水木しげる、荒俣宏「戦争と読書 水木しげる出征前手記」を読みました。
水木しげるさんが大東亜戦争で満州・ラバウルで兵役につき片腕を失い、命からがら日本へ戻っていきた様子は自伝や戦記物で何度も描かれています。
この本は、偶然見つかった水木さんの徴兵前の日記を材料に荒俣宏が、死地に赴く前の青年たちが死ぬことを意義を真摯に読書に求めたことをテーマにしています。
水木さんの日記は、読書感想文ですが死を覚悟するための答えを探求しているような文章です。
道徳、哲学、芸術、宗教、キリスト教、仏教ともがくように解答を求め探しています。
迷い、悩んでいる様子はわかりますが、日記部分を読んでもまとまりがなく退屈なものです。
荒俣さんは当時の時代背景、青年たちによく読まれた本について解説されています。
徴兵によって深刻な生死の悩み苦しみに直面した青年は読書に活路を求めました。
河合栄治郎、ゲーテ、ニーチェ、阿部次郎などがこぞって読まれました。
水木さんは、エッカーマン「ゲーテとの対話」に夢中になり、これを戦地まで持って読んでいました。
戦地でも日記を書いていました。
日本軍は手紙については内容を検閲していましたが、日記には寛容でした。
英米は逆で、手紙には寛容でしたが兵士が日記を書くことは禁止されていました。
日記によって、作戦が漏れるからです。
晩年、水木さんは「幸福」と「努力しないこと」についてよく語っています。
最高の幸福は寝ることと空気が吸えることと述べておられます。
怠け者になりなさい、とアドバイスをしています。
これは欲望の充足が幸福ではない、欲望を超えた彼方に、静かな日常的な幸福がある、との人生観です。
私は、幸福とは江戸時代の川柳、「しあわせは 死なん子三人 みな孝行 使って減らぬ 銭百両 三日患い はいあの世行き」に尽きると考える者です。
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戦争と読書 水木しげる出征前手記 (角川新書) 新書 – 2015/9/9
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水木しげるが徴兵される直前、人生の一大事に臨んで綴った「覚悟の表明」たる手記。そこから浮かびあがるのは、これまで見たことがない懊悩する水木しげるの姿。太平洋戦争下の若者の苦悩と絶望、そして救いとは。
- 本の長さ216ページ
- 言語日本語
- 出版社KADOKAWA/角川書店
- 発売日2015/9/9
- 寸法11 x 1 x 17.3 cm
- ISBN-104040820495
- ISBN-13978-4040820491
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商品の説明
著者について
●水木 しげる:大正11年鳥取県境港市生まれ。従軍経験の後、終戦後より紙芝居、貸本漫画などを執筆。1964年に『ガロ』にて商業誌デビュー。2007年、『のんのんばあとオレ』によりフランス・アングレーム国際漫画祭で日本人初の最優秀作品賞を受賞。2010年、文化功労者に選出される。
●荒俣 宏:1947年東京生まれ。作家・博物学者。1985年に執筆を開始した『帝都物語』は、500万部を超える大ベストセラーに。膨大な知識を活かして、テレビでも活躍中。
●荒俣 宏:1947年東京生まれ。作家・博物学者。1985年に執筆を開始した『帝都物語』は、500万部を超える大ベストセラーに。膨大な知識を活かして、テレビでも活躍中。
登録情報
- 出版社 : KADOKAWA/角川書店 (2015/9/9)
- 発売日 : 2015/9/9
- 言語 : 日本語
- 新書 : 216ページ
- ISBN-10 : 4040820495
- ISBN-13 : 978-4040820491
