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カフカ ポケットマスターピース 01 (集英社文庫ヘリテージシリーズ) 文庫 – 2015/10/27
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『ポケットマスターピース(集英社文庫ヘリテージシリーズ) 全13冊セット』 こちらをチェック
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カフカの面白さを1冊に凝縮。新訳『変身(かわりみ)』を筆頭に、短編『お父さんは心配なんだよ』長編『訴訟』など、さらには彼の遺した書簡集や公文書も加え、その魅力を現代に伝える。(解説/多和田葉子)
多和田葉子=編
編集協力=川島隆
【収録内容】
変身(かわりみ)
祈る男との会話
酔っぱらった男との会話
火夫
流刑地にて
ジャッカルとアラブ人
お父さんは心配なんだよ
雑種
こま
巣穴
歌姫ヨゼフィーネ、あるいは鼠族
訴訟
公文書選
書簡選
解説 多和田葉子
作品解題 川島隆
カフカ著作目録
カフカ主要文献案内
カフカ年譜
多和田葉子=編
編集協力=川島隆
【収録内容】
変身(かわりみ)
祈る男との会話
酔っぱらった男との会話
火夫
流刑地にて
ジャッカルとアラブ人
お父さんは心配なんだよ
雑種
こま
巣穴
歌姫ヨゼフィーネ、あるいは鼠族
訴訟
公文書選
書簡選
解説 多和田葉子
作品解題 川島隆
カフカ著作目録
カフカ主要文献案内
カフカ年譜
- 本の長さ808ページ
- 言語日本語
- 出版社集英社
- 発売日2015/10/27
- 寸法10.5 x 3 x 15.2 cm
- ISBN-104087610349
- ISBN-13978-4087610345
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商品の説明
著者について
カフカ,フランツ
1883.7.3‐1924.6.3。ユダヤ系のドイツ語作家。オーストリア=ハンガリー帝国の領邦ボヘミア王国(現在のチェコ)の首都プラハに生まれる。民間保険会社、のち労働者災害保険局に勤務の傍ら、小説を発表。生前の読者は限られていたが、第二次世界大戦後の実存主義ブーム中に再発見され、世界的名声を得る。
多和田葉子(たわだ・ようこ)
小説家・詩人。早稲田大学第一文学部ロシア文学科卒、ハンブルグ大学大学院修士課程修了、チューリッヒ大学博士課程修了。大学卒業後の1982年よりドイ ツ・ハンブルグに移住、日本語、ドイツ語で詩作、小説創作。主な作品に「かかとを 失くして」(群像新人文学賞)、「犬婿入り」(芥川賞)、『ヒナギクのお茶の場合』(泉鏡花文学賞)、『容疑者の夜行列車』(伊藤整文学賞、谷崎潤一郎 賞)、『雪の練習生』(野間文芸賞)、『雲をつかむ話』(読売文学賞、芸術選奨文部科学大臣賞)、『献灯使』、『言葉と歩く日記』など。
川島隆(かわしま・たかし)
1976年京都府生まれ。京都大学大学院文学研究科(西洋文献文化学専攻)博士後期課程研究指導認定退学。博士(文学)。専門はドイツ文学、メディア論。現在、京都大学大学院文学研究科准教授。著書に『カフカの〈中国〉と同時代言説黄禍・ユダヤ人・男性同盟』(彩流社)、訳書に『ハイジ神話世界を征服した「アルプスの少女」』(晃洋書房)など。
1883.7.3‐1924.6.3。ユダヤ系のドイツ語作家。オーストリア=ハンガリー帝国の領邦ボヘミア王国(現在のチェコ)の首都プラハに生まれる。民間保険会社、のち労働者災害保険局に勤務の傍ら、小説を発表。生前の読者は限られていたが、第二次世界大戦後の実存主義ブーム中に再発見され、世界的名声を得る。
多和田葉子(たわだ・ようこ)
小説家・詩人。早稲田大学第一文学部ロシア文学科卒、ハンブルグ大学大学院修士課程修了、チューリッヒ大学博士課程修了。大学卒業後の1982年よりドイ ツ・ハンブルグに移住、日本語、ドイツ語で詩作、小説創作。主な作品に「かかとを 失くして」(群像新人文学賞)、「犬婿入り」(芥川賞)、『ヒナギクのお茶の場合』(泉鏡花文学賞)、『容疑者の夜行列車』(伊藤整文学賞、谷崎潤一郎 賞)、『雪の練習生』(野間文芸賞)、『雲をつかむ話』(読売文学賞、芸術選奨文部科学大臣賞)、『献灯使』、『言葉と歩く日記』など。
