との接し方を含め、非常に含蓄がありました。
是非お薦めします。

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偶然完全 勝新太郎伝 単行本 – 2011/12/3
田崎 健太
(著)
こんな痛快な男はもうどこにもいない。「大統領や首相の代わりはできるけど、勝新の代わりは誰ができるんだ?」「今後はパンツをはかないようにする」「俺としゃぶしゃぶか? 一つ“シャブ”が多いんじゃないか?」「最後の弟子」が描く「最後の役者」勝新の真実。みんな勝新が大好きだった。
「大統領や首相の代わりはできるけど、勝新の代わりは誰ができるんだ?」
「今後はパンツをはかないようにする」
「俺としゃぶしゃぶか? 一つ“シャブ”が多いんじゃないか?」
――みんな勝新が大好きだった――
巨大なベンツで夜ごと銀座に繰り出し、一見怖いけど本当は人懐っこくてやさしい昭和の大スター、1931年11月29日生まれの勝新太郎は、2011年、生誕80年という節目の年を迎えました。また、来年は、いまも日本映画史に燦然と輝く勝新の代表作『座頭市』シリーズの初公開(1962年)から、ちょうど50年になります。
著者は、かつて『週刊ポスト』に連載されていた勝新による人生相談の担当編集者で、晩年の勝新と濃密な時間を過ごした「最後の弟子」です。
「映画よりもおもしろい人生を歩んだ勝新太郎をもっと知ってほしい」
「この生き様こそ、勝新太郎の最大の作品ではないか」
かねてからこんな思いを抱き、勝の最後の「弟子」を自任する著者が、多くの関係者に取材を重ね、新たなエピソードを次々と発掘。豪傑を絵に描いたような人間・勝新太郎の「素顔」に迫ります。
以下、プロローグより一部抜粋
ぼくは勝新太郎の最後の「弟子」だった。ただ、ぼくは役者でも映画関係者でもない。三味線や長唄を教わったわけでもない。いわば、「 」(括弧)つきの弟子だ。
かつて、勝は週刊誌で人生相談を連載しており、ぼくはその担当編集者だった。週一回、二ページの連載にもかかわらず、ほぼ毎日彼のところに通った時期もあった。
いつもこんな風だ。
昼前に彼の自宅で待ち合わせ、昼食に出かける。山王下の日枝神社近くにあった蕎麦屋が多かった。
店に入ると、ビールと一緒にかき揚げや板わさを頼んだ。白木のテーブルに運ばれてきた黄金色をしたかき揚げを、勝は箸で潰して分け、「食べな」とぼくに勧めた。揚げたてのかき揚げは、口の中に入れると香ばしい味がした。当時、二十代半ばだったぼくにとって、昼間から蕎麦屋で酒を飲むのは、大人の世界を覗いたような気分だった。
ざる蕎麦には、日本酒を掛けてほぐすのが勝の食べ方だった。初めて一緒に蕎麦を食べた時、「ちょっと待て、そこまでだ」と箸を止めさせられた。……
「大統領や首相の代わりはできるけど、勝新の代わりは誰ができるんだ?」
「今後はパンツをはかないようにする」
「俺としゃぶしゃぶか? 一つ“シャブ”が多いんじゃないか?」
――みんな勝新が大好きだった――
巨大なベンツで夜ごと銀座に繰り出し、一見怖いけど本当は人懐っこくてやさしい昭和の大スター、1931年11月29日生まれの勝新太郎は、2011年、生誕80年という節目の年を迎えました。また、来年は、いまも日本映画史に燦然と輝く勝新の代表作『座頭市』シリーズの初公開(1962年)から、ちょうど50年になります。
著者は、かつて『週刊ポスト』に連載されていた勝新による人生相談の担当編集者で、晩年の勝新と濃密な時間を過ごした「最後の弟子」です。
「映画よりもおもしろい人生を歩んだ勝新太郎をもっと知ってほしい」
「この生き様こそ、勝新太郎の最大の作品ではないか」
かねてからこんな思いを抱き、勝の最後の「弟子」を自任する著者が、多くの関係者に取材を重ね、新たなエピソードを次々と発掘。豪傑を絵に描いたような人間・勝新太郎の「素顔」に迫ります。
以下、プロローグより一部抜粋
ぼくは勝新太郎の最後の「弟子」だった。ただ、ぼくは役者でも映画関係者でもない。三味線や長唄を教わったわけでもない。いわば、「 」(括弧)つきの弟子だ。
かつて、勝は週刊誌で人生相談を連載しており、ぼくはその担当編集者だった。週一回、二ページの連載にもかかわらず、ほぼ毎日彼のところに通った時期もあった。
いつもこんな風だ。
昼前に彼の自宅で待ち合わせ、昼食に出かける。山王下の日枝神社近くにあった蕎麦屋が多かった。
店に入ると、ビールと一緒にかき揚げや板わさを頼んだ。白木のテーブルに運ばれてきた黄金色をしたかき揚げを、勝は箸で潰して分け、「食べな」とぼくに勧めた。揚げたてのかき揚げは、口の中に入れると香ばしい味がした。当時、二十代半ばだったぼくにとって、昼間から蕎麦屋で酒を飲むのは、大人の世界を覗いたような気分だった。
