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絶望読書――苦悩の時期、私を救った本 単行本(ソフトカバー) – 2016/5/7
絶望の期間をどう過ごせばいいのかについて書いてみました。
過去の自分がそういう本を読みたかったからです」―本書まえがきより
〈目次〉
はじめに 絶望したとき、いちばん大切なこと
第一部 絶望の「時」をどう過ごすか?
第一章 なぜ絶望の本が必要なのか?
──生きることは、たえずわき道にそれていくことだから
第二章 絶望したときには、まず絶望の本がいい
──悲しいときには悲しい曲を
第三章 すぐに立ち直ろうとするのはよくない
──絶望の高原を歩く
第四章 絶望は人を孤独にする
──それを救ってくれるのは?
第五章 絶望したときに本なんか読んでいられるのか?
──極限状態での本の価値
第六章 ネガティブも必要で、それは文学の中にある
──非日常への備えとしての物語
第二部 さまざまな絶望に、それぞれの物語を!
第二部のはじめに 絶望にも種類がある
太宰治といっしょに「待つ」
──人生に何かが起きるのを待っているという絶望に
カフカといっしょに「倒れたままでいる」
──すぐには立ち上がれない「絶望の期間」に
ドストエフスキーといっしょに「地下室にこもる」
──苦悩が頭の中をぐるぐる回って、どうにもならない絶望に
金子みすずといっしょに「さびしいとき」を過ごす
──自分は悲しいのに他人は笑っている孤独な絶望に
桂米朝といっしょに「地獄」をめぐる
──自分のダメさに絶望したときに
ばしゃ馬さんとビッグマウスといっしょに「夢をあきらめる」
──夢をあきらめなければならないという絶望に
マッカラーズといっしょに「愛すれど心さびしく」
──自分の話を人に聞いてもらえない絶望に
向田邦子といっしょに「家族熱」
──家族のいる絶望、家族のいない絶望に
山田太一といっしょに「生きるかなしみ」と向き合う
──正体のわからない絶望にとらわれたときに
番外・絶望しているときに読んではいけない本
あとがき 立ち直りをどうかあせらないでください!
- 本の長さ264ページ
- 言語日本語
- 出版社飛鳥新社
- 発売日2016/5/7
- 寸法13.2 x 1.8 x 18.9 cm
- ISBN-104864104875
- ISBN-13978-4864104876
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商品の説明
出版社からのコメント
どういう本なのか、少しご説明させてください。
絶望をすすめる本ではありません。
絶望からの立ち直り方について書いた本でもありません。
立ち直りの段階の前の「絶望の期間」の過ごし方について書いた本です。
人は、絶望したとき、なるべく早く立ち直ろうとします。
周囲もなるべく早く立ち直らせようとします。
とはいえ、日常的な軽い絶望でも、一晩は寝込んだりするでしょう。
周囲の人たちも、「今日はそっとしておいてやろう」と、励ましの言葉をかけるのさえひかえるでしょう。
一晩ですまず、何日か、かかることもあります。
さらに何週間もかかることもありますし、何ヶ月もかかることもあります。
ときには、何年ということも。
絶望した瞬間から立ち直りが始まるわけではなく、絶望したままの期間というのがあります。
この「絶望の期間」をどう過ごすかが、じつはとても大切なのです。
そのことについて書かせていただきました。
絶望の最中にある方、絶望している人にどう接したらいいのかと悩んでおられる方などに、少しでもご参考になれば幸いです。
また、できることなら、絶望する前に、読んでおいていただけると嬉しいです。地震の本は、地震が起きる前に読んでおいたほうがいいように。
頭木弘樹
著者について
筑波大学卒業。文学紹介者。
著訳書に、『「逮捕+終り」─『訴訟』より』フランツ・カフカ 創樹社(翻訳と評論)、
『絶望名人カフカの人生論』フランツ・カフカ 飛鳥新社(編訳と解説)、『希望名人
ゲーテと絶望名人カフカの対話』ゲーテ、カフカ 飛鳥新社(編訳と解説)がある。
登録情報
- 出版社 : 飛鳥新社 (2016/5/7)
- 発売日 : 2016/5/7
- 言語 : 日本語
- 単行本(ソフトカバー) : 264ページ
- ISBN-10 : 4864104875
- ISBN-13 : 978-4864104876
- 寸法 : 13.2 x 1.8 x 18.9 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 331,096位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 3,786位本・図書館関連書籍
- カスタマーレビュー:
著者について

文学紹介者。筑波大学卒。
大学3年の20歳のときに難病になり、13年間の闘病生活を送る。そのときにカフカの言葉が救いとなった経験から、2011年『絶望名人カフカの人生論』(飛鳥新社/新潮文庫)を編訳、10万部以上のヒットとなる。以後、さまざまなジャンルの本を執筆している。
編訳書に『絶望名人カフカ×希望名人ゲーテ 文豪の名言対決』(草思社文庫)、『ミステリー・カット版 カラマーゾフの兄弟』(春秋社)。
監修書に『マンガで読む絶望名人カフカの人生論』(平松昭子、飛鳥新社)。
著書に『絶望読書』(河出文庫)、『カフカはなぜ自殺しなかったのか?』(春秋社)、『食べることと出すこと』(医学書院)、『落語を聴いてみたけど面白くなかった人へ』(ちくま文庫)、『自分疲れ』(創元社)。