川島隆(かわしま・たかし)
1976年京都府生まれ。京都大学大学院文学研究科(西洋文献文化学専攻)博士後期課程研究指導認定退学。博士(文学)。専門はドイツ文学、メディア論。現在、京都大学大学院文学研究科准教授。著書に『カフカの〈中国〉と同時代言説黄禍・ユダヤ人・男性同盟』(彩流社)、訳書に『ハイジ神話世界を征服した「アルプスの少女」』(晃洋書房)など。
登録情報
- 出版社 : 集英社 (2015/10/27)
- 発売日 : 2015/10/27
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 808ページ
- ISBN-10 : 4087610349
- ISBN-13 : 978-4087610345
- 寸法 : 10.5 x 3 x 15.2 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 103,154位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 785位集英社文庫
- カスタマーレビュー:
著者について
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2023年7月1日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
「変身(へんしん)」と書いて「変わり身」と読む。意欲作。少し読みにくさはある。でも面白い。解説が大変詳しくて有り難い。カフカ研究におすすめの一冊。
2022年9月19日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
私達が10代でむさぼり読んだカフカは、人間の不条理を描きだした先駆者のイメージでした。しかし、それは、ブロート版に強く影響された「神話としてのカフカ」だったのかもしれない。カフカの文学の多様性と現代性を改めて俯瞰するには、最適のアンソロジーです。
2023年8月30日に日本でレビュー済み
川島隆氏訳の『訴訟』がとにかく最高です。
半世紀以上にわたり定着してきた『審判』のタイトルが『訴訟』になり、また冒頭から少し読んでいただければわかると思うのですが、訳文もいくぶん軽めの印象。
しかし、半ばあたりまで読み進めていくと、『審判』いや『訴訟』ってこんなに可笑しな小説だったっけ? とみるみる目が覚めていく思いがします。
「笞打人」の章など、吹き出しそうになるのをこらえられません。
(正直、過去の翻訳では退屈でうんざりして眠くなっていた章だったのですが。)
そこで思い出したのが、カフカ本人が友人たちの前で朗読したとき、自分で笑いをこらえきれなくなり、「おい、真面目に読めよフランツ!」などとつっこまれていたというエピソード。
もしかしたらこの『訴訟』も、本当はこんなふうに笑える小説だったのかもしれない。そう思えるのです。
それでいて、やはり、「逮捕」「終わり」の章を筆頭に、予言的とも悪夢的ともいえる深みはしっかり感じ取れます。
(私自身は今回、ミステリやホラーの要素もそこここで感じました。的はずれだったらごめんなさい)
そんな、いろいろな読みの幅を許すところが、カフカの、本当に凄いところなのではないでしょうか。
『訴訟』の川島氏訳は、それやこれやもろもろのバランスが、現代の日本語として完璧といっていいほどにあんばいされていると、私は思います。
オススメです。
そして川島氏にはぜひ、『城』も訳していただきたいと、ひそかに願っています。
半世紀以上にわたり定着してきた『審判』のタイトルが『訴訟』になり、また冒頭から少し読んでいただければわかると思うのですが、訳文もいくぶん軽めの印象。
しかし、半ばあたりまで読み進めていくと、『審判』いや『訴訟』ってこんなに可笑しな小説だったっけ? とみるみる目が覚めていく思いがします。
「笞打人」の章など、吹き出しそうになるのをこらえられません。
(正直、過去の翻訳では退屈でうんざりして眠くなっていた章だったのですが。)