ざる蕎麦には、日本酒を掛けてほぐすのが勝の食べ方だった。初めて一緒に蕎麦を食べた時、「ちょっと待て、そこまでだ」と箸を止めさせられた。……
- 本の長さ402ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日2011/12/3
- 寸法13.8 x 3 x 19.5 cm
- ISBN-10406217474X
- ISBN-13978-4062174749
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商品の説明
著者について
田崎 健太
1968年3月13日京都市生まれ。早稲田大学法学部卒業後、小学館に入社。『週刊ポスト』編集部などを経て、1999年末に退社。サッカー、ハンドボール、野球などスポーツを中心にノンフィクションを 手がける。
著書に『CUBA ユーウツな楽園』 (アミューズブックス)、『此処ではない何処かへ 広山望の挑戦』 (幻冬舎)、『ジーコジャパン11のブラジル流方程式』 (講談社プラスα文庫)、『W杯ビジネス3 0年戦争』 (新潮社)、『楽天が巨人に勝つ日-スポーツビジネス下克上-』 (学研新書)、『W杯に群がる男たち―巨大サッカービジネスの闇―』(新潮文庫)、『辺境遊記』(絵・下田昌克 英治出版)などがある。
早稲田大学非常勤講師として『スポーツジャーナリズム論』を担当。早稲田大学スポーツ産業研究所 客員研究員。創作集団『Son-God-Cool』代表取締役社長
1968年3月13日京都市生まれ。早稲田大学法学部卒業後、小学館に入社。『週刊ポスト』編集部などを経て、1999年末に退社。サッカー、ハンドボール、野球などスポーツを中心にノンフィクションを 手がける。
著書に『CUBA ユーウツな楽園』 (アミューズブックス)、『此処ではない何処かへ 広山望の挑戦』 (幻冬舎)、『ジーコジャパン11のブラジル流方程式』 (講談社プラスα文庫)、『W杯ビジネス3 0年戦争』 (新潮社)、『楽天が巨人に勝つ日-スポーツビジネス下克上-』 (学研新書)、『W杯に群がる男たち―巨大サッカービジネスの闇―』(新潮文庫)、『辺境遊記』(絵・下田昌克 英治出版)などがある。
早稲田大学非常勤講師として『スポーツジャーナリズム論』を担当。早稲田大学スポーツ産業研究所 客員研究員。創作集団『Son-God-Cool』代表取締役社長
登録情報
- 出版社 : 講談社 (2011/12/3)
- 発売日 : 2011/12/3
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 402ページ
- ISBN-10 : 406217474X
- ISBN-13 : 978-4062174749
- 寸法 : 13.8 x 3 x 19.5 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 255,187位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 42,038位ノンフィクション (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
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1968年3月13日京都市生まれ。早稲田大学法学部卒業後、小学館に入社。『週刊ポスト』編集部など を経て、1999年末に退社。サッカー、ハンドボール、野球などスポーツを中心にノンフィクションを 手がける。 著書に『cuba ユーウツな楽園』 (アミューズブックス)、『此処ではない何処かへ 広山望の挑戦』 (幻冬舎)、『ジーコジャパン11のブラジル流方程式』 (講談社プラスα文庫)、『W杯ビジネス3 0年戦争』 (新潮社)、『楽天が巨人に勝つ日-スポーツビジネス下克上-』 (学研新書)。『W杯に群がる男たち―巨大サッカービジネスの闇―』(新潮文庫)。『辺境遊記』(絵・下 田昌克 英治出版)。 早稲田大学非常勤講師として『スポーツジャーナリズム論』を担当。早稲田大学スポーツ産業研究所 客員研究員。創作集団『Son-God-Cool』代表取締役社長。公式サイト、http://www.liberdade.com。ツイッターは、@tazakikenta
イメージ付きのレビュー

5 星
おやじさん、あんたは人生を掛けて「勝新太郎」を演じたのかい?
