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「がんは治る!」時代が来た 単行本(ソフトカバー) – 2010/8/24
菱川 良夫
(著)
手術なし、副作用なし、入院なしの夢の治療が始まっている。がん治療の最前線を重粒子線治療の第一人者が説く。
- 本の長さ227ページ
- 言語日本語
- 出版社PHP研究所
- 発売日2010/8/24
- ISBN-104569790712
- ISBN-13978-4569790718
登録情報
- 出版社 : PHP研究所 (2010/8/24)
- 発売日 : 2010/8/24
- 言語 : 日本語
- 単行本(ソフトカバー) : 227ページ
- ISBN-10 : 4569790712
- ISBN-13 : 978-4569790718
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,870,207位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 1,132位ガン関連
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2013年12月20日に日本でレビュー済み
著者の菱川良夫博士は、神戸大学医学部を卒業され、現在、鹿児島県指宿市にあるメディポリス医学研究財団・がん粒子線治療研究センター長を務められている。神戸大学医学部といえば、人工多能性幹細胞(iPS細胞)研究の第一人者で、2012年にノーベル生理学・医学賞を受賞された京都大学iPS細胞研究所所長の山中伸弥博士も、確か同大学を卒業されている。日本の最先端医療をリードするお二人であるが、共に神戸大学のご出身であるということが非常に興味をそそられる。同校は多彩な医学者を輩出している感じだ。
ところで、本書の主題は「がん治療」であるわけだが、まず、思い浮かぶのが菱川博士と同じ放射線科医で、「 がんと闘うな 」などで賛否を巻き起こしている慶應義塾大学医学部講師の近藤誠博士である。併せて、近藤博士は「 医者に殺されない心得 」として、「医者を疑い、自分で調べて考える癖」を身に付けるよう提唱されている。そこで、「現在の日本では、一生の間に2人に1人ががんにかかり、3人に1人ががんによって死亡する」といった実情に鑑み、菱川博士が取り組まれている「がんの治療法」について、当書で考えてみても良い。
私達の知識として、「がん治療」に関しては「外科的手術」「化学療法(抗がん剤治療)」及び「放射線療法」の3点が通常想起され、近藤博士はこうした治療の副作用などを指摘している。しかしながら、広義には「放射線治療」といえるものの、菱川博士が手掛けているのは「粒子線治療(陽子線治療・炭素イオン線治療)」である。従来の「放射線治療」はエックス線やガンマ線といった「光子線」を用いてきたのだが、菱川博士は「粒子線」を使った、一言でいえば「体にやさしい(低侵襲)」さらに「がんの根治」を目指す療法に専意されている。
この「装置型医療」である「粒子線治療」のメカニズムやシステム、そして何と言っても患者へのメリットなどについては、本書を吟味していただくしかないけれども、菱川博士が以前関わっておられた兵庫県立粒子線医療センターでは「粒子線治療」を受ける患者に医者が多かったそうである。無論、現段階において「粒子線治療」が“全てのがんに万能”というわけではない。また、日本の医療制度における位置付けや医療費の問題などクリアすべき課題も少なくない。これらの隘路に対しても、菱川博士は有益な解決策を盛り込んでいる。
今、東日本で「小児甲状腺がん」などの症例が高い頻度で発見されているようだ(これも“特定秘密”か…)。原因は分かりきっているけど、このような子供達のためにも「体にやさしい」がん治療を行う施設が不可欠である。この指宿の施設は「メディカルツーリズム(医療観光)」も視野に入れた「リゾート型(滞在型)がん治療施設」を標榜しているが、何より日本の未来を担う子供達の救済が最優先である。彼ら彼女らのためにも、そして親御さん達のためにも、こうした施設や体制、制度の充実を進めていかねばならないことは言うまでもない。
Amazonで購入
著者の菱川良夫博士は、神戸大学医学部を卒業され、現在、鹿児島県指宿市にあるメディポリス医学研究財団・がん粒子線治療研究センター長を務められている。神戸大学医学部といえば、人工多能性幹細胞(iPS細胞)研究の第一人者で、2012年にノーベル生理学・医学賞を受賞された京都大学iPS細胞研究所所長の山中伸弥博士も、確か同大学を卒業されている。日本の最先端医療をリードするお二人であるが、共に神戸大学のご出身であるということが非常に興味をそそられる。同校は多彩な医学者を輩出している感じだ。
ところで、本書の主題は「がん治療」であるわけだが、まず、思い浮かぶのが菱川博士と同じ放射線科医で、「 がんと闘うな 」などで賛否を巻き起こしている慶應義塾大学医学部講師の近藤誠博士である。併せて、近藤博士は「 医者に殺されない心得 」として、「医者を疑い、自分で調べて考える癖」を身に付けるよう提唱されている。そこで、「現在の日本では、一生の間に2人に1人ががんにかかり、3人に1人ががんによって死亡する」といった実情に鑑み、菱川博士が取り組まれている「がんの治療法」について、当書で考えてみても良い。
