンディングになるという渋い着地です。
早見和真の小説を読むのは初めてですが、まさに一気読みでした。力あるなあ。
『小説王』は、そんなご時世に、物語の力を信じ、いい小説は必ず売れると信じてジタバタと苦闘する編集者が主人公です。
マンガで大きくなった出版社・神楽(かぐら)社では、文芸誌はお荷物扱いされている。『小説ゴッド』の編集部員・小柳俊太郎は、肩身の狭い文芸部で「そのうち大ベストセラーをだしてやる」と肩に力が入っている30代の若手だ。
小柳が編集者になったのは、小学校の同級生・吉田豊隆の本をだしたいからだ。吉田は18歳のときに『空白のメソッド』という作品で、ある文芸誌の新人賞を受賞した。10万部近くも売れ、映画化もされる。しかし、2作目以降は行き詰り、落ち目のままもがいている。ファミレスでアルバイトをしながら、いまも細々と書いている。
二人の再会に、それぞれの家族や恋人、先輩作家、同年代作家、さまざまな編集者たちがからみあい、オハナシがふくらんでいく。吉田の渾身の力作を引き出していく小柳の必死のたたかい、まるで二人の格闘です。
産み出されつつある小説は、吉田の父との確執を書いた小説らしい。読んだ小柳の興奮や、冷静なダメ出しや、どうやって市場に出して行こうかという作戦は詳しく語られるが、その小説自体は、読者は一字もよめない。
なるほど、こういう小説もありうるか。
主筋の進行を負いながら、当今の出版事情が興味深くレポートされていきます。本が売れないからこそ、出版社は自転車操業で点数をだすしかない。まるで資金繰り出版です。粗悪な新刊が棚をうめつくすから、良質な本が棚から追い出され、初版で消えていく。読者はますます離れる…まさに悪循環です。
文芸誌そのものが売れず、出版社のお荷物になっている。にもかかわらず、文芸誌を維持し、連載を単行本にまとめていくしか本はつくれない。作家の側からしても、毎月の連載の原稿料収入があればこそ作家生活を続けられるという、相互依存関係になっている。
1年かけた書き下ろしが初版5000部なら、1500円定価の印税1割はわずか75万円。まったく生活できない。雑誌連載の原稿料が20万円として、1年やれば240万、単行本化されて入る印税75万と合わせれば約300万。月2本の連載を持てればなんとか暮らせる。
なるほど、そういう仕組みか。
いろいろ感心しながら読んでいるうちに、『小説ゴッド』が廃刊になるという大ピンチがやってくる。小柳は、新興のITベンャー企業のソーシャルネットワーキングサービスに吉田の小説を載せるというアイデアを実現させ、大きな反響を得ていく。やがて、単行本になった新作『エピローグ』は、編集部・営業部の総力をあげた取り組みや書店員の応援で売れ始め、待望の増刷もかかった。廃刊の憂き目にあった『小説ゴッド』が、電子版で復活という芽もでてきた…。
物語に、小説に、未来はある。小柳の静かな確信が作品全体のエンディングになるという渋い着地です。
早見和真の小説を読むのは初めてですが、まさに一気読みでした。力あるなあ。
2016年9月7日に日本でレビュー済み
本を読む人が減り、出版界は今や斜陽産業とまでいわれている。
本書に登場する小柳俊太郎も、売れない文芸誌を担当する編集者だ。
そして小学校の同級生吉田豊隆は、ファミレスでバイトをしながら
書き続けている売れない作家。
作家あっての編集者であり、編集者あっての作家だと信ずる彼らは、
このコンビでいつかベストセラーを狙えるような作品を作りたいと
奮闘するが、周囲の状況は作品の良しあしだけでは、出版すら
ままならない厳しさだ。
暗い冷え切った業界に、外は炭になっていても「ふ~っ」吹けば
中は赤い、やけぼっくいのような、触れば火傷する熱い男たちを描く。
そういえば「重版出来」も小学館だったな。
前はマンガで、今度は小説という戦略で来たか !?
本書に登場する小柳俊太郎も、売れない文芸誌を担当する編集者だ。
そして小学校の同級生吉田豊隆は、ファミレスでバイトをしながら
書き続けている売れない作家。
作家あっての編集者であり、編集者あっての作家だと信ずる彼らは、
このコンビでいつかベストセラーを狙えるような作品を作りたいと
奮闘するが、周囲の状況は作品の良しあしだけでは、出版すら
ままならない厳しさだ。
暗い冷え切った業界に、外は炭になっていても「ふ~っ」吹けば
中は赤い、やけぼっくいのような、触れば火傷する熱い男たちを描く。
そういえば「重版出来」も小学館だったな。
前はマンガで、今度は小説という戦略で来たか !?
2016年7月12日に日本でレビュー済み
小説家の豊隆と編集者の俊太郎。二人の小説と物語に対する熱い想いが、出版会に革命を起こしていく物語。
おもしろくて一気に読んだ。一冊の小説をつくるのにどれだけの苦労があるのか、本書を読んでいるとよく分かる。全てはよい作品のためという理屈も納得できた。
冒頭に登場したホストをしていた青島くんが、まさか中盤以降で別の形で活躍するとは思わなかったし、雑誌の刊行がなくなった出版社がどうやって生き延びていくのか、非常に楽しみながら読めた。
個人的には、作家の内山が好きだった。素直な言葉で伝えられなくても、同業作家の豊隆に対する思いや、編集者の俊太郎に対する思いが伝わってきた。また、晴子の豊隆に尽くすという覚悟も見事だと思った。
豊隆の作家人生の全てをかけて、俊太郎や晴子の協力のもとに描いた小説「エピローグ」、ぜひとも読んでみたくなった。
おもしろくて一気に読んだ。一冊の小説をつくるのにどれだけの苦労があるのか、本書を読んでいるとよく分かる。全てはよい作品のためという理屈も納得できた。
冒頭に登場したホストをしていた青島くんが、まさか中盤以降で別の形で活躍するとは思わなかったし、雑誌の刊行がなくなった出版社がどうやって生き延びていくのか、非常に楽しみながら読めた。
個人的には、作家の内山が好きだった。素直な言葉で伝えられなくても、同業作家の豊隆に対する思いや、編集者の俊太郎に対する思いが伝わってきた。また、晴子の豊隆に尽くすという覚悟も見事だと思った。
豊隆の作家人生の全てをかけて、俊太郎や晴子の協力のもとに描いた小説「エピローグ」、ぜひとも読んでみたくなった。
2016年9月26日に日本でレビュー済み
出版業界を舞台とした友情もの。しかし、柱とする話があいまいな上、登場人物に映えがなく全体的にのめりこむ要素がない。