今迄大嫌いな役者でした。偶々視聴した座頭市物語がなぜか心に引っかかり、このヒトを調べたいという欲求にかられこの本を買いました。いってみれば勝新のライト層なのですが事前の知識が無かったのが良かったのかあっという間に読了。書き手の田崎さんの視点が勝新初心者の私にぴったり。いま、勝新太郎さんを振り返るのも面白いですよ。”知らなかった層”や”くわず嫌い層”にオススメです!
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2015年6月26日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
八十年代生まれの私だと、「座頭市」といえば勝新太郎だ。だが若い子は「北野たけしの」と答えてしまう…
勝新太郎は、昭和を代表する銀幕スターだ。だが、勝よりも先に名前をあげる人物がいた。
勝が映画の世界に飛び込んだ時には、すでにスターだった同い年の市川雷蔵。
風のように颯爽と現れた、石原裕次郎。
勝はこの二人よりもいい作品を作ろうと、必死になった。「座頭市」、「兵隊やくざ」。どちらも大ヒット、シリーズ化になる。
それでも、彼らより輝きは弱い。何より、勝よりも先に死んでしまった。伝説になってしまった。
勝はこの二人をどう思っているのだろうか。「この二人がいなかったら」か「この二人がいたから」だろうか。
今はわからない。だが、ほんの少しだけ、勝の素顔が見れる書籍。読み応え十分です。
勝新太郎は、昭和を代表する銀幕スターだ。だが、勝よりも先に名前をあげる人物がいた。
勝が映画の世界に飛び込んだ時には、すでにスターだった同い年の市川雷蔵。
風のように颯爽と現れた、石原裕次郎。
勝はこの二人よりもいい作品を作ろうと、必死になった。「座頭市」、「兵隊やくざ」。どちらも大ヒット、シリーズ化になる。
それでも、彼らより輝きは弱い。何より、勝よりも先に死んでしまった。伝説になってしまった。
勝はこの二人をどう思っているのだろうか。「この二人がいなかったら」か「この二人がいたから」だろうか。
今はわからない。だが、ほんの少しだけ、勝の素顔が見れる書籍。読み応え十分です。
2017年5月11日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
今迄大嫌いな役者でした。
偶々視聴した座頭市物語がなぜか心に引っかかり、このヒトを調べたいという欲求にかられこの本を買いました。
いってみれば勝新のライト層なのですが事前の知識が無かったのが良かったのかあっという間に読了。
書き手の田崎さんの視点が勝新初心者の私にぴったり。
いま、勝新太郎さんを振り返るのも面白いですよ。”知らなかった層”や”くわず嫌い層”にオススメです!
偶々視聴した座頭市物語がなぜか心に引っかかり、このヒトを調べたいという欲求にかられこの本を買いました。
いってみれば勝新のライト層なのですが事前の知識が無かったのが良かったのかあっという間に読了。
書き手の田崎さんの視点が勝新初心者の私にぴったり。
いま、勝新太郎さんを振り返るのも面白いですよ。”知らなかった層”や”くわず嫌い層”にオススメです!

今迄大嫌いな役者でした。
偶々視聴した座頭市物語がなぜか心に引っかかり、このヒトを調べたいという欲求にかられこの本を買いました。
いってみれば勝新のライト層なのですが事前の知識が無かったのが良かったのかあっという間に読了。
書き手の田崎さんの視点が勝新初心者の私にぴったり。
いま、勝新太郎さんを振り返るのも面白いですよ。”知らなかった層”や”くわず嫌い層”にオススメです!
