痩せる石鹸? どんな話?
巨デブ怪獣食べゴラス
なんとインパクトが強い表現!!
最初からビックリの連続というのが正直な感想
語りの砕けた話し言葉も違和感なくスッと入ってきたのもビックリの1つ
ふくよか とか ぽっちゃり とかで形容できる領域を遥かに逸脱する、なんでそこまで太ることが可能なの? という人たちの熱いけど温かく重いけど奥深いお話
(差別とかではなく自分自身がそういう方たちに抱く個人的感情はあっちにおいておかないと最初読み進めなかった 笑)
著者の持つ不思議な優しさが難しいコンテンツを円やかにしているとても小気味いいテンポのストーリー展開が斬新で秀逸な小説
登場人物全てが個性豊か
その個性が上手にこのストーリーに組み込まれ矛盾なく広がり四方に繋がっていく
それぞれの想い そしてたどり着いて見つけた答えが1つ1つ意味深く、途中飽きることが全くなかった
著者は本当に言葉を大事にする人である
小説内1つ1つどれをとっても全ての言葉が大切にされているだけではない その言葉たちが賑やかにそして華やかな色とりどりに染められているのだ
私のお気に入りであるイタリアのデザイナー、ニット界では色の魔術師と呼ばれるブランドがある
あ! 著者はまさにその色の魔術師 そう その色がついた言葉の魔術師 そう気がついた
読み終えたばかりの「ばけもんの涙」のように感極まって前が見えなくなる類の話ではないが今まで考えたこともなかった色々な物事がくっきり見えたような気がする
自分に足りないものを見つめ直すことができた素晴らしい本だった
この本を読解して認識あらたかになった2つのこと
1つは 随処作主立処皆真 (どこにあっても主体性を失うことなく主になることができれば立ち所に全ては真実となる)
2つ目は 為せば成る 為さねば成らぬ何事も 成らぬは人の為さぬなりけり
これからもこの生き様を忘れずにいよう
次回の作品が心から楽しみ!! 歌川さん 素敵なお話を有難うございました
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やせる石鹸 単行本 – 2015/8/29
歌川 たいじ
(著)
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購入オプションとあわせ買い
たまみは人も驚く巨デブ女子。邪魔ですみませんと身を竦め生きてきた彼女がデブ専男子から告白された! けれどたまみは泣きながら彼を拒絶して……。甘塩っぱくて毒もある、カウンターパンチ的青春小説ここに見参!
- 本の長さ365ページ
- 言語日本語
- 出版社KADOKAWA/角川書店
- 発売日2015/8/29
- 寸法18 x 12.8 x 2.4 cm
- ISBN-104041032512
- ISBN-13978-4041032510
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商品の説明
著者について
●歌川 たいじ:1日10万アクセスをカウントする人気ブログ「ゲイです、ほぼ夫婦です」の著者。リクルート社員時代に全国紙の一面を使った広告でゲイをカミングアウトし、話題に。その後「オールアバウト」の同性愛カテゴリを担当し、圧倒的人気を博す。自身の壮絶な生育歴を、ドラマティックに描いたコミックエッセイ『母さんがどんなに僕を嫌いでも』『母の形見は借金地獄』のほか、ゲイライフの日常を切りとったコミック『ジリラブ! 』など。老若男女、セクシャリティを問わず多くの熱烈なファンをもつ。
登録情報
- 出版社 : KADOKAWA/角川書店 (2015/8/29)
- 発売日 : 2015/8/29
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 365ページ
- ISBN-10 : 4041032512
- ISBN-13 : 978-4041032510
- 寸法 : 18 x 12.8 x 2.4 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 868,974位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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上位レビュー、対象国: 日本
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2015年9月8日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
魂にジーーーンと響いてくるような歌川さんの漫画が好きです。
(母と妹も読んでいます♪)
やせる石鹸を読み終わりました。
言葉遣いのせいか、小説を読み終わったと言うより話を聞き終わった感覚です。
面白すぎる独特の比喩表現に笑って、ひたすら泣いて、ひたすら泣いて、ひたすら泣いて、そして幸せな気持ちになりました。
とにかくすごーーーく素敵なお話です!!
