わたしは、昨年6月末の老人による新幹線焼身自殺放火事件にショックを受け、この藤田孝典さんの『下流老人』の本を読みました。二度精読して、この本を「見える化」しようと決めました。「見える化」は、問題解決のために問題をきちんと理解するという、QC運動以来の指導原理です。本書のテキストで言っていることを、その論理が明確になるように、札寄せ法(親和図法に近い方法、片平彰裕さん作成ツール)で、図に表現しました。各章ごとにまとめた図を、わたしが編集するホームページ(『TRIZホームページ』)に連載し、1月に完成しました。著者藤田さんのメッセージもいただいて、全24頁の冊子を作り、ホームページで公開しています。
また、このAmazonサイトでの皆さんのカストマーレビュー【82件)も精読させていただきました。高い評価と低い評価の両論があり、高齢者の貧困の問題のいろいろな論点を学びました。各レビューにわたしなりの感想・意見を書いたノートを作りました。ここにはその要点だけを書かせていただきます。
(A) 本書の紹介・レビューとして、わたしは、次の 8件をお薦めします。
各件は、[古い順の通し番号]、投稿者の評価、投稿日、投稿者、(参考になったという読者数/回答読者数)、およびわたしの判断での特徴を書いています。
[ 1] 星5 2015. 6.13 夢見る父さん (読者参考度 184/207) 分かりやすい紹介、積極的な評価
[31] 星4 2015. 8.22 まいペンらい (読者参考度 12/17) 簡潔・的確な書評、困っている人へのアドバイス
[35] 星5 2015. 9. 5 荻原妙子 (読者参考度 8/16) 簡潔な書評、貧困の連鎖
[59] 星5 2015.11. 6 かっちー (読者参考度 5/8) 分かりやすく優れた紹介
[78] 星4 2016. 2.12 小林隆 (読者参考度 3/3) 簡潔で本質的な受け止め方
[19] 星5 2015. 7. 29 仮面ライター (読者参考度 25/35) 分かりやすく丁寧な紹介、内容・提案の重要性
[ 7] 星5 2015. 7. 5 小次郎 (読者参考度 174/180 (コメント26)) 地方における高齢者の状況
[49] 星5 2015.10.10 SFファン (読者参考度 13/20) 高齢者の生活対策の必要性
(B) 以下のレビュー15件は、読者参考度が高いあるいは注目すべきものですが、その記述(の一部)に議論するべき点があると考えます。
各件の後部には、投稿者の主要な主張と、(それに関するわたしの所感)を書きました。
[18] 星1 2015. 7.27 あたし持病があるんですけど (読者参考度 46/80) 下流老人がどこにいるのかを示していない。(全国的な調査を国などにぜひしてほしい。)
[66] 星2 2015.11.29 見物人 (読者参考度 8/15) 老後もなんとか暮らせる人も多い (= 中流高齢者の現在の意識。今後は?若い人は?)
[10] 星3 2015. 7. 7 ロードクロサイト (読者参考度 42/57)) 生活能力がない男性の例ばかり。(欠点・判断ミスがあったと、わたしも思う。しかし、だれもが貧困に陥らないで済むはずの世の中か?)
[26] 星2 2015. 8.10 ちゃむ (読者参考度 53/73) 同情できる事例でない、男も生活技術を身につけよ。(女性の側から見た厳しい批判と思います。)
[25] 星1 2015. 8. 4 リサパパ (読者参考度 84/121) 個人の責任を追及せず、社会が悪いと言っている。(沢山の人がこの感想を持っています。それは、競争社会で「勝つ」ことを教えられ、「負けた者が悪い」と考えるようになっているからです。競争社会の欠陥をどう補うのか?)
