んんん〜
この設定、SF要素を全て抜いて、トレンディドラマっぽくしたら、
普通にテレビドラマ化とか映画化とか可能だったんじゃないかな!?
ここ数年のテレビドラマを全て思い返しても、コレ以上のものはなかなか無いと思いますよ。
要は、SF要素ありきで、家族の意味や存在価値について、現在という時代に対する再構築、
というテーマの漫画だと思うのですが(ややコメディ寄りですので、楽しく読めますが)
SF要素以上に、後半の家族価値の再考が1冊までの中でも素晴らしく、
もっと広く読まれていけばいいなぁと思います。
と強く色々と思うくらいに、主人公に魅力があります。
(特にメイン主人公の身長が高く大柄な男の子に最大の魅力があります)
そしてまた、庄司創さんのセリフ回しでは
ありきたりな現象と思いがちで見過ごしがちな現象について
短い言葉で鋭く内奥を突くのが上手いです。
この作者は元々「2つの相反する状態」に対して、「立場の異なる2つの意見を対決させ」
その上で「既存の2つの意見を超える、1歩前に進めた意見を生成する」のが上手い作者です。
この1冊の、僅かなページの中で
家出同然で家庭を抜け出してきた主人公の1人を追ってきた、その主人公の祖父というキャラクターが
「ニュースのような事故や暴力で死ぬ人間など滅多にいない
人は日常で淘汰される
[こんなことで人の価値や運命は決まらない]と思うような
ほんの些細なことで淘汰されてしまうんだ
人がいらなくなってきてるからな
戦いから逃げ出すな
なにもいいことはない
帰って来い」
というセリフに対して
「この人が どこで なにと戦うのかを決めるのは
あなたではない(この人自身の人生を選択するべきなのはこの人でしかない)
〜〜中略〜〜
自分の戦場を自分で決められる人たちに、俺は憧れます
心配で頼りなかった子が道を切り開こうとしているんですよ
どうして喜ばないんですか?」
あー、1つのやりとりから、これだけ抜き出しても、魅力が全然再構築できない!
〜〜中略〜〜の部分や、その前後の「物語」があってこその、これらセリフなんですよ。
セリフ回しと主人公たちの、2つの魅力が合わさって、「物語」でしか構築できない「インパクトの有る結論」をふんわり構築している作品です。
やや、コメディ要素を入れてきたのもあって、
この作品の前日譚あるいは同時間軸の話としての作者の前作
2008年四季賞「三文未来の家庭訪問」より笑いを呼びますが
(特に2015年1月号の「あいつは理性の神だ」でかなりウケました)
内容自体は硬派なのに万人向けという万能に調節されているので、
SF要素というハードルを超えて広く読まれたらいいなと思います。
なお、件の「デザインヒューマン」については「近い将来では絶対無理」と思います。
どうあがいても、あんなに上手く品種改良できないんじゃないかなあと。
植物や動物の遺伝子操作はあるにはありますが、個体の性質性格まで細かく設定するのは難しいんじゃないかな。
犬猫馬などにおける品種改良の歴史を見ても、ストライクを出すのは難しく
また純血種が混乱していくのは、特に飼い犬飼い猫の純血種交雑の結果を見ればわかりやすいと思います。
つまり、まぁ、SF要素としては破綻してるし、実現性が無く、
男女性別の実験的な考察、という枠からは抜けることは難しいなーと端的に思います。
それはそれとして、漫画としては面白いです。

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白馬のお嫁さん(1) (アフタヌーンKC) コミック – 2014/11/21
庄司 創
(著)
男だけど、妊娠して子供が産める「産む男」がいる時代。外見はほとんど女の子な“彼ら”のうちの3人は、高校在学中に結婚相手を見つけると決意を燃やしてた。そんな彼らは、高校入学を機に、北海道の礼文島からやってきた清隆と出会う。なんと、清隆も親から結婚相手を見つけてこいと言われていた! “嫁探し”を目標として、協力し合うことを4人で誓う。リスク大嫌いな清隆と、産む男3人が贈る、コミカル嫁取りドラマ、開幕!