私達の知識として、「がん治療」に関しては「外科的手術」「化学療法(抗がん剤治療)」及び「放射線療法」の3点が通常想起され、近藤博士はこうした治療の副作用などを指摘している。しかしながら、広義には「放射線治療」といえるものの、菱川博士が手掛けているのは「粒子線治療(陽子線治療・炭素イオン線治療)」である。従来の「放射線治療」はエックス線やガンマ線といった「光子線」を用いてきたのだが、菱川博士は「粒子線」を使った、一言でいえば「体にやさしい(低侵襲)」さらに「がんの根治」を目指す療法に専意されている。
この「装置型医療」である「粒子線治療」のメカニズムやシステム、そして何と言っても患者へのメリットなどについては、本書を吟味していただくしかないけれども、菱川博士が以前関わっておられた兵庫県立粒子線医療センターでは「粒子線治療」を受ける患者に医者が多かったそうである。無論、現段階において「粒子線治療」が“全てのがんに万能”というわけではない。また、日本の医療制度における位置付けや医療費の問題などクリアすべき課題も少なくない。これらの隘路に対しても、菱川博士は有益な解決策を盛り込んでいる。
今、東日本で「小児甲状腺がん」などの症例が高い頻度で発見されているようだ(これも“特定秘密”か…)。原因は分かりきっているけど、このような子供達のためにも「体にやさしい」がん治療を行う施設が不可欠である。この指宿の施設は「メディカルツーリズム(医療観光)」も視野に入れた「リゾート型(滞在型)がん治療施設」を標榜しているが、何より日本の未来を担う子供達の救済が最優先である。彼ら彼女らのためにも、そして親御さん達のためにも、こうした施設や体制、制度の充実を進めていかねばならないことは言うまでもない。
2011年12月12日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
粒子線による、がんの最新の治療について書かれています。
体への負担が少なく、通院のみで治療できる時代になりつつあります。
大切なのは、早期発見・早期治療だと思いました。
体への負担が少なく、通院のみで治療できる時代になりつつあります。
大切なのは、早期発見・早期治療だと思いました。
2014年2月28日に日本でレビュー済み
【がんになったら】
膵臓がんになったら、粒子線治療を選択することに決めた。なぜなら、●手術をしない、●ピンポイントでがん細胞のDNA(=がん細胞のコピー機)を切断する、●正常な細胞・組織を傷つけない、●治療後の社会復帰に支障を来さない、●完治が期待できる――と、いいこと尽くめだからである。
テレビ番組「カンブリア宮殿」で菱川良夫の取り組みを知り、『「がんは治る!」時代が来た』(菱川良夫著、PHP研究所)で、さらに理解を深めることができた。
「現在の日本では、一生の間に2人に1人ががんにかかり、3人に1人ががんによって死亡する――というデータが出ています。この割合は今後さらに高まることが予測され、現時点ですでに『一生の間にがんを経験する割合は過半数を超えている』と分析する医師もいるほどで、この本を読んでいるあなたも例外ではありません」。
【がん3大治療法】
がん3大治療法として、手術、化学療法(抗がん剤治療)、放射線療法が挙げられているが、化学療法について、「近年、『分子標的治療薬』という新しいタイプの抗がん剤が開発され、話題を集めています。これはがん組織にだけ現れるタンパク質にくっついて攻撃するというもので、従来の絨毯爆撃からピンポイント攻撃へと戦略を変えた画期的な治療薬といえるものです。治療効果が高い上に、副作用は小さく、安全で精度の高い化学療法が可能になりました」と述べるなど、著者の公平な記述には好感が持てる。
放射線治療には、●小線源治療、●ガンマナイフ、サイバーナイフ、ノヴァリス(定位放射線治療)、IMRT(強度変調放射線治療)、●粒子線治療――があり、粒子線治療には、陽子線治療と炭素イオン線治療(重粒子線治療)がある。著者は、自分が推進中の陽子線治療に焦点を絞って説明を展開している。
【陽子線治療】
「従来の放射線治療がエックス線やガンマ線とよばれる『光子線』を使っていたのに対して、陽子線や炭素イオン線といった『粒子線』を使って行われる放射線治療。狙った臓器よりも先に突き抜けていく性質を持つ光子線に対して、粒子線は体の一定の深さで止まるという特徴があり、これを生かして周囲の正常組織に影響を与えることなく、がんの病巣だけを正確かつ強力に攻撃することができる治療法です。巨大な装置を必要とし、現在、日本に11カ所の治療施設があります。他の放射線治療法が1つの装置につき患者さんも1人に限定されているのに対し、粒子線治療は治療室の数だけ並行して治療が可能で、その分多くの患者さんを受け入れることができます」。
「医学が発展し、がんへの攻撃力については一定の水準に達した今、次のステップとして、攻撃力はそのままで、患者さんが受けるダメージを極力小さなものとする――という大きなテーマが医療の世界を支配するようになりました」。すなわち、低侵襲治療という考え方である。実際、1回の照射は約1分間で、痛みも熱も感じない完全無痛かつ強力な治療法だと、著者は胸を張る。