[22] 星1 2015. 8. 1 にこぷん (読者参考度 143/188) 身勝手な人生を送って貧困になったような人も、当人の責任でなく、社会のせいにしている。(事例は身勝手な例ではないが、判断ミスはあったと、わたしは思う。人生にも社会にも沢山の落とし穴がある。)
[50] 星5 2015.10.14 バックスピン (読者参考度 12/18) 労働せずにお金を貰えるのはよくない。地公体が仕事を作って職を与え、賃金として「現在の生活保護費」を支給するのが良い。(「猫の手も借りたいところは一杯ある」と投稿者は言う。いい考え方だと思う。)
[54] 星1 2015.10.21 正義の味方 (読者参考度 39/53) 社会保障へのタカリを薦めており、放置すれば(夕張市のように)国が破たんする。(基本的人権の精神をどのように実現するのか、政策の問題も。)
[82] 星4 2016. 2.25 萩乃子 (読者参考度 3/4) 福祉は性善説だけでなく、性悪説も考慮しないと、世間は納得しない。(たしかにこれが重要点。キリギリスのケースとタカリのケース。現在でも対処していること。)
[24] 星2 2015. 8. 2 アマゾン太郎丸 (読者参考度 46/68) 「備えあれば憂いなし」の視点を欠いた甘えた論理だ。(本書で書いている、下流老人の特徴、下流化のパターン、生活保護制度の説明、自己防衛策はすべて、「備え」の説明です。)
[11] 星1 2015. 7. 9 殿(との) (読者参考度 72/100) 問題は分かったが、対策がない。(<= 第7章(政策の提言)を読んでください。)
[77] 星1 2016. 1.28 備前太郎 (読者参考度 12/16) 「誰でも平等なユートピア幻想」の好きな人の本。(一律の平等を目標にするのでなく、自由な競争の中で(他者の権利侵害を許さず)「最低限」を保障するのが目標。)
[ 9] 星2 2015. 7. 7 少子化問題に直面しようとしない日本 (読者参考度 36/40 (コメント1)) 「負担なきバラ撒き」を求めるモラルハザードの主張だ。(本書はそうはいっていない。税制を通じた富の再配分を、国民の議論で決めていくべきだと言っている。富の徴収法を明示していないが、配分法をきちんと書いている、とわたしは思う。)
[65] 星2 2015.11.27 えふぃーる (読者参考度 12/16) 事例はリアルだが、解決策は市場経済と民主主義を否定するもので、非リアルである。(今の市場経済が本当に望ましいのか(修正するべきでないか)、きちんとした社会保障こそ民主主義を実現するものでないか、とわたしは思う。)
[76] 星4 2016. 1.24 Ravenclaw (読者参考度 3/3) リアリティのある現場レポートだが、超高齢化社会の社会ビジョンを示せていない。(そのようなビジョンは「誰も知らない」と評者自身が言う。まず福祉の面でのできる限りの方向を本書は示している、とわたしは思う。)
文章を「見える化」した図は、論理が明確になり、自分で考えるにも、多数で議論するにも、役立ちます。
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新書520 下流老人 (朝日新書) 新書 – 2015/6/12
藤田孝典
(著)
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購入オプションとあわせ買い
年収400万円以下だと、将来「下流老人」に!?約600万人が一人暮らし、うち半数は生活保護レベルの日本の高齢者。Nスペ「老後破産」でも話題となった老後崩壊の衝撃を、テレビ、新聞、ネットで今最注目の著者が描く。初の新書。
- 本の長さ224ページ
- 言語日本語
- 出版社朝日新聞出版
- 発売日2015/6/12
- 寸法17.2 x 10.7 x 1.15 cm
- ISBN-104022736208
- ISBN-13978-4022736208
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登録情報
- 出版社 : 朝日新聞出版 (2015/6/12)
- 発売日 : 2015/6/12
- 言語 : 日本語
- 新書 : 224ページ
- ISBN-10 : 4022736208
- ISBN-13 : 978-4022736208
- 寸法 : 17.2 x 10.7 x 1.15 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 172,858位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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1982年生まれ。埼玉県越谷市在住。社会福祉士。ルーテル学院大学大学院総合人間学研究科博士前期課程修了。首都圏で生活困窮者支援を行うソーシャルワーカー。生活保護や生活困窮者支援の在り方に関する活動と提言を行う。NPO法人ほっとプラス代表理事。聖学院大学客員准教授(公的扶助論)。反貧困ネットワーク埼玉代表。ブラック企業対策プロジェクト共同代表。厚生労働省社会保障審議会特別部会委員(2013年度)。著書に『ひとりでがんばらない』(クレヨンハウス2022)『コロナ貧困』(毎日新聞出版2021)『続・下流老人 一億総疲弊社会の到来』(朝日新聞出版2016)『貧困世代 社会の監獄に閉じ込められた若者たち』(講談社現代新書2016)『下流老人 一億総老後崩壊の衝撃』(朝日新聞出版2015)、『ひとりも殺させない』(堀之内出版2013)、共著に『知りたい!ソーシャルワーカーの仕事』(岩波書店2015)など多数。
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2016年3月30日に日本でレビュー済み
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2021年5月25日に日本でレビュー済み
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銀行と役人と地主・経営者の商売道具が…『雇われ・社員・使用人』である▲ 銀行は、預かっているお金を借しているのではアリマセン!