そこで思い出したのが、カフカ本人が友人たちの前で朗読したとき、自分で笑いをこらえきれなくなり、「おい、真面目に読めよフランツ!」などとつっこまれていたというエピソード。
もしかしたらこの『訴訟』も、本当はこんなふうに笑える小説だったのかもしれない。そう思えるのです。
それでいて、やはり、「逮捕」「終わり」の章を筆頭に、予言的とも悪夢的ともいえる深みはしっかり感じ取れます。
(私自身は今回、ミステリやホラーの要素もそこここで感じました。的はずれだったらごめんなさい)
そんな、いろいろな読みの幅を許すところが、カフカの、本当に凄いところなのではないでしょうか。
『訴訟』の川島氏訳は、それやこれやもろもろのバランスが、現代の日本語として完璧といっていいほどにあんばいされていると、私は思います。
オススメです。
そして川島氏にはぜひ、『城』も訳していただきたいと、ひそかに願っています。
2017年4月24日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
多和田葉子の新訳は、カフカの原文に忠実に、個々の言葉が持つニュアンスを余すところなく伝えようとしている。原文のピリオドを句点、コンマを読点に正確に対応させてもいる。『変身』冒頭の「虫Ungeziefer」は「ウンゲツィーファー(生け贄にできないほど汚(けが)れた動物或いは虫)」と発音+註釈の形で訳されている。ザムザがけがれていると、妹が結婚できないので、小説の内容を考慮して、「Ungeziefer」の語源的意味を含めたと解説にある。だが、現代のドイツ人には「害虫」の意味しかないとすれば、そこまで古義を含める必要があるのだろうか。句読点も正確に守っているので、息の長い日本語になり、全体が重くなって、やや読みにくいことも事実である。翻訳は、何をどこまで移し替えればよいのか、考えさせられる。冒頭の文を、池内紀訳と比べてみよう。多和田訳は池内訳より、約4割長い。/(多和田訳)「グレゴール・ザムザがある朝のこと、複数の夢の反乱の果てに目を醒ますと、寝台の中で自分がばけもののようなウンゲツィーファー(生け贄にできないほど汚(けが)れた動物或いは虫)に姿を変えてしまっていることに気がついた。鎧のように硬い背中を下にしてあおむけに横たわっていて、頭を持ち上げてみると、腹部は弓なりにこわばってできた幾筋もの茶色い帯に分かれていて、その上に乗った掛け布団を滑り落ちる寸前で引き留めておくのは無理そうだった。脚は全部で何本あるのか、身体全体の寸法と比べると泣きたくなるくらい細くて、それが目の前で頼りなさそうにきらきら震えている。」/(池内訳)「ある朝、グレゴール・ザムザが不安な夢から目を覚ましたところ、ベッドのなかで、自分が途方もない虫に変っているのに気づいた。甲羅のように固い背中を下にして横たわっていた。頭を少しもち上げてみると、こげ茶色をした丸い腹が見えた。アーチ式の段になっていて、その出っぱったところに、ずり落ちかけた毛布がひっかかっている。からだにくらべると、なんともかぼそい無数の脚が、目の前でワヤワヤ動いていた。」
2020年7月10日に日本でレビュー済み
このシリーズ、編集がユニークだし内容が濃くてお値段が手ごろで、お気に入りです。ただしこのカフカ編はいただけない。何故ならAMAZONの紹介文のどこにも収録作品全てが記載されていないし、どなたのレビューにもないので、内容を確認出来ません。実はエドガー・アラン・ポー編もAMAZONの紹介文には全作品が記載されていなかったのですが、レビューに記載されている方が一人だけいらしたので、それで購入に踏み切れました。カフカ・ファンは冷たい方が多いのでしょうか?いや決してそんなことはないでしょう(笑)。
たった今私も注文いたしましたので、届いたら追記として全作品のタイトルを記載いたします。
追記:届きましたので、早速収録作品を記します。右の日本人名は翻訳担当者です。
1. 変身(かわりみ) 多和田葉子
2. 祈る男との会話 多和田葉子
3. 酔っぱらった男との会話 多和田葉子
4. 火夫 川島隆
5. 流刑地にて 竹峰義和
6. ジャッカルとアラブ人 川島隆
7. お父さんは心配なんだよ 多和田葉子
8. 雑種 竹峰義和
9. こま 竹峰義和
10. 巣穴 由比俊行
11. 歌姫ヨゼフィーネ、あるいは鼠族 由比俊行