- 本の長さ232ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日2014/11/21
- ISBN-104063880133
- ISBN-13978-4063880137
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2014年11月29日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2019年3月4日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
「三文未来の家庭訪問」という傑作短編集を生み出した庄司創の近未来ラブコメ。
独自の未来感は短編から引き継がれており、一般のラブコメとは一線を画す内容となっています。
主人公をはじめとする登場人物の性格がユニークで飽きさせません。3巻という巻数もちょうどよくいい終わり方だったと思います。
現代とは価値観が違う未来ですので、読者が驚き登場人物はいたって普通というズレを楽しんでほしい漫画です。
独自の未来感は短編から引き継がれており、一般のラブコメとは一線を画す内容となっています。
主人公をはじめとする登場人物の性格がユニークで飽きさせません。3巻という巻数もちょうどよくいい終わり方だったと思います。
現代とは価値観が違う未来ですので、読者が驚き登場人物はいたって普通というズレを楽しんでほしい漫画です。
2014年11月21日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
(少し内容に触れています)
ちょっと未来か少しずれた世界。
遺伝子操作が普及し、様々な理由で男性を決定するY遺伝子の改造を受けた高校生を優待する下宿に地方から出てきた老け顔の15歳氏家清隆。
雨で冷え切った彼が共同浴場で観たのは中性的な外観の美少年、正臣、学、主馬の三人。
彼らの股間には未知の器官が付いていた…。
衝撃的だった作者の四季賞入選作「三文未来の家庭訪問」の設定を一部継承した作品。
少し画風が洗練され、前作の「勇者ヴォグ・ランバ」とは一転、TS物の様でちょっと違う「生む男性」を主役にしたSFドタバタ嫁取りコメディ。
彼らの遺伝子を操作した所属教団がカルト指定され、両親は収監、教団はバラバラにされてしまったと言う、一見悲惨な生い立ちの「生める男性」陣三人組が、見目麗しいだけでなく非常に前向きで、自分達の子孫を残す事にかんして真摯かつ悪びれず、かつ計略に長けている様子が新鮮です。
彼らと成り行きで同居する事になる、こちらも辺境の出身で別件のY遺伝子改造を受けているらしき氏家清隆と、市井の人々を巻き込んで起こる騒動をおもしろおかしく描くと共に、性とは、ジェンダーとは、社会とは、生殖とは何か、を少しずつ考えさせる作品です。
子育てにおける、心理学や大脳生理学的な面「何故人は赤ちゃんを可愛いと思うか。」等にも踏み込んだ薀蓄も楽しみです。
そもそも微妙なニッチの作品の上、立派な外観なのにやたらとパニくる氏家と、作者の描く巧まざる妙な色気が有る少年達の様子はテーマ共々人々を確信犯的に惑わす面も御座いますが、破壊や人死が出ない異色SFとして実に面白いです。
従来の人類にはない、非実在の生殖器をどう漫画内で表現するかも見所。
ちょっと未来か少しずれた世界。
遺伝子操作が普及し、様々な理由で男性を決定するY遺伝子の改造を受けた高校生を優待する下宿に地方から出てきた老け顔の15歳氏家清隆。
雨で冷え切った彼が共同浴場で観たのは中性的な外観の美少年、正臣、学、主馬の三人。
彼らの股間には未知の器官が付いていた…。
衝撃的だった作者の四季賞入選作「三文未来の家庭訪問」の設定を一部継承した作品。
少し画風が洗練され、前作の「勇者ヴォグ・ランバ」とは一転、TS物の様でちょっと違う「生む男性」を主役にしたSFドタバタ嫁取りコメディ。
彼らの遺伝子を操作した所属教団がカルト指定され、両親は収監、教団はバラバラにされてしまったと言う、一見悲惨な生い立ちの「生める男性」陣三人組が、見目麗しいだけでなく非常に前向きで、自分達の子孫を残す事にかんして真摯かつ悪びれず、かつ計略に長けている様子が新鮮です。
彼らと成り行きで同居する事になる、こちらも辺境の出身で別件のY遺伝子改造を受けているらしき氏家清隆と、市井の人々を巻き込んで起こる騒動をおもしろおかしく描くと共に、性とは、ジェンダーとは、社会とは、生殖とは何か、を少しずつ考えさせる作品です。
子育てにおける、心理学や大脳生理学的な面「何故人は赤ちゃんを可愛いと思うか。」等にも踏み込んだ薀蓄も楽しみです。
そもそも微妙なニッチの作品の上、立派な外観なのにやたらとパニくる氏家と、作者の描く巧まざる妙な色気が有る少年達の様子はテーマ共々人々を確信犯的に惑わす面も御座いますが、破壊や人死が出ない異色SFとして実に面白いです。
従来の人類にはない、非実在の生殖器をどう漫画内で表現するかも見所。
2014年12月3日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
三文未来の家庭訪問が面白かったので、一応ストーリー背景が
続いているこの本を楽しみにしていました。
初回にいきなりXX(伏字しますね)を露出する展開で、何度読んでも
笑ってしまいます。(ちゃんと本文に注釈も入っております)
登場人物それぞれが抱える生物学的性差が
2巻以降でどのような展開になるのがすごく気になりました。
続いているこの本を楽しみにしていました。
初回にいきなりXX(伏字しますね)を露出する展開で、何度読んでも
笑ってしまいます。(ちゃんと本文に注釈も入っております)
登場人物それぞれが抱える生物学的性差が
2巻以降でどのような展開になるのがすごく気になりました。
2014年12月12日に日本でレビュー済み
「百舌谷さん逆上する」というマンガを思い出しました。
あちらが「ツンデレ」という属性を物凄くややこしく、真面目に、面白く描いたものであるならば、
こちらは今流行り(?)の「男の娘」をややこしく、大真面目に、社会風刺的に描いたものだと思います。
主人公を含め、登場人物は皆、大変魅力的に仕上がっています。
タイトルも、表紙も全く内容に触れた感じがしませんから、何とも謎なマンガですが、これはまったく新しい、男の娘が生まれそうな作品だと思ってます。
我ながら浅い見方ですが。
あちらが「ツンデレ」という属性を物凄くややこしく、真面目に、面白く描いたものであるならば、
こちらは今流行り(?)の「男の娘」をややこしく、大真面目に、社会風刺的に描いたものだと思います。
主人公を含め、登場人物は皆、大変魅力的に仕上がっています。
タイトルも、表紙も全く内容に触れた感じがしませんから、何とも謎なマンガですが、これはまったく新しい、男の娘が生まれそうな作品だと思ってます。
我ながら浅い見方ですが。
2014年12月31日に日本でレビュー済み
要するに可愛い娘(に見える男)たちと清隆(主人公)の共同生活を描いた作品です。こんな書き方をするとただのハーレム漫画かと思われそうですが、そうではありません。様々なシチュエーションの背徳感も勿論楽しめますが、どちらかと言えば日常のまったり・ほのぼのとした雰囲気を味わえる作品です。優しい絵柄とストーリーは読んでいてとても癒されます。