偶々視聴した座頭市物語がなぜか心に引っかかり、このヒトを調べたいという欲求にかられこの本を買いました。
いってみれば勝新のライト層なのですが事前の知識が無かったのが良かったのかあっという間に読了。
書き手の田崎さんの視点が勝新初心者の私にぴったり。
いま、勝新太郎さんを振り返るのも面白いですよ。”知らなかった層”や”くわず嫌い層”にオススメです!
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2018年1月18日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
勝新という男の真の生き様が描かれており、人を大切にするためには身内がどんなに困っても平気な生き方、身内でなくてよかった。
2017年9月11日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
いやー面白かった。2日で読了してしまった。感想はそれだけです。
2015年12月16日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
この本の前半は、率直に言って期待外れ。ここで描かれる勝新のパーソナルヒストリーは、勝新のキャラクターの破天荒さ故、面白いことは面白い。しかし、ここに掲載されている情報の大部分は、本書が書かれる前から流布していたものであり、新味には欠ける。
しかし、著者自身が勝新と関わるようになってからの部分(後半三割)は抜群に面白い。前半の又聞きの勝新像ではなく、著者自身が直接勝新の謦咳に接していいるので、勝新という人物が間近にいるように感じられるのである。とにかく人が大好きで寂しがり屋、豪胆さを装いながら誰よりも繊細な心を持っていた勝新。芝居が好きで好きでたまらないのに、(自業自得な点もあるが)いろいろな事情で芝居がなかなかできない現状に悲しみ苛立つ勝新。そして、数多くの人間としての欠点がありながら、誰よりもみなに愛された勝新といった人物像は、他の本ではなかなか見いだし得ない。「落ち葉は風を恨まない」などの言葉は、激しい人生の浮き沈みを経験した勝新の言葉であるだけに、読み手の心にもぐさっとくる。
本書の執筆目的として、映画人・勝新太郎の業績があまりにも低く評価されている事への義憤があると、著者は記している。確かに、私自身も勝新太郎の映画は数本見ているが、彼の作品の多くを知っているとは言い難い。実際、本書で描かれる勝新太郎の人物像は限りなく魅力的であり、時間があれば勝新の作品のDVDを借りて見てみたいと思う。この本を読んだ人は、きっともっと勝新の映画を見たくなるのではなかろうか。
しかし、著者自身が勝新と関わるようになってからの部分(後半三割)は抜群に面白い。前半の又聞きの勝新像ではなく、著者自身が直接勝新の謦咳に接していいるので、勝新という人物が間近にいるように感じられるのである。とにかく人が大好きで寂しがり屋、豪胆さを装いながら誰よりも繊細な心を持っていた勝新。芝居が好きで好きでたまらないのに、(自業自得な点もあるが)いろいろな事情で芝居がなかなかできない現状に悲しみ苛立つ勝新。そして、数多くの人間としての欠点がありながら、誰よりもみなに愛された勝新といった人物像は、他の本ではなかなか見いだし得ない。「落ち葉は風を恨まない」などの言葉は、激しい人生の浮き沈みを経験した勝新の言葉であるだけに、読み手の心にもぐさっとくる。
本書の執筆目的として、映画人・勝新太郎の業績があまりにも低く評価されている事への義憤があると、著者は記している。確かに、私自身も勝新太郎の映画は数本見ているが、彼の作品の多くを知っているとは言い難い。実際、本書で描かれる勝新太郎の人物像は限りなく魅力的であり、時間があれば勝新の作品のDVDを借りて見てみたいと思う。この本を読んだ人は、きっともっと勝新の映画を見たくなるのではなかろうか。
2011年12月13日に日本でレビュー済み
