Eテレ「美輪明宏 愛のモヤモヤ相談室」で、美輪さんがこの本のことをご自分で紹介されていたので、手に取ってみることにしました。
文字が大きく総ルビなのでとても読みやすく、また心に残る書物です。
本のタイトル「ああ正負の法則」の「ああ」とは、美輪さんが真理に感嘆し、諦観の境地にまで達したことを示す感動詞でしょうか?
確かに、壮絶とも言える生き様の中から美輪さんが掴み取った「真実」がここそこに散りばめられています。
この本に書かれていることが、全て正しいと思ったわけではないのですが、具体的な人物の顔が頭に浮かんだり、自分の体験と照らし合わせて「うんうん」と頷くことが何度も何度もありました。
例えば、「常に幸福感を味わえる方法とは、どんなことでも何でもよいから＜感謝すること＞を自分の中に、まわりに探して見つけること」とか、「苦しんだ人ほど、それがたとえささやかでも幸せがおとずれた時に、苦しまなかった人の何倍もの幸せを感じることができる」とか、「人間関係で一番大事なのは＜腹八分目＞でなく＜腹六分目＞」とか、「イヤなことを我慢して＜負＞を背負うからそれだけのものをいただける」とか、「＜孤独＞とは惨めでも哀れでもなく、毅然とした、誇り高い姿」とか・・・。
また、美輪さんによれば、男性は「ひ弱で繊細」、女性は「図太くて生命力が強い」ということになり、これは世に言う「男らしさ」「女らしさ」とは真逆に思えます。しかし、「女らしさ」が、男性が勝手に女性にこうあってほしいと押し付けた概念であるとすれば、「真実」を見定めた美輪さんの意見は正しい思うようになりました。
そして、当たり前のようですが、良いことばかりが続くわけでなく、悪いことばかりも続くわけではない。苦労すれば必ず報われる。成功は血のにじむような努力あってこそ。というようなことが素直に心に入ってきました。
美輪さんは、序文で「この本は、人生のカンニングペーパーです」と書いておられますが、私には「人生の清涼剤」であるように感じられました。
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