初の一迅社文庫購入となります。
魔王とその側近と勇者といった登場人物が居ますが、魔王×勇者ではありません。
メインとなるキャラはタイトル通りの怠惰な魔王、魔王を愛でる側近と勇者、
魔族と人間のハーフで、魔王に仕えることになる主人公、
そして主人公に想いを寄せるクラスメイトの退魔師の女の子、の5人。
物語はタイトル通り怠惰な魔王を主人公が世話します。
主人公の通う学校へ魔王と側近が編入、退魔師の女の子との接近、等を経て進行します。
文章としては途中で投げることも無く普通に読めました。
ギャグとしては中の上と言ったろころでしょうか、
個人的に 「おまえなんか、犬のうんこ踏め!」 的なネタは食傷気味ですが、全体として見れば悪くないと思います。
バトル描写は現状殆どありませんが、続刊があれば退魔師との対立で増えることでしょう。
イラストは佃煮のりお氏で、大変可愛らしいキャラクターに満足できました。
不満を挙げるとしたら挿絵が若干少ない(5点?)点でしょうか。

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怠惰でニートな魔王の世話をするだけの混沌な仕事 (一迅社文庫) 文庫 – 2016/3/19
- 本の長さ318ページ
- 言語日本語
- 出版社一迅社
- 発売日2016/3/19
- ISBN-104758048088
- ISBN-13978-4758048088
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2021年5月18日に日本でレビュー済み
作者さんの作品は全部読んできました。
今回もとても面白かったです。生活のおともに毎日少しずつ読んでいました。
散歩中やストレスが溜まった時にこの本を読んで、また現実に立ち向かう力をチャージしていました。
作者さんにありがとうと言いたいです。
もっと夢を見せてほしいです。続編や新刊を心待ちにしております。
ただ1点だけ言わせてください、
主人公の、ヒロイン(魔王たち)に対する二人称が「あんた」。
これでは冷たい響きを感じます。初対面なら「あんた」でもよいですが、
クライマックスを迎えて仲が深まった後も未だに「あんた」と呼ぶのでは、冷めてしまいます。
名前で呼んであげて下さい。
登場人物たちは皆とても魅力的で素晴らしいですね。
魔王はキャラが魅力的でしたし主人公も精神的に自立していて人間的強さがあるし他の要素はとてもよかったので、読んでよかったです。
私は作者さんを応援しております。次の作品を楽しみにしております。続編は絶対買う。あー楽しかった。
今回もとても面白かったです。生活のおともに毎日少しずつ読んでいました。
散歩中やストレスが溜まった時にこの本を読んで、また現実に立ち向かう力をチャージしていました。
作者さんにありがとうと言いたいです。
もっと夢を見せてほしいです。続編や新刊を心待ちにしております。
ただ1点だけ言わせてください、
主人公の、ヒロイン(魔王たち)に対する二人称が「あんた」。
これでは冷たい響きを感じます。初対面なら「あんた」でもよいですが、
クライマックスを迎えて仲が深まった後も未だに「あんた」と呼ぶのでは、冷めてしまいます。
名前で呼んであげて下さい。
登場人物たちは皆とても魅力的で素晴らしいですね。
魔王はキャラが魅力的でしたし主人公も精神的に自立していて人間的強さがあるし他の要素はとてもよかったので、読んでよかったです。
私は作者さんを応援しております。次の作品を楽しみにしております。続編は絶対買う。あー楽しかった。
2016年3月26日に日本でレビュー済み
「引きこもりたちに俺の青春が翻弄されている」で一迅社文庫としては本当に珍しい新人賞デビューを果たした棺悠介の新作
…二作目は残念ながら一巻でお終いって事かとラノベ業界の厳しさをひしひしと感じながら三度目の正直と期待しつつ拝読
物語は主人公の高校生・篝野蓮司が朝早くから老人たちが太極拳やゲートボールに興じている近所の公園で父親の宗雲と対峙している場面から始まる
早くも傷だらけの蓮司と違い「腹が減ったからそろそろ終わろうや」とボヤく宗雲は全くの無傷。何百戦挑んでも勝てない理由は蓮司が弱い訳ではなく
「父さん実は異世界の魔族で、魔王様に仕えていたんだ」という宗雲の余りの強さにあった。小学一年で猪を締め落とした自分の強さ故に父の話を蓮司も
自分の出自を否定できずにいたが、そんなある日宗雲は蓮司に特訓の終了を告げ、家を出る様に命じる。異世界で仕えていた魔王の封印が解けて
日本に降臨するので仕えろという宗雲に蓮司は「日本を侵略する気か」と気色ばむが魔王にその意は無いと言う。しかも既に他界している蓮司の母親と
結婚する際に除隊の条件で息子が出来たら仕えさせるという約束をした宗雲は「俺は再婚して伊豆に住むから」と無責任に言い放つとドクロマークの
ボタンを押す。瞬間、蓮司の家の方角から爆発音が響き、父親を公園に残して駆け付けた蓮司の目の前で住んでいた家が焼けおちる。呆然として
公園に戻った蓮司を迎えたのは父親が姿を消したという事実と身の回り品を詰めたバッグと魔王関係者との待ち合わせ場所を記した手紙だった
どうしようもなく待ち合わせ場所の駅に向かった蓮司を迎えたのはメイド服に身を包んだ赤毛の外国人女性とガチムチの体に頭からズタ袋を被った巨漢
魔王城に連れて行くと言った女性は道すがら巨漢を腕試しとして嗾けるが蓮司はこれを撃退。二代目魔影将ベルベリッタと名乗った女性が蓮司を
連れて行った先は昭和の香りが漂うトタン壁の平屋。そこには寝癖だらけの長い髪に覇気の無い表情が特徴的な一人の少女が待っていたが…
武芸百般の主人公が引きこもりっぽい少女の世話をする話、という事でデビュー作に戻った様な内容。流行りの要素である「魔王」や「ニート」といった
モチーフを取り入れた事で、そこはかとなく「ありがち」感が漂う。実際に読んでみた結果は「良くも悪くもデビュー作から変わって無い」という印象
物語の構成は前半と後半にかなり明確に分けられる。父親から半ば無理やり押し付けられた魔王城の執事という役目の為に向かった魔王城で
完全に無気力その物のニート化した美少女魔王ゼノシオンとメイド服を着ているのに家事能力ゼロで主である魔王に欲情しているかビールを呷るだけの
魔影将ベルベリッタ(通称ベリ子)、そして異世界リルガンドにおいて魔王を討ち果たしたけど出発時に小銭と銅の剣しかくれない王様のケチ臭さに
すっかり嫌気がさして魔王を封印して義務は果たしたと宣言し、弱体化した魔王が美少女化した事から異世界を放り出して魔王を愛でる事にした元勇者
家がゴミ屋敷化する程自堕落な生活をしていた三人組を見かねて家事を一手に引き受けた蓮司が三人に振り回されるのが前半。あまりに自堕落な魔王に
「学校にでも行ってみないか」と蓮司が提案し、最初は拒絶していた物の結局転校生や新任の保険教諭としてやってきた三人と蓮司に不器用な想いを
向ける退魔師の名門の娘・霧緒鏡花がぶつかり合いそうになるが、何とか和解、鏡花が蓮司の体の秘密に気付き、退魔師にスカウトする後半から構成
されている
デビュー作から見せていた小ネタの面白さは健在。冒頭での「主にぷるぷるした人たちばかりが集まる公園」の描写や主人公が寝ぼけた魔王に
「あれ、こんな所にウィル・スミスが」というボケに対して「何で俺が黒人ハリウッドスターなんだ」とつっこむや「違った、ジェイデン・スミスだった」と
重箱ネタを仕掛けるぐらいの映画マニアっぷりが炸裂しまくったギャグを入れてくるあたりはネタのチョイスなどに作者の独特のセンスやオリジナリティが
光っており、デビュー作からのファンにとっては「棺悠介作品のお楽しみはこれだよな」と嬉しい所かと。
…ただ、問題はこのセンスに頼った小ネタばかりに頼り過ぎて相変わらず全体的な構成が下手糞な点
一応、クライマックスらしいクライマックスは用意されているのだけど、300ページほどの本文で主人公である蓮司が退魔師としてスカウトされ話が
動き始めるのが240ページぐらいから、キーとなるキャラである霧緒鏡花の兄が出てくる場面に至っては270ページ前後である。話を動かし始める
タイミングとしては余りにも遅すぎると言わざるを得ない。そもそも話を動かす為に不可欠なキャラである鏡花が後半にならないと登場しないという辺りが
根本的に間違っているのではないだろうか?前半からやたらと幕間劇ばかりが多く、そこでお得意の小ネタやギャグを披露するのは良いが、肝心の
本筋が動かないままダラダラと前半部分が終わってしまっているのは頂けない
退魔師と魔族の緊張関係や、魔族とのハーフと言うだけでは無かった蓮司の秘密といった部分をもっと早く展開してクライマックスに必要な伏線を
張っておくべきだったと思うのだが上に挙げた様にその手の部分は終盤になって突然展開される訳で、そのお陰で退魔師として活動し始めた蓮司の活動も
悪霊相手の戦闘描写が完全に端折られるなど駆け足もここに極まれりといった感じのドタバタぶりがひどい
デビュー作のレビューでも「次の巻で出せば良いキャラをなんで無理やり出してしまうの?」と繰り返し疑問を提示させて頂いたが、最終巻で案の定
詰め込みまくった展開になってしまったりと、必要な場面を描く為の尺の分配が全く出来ない構成能力にかなり難のある作家である事は分かっていた
それなのに三作目になってもこの致命的な欠点が何一つ修正されていないってのはどういう事なのか?作者自身の努力不足もあるのだろうけど、彼に
新人賞を与えた編集者も何を指導していたのかと不思議でならない。要するにデビュー作から何も成長の跡が見られないのである
繰り返しになってしまうが小ネタやギャグのセンス、キャラの造形は素晴らしいと思う。でも、それだけでは小説としては成立しない訳で、ストーリー展開に
無理を感じさせない適切な尺の配分や伏線の張り方を覚えない限りはデビュー時からは一歩も前に進めない。本当にダメなら編集者も新作なんか
書かせないだろうし、それなりに期待はしているのだろう。それならそれでちゃんと指導してやれよ、と外から作家を連れてくる事に慣れ過ぎているのか
育成の方が疎かになっている一迅社文庫の姿勢にどうにも疑問と不満を感じざるを得ない一冊だった
…二作目は残念ながら一巻でお終いって事かとラノベ業界の厳しさをひしひしと感じながら三度目の正直と期待しつつ拝読
物語は主人公の高校生・篝野蓮司が朝早くから老人たちが太極拳やゲートボールに興じている近所の公園で父親の宗雲と対峙している場面から始まる
早くも傷だらけの蓮司と違い「腹が減ったからそろそろ終わろうや」とボヤく宗雲は全くの無傷。何百戦挑んでも勝てない理由は蓮司が弱い訳ではなく
「父さん実は異世界の魔族で、魔王様に仕えていたんだ」という宗雲の余りの強さにあった。小学一年で猪を締め落とした自分の強さ故に父の話を蓮司も
自分の出自を否定できずにいたが、そんなある日宗雲は蓮司に特訓の終了を告げ、家を出る様に命じる。異世界で仕えていた魔王の封印が解けて
日本に降臨するので仕えろという宗雲に蓮司は「日本を侵略する気か」と気色ばむが魔王にその意は無いと言う。しかも既に他界している蓮司の母親と
結婚する際に除隊の条件で息子が出来たら仕えさせるという約束をした宗雲は「俺は再婚して伊豆に住むから」と無責任に言い放つとドクロマークの
ボタンを押す。瞬間、蓮司の家の方角から爆発音が響き、父親を公園に残して駆け付けた蓮司の目の前で住んでいた家が焼けおちる。呆然として
公園に戻った蓮司を迎えたのは父親が姿を消したという事実と身の回り品を詰めたバッグと魔王関係者との待ち合わせ場所を記した手紙だった
どうしようもなく待ち合わせ場所の駅に向かった蓮司を迎えたのはメイド服に身を包んだ赤毛の外国人女性とガチムチの体に頭からズタ袋を被った巨漢
魔王城に連れて行くと言った女性は道すがら巨漢を腕試しとして嗾けるが蓮司はこれを撃退。二代目魔影将ベルベリッタと名乗った女性が蓮司を
連れて行った先は昭和の香りが漂うトタン壁の平屋。そこには寝癖だらけの長い髪に覇気の無い表情が特徴的な一人の少女が待っていたが…
武芸百般の主人公が引きこもりっぽい少女の世話をする話、という事でデビュー作に戻った様な内容。流行りの要素である「魔王」や「ニート」といった
モチーフを取り入れた事で、そこはかとなく「ありがち」感が漂う。実際に読んでみた結果は「良くも悪くもデビュー作から変わって無い」という印象
物語の構成は前半と後半にかなり明確に分けられる。父親から半ば無理やり押し付けられた魔王城の執事という役目の為に向かった魔王城で
完全に無気力その物のニート化した美少女魔王ゼノシオンとメイド服を着ているのに家事能力ゼロで主である魔王に欲情しているかビールを呷るだけの
魔影将ベルベリッタ(通称ベリ子)、そして異世界リルガンドにおいて魔王を討ち果たしたけど出発時に小銭と銅の剣しかくれない王様のケチ臭さに
すっかり嫌気がさして魔王を封印して義務は果たしたと宣言し、弱体化した魔王が美少女化した事から異世界を放り出して魔王を愛でる事にした元勇者
家がゴミ屋敷化する程自堕落な生活をしていた三人組を見かねて家事を一手に引き受けた蓮司が三人に振り回されるのが前半。あまりに自堕落な魔王に
「学校にでも行ってみないか」と蓮司が提案し、最初は拒絶していた物の結局転校生や新任の保険教諭としてやってきた三人と蓮司に不器用な想いを
向ける退魔師の名門の娘・霧緒鏡花がぶつかり合いそうになるが、何とか和解、鏡花が蓮司の体の秘密に気付き、退魔師にスカウトする後半から構成
されている
デビュー作から見せていた小ネタの面白さは健在。冒頭での「主にぷるぷるした人たちばかりが集まる公園」の描写や主人公が寝ぼけた魔王に
「あれ、こんな所にウィル・スミスが」というボケに対して「何で俺が黒人ハリウッドスターなんだ」とつっこむや「違った、ジェイデン・スミスだった」と
重箱ネタを仕掛けるぐらいの映画マニアっぷりが炸裂しまくったギャグを入れてくるあたりはネタのチョイスなどに作者の独特のセンスやオリジナリティが
光っており、デビュー作からのファンにとっては「棺悠介作品のお楽しみはこれだよな」と嬉しい所かと。
…ただ、問題はこのセンスに頼った小ネタばかりに頼り過ぎて相変わらず全体的な構成が下手糞な点
一応、クライマックスらしいクライマックスは用意されているのだけど、300ページほどの本文で主人公である蓮司が退魔師としてスカウトされ話が
動き始めるのが240ページぐらいから、キーとなるキャラである霧緒鏡花の兄が出てくる場面に至っては270ページ前後である。話を動かし始める
タイミングとしては余りにも遅すぎると言わざるを得ない。そもそも話を動かす為に不可欠なキャラである鏡花が後半にならないと登場しないという辺りが
根本的に間違っているのではないだろうか?前半からやたらと幕間劇ばかりが多く、そこでお得意の小ネタやギャグを披露するのは良いが、肝心の
本筋が動かないままダラダラと前半部分が終わってしまっているのは頂けない
退魔師と魔族の緊張関係や、魔族とのハーフと言うだけでは無かった蓮司の秘密といった部分をもっと早く展開してクライマックスに必要な伏線を
張っておくべきだったと思うのだが上に挙げた様にその手の部分は終盤になって突然展開される訳で、そのお陰で退魔師として活動し始めた蓮司の活動も
悪霊相手の戦闘描写が完全に端折られるなど駆け足もここに極まれりといった感じのドタバタぶりがひどい
デビュー作のレビューでも「次の巻で出せば良いキャラをなんで無理やり出してしまうの?」と繰り返し疑問を提示させて頂いたが、最終巻で案の定
詰め込みまくった展開になってしまったりと、必要な場面を描く為の尺の分配が全く出来ない構成能力にかなり難のある作家である事は分かっていた
それなのに三作目になってもこの致命的な欠点が何一つ修正されていないってのはどういう事なのか?作者自身の努力不足もあるのだろうけど、彼に
新人賞を与えた編集者も何を指導していたのかと不思議でならない。要するにデビュー作から何も成長の跡が見られないのである
繰り返しになってしまうが小ネタやギャグのセンス、キャラの造形は素晴らしいと思う。でも、それだけでは小説としては成立しない訳で、ストーリー展開に
無理を感じさせない適切な尺の配分や伏線の張り方を覚えない限りはデビュー時からは一歩も前に進めない。本当にダメなら編集者も新作なんか
書かせないだろうし、それなりに期待はしているのだろう。それならそれでちゃんと指導してやれよ、と外から作家を連れてくる事に慣れ過ぎているのか
育成の方が疎かになっている一迅社文庫の姿勢にどうにも疑問と不満を感じざるを得ない一冊だった