12. 訴訟 川島隆
13. 公文書選 川島隆
14. 書簡集 川島隆
となります。「判決」や「掟の門」のような、代表作を省いた理由は分かりませんが、前例のない非常にユニークな編集であることは間違いありません。特に13では、生前は作家としては名を成していなかったカフカの生業の実態が垣間見えて非常に興味深い。しかも冒頭3Pにカフカ自身、両親、妹たち、そして決して結婚することのなかった婚約者たちの写真が掲載されているのも嬉しいですね。
たった今私も注文いたしましたので、届いたら追記として全作品のタイトルを記載いたします。
追記:届きましたので、早速収録作品を記します。右の日本人名は翻訳担当者です。
1. 変身(かわりみ) 多和田葉子
2. 祈る男との会話 多和田葉子
3. 酔っぱらった男との会話 多和田葉子
4. 火夫 川島隆
5. 流刑地にて 竹峰義和
6. ジャッカルとアラブ人 川島隆
7. お父さんは心配なんだよ 多和田葉子
8. 雑種 竹峰義和
9. こま 竹峰義和
10. 巣穴 由比俊行
11. 歌姫ヨゼフィーネ、あるいは鼠族 由比俊行
12. 訴訟 川島隆
13. 公文書選 川島隆
14. 書簡集 川島隆
となります。「判決」や「掟の門」のような、代表作を省いた理由は分かりませんが、前例のない非常にユニークな編集であることは間違いありません。特に13では、生前は作家としては名を成していなかったカフカの生業の実態が垣間見えて非常に興味深い。しかも冒頭3Pにカフカ自身、両親、妹たち、そして決して結婚することのなかった婚約者たちの写真が掲載されているのも嬉しいですね。
2015年11月15日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
この一冊で、カフカのイメージが大きく変わりました。
保険局の公文書からは、カフカがいかに仕事熱心なサラリーマンだったか窺えますし、友人や恋人や妹に宛てた手紙を読めば、繊細で神経質だけれど案外「やんちゃ」な人柄が見えてきます。
昔読んだ時受けた印象とすっかり違っていたのは『訴訟』の新訳です。岩波文庫の訳『審判』では冒頭の逮捕のシーンで、侵入者の男たちが乱暴なしゃべり方をし、主人公はです・ます調で受け答えしているので、いかにも「理不尽な暴力の被害者」といったイメージでした。ところが、この新訳では逆に、男たちが丁寧語で、主人公が偉そうな口の利き方をしていて、全体に食わせ者な印象です。彼の運命はもしかして自業自得なのではと感じました。
どちらが「正しい」訳なのかは原文を知らないので分かりませんが、訳によって随分違う人物像が生まれるものですね。
保険局の公文書からは、カフカがいかに仕事熱心なサラリーマンだったか窺えますし、友人や恋人や妹に宛てた手紙を読めば、繊細で神経質だけれど案外「やんちゃ」な人柄が見えてきます。
昔読んだ時受けた印象とすっかり違っていたのは『訴訟』の新訳です。岩波文庫の訳『審判』では冒頭の逮捕のシーンで、侵入者の男たちが乱暴なしゃべり方をし、主人公はです・ます調で受け答えしているので、いかにも「理不尽な暴力の被害者」といったイメージでした。ところが、この新訳では逆に、男たちが丁寧語で、主人公が偉そうな口の利き方をしていて、全体に食わせ者な印象です。彼の運命はもしかして自業自得なのではと感じました。
どちらが「正しい」訳なのかは原文を知らないので分かりませんが、訳によって随分違う人物像が生まれるものですね。
2017年10月28日に日本でレビュー済み
素晴らしい!の一言です。
何が素晴らしいか。それは翻訳です。
解題や参考文献の紹介が充実している点が本書の、というかこのシリーズの特徴のようで、
たしかに、この1冊で作者に関する基本的な事項(生涯や作品のポイント)が把握できる構成になっています。
しかし、カフカの巻に関して言えば、それらの点よりも翻訳のうまさを個人的にはプッシュしたいと思います。
もちろん出版社側も翻訳に力を入れていて、各巻とも著名な作家や研究者が翻訳を担当しています。
カフカの巻では、日本語とドイツ語の両方で創作活動をしている多和田葉子さんが、編者と言う形で前面に出ています。
しかし、私がカフカの巻で注目すべきと思うのは、多和田さん以外の3氏です!