2017年1月24日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
☆本書でいう下流老人とは、「生活保護基準相当で暮らす高齢者、及び
その恐れがあり高齢者」である。そして今、日本に「下流老人」が大量に
生まれている。この存在が日本に与えるインパクトは計り知れない。
☆これからの日本社会に、中流は存在しない。いるのは「ごく一握りの
富裕層」と「大多数の貧困層」の2つであろう。
ならば如何すればいいんでしょ。本書には「~~生活保護を利用することに
負い目を感じる必要はないのだ~~これだけ下流老人がいるにもかかわらず、
いまだにどこにどのように相談すればいいのか、制度を利用したらどうなるか、
その告知が極めて少ない。~~社会保障制度に関する情報を広く報じて欲しい。
~~」下流老人というコトバを生み出した?藤田孝典氏ならではの一つの
見方のようでもある。
そうして「~~国民年金の場合40年間保険料を支払っても、ひとつき当たりの
支給額は6万6千円弱。生活保護の生活扶助費より低いか同水準であることは
あきらかな事実だ。さらにこの水準は、今後下げられる可能性が大きい。~~
給料が低くて苦しい生活をしている若者から、国民年金保険料を奪わないでほしい」
生活保護というのは最終的にすってんてんにならなければ受給出来ない。
その前に生活保護の一部でも受給出来るようになればと提案しておられる。
確かに、この考え方はいいかも。ただ若者にこの先国民年金をかけなくていいとは
果たして如何なのかなぁ。かけてもムダということか。それが藤田氏には確信を
持って見えているということか。まさにこちとらは「下流老人」そのものか。
一日でガックリきながら読んだけど。パッと閃いたことがある。
かつてのように銀行預金に利息をたっぷり付けたら(当時例えば300万預けたら
年2回15万円がついたという夢のような時代がありました)その日から世の中
LED電球のように明るくなりそう。若い方々に貯める喜びを与えましょ。先のない
老人には使う喜びを。経済は使わないと回っていかないのであります。
国は何とかしなくちゃね。絶望感ばかりぶち込まないで欲しい。これからの大事な
若者たちに。そう強く願います。本書とかんけいないことであいすみませんです。
その恐れがあり高齢者」である。そして今、日本に「下流老人」が大量に
生まれている。この存在が日本に与えるインパクトは計り知れない。
☆これからの日本社会に、中流は存在しない。いるのは「ごく一握りの
富裕層」と「大多数の貧困層」の2つであろう。
ならば如何すればいいんでしょ。本書には「~~生活保護を利用することに
負い目を感じる必要はないのだ~~これだけ下流老人がいるにもかかわらず、
いまだにどこにどのように相談すればいいのか、制度を利用したらどうなるか、
その告知が極めて少ない。~~社会保障制度に関する情報を広く報じて欲しい。
~~」下流老人というコトバを生み出した?藤田孝典氏ならではの一つの
見方のようでもある。
そうして「~~国民年金の場合40年間保険料を支払っても、ひとつき当たりの
支給額は6万6千円弱。生活保護の生活扶助費より低いか同水準であることは
あきらかな事実だ。さらにこの水準は、今後下げられる可能性が大きい。~~
給料が低くて苦しい生活をしている若者から、国民年金保険料を奪わないでほしい」
生活保護というのは最終的にすってんてんにならなければ受給出来ない。
その前に生活保護の一部でも受給出来るようになればと提案しておられる。
確かに、この考え方はいいかも。ただ若者にこの先国民年金をかけなくていいとは
果たして如何なのかなぁ。かけてもムダということか。それが藤田氏には確信を
持って見えているということか。まさにこちとらは「下流老人」そのものか。
一日でガックリきながら読んだけど。パッと閃いたことがある。
かつてのように銀行預金に利息をたっぷり付けたら(当時例えば300万預けたら
年2回15万円がついたという夢のような時代がありました)その日から世の中
LED電球のように明るくなりそう。若い方々に貯める喜びを与えましょ。先のない
老人には使う喜びを。経済は使わないと回っていかないのであります。
国は何とかしなくちゃね。絶望感ばかりぶち込まないで欲しい。これからの大事な
若者たちに。そう強く願います。本書とかんけいないことであいすみませんです。
2022年12月3日に日本でレビュー済み
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福祉の通信大学の学生なので、授業の参考図書として推薦されました。わかりやすい内容で勉強になりました。
2015年9月6日に日本でレビュー済み
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老人問題にも経済格差が押し寄せつつあることを示した、警告
の書です。
全七章の構成となっています。
前半は、著者のNPO活動を踏まえた豊富な事例が紹介されます。
