内田樹氏は修行に関して持論を展開していますが、本書は元ラグビー選手の平尾剛氏との対談を収録。昔ラグビーをやっていた私としては、そこに惹かれて購入しました。
武道(合気道)とラグビー。どこに接点があるのかな?というのが大きな興味でした。
平尾(元)選手は、同志社大学時代に注目されていた選手だった記憶があります。神戸製鋼に進んだあとは、私もラグビーをそんなに見ることもなくなり、その後の活躍を知りませんでしたが、最終的には昔やった脳震盪の後遺症のため引退したとのこと。
そんなトップアスリートの平尾(元)選手が一線を退き、指導者側に回った時に「運動嫌い」の子供たちがいっぱいいる現実に直面。
一方で、「身体の弱い」「運動ができない」子供時代を過ごしたのち合気道と出会い、身体の潜在的な力を100%発揮させようとしてきた内田氏。
面白いのは、このように全く逆(?)の運動能力の二人が、今同じ問題意識でいること。
現在の子供たちの運動能力の評価が、数値目標の中でなされていることへの違和感ということでしょうか?言語化されていない、数値化されていない中に、身体の本質的な動きがあり、それを発掘するように運動能力を開