(多和田さんが嫌いなわけではありませんので、悪しからず。)
この3氏、つまり、川島隆さん、竹峰義和さん、由比俊行さんはともにドイツ文学・思想の研究者だそうです。
みなさん70年代生まれのようで、現役バリバリの大学の先生ということですね。
この3氏が翻訳を担当された収録作品はどれも軒並み読みやすいです。
私はこれまでに、カフカ以外にも様々な海外小説の翻訳を読んできましたが、ここまで読みやすい訳はなかなかないと思います。
読みやすい理由としては、まず日本語がとても自然であること。
翻訳ものにつきものの、いかにも文法が異なる言語を翻訳しているなと感じる部分がほとんどありませんでした。
それから、きちんと「現代の」日本語になっていること。
語尾が「~かよ」とか「~だよな」となっていたり、時には若者言葉を交えていたり、
われわれが「今」使っている日本語に翻訳されています。
だからといって、カフカ的な雰囲気が崩れるということは決してありません。
むしろ、口語的に訳されることで、カフカ流のシュールなユーモアが鮮明になり、ところどころ吹き出さずにはいられません。
作中人物たちの突拍子もない発言や、にわかには信じがたい行動も、既存訳よりもリアルにその奇妙さが伝わってきました。
私の個人的なおすすめは、
『流刑地にて』(竹峰さん訳)
『歌姫ヨゼフィーネ、あるいは鼠族』(由比さん訳)
『訴訟』(川島さん訳)
です。
どれも素晴らしい訳文で、カフカの魅力がこれでもかというほど伝わってきました。
カフカ作品未読の方や特に学生の方は、最初に読む翻訳に本書を選択することを猛烈におすすめします!
ぜひ!
----------------
本書を読み終えて、海外小説における翻訳の新鮮さというものはとても重要であると改めて実感しました。
古典作品においては多数の翻訳が出版されていて、どれを選ぶか迷うこともありますが、
選んだ訳が良くない訳だった時には目も当てられません。
日本語がまずかったという理由だけで、その作品もしくは作者が嫌いになってしまうこともあるわけです。
しかし、しばらくのちに別の訳で読み返してみると、素晴らしい作品だったことが分かる。
私自身このような体験をしたことがあるからこそ、本書の「とっつきやすさ」に感動を覚えた次第です。
こうした理由から、現役の研究者によるコンテンポラリーな翻訳が出版されることには大変な意義があると考えます。
海外小説のファンとしては、何十年かに一度でもいいから、新鮮な訳業が成されることを期待します。
そうした訳業で古典が「新品」に生まれ変わったなら、それはもしかすると、いつまでも読み継がれていくかもしれないではありませんか。
そして、われわれ読者はそういう仕事をただ期待するだけでなく、正当に評価していく必要があると思います。
ネットのおかげで読者の意見が伝わりやすくなった(まさにこの場!)のですから、今やそれは難しいことではないでしょう。
そのようにして、古典のみならず同時代の海外作品が幅広く翻訳されるような流れができることを願ってやみません。
今回、このポケットマスターピースのシリーズを出版したのが集英社であることに少し驚きました。
業界最先鋭ではないものの、商業主義的な傾向のある企業という認識があったからです。
大手ですから世界文学全集も出していますし、翻訳ものの点数だって多いです。しかし、やはりエンタメに偏っていないかと。
そこに今回のこのシリーズ。偉そうな物言いになってしまいますが、正直なところ少し見直しました。
編集方針に「良い集英社らしさ」が出ていると思います。
その企画力を使って、どんどんこういう出版物が出されることを期待しています!
----------------
長々と、そして偉そうなことを書いてしまいましたが、実は私自身は20代の若者です(ドラゴンボールもワンピースも大好きです)。
だからこそ、新鮮な翻訳の力とその意義に感動したわけです。(そして、レビューまで書いてしまいました。)
カフカの前では、掟の門は閉ざされたままでした。
出版不況と言われるように、一筋縄ではいかない事情も多々あるかとは思いますが、
それでも、私たちの前の翻訳の門はいつでも開かれていてほしいと思っています。
何が素晴らしいか。それは翻訳です。
解題や参考文献の紹介が充実している点が本書の、というかこのシリーズの特徴のようで、
たしかに、この1冊で作者に関する基本的な事項(生涯や作品のポイント)が把握できる構成になっています。
しかし、カフカの巻に関して言えば、それらの点よりも翻訳のうまさを個人的にはプッシュしたいと思います。
もちろん出版社側も翻訳に力を入れていて、各巻とも著名な作家や研究者が翻訳を担当しています。
カフカの巻では、日本語とドイツ語の両方で創作活動をしている多和田葉子さんが、編者と言う形で前面に出ています。
しかし、私がカフカの巻で注目すべきと思うのは、多和田さん以外の3氏です!