「母さんがどんなに僕を嫌いでも」に出てきたおばあちゃんの言葉を思い出しました。
歌川さんが子供の頃に作った絵本もきっと素敵だったんだろうなぁ…
1回読んだだけですでに大好きな台詞やシーンがいくつもありますが、ネタバレになるので書けなくて残念です。
私は食生活がマイノリティー(日本では特に)であることや家族のことでよく悩んだり迷ったりするのですが、背筋を正して強く生きていこうと改めて思いました。
歌川さんが大好きです(*^_^*)
半年前に歌川さんのブログに出会えたことに感謝しています♡
(母と妹も読んでいます♪)
やせる石鹸を読み終わりました。
言葉遣いのせいか、小説を読み終わったと言うより話を聞き終わった感覚です。
面白すぎる独特の比喩表現に笑って、ひたすら泣いて、ひたすら泣いて、ひたすら泣いて、そして幸せな気持ちになりました。
とにかくすごーーーく素敵なお話です!!
「母さんがどんなに僕を嫌いでも」に出てきたおばあちゃんの言葉を思い出しました。
歌川さんが子供の頃に作った絵本もきっと素敵だったんだろうなぁ…
1回読んだだけですでに大好きな台詞やシーンがいくつもありますが、ネタバレになるので書けなくて残念です。
私は食生活がマイノリティー(日本では特に)であることや家族のことでよく悩んだり迷ったりするのですが、背筋を正して強く生きていこうと改めて思いました。
歌川さんが大好きです(*^_^*)
半年前に歌川さんのブログに出会えたことに感謝しています♡
2017年10月13日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
なんとなく、日々のブログは読んでいるけど、ちゃんとした本になったものを読むと、その文章力の力強さに惹きつけられることになる。
うまい。というだけじゃなく、暖かい力をきちんと文章に込められる方なのだと感じます。
徐々に他の作品も買っていきたいです。
うまい。というだけじゃなく、暖かい力をきちんと文章に込められる方なのだと感じます。
徐々に他の作品も買っていきたいです。
2018年6月18日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
巨デブの気持ちを初めて読んだ。
笑える描写もあってどんどん読んだ。
ダンスをするあたりから、ストーリーが読めてしまい、
展開に無理があったけど、
細かい描写が上手で最後まで読んだ。
可愛い表紙の人形が石鹸なのかな?と思っていたら
キャンドルらしい。
少しだけ残念に思った。
笑える描写もあってどんどん読んだ。
ダンスをするあたりから、ストーリーが読めてしまい、
展開に無理があったけど、
細かい描写が上手で最後まで読んだ。
可愛い表紙の人形が石鹸なのかな?と思っていたら
キャンドルらしい。
少しだけ残念に思った。
2015年9月3日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
著者のコミック本は全て持っている。
どれも、人間の温かさに心打たれる作品だが、今回もそうだった。
作品の中には、若干素人っぽいクドさが鼻につく物もあった(特に自費出版したヤツ)が、今回はそのクドさが心地よいエッセンスになっているとすら感じる。
登場人物は、全て著者自身かもしくは周りの人の分身だろう。
リアリティとフィクションがうまく融合している。
私はひねくれた人間だから、ハッピーエンドの作品にはいつも胡散臭さを感じるのだが、今回の作品はハッピーエンドが本当に嬉しかった。
この小説が名作か優れているかの判断はエラい人たちに任せるが、面白いかどうか聞かれたら100% YESと答えたい。
あとは、自分の知らない新しい世界を垣間見られたことも、他の小説とは一線を画していると思う。
ここまでネタになる経験が豊富なのは、うらやましすぎる・・・著者のような人生経験を積みたいかと問われると素直にはうなずけないが。
意図したかどうかは不明だが、非常に非常に映像向きの作品。
誰かさっさと映画化の権利を手にして撮影して欲しい。
まるでバルザックのような描写のくっきりした文章だし、セリフはそのまんま使えるから、脚本化するのはさほど難しくないのでは?