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勝新が亡くなってもう14年ですか・・月日の経つのは早いものですね!!勝新は、1931年杵屋勝東治の次男として生まれ、1954年大映に入社。私も小さい時母に連れられてよく大映の映画を見に行きましたが、お目当ては美男の雷蔵、また、勝新の映画も良く見ましたが、白塗りの二枚目・・子供が見ても全然面白いとは思えませんでした(雷蔵の映画もそんなに面白く有りませんでしたが)。しかし、1960年不知火検校で悪役を演じ、新境地を開き、以後座頭市シリーズ、悪名シリーズ、兵隊やくざシリーズとヒットを連発するようになったのは、よくご存知だと思います。1967年勝プロを設立、そして、勅使河原宏監督、斉藤耕一監督、黒木和雄監督といった芸術派、知性派の監督と組んで作品を取ります。また、自らも顔役でメガホンを取り、手持ちカメラを多用したり、様々な斬新な手法を取り入れましたが、上映館が限られていた為、ヒットしませんでした。
また、私生活も騒がしく、女性関係も派手で、中村玉緒と離婚記者会見を開いたり、ハワイでマリファナ、コカインの不法所持で拘留されたり、話題に事欠きませんでした。そして、1979年黒澤監督の影武者に主演が決まっていながら、ヴィデオカメラを持ち込んだことが原因で(これはきっかけにすぎないと思いますが)、黒澤監督と決裂し、後任は仲代達也になるんですが(この間の経緯は相当興味深い!)、なんと完成試写会に勝新は出席しているんです!!その後勝プロは倒産し、再起をかけた1989年の座頭市の撮影中、真剣使用による死傷事故が起こり、完成しますが、これが最後の監督作となります。そして、1996年下咽頭癌で死去するわけです。
勝新のバイタリティー、活動の源となったものは、一体なんだったんでしょうか?それは、勝新のコンプレックス(雷蔵のように歌舞伎の出ではない、背が低い、アカデミックな教育を受けていなし・・)ではなかったかと著者は推測しています。しかし、勝新には、型破りな行動力があり、とっつき難い面はありますが、人間的包容力があり、人を引き付ける魅力に満ち溢れています(眞田さん、勅使河原さん、酒井さん、黒沢さん・・・)そして、著者の田崎さんも彼の魅力に取り付かれ、この本を著しました。ですから、この本は、勝新への愛情に満ち溢れ、かれの光と影を余すことなく描き出しています。しかし、勝新の影武者、見たかったなあ!!!
また、私生活も騒がしく、女性関係も派手で、中村玉緒と離婚記者会見を開いたり、ハワイでマリファナ、コカインの不法所持で拘留されたり、話題に事欠きませんでした。そして、1979年黒澤監督の影武者に主演が決まっていながら、ヴィデオカメラを持ち込んだことが原因で(これはきっかけにすぎないと思いますが)、黒澤監督と決裂し、後任は仲代達也になるんですが(この間の経緯は相当興味深い!)、なんと完成試写会に勝新は出席しているんです!!その後勝プロは倒産し、再起をかけた1989年の座頭市の撮影中、真剣使用による死傷事故が起こり、完成しますが、これが最後の監督作となります。そして、1996年下咽頭癌で死去するわけです。
勝新のバイタリティー、活動の源となったものは、一体なんだったんでしょうか?それは、勝新のコンプレックス(雷蔵のように歌舞伎の出ではない、背が低い、アカデミックな教育を受けていなし・・)ではなかったかと著者は推測しています。しかし、勝新には、型破りな行動力があり、とっつき難い面はありますが、人間的包容力があり、人を引き付ける魅力に満ち溢れています(眞田さん、勅使河原さん、酒井さん、黒沢さん・・・)そして、著者の田崎さんも彼の魅力に取り付かれ、この本を著しました。ですから、この本は、勝新への愛情に満ち溢れ、かれの光と影を余すことなく描き出しています。しかし、勝新の影武者、見たかったなあ!!!
2012年6月23日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
最後の弟子と自ら公言する田崎健太は、この著書で読者に何を伝えたかったのか?何も見えてこない。勝新という良くも悪くも型破りで、近年稀にみるこの魅力的な個性をただ客観的に自分の又彼に遭遇した者の体験談として記録しただけに過ぎない。たぶんこの役者を語る事に対する重責に圧倒され、自分自身の勝新太郎を語る術を見失ったのだと僕は思う。勝と出会い、自分が受けた感銘と、同じように幸運にも彼と接点を共有した者の体験談から、田崎自身が勝新太郎の魅力を語らないと、田崎にとって勝新とはこれほど圧倒的な存在であると自身の体に取り込み、田崎の魂で語らなければいけなかったと僕は思う。