登場人物がみな生き生きと動き出す、
この作者の筆力はかなりのもの。
主人公夫婦のみならず、物語を彩るすべての人々が切なくて可笑しくて…
そして次第に愛おしくなってしまう。
緻密に紡がれた物語は
まるで寄せ木細工のからくり小箱が
最後にカチッと音を立てて開くようで、
読み進むうちにとてもわくわくしてきた気持ちがすうっと腑に落ちて、
すこぶる心地よい読後感。
作者の研ぎ澄まされた感覚に由来するのであろう
細やかな文章表現が随所に見受けられ、
どことなくレイ・ブラッドベリに通じている世界観も?
頁をめくるたびに 作者の繊細であたたかい眼差しを感じて、
大好きになりました…!
次作が待ち遠しいです。

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実さえ花さえ 単行本 – 2008/10/21
朝井 まかて
(著)
小説現代長編新人賞奨励賞受賞作! 江戸寛政期、新次とおりんの若夫婦が営む種苗屋「なずな屋」を舞台に、読む者の胸に染み入る愛と葛藤の花が開く。既にしてプロ級、と選考委員絶賛のデビュー作!
- 本の長さ258ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日2008/10/21
- ISBN-104062150425
- ISBN-13978-4062150422
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登録情報
- 出版社 : 講談社 (2008/10/21)
- 発売日 : 2008/10/21
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 258ページ
- ISBN-10 : 4062150425
- ISBN-13 : 978-4062150422
- Amazon 売れ筋ランキング: - 985,082位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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朝井 まかて
1959年、大阪生まれ。甲南女子大学文学部卒業。コピーライターとして広告制作会社に勤務後、独立。2008年、第3回小説現代長編新人賞奨励賞を受賞してデビュー。受賞作は『花競べ 向嶋なずな屋繁盛記』と改題され、講談社文庫に収録されている。江戸時代の職人たちの丹精な仕事振りと細やかな人情を、心温まる物語に織り上げて、愛読者急増中の実力派である。他の著書に『ちゃんちゃら』『すかたん』『先生のお庭番』『ぬけまいる』がある。
カスタマーレビュー
星5つ中4.7つ
5つのうち4.7つ
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2008年10月30日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
時代小説をこんなに一気に読んだのは
生まれて初めてだったかもしれない。
江戸の植木職人=花師の日常をとおして
繰り広げられるストーリーは、
日常のつつましやかで平和な空気に包まれ、
とても安心感を覚える。
そしていくつかの風景や人物が、
リアルに心に残るのは、
作者の、自然や人への趣が、
明らかに深いのだと思った。
そして、
またすぐに読み返したくなる、
清々しくてLOVEを感じる一冊になった。
生まれて初めてだったかもしれない。
江戸の植木職人=花師の日常をとおして
繰り広げられるストーリーは、
日常のつつましやかで平和な空気に包まれ、
とても安心感を覚える。
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リアルに心に残るのは、
作者の、自然や人への趣が、
明らかに深いのだと思った。
そして、
またすぐに読み返したくなる、
清々しくてLOVEを感じる一冊になった。
2009年2月4日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
登場者それぞれが人間らしい。江戸時代を舞台にした時代小説ながら読みやすい文章でぐいぐいと読み手を引き込む。
そして、このタイトルはある人物の言葉から。これは、とても切ない。だからこそ、この世界に住む登場者たちが一層愛しく感じた。
そして、このタイトルはある人物の言葉から。これは、とても切ない。だからこそ、この世界に住む登場者たちが一層愛しく感じた。
2008年11月30日に日本でレビュー済み
鮮やかな色彩の景色が思い浮かぶ文章
登場人物の流れるような語りは役者のセリフのよう
それぞれのキャラクタに、個性があふれ、
自分だけの人生を美しく生きようとする
寝る事も忘れ読み耽りました
今年、最高のお話です
大オススメいたします
映画化してほしいとも思います
登場人物の流れるような語りは役者のセリフのよう
それぞれのキャラクタに、個性があふれ、
自分だけの人生を美しく生きようとする
寝る事も忘れ読み耽りました
今年、最高のお話です
大オススメいたします
映画化してほしいとも思います
2008年11月20日に日本でレビュー済み
三行読み進んだら、もう私は江戸の街角に立っていた。その後は一気に最後まで・・・。
読み応えのある一冊だった。
園芸に関わる人たちの心の交流を軸に描かれてはいても、この小説は単なる人情ものとは一線を画している。
花師の、「実さえ花さえ、その葉さえ、今生を限りと生きてこそ美しい」という言葉は、そのまま、私たちへのメッセージとして心に強く響いてくる。
そして、誇りを持って生きている人間同士が、貴賎、貧富の差を越えて、温かくつながっている様は、往時の日本の社会と精神レベルの高さを思い起こさせてくれる。「日本人で良かった」と思える瞬間であった。
また、この時代に流行した花や植木のことが、知識豊富に鮮やかに描かれていて、園芸好きでなくとも思わずその世界に引き込まれてしまうのが、もう一つの魅力と言える。
読み応えのある一冊だった。
園芸に関わる人たちの心の交流を軸に描かれてはいても、この小説は単なる人情ものとは一線を画している。
花師の、「実さえ花さえ、その葉さえ、今生を限りと生きてこそ美しい」という言葉は、そのまま、私たちへのメッセージとして心に強く響いてくる。
そして、誇りを持って生きている人間同士が、貴賎、貧富の差を越えて、温かくつながっている様は、往時の日本の社会と精神レベルの高さを思い起こさせてくれる。「日本人で良かった」と思える瞬間であった。
また、この時代に流行した花や植木のことが、知識豊富に鮮やかに描かれていて、園芸好きでなくとも思わずその世界に引き込まれてしまうのが、もう一つの魅力と言える。