そして、世界中の映画館で上映して欲しい。
見て見ぬフリをしやすい人間関係の問題をシンプルに露出し、日本人は細くて品が良いなんぞというのは単なるステレオタイプだと叫んで欲しい。
更に、他の国の文化と環境を踏まえたリメイク版も作られたらいいのに!
性差や人種や体型で他人を差別する奴や、ネットで匿名のまま誰かを中傷する奴等が、物理的デブよりも比較にならないほど醜いということが、世界の常識になってほしいから。
<ちょっとネタばれですが・・・>
シングルマザー万希の登場の仕方が唐突に感じる。
もっと前から何かに絡む形で出ていたほうが、いかにもダンサー集めのためのキャラにならなくていいと思うのだが。
映像化の際はぜひお願いします。
どれも、人間の温かさに心打たれる作品だが、今回もそうだった。
作品の中には、若干素人っぽいクドさが鼻につく物もあった(特に自費出版したヤツ)が、今回はそのクドさが心地よいエッセンスになっているとすら感じる。
登場人物は、全て著者自身かもしくは周りの人の分身だろう。
リアリティとフィクションがうまく融合している。
私はひねくれた人間だから、ハッピーエンドの作品にはいつも胡散臭さを感じるのだが、今回の作品はハッピーエンドが本当に嬉しかった。
この小説が名作か優れているかの判断はエラい人たちに任せるが、面白いかどうか聞かれたら100% YESと答えたい。
あとは、自分の知らない新しい世界を垣間見られたことも、他の小説とは一線を画していると思う。
ここまでネタになる経験が豊富なのは、うらやましすぎる・・・著者のような人生経験を積みたいかと問われると素直にはうなずけないが。
意図したかどうかは不明だが、非常に非常に映像向きの作品。
誰かさっさと映画化の権利を手にして撮影して欲しい。
まるでバルザックのような描写のくっきりした文章だし、セリフはそのまんま使えるから、脚本化するのはさほど難しくないのでは?
そして、世界中の映画館で上映して欲しい。
見て見ぬフリをしやすい人間関係の問題をシンプルに露出し、日本人は細くて品が良いなんぞというのは単なるステレオタイプだと叫んで欲しい。
更に、他の国の文化と環境を踏まえたリメイク版も作られたらいいのに!
性差や人種や体型で他人を差別する奴や、ネットで匿名のまま誰かを中傷する奴等が、物理的デブよりも比較にならないほど醜いということが、世界の常識になってほしいから。
<ちょっとネタばれですが・・・>
シングルマザー万希の登場の仕方が唐突に感じる。
もっと前から何かに絡む形で出ていたほうが、いかにもダンサー集めのためのキャラにならなくていいと思うのだが。
映像化の際はぜひお願いします。
2015年10月2日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
永遠のテーマ、ダイエット。
『やせる石鹸』という本は、
自分が求めているものが
本当にダイエットの先にあるのか?
と、愛と毒をもって問うています。
ぜひ、読んでいただきたい1冊です。
デブかスリムか、
羨望か卑下か、
イジメの根源にもビジネスがまかり通る世の中だから、どうか心の居場所をこの本のなかに見つけてほしい。
『やせる石鹸』という本は、
自分が求めているものが
本当にダイエットの先にあるのか?