編者を務めたアンソロジーに『絶望図書館』『トラウマ文学館』『うんこ文学』(いずれもちくま文庫)、『絶望書店 夢をあきらめた9人が出会った物語』(河出書房新社)、『ひきこもり図書館』(毎日新聞出版)がある。
共著に『病と障害と、傍らにあった本。』(里山社)、『366日 文学の名言』(三才ブックス)、『こどもに聞かせる一日一話 「母の友」特選童話集』(福音館書店)。
ラジオ番組の書籍化に『NHKラジオ深夜便 絶望名言』『NHKラジオ深夜便 絶望名言2』(共に飛鳥新社)。
NHK「ラジオ深夜便」の『絶望名言』のコーナーに出演中。
日本文藝家協会、日本うんこ文化学会会員。
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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私は1人じゃなかったんだ…と思いました。
「人生脚本」とは(私の人生はきっとこうなっていくだろう)と僕たちが心の中で考えているストーリーのことです。
絶望とは、その「人生脚本」が突然、実現しない事実に直面することだと言うのですね。
たとえば、大病で今までの平穏な日常が、今後の人生でも完全に送れなくなったしまった時の絶望。
その「絶望」とは、(これからも同じように平穏な人生がつづく)と思い描いていた「人生脚本」が、実現しないことのショックのことなのだ、と。
「絶望」について、すごく腑に落ちる説明でした。
そして、その「絶望」を克服するには「人生脚本」を書き換えるしかない。
それをなかなか人ができないのは、もしくは、「絶望」と向き合うのが怖いのは、「人生脚本」を諦めることができない、諦めたくないから、だと。
じゃあ、そんな時、人はどうすればいいか?
そこで、人には「物語」が必要となると著者は言います。
とくに、「絶望」している人には、「絶望の物語」が必要だと。
自分と同じ気持ちを映し出してくれる「物語」があると、人は「人生脚本」を書き直してみようという気持ちになれる。
この本の帯に「絶望したときには、絶望読書を。」とある通り、真の絶望に陥った時に「人生脚本」を書き換えるためには、「希望の物語」ではダメなのですね。
もちろん、著者はポジティブを否定しているのでないですし、ネガティブよりもポジティブのほうが好きだと断言しています。
それでも、
「ポジティブが望ましいからといって、ネガティブなことからいっさい目をそらしてしまうのは、落とし穴もある道を、下を見るのは嫌だからと、上ばかり見て歩くようなものではないでしょうか」(p121)
と述べています。
僕もまったく同じ気持ちです。
世の中 ”「絶望」をいらない人” が大半でしょうけど、実際のこの世の中には、同じように「絶望」を拒否していたにも関わらず、あまりに苦々しい、苦しい「絶望」を飲まされた経験を持つ人も、少なからずいます。
そういう経験を持つ人たちにむかって、”「絶望」をいらない人” が希望論、ポジティブ論を語ったところで、それらは伝わる言葉ではないのです。
この本の著者の言葉を借りれば、その希望論、ポジティブ論は、「人生脚本」を書き換えようと思わせるような「物語」ではないからです。
そういった意味で、数年前から「ネガティブの重要性」を感じていた僕にとっても、「僕にも僕の意味がある」ということを、改めて確認させてくれた1冊でした。
『絶望読書』。
絶望する前に、ぜひ読んでください。
いま絶望している人は、ぜひ読んでください。
最後に、本書の冒頭で引用されているマハトマ・ガンジーの言葉を。
「幸せだけを追い求める心が、悲劇を招き寄せる。
幸せは、悲しみと苦しみを克服した心が生み出すものなのだ」
本の内容もよい。内容はタイトルの通り。私自身つらいときがあり、その間さまざまなものと触れ合ったが、やはりつらいときは哀しいもの、つらいもの、明るくないものが、癒しになる。
この本は著者自身の絶望から経験したことを、心理学的な知見も生かし、絶望時にはそれにみあったものを摂取すべきだという論がとられている。
この本自体は文章がびっしりというわけではなく、改行もかなり多く、文章としてはあまり多くない。
著者が参考になったであろう本が引用されており、そのような本にアクセスできることを考えると絶望読書入門とでもいったような感じである。ここに引用されている本は何冊か購入してみようと思った
私にとっての大切な人は早急な立ち直りを求め、私はそれに応えられず、逆に傷つけてしまい、とうとう置き去りにされてしまいました。
人生にもはや希望はなく、生きる屍と言ってもいい私。
そんな私に、立ち直りを安易に求めることのない、ありがたい一冊です。
著者の他の本は最後に希望を求めたりしていてちょっと残念な終わり方をしていますが、この本は安直な希望を見出したりせず、最後までしっかりと絶望に寄り添ってくれるのでありがたいです。
絶望しそれでも生きていかなければいけない私のココロは、これからずっと低位安定飛行で行くのか再上昇するのかは分かりませんが、絶望する自分を受け入れてくれる、今の私にとっては精神安定剤とも言うべき本です。
著者の病気や心情は同情しますが、これが好評価なのが正直よくわからないです。
著者なりの絶望はあったのでしょうが、著者が自分の絶望を客観的に伝える自己客観性や表現力がないのか、なんだか薄っぺらい。
これを絶望だと思い感銘を受けるひとは、心の底の果てしない沼にたどり着くほどの絶望を、体験したことがないような気もする。