- 寸法 : 11 x 1 x 17.3 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 260,671位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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1922年、鳥取県生まれ。漫画「ゲゲゲの鬼太郎」「悪魔くん」など著書多数。1991年、紫綬褒章受章。妖怪と精霊を求めて全世界を旅する。1996年 に郷里の境港市に「水木しげるロード」を設立し、「世界妖怪協会」の会長に就任、「世界妖怪会議」を開催する。2003年、旭日小綬章受章(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『姑娘』(ISBN-10:406276735X)が刊行された当時に掲載されていたものです)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2015年9月13日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
本書はこのたび新たに発見された水木さんの手記、というよりは日記?を全文収録し、それに水木さんの弟子を自認する荒俣宏さんの解説、
さらには、単行本未収録の出征前、そして復員後の書簡3通、そして、年表をまとめたものです。
手記、日記は日付が入っていないものがほとんどですが、昭和17年10月に書き始められ、11月7日までの、
水木さんが20歳になって徴兵検査を受けた直後のものと推察されます。
読み終わり、率直にまず驚きました!ここには、私たちが知っているユーモアにあふれた水木さんの姿はありません。
ここには、この当時の20歳の青年と同じように悩み彷徨し、必死になって出口を探そうとする水木さんの姿があります。
水木さんが「ゲーテとの対話」を戦場に持参し、ぼろぼろになるまで繰り返し読んだという話は知っていましたが、それにしても・・・・・・。
第2章は、荒俣さんの解説ですが、単なる水木さんの手記の解説に終わらず、戦前の教養主義、そして時代背景を結び付け、
戦時下の若者の実像を浮かび上がらせ、素晴らしいものになっています。
荒俣さんは、河合栄次郎の「学生と読書」が、大きな影響を与えたのではないかと推定しています。
さらには、日本人に特徴的な日記に関する論考も一読に値すると思います!!
水木さんの手記は硬質な文章で、最初は違和感を覚えると思いますが、それにめげず読み進めてください。
そこには、若き悩める水木さん・・・や武良さんといったほうがいいのか?・・・・・・姿を見つけることが出来ます!!
さらには、単行本未収録の出征前、そして復員後の書簡3通、そして、年表をまとめたものです。
手記、日記は日付が入っていないものがほとんどですが、昭和17年10月に書き始められ、11月7日までの、
水木さんが20歳になって徴兵検査を受けた直後のものと推察されます。
読み終わり、率直にまず驚きました!ここには、私たちが知っているユーモアにあふれた水木さんの姿はありません。
ここには、この当時の20歳の青年と同じように悩み彷徨し、必死になって出口を探そうとする水木さんの姿があります。
水木さんが「ゲーテとの対話」を戦場に持参し、ぼろぼろになるまで繰り返し読んだという話は知っていましたが、それにしても・・・・・・。
第2章は、荒俣さんの解説ですが、単なる水木さんの手記の解説に終わらず、戦前の教養主義、そして時代背景を結び付け、
戦時下の若者の実像を浮かび上がらせ、素晴らしいものになっています。
荒俣さんは、河合栄次郎の「学生と読書」が、大きな影響を与えたのではないかと推定しています。
さらには、日本人に特徴的な日記に関する論考も一読に値すると思います!!
水木さんの手記は硬質な文章で、最初は違和感を覚えると思いますが、それにめげず読み進めてください。
そこには、若き悩める水木さん・・・や武良さんといったほうがいいのか?・・・・・・姿を見つけることが出来ます!!