(多和田さんが嫌いなわけではありませんので、悪しからず。)
この3氏、つまり、川島隆さん、竹峰義和さん、由比俊行さんはともにドイツ文学・思想の研究者だそうです。
みなさん70年代生まれのようで、現役バリバリの大学の先生ということですね。
この3氏が翻訳を担当された収録作品はどれも軒並み読みやすいです。
私はこれまでに、カフカ以外にも様々な海外小説の翻訳を読んできましたが、ここまで読みやすい訳はなかなかないと思います。
読みやすい理由としては、まず日本語がとても自然であること。
翻訳ものにつきものの、いかにも文法が異なる言語を翻訳しているなと感じる部分がほとんどありませんでした。
それから、きちんと「現代の」日本語になっていること。
語尾が「~かよ」とか「~だよな」となっていたり、時には若者言葉を交えていたり、
われわれが「今」使っている日本語に翻訳されています。
だからといって、カフカ的な雰囲気が崩れるということは決してありません。
むしろ、口語的に訳されることで、カフカ流のシュールなユーモアが鮮明になり、ところどころ吹き出さずにはいられません。
作中人物たちの突拍子もない発言や、にわかには信じがたい行動も、既存訳よりもリアルにその奇妙さが伝わってきました。
私の個人的なおすすめは、
『流刑地にて』(竹峰さん訳)
『歌姫ヨゼフィーネ、あるいは鼠族』(由比さん訳)
『訴訟』(川島さん訳)
です。
どれも素晴らしい訳文で、カフカの魅力がこれでもかというほど伝わってきました。
カフカ作品未読の方や特に学生の方は、最初に読む翻訳に本書を選択することを猛烈におすすめします!
ぜひ!
----------------
本書を読み終えて、海外小説における翻訳の新鮮さというものはとても重要であると改めて実感しました。
古典作品においては多数の翻訳が出版されていて、どれを選ぶか迷うこともありますが、
選んだ訳が良くない訳だった時には目も当てられません。
日本語がまずかったという理由だけで、その作品もしくは作者が嫌いになってしまうこともあるわけです。
しかし、しばらくのちに別の訳で読み返してみると、素晴らしい作品だったことが分かる。
私自身このような体験をしたことがあるからこそ、本書の「とっつきやすさ」に感動を覚えた次第です。
こうした理由から、現役の研究者によるコンテンポラリーな翻訳が出版されることには大変な意義があると考えます。
海外小説のファンとしては、何十年かに一度でもいいから、新鮮な訳業が成されることを期待します。
そうした訳業で古典が「新品」に生まれ変わったなら、それはもしかすると、いつまでも読み継がれていくかもしれないではありませんか。
そして、われわれ読者はそういう仕事をただ期待するだけでなく、正当に評価していく必要があると思います。
ネットのおかげで読者の意見が伝わりやすくなった(まさにこの場!)のですから、今やそれは難しいことではないでしょう。
そのようにして、古典のみならず同時代の海外作品が幅広く翻訳されるような流れができることを願ってやみません。
今回、このポケットマスターピースのシリーズを出版したのが集英社であることに少し驚きました。
業界最先鋭ではないものの、商業主義的な傾向のある企業という認識があったからです。
大手ですから世界文学全集も出していますし、翻訳ものの点数だって多いです。しかし、やはりエンタメに偏っていないかと。
そこに今回のこのシリーズ。偉そうな物言いになってしまいますが、正直なところ少し見直しました。
編集方針に「良い集英社らしさ」が出ていると思います。
その企画力を使って、どんどんこういう出版物が出されることを期待しています!
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長々と、そして偉そうなことを書いてしまいましたが、実は私自身は20代の若者です(ドラゴンボールもワンピースも大好きです)。
だからこそ、新鮮な翻訳の力とその意義に感動したわけです。(そして、レビューまで書いてしまいました。)
カフカの前では、掟の門は閉ざされたままでした。
出版不況と言われるように、一筋縄ではいかない事情も多々あるかとは思いますが、
それでも、私たちの前の翻訳の門はいつでも開かれていてほしいと思っています。