具体的に示されるので判り易いですが、特に目新しい話がある
訳ではありません。
重要なのは第5章以降となります。
まず第5章では、これまで列挙されてきた問題点が8点に整理
され、現在の制度や社会システムの問題として示されます。
次の第6章では、自己防衛策が提起されます。
最重要は、貯蓄よりも、つながりや居場所であるとされます。
最後の第7章では、制度や政策に対する個人的な提言がなされま
す。
新自由主義的政策による、社会保障費の縮小化への異義が、根底
にはありそうです。
確かに資本主義の論理を強化し、小さな政府を進めるとなると、
その対応策としては、リスクを最小化することになります。
そうなると若年層の非婚化は益々増えるでしょう。
それでも放置され続ければ、ネイションは再生産されず、資本
は国外に出て行くでしょう。
新自由主義者にも、再考が必要なところです。
の書です。
全七章の構成となっています。
前半は、著者のNPO活動を踏まえた豊富な事例が紹介されます。
具体的に示されるので判り易いですが、特に目新しい話がある
訳ではありません。
重要なのは第5章以降となります。
まず第5章では、これまで列挙されてきた問題点が8点に整理
され、現在の制度や社会システムの問題として示されます。
次の第6章では、自己防衛策が提起されます。
最重要は、貯蓄よりも、つながりや居場所であるとされます。
最後の第7章では、制度や政策に対する個人的な提言がなされま
す。
新自由主義的政策による、社会保障費の縮小化への異義が、根底
にはありそうです。
確かに資本主義の論理を強化し、小さな政府を進めるとなると、
その対応策としては、リスクを最小化することになります。
そうなると若年層の非婚化は益々増えるでしょう。
それでも放置され続ければ、ネイションは再生産されず、資本
は国外に出て行くでしょう。
新自由主義者にも、再考が必要なところです。
2015年7月4日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
私は西日本の地方都市に住んでいる。周辺は農地だが、若者はそこでは働いていない。
70歳を越えたような老人が、腰を曲げ、田畑を耕しているのだ。
しかしおそらく次世代は宅地になっているだろう。
ずっと農業でやって来た場合は、国民年金だけのことが多い。
いわゆる「厚生年金部分」は入らないことが多い。
私の両親は90歳近いが、二人合わせて月10万円少しの年金しかない。
広大な田畑を持っていたのなら別だが、
多くはそうではない。
となると、今後健康的にも衰え、収入もあまりなく、
蓄えがたんまりある人以外は、ここでいう「下流老人」になる。
何と言っても医療費負担が大きい。
いくら1割負担の後期高齢者だとしても、介護や入院などが多いと、けっこうバカにならない。
貯金を食いつぶすことになる。
なにより地方都市は「給料」が安いので、
住民の収入も低い。貯蓄も少ないのだ。
こういう人が将来「下流老人」になる。
本書はそういうケース、問題を指摘していく。
対策も書かれているので、実行するしないはともかく読んでおいて損はないだろう。
周辺のデイサービス施設、老人ホームの多さは、
都会の比ではない。
周囲はお年寄りばかりだ。私もそろそろ、そこに入る。
仮に85歳まで生きたとして、最後の10年間あたりの医療関係費は、
少なくとも私の周囲ではかなりになる。
これが生活を圧迫するし、老人の面倒をみる「60代」あたりの生活にも響く。
静かな警告の書、という感じだが、ときおりゾッとすることもある。
真面目な,いい本である。
70歳を越えたような老人が、腰を曲げ、田畑を耕しているのだ。
しかしおそらく次世代は宅地になっているだろう。
ずっと農業でやって来た場合は、国民年金だけのことが多い。
いわゆる「厚生年金部分」は入らないことが多い。
私の両親は90歳近いが、二人合わせて月10万円少しの年金しかない。
広大な田畑を持っていたのなら別だが、
多くはそうではない。
となると、今後健康的にも衰え、収入もあまりなく、
蓄えがたんまりある人以外は、ここでいう「下流老人」になる。
何と言っても医療費負担が大きい。
いくら1割負担の後期高齢者だとしても、介護や入院などが多いと、けっこうバカにならない。
貯金を食いつぶすことになる。
なにより地方都市は「給料」が安いので、
住民の収入も低い。貯蓄も少ないのだ。
こういう人が将来「下流老人」になる。
本書はそういうケース、問題を指摘していく。
対策も書かれているので、実行するしないはともかく読んでおいて損はないだろう。
周辺のデイサービス施設、老人ホームの多さは、
都会の比ではない。
周囲はお年寄りばかりだ。私もそろそろ、そこに入る。
仮に85歳まで生きたとして、最後の10年間あたりの医療関係費は、
少なくとも私の周囲ではかなりになる。
これが生活を圧迫するし、老人の面倒をみる「60代」あたりの生活にも響く。
静かな警告の書、という感じだが、ときおりゾッとすることもある。
真面目な,いい本である。