と、愛と毒をもって問うています。
ぜひ、読んでいただきたい1冊です。
デブかスリムか、
羨望か卑下か、
イジメの根源にもビジネスがまかり通る世の中だから、どうか心の居場所をこの本のなかに見つけてほしい。
2015年9月3日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ごめんなさい。私も今まで、太っている人の事を「デブッ!」と陰口言った事ありました。
ごめんなさい。私は今まで、自分の事を結構思いやりのある人間だと思い上がっていました。
この本を初めて手に取って開いた時、「字がちっちゃい!」と思ってしまいました。
でも、読み始めたら気にならずに、一気に最後まで読み進んでしまいました。
私はうたがわさんのブログのファンですので、今までの本ももちろん全部買って読ませて頂いています。
でもこの本は、うたがわさんの事を知らない、すべての人にもおススメしたいと思います。
読了後、すこーしやさしくなった私がいました。自分のことを、好きになる事ができました。
うたがわさん、素敵な本をありがとうございました。
ごめんなさい。私は今まで、自分の事を結構思いやりのある人間だと思い上がっていました。
この本を初めて手に取って開いた時、「字がちっちゃい!」と思ってしまいました。
でも、読み始めたら気にならずに、一気に最後まで読み進んでしまいました。
私はうたがわさんのブログのファンですので、今までの本ももちろん全部買って読ませて頂いています。
でもこの本は、うたがわさんの事を知らない、すべての人にもおススメしたいと思います。
読了後、すこーしやさしくなった私がいました。自分のことを、好きになる事ができました。
うたがわさん、素敵な本をありがとうございました。
2015年10月6日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
うたがわさんの過去の作品はご自身がゲイであることを綴った作品が主なのだけれども、今回の作品はフィクションであり、作者の別の一面を見た思いがした。だからこそあえて作者のバックボーンを気にせずに大人のおとぎ話として本作品を楽しんだ。
読み口はとても軽快で、語り口調が新鮮であった。テンポよく次へ次へと読み進められる。かといって内容が浅いのかというとそうではなく、人間関係に関する複雑な部分、目をつむってきたことなどがその語り口調とテンポによってすぅっと心にはいってきた。
人間の持つ残酷な部分は、一人ひとりはたいしたことをしていないと思っても大勢となると,1人では受け止めきれないような波になる。本書では文の隙間からまるでサブリミナル効果のように人間関係の複雑さを多方面から考えさせられる。どんなに相手の感情を察知できない人間でも、胸に迫る登場人物たちの感情の吐露を読者という立場から客観的に見ることで世の傷ついた人の気持ちを推し量ることができるだろう。
また、人の持つ暖かな部分がこの切ない物語に安堵をもたらし箸休めになる。しかし読後にそのあたたかさとは箸休めであっていいのか、と反省する。
私たちは もっと他人に対して敬意をはらい、相手を尊重するということを心がけなくてはいけないのではないか。ただ闇雲に攻撃し続けるだけの生き方は、誰にも何も生み出さない。ネット社会の闇と光は虚構の世界ではなく、現実の一部、それも自分自身を反映しているものなのだと考えさせられた。
ここまでドロドロになっていながらも、読後にはさわやかな世界に救い上げられる。登場人物とともに。そう、いつしか登場人物を応援するまでに感情移入している自分がそこにいたからだ。
こむずかしい事はいらないのかもしれない。ただ単純にさらっと読んでもとても楽しい1冊。それが一番のレビューかもしれない。
読み口はとても軽快で、語り口調が新鮮であった。テンポよく次へ次へと読み進められる。かといって内容が浅いのかというとそうではなく、人間関係に関する複雑な部分、目をつむってきたことなどがその語り口調とテンポによってすぅっと心にはいってきた。
人間の持つ残酷な部分は、一人ひとりはたいしたことをしていないと思っても大勢となると,1人では受け止めきれないような波になる。本書では文の隙間からまるでサブリミナル効果のように人間関係の複雑さを多方面から考えさせられる。どんなに相手の感情を察知できない人間でも、胸に迫る登場人物たちの感情の吐露を読者という立場から客観的に見ることで世の傷ついた人の気持ちを推し量ることができるだろう。
また、人の持つ暖かな部分がこの切ない物語に安堵をもたらし箸休めになる。しかし読後にそのあたたかさとは箸休めであっていいのか、と反省する。
私たちは もっと他人に対して敬意をはらい、相手を尊重するということを心がけなくてはいけないのではないか。ただ闇雲に攻撃し続けるだけの生き方は、誰にも何も生み出さない。ネット社会の闇と光は虚構の世界ではなく、現実の一部、それも自分自身を反映しているものなのだと考えさせられた。
ここまでドロドロになっていながらも、読後にはさわやかな世界に救い上げられる。登場人物とともに。そう、いつしか登場人物を応援するまでに感情移入している自分がそこにいたからだ。
こむずかしい事はいらないのかもしれない。ただ単純にさらっと読んでもとても楽しい1冊。それが一番のレビューかもしれない。