しかし、マイナス面もある。●現状は健康保険が適用されない自由診療のため、約300万円という高額な費用がかかること、●治療期間が長期――前立腺がん:8週間、頭頸部がん、膵臓がん:5週間、肺がん、肝臓がん:2週間――に亘ること(ただし、照射が終われば、その後は自由時間なので、治療期間中も1日の大半は自由に動き回ることができる)、●胃がん、大腸がん、卵巣がん、膀胱がん、ならびに転移がんなどには不向きであること――である。
「私は、従来の標準治療を決して否定するつもりはありません。がんのタイプや状況によって、粒子線よりも優れた標準治療はあります。また現段階では粒子線治療でも対応できないがんがあることも事実です。そうしたそれぞれの治療法の得意な部分と不得意な部分をお互いに補い合って、結果として全体の治療成績が高まればいいと思います」。粒子線治療という辛くない、楽な治療プロセスを選択肢の一つとして加えてほしい、これが著者の切なる願いなのだ。著者のこの姿勢は、患者、患者予備軍、そして将来の患者候補にとって力強い励ましメッセージとなるだろう。
膵臓がんになったら、粒子線治療を選択することに決めた。なぜなら、●手術をしない、●ピンポイントでがん細胞のDNA(=がん細胞のコピー機)を切断する、●正常な細胞・組織を傷つけない、●治療後の社会復帰に支障を来さない、●完治が期待できる――と、いいこと尽くめだからである。
テレビ番組「カンブリア宮殿」で菱川良夫の取り組みを知り、『「がんは治る!」時代が来た』(菱川良夫著、PHP研究所)で、さらに理解を深めることができた。
「現在の日本では、一生の間に2人に1人ががんにかかり、3人に1人ががんによって死亡する――というデータが出ています。この割合は今後さらに高まることが予測され、現時点ですでに『一生の間にがんを経験する割合は過半数を超えている』と分析する医師もいるほどで、この本を読んでいるあなたも例外ではありません」。
【がん3大治療法】
がん3大治療法として、手術、化学療法(抗がん剤治療)、放射線療法が挙げられているが、化学療法について、「近年、『分子標的治療薬』という新しいタイプの抗がん剤が開発され、話題を集めています。これはがん組織にだけ現れるタンパク質にくっついて攻撃するというもので、従来の絨毯爆撃からピンポイント攻撃へと戦略を変えた画期的な治療薬といえるものです。治療効果が高い上に、副作用は小さく、安全で精度の高い化学療法が可能になりました」と述べるなど、著者の公平な記述には好感が持てる。
放射線治療には、●小線源治療、●ガンマナイフ、サイバーナイフ、ノヴァリス(定位放射線治療)、IMRT(強度変調放射線治療)、●粒子線治療――があり、粒子線治療には、陽子線治療と炭素イオン線治療(重粒子線治療)がある。著者は、自分が推進中の陽子線治療に焦点を絞って説明を展開している。
【陽子線治療】
「従来の放射線治療がエックス線やガンマ線とよばれる『光子線』を使っていたのに対して、陽子線や炭素イオン線といった『粒子線』を使って行われる放射線治療。狙った臓器よりも先に突き抜けていく性質を持つ光子線に対して、粒子線は体の一定の深さで止まるという特徴があり、これを生かして周囲の正常組織に影響を与えることなく、がんの病巣だけを正確かつ強力に攻撃することができる治療法です。巨大な装置を必要とし、現在、日本に11カ所の治療施設があります。他の放射線治療法が1つの装置につき患者さんも1人に限定されているのに対し、粒子線治療は治療室の数だけ並行して治療が可能で、その分多くの患者さんを受け入れることができます」。
「医学が発展し、がんへの攻撃力については一定の水準に達した今、次のステップとして、攻撃力はそのままで、患者さんが受けるダメージを極力小さなものとする――という大きなテーマが医療の世界を支配するようになりました」。すなわち、低侵襲治療という考え方である。実際、1回の照射は約1分間で、痛みも熱も感じない完全無痛かつ強力な治療法だと、著者は胸を張る。
しかし、マイナス面もある。●現状は健康保険が適用されない自由診療のため、約300万円という高額な費用がかかること、●治療期間が長期――前立腺がん:8週間、頭頸部がん、膵臓がん:5週間、肺がん、肝臓がん:2週間――に亘ること(ただし、照射が終われば、その後は自由時間なので、治療期間中も1日の大半は自由に動き回ることができる)、●胃がん、大腸がん、卵巣がん、膀胱がん、ならびに転移がんなどには不向きであること――である。
「私は、従来の標準治療を決して否定するつもりはありません。がんのタイプや状況によって、粒子線よりも優れた標準治療はあります。また現段階では粒子線治療でも対応できないがんがあることも事実です。そうしたそれぞれの治療法の得意な部分と不得意な部分をお互いに補い合って、結果として全体の治療成績が高まればいいと思います」。粒子線治療という辛くない、楽な治療プロセスを選択肢の一つとして加えてほしい、これが著者の切なる願いなのだ。著者のこの姿勢は、患者、患者予備軍、そして将来の患者候補にとって力強い励ましメッセージとなるだろう。