2015年10月22日に日本でレビュー済み
新たに発見された水木しげるの日記やメモのようなものも、
ほぼ全文収録してあるという。
そこに「弟子」を自認する荒俣宏の解説が入る。
はっきり言って、かなり重い。
手記や日記を時系列に並べただけとも言えるので、
ある意味での「まとまり」にも欠けるかも。
戦争と対峙した水木しげるの「苦悩」のようなものが
手記だから、そのままストレートに伝わってくる。
マンガなら、悲惨なシーンや苦しい思いも、
あの独特のタッチで和らげることができるのだが、
手記ではそうはいかない。
荒俣宏の解説で、重さが救われているとも言えるが、
逆にこの解説で、水木しげるの苦しみ、悩みが、薄まったというか……
そういう気がした。
だが、水木しげるの本当の気持ちは、きっと荒俣宏にもわからないだろう。
そう思わせる一冊。
ほぼ全文収録してあるという。
そこに「弟子」を自認する荒俣宏の解説が入る。
はっきり言って、かなり重い。
手記や日記を時系列に並べただけとも言えるので、
ある意味での「まとまり」にも欠けるかも。
戦争と対峙した水木しげるの「苦悩」のようなものが
手記だから、そのままストレートに伝わってくる。
マンガなら、悲惨なシーンや苦しい思いも、
あの独特のタッチで和らげることができるのだが、
手記ではそうはいかない。
荒俣宏の解説で、重さが救われているとも言えるが、
逆にこの解説で、水木しげるの苦しみ、悩みが、薄まったというか……
そういう気がした。
だが、水木しげるの本当の気持ちは、きっと荒俣宏にもわからないだろう。
そう思わせる一冊。
2015年12月3日に日本でレビュー済み
まず著者名として水木しげる先生と荒俣宏先生がクレジットされていますが、
基本的に荒俣先生の本と考えたほうが良いです。
過去の作品からの引用はありますが、水木先生から新しいコメントや文章があるわけではありません。
正直ちょっと不満です。せめて対談なりインタビューなり入れられなかったんでしょうか。
中身はサブタイトルにもなっている水木先生の手記を荒俣先生が解説する構成。
1章が問題の手記で、2章が解説。3章には出征前の手記との対比として戦中書簡を収録。
4章は年表ですが、ここは章というほどの内容ではなく、おまけだと思います。
1章と3章は資料的な価値は高そうですが、内容的に重く、面白みのあるものではありません。
後の妖怪漫画でのユーモラスな空気からはかけ離れていますが、
初期の劇画作品で見せる堅めの空気には実は近いところもあるのかもしれません。
2章の解説は既に他の方が指摘されている通り、まとまりがないです。
水木先生の話だけでなく、当時の若年兵全体の話に一般化しようという意図は判るのですが
脱線的な話が多く、これが散漫な印象に繋がっています。
また一般化自体に無理は無いのかという疑問もあります。
当時の手記で読書が大人気になっていたことを書いていますが・・・
それって手記を残すような人は元々読書好きが多かっただけなのでは?
水木先生個人の話題は面白いところも多かったのでちょっともったいなく感じました。
基本的に荒俣先生の本と考えたほうが良いです。
過去の作品からの引用はありますが、水木先生から新しいコメントや文章があるわけではありません。
正直ちょっと不満です。せめて対談なりインタビューなり入れられなかったんでしょうか。
中身はサブタイトルにもなっている水木先生の手記を荒俣先生が解説する構成。
1章が問題の手記で、2章が解説。3章には出征前の手記との対比として戦中書簡を収録。
4章は年表ですが、ここは章というほどの内容ではなく、おまけだと思います。
1章と3章は資料的な価値は高そうですが、内容的に重く、面白みのあるものではありません。
後の妖怪漫画でのユーモラスな空気からはかけ離れていますが、
初期の劇画作品で見せる堅めの空気には実は近いところもあるのかもしれません。
2章の解説は既に他の方が指摘されている通り、まとまりがないです。
水木先生の話だけでなく、当時の若年兵全体の話に一般化しようという意図は判るのですが
脱線的な話が多く、これが散漫な印象に繋がっています。
また一般化自体に無理は無いのかという疑問もあります。
当時の手記で読書が大人気になっていたことを書いていますが・・・
それって手記を残すような人は元々読書好きが多かっただけなのでは?
水木先生個人の話題は面白いところも多かったのでちょっともったいなく感じました。
2016年10月12日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
奇才・水木しげるも元はただの純朴な青年だったことがヒシヒシと伝わってきます。
2016年1月1日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ある新聞の2015年のベスト3を読書家が推薦する記事を読ん大ヒット中で、水木先生の本がありました。先生と同世代の同じような南洋で、撃沈され救助された話しのすさまじさを思い出して、早速注文しました。戦争に行く前の心のゆらぎ、死との正面からと向かう姿にたじろぎました。おのれをなくすという言葉が繰り返され、私にも大事な言葉となりました。
2015年12月23日に日本でレビュー済み
前半には、武良茂(水木しげる)が徴兵を切っ掛けに哲学を学び始め、戦争反対や上官命令への抵抗から右手を失うことになったこと、そして本来の希望であった画家を目指した経緯があるものの、後半は単に荒俣氏の戦中読書評の様なものが並んでいるだけで、期待外れでした。「水木しげる」を勝手に著者の一部に加えている角川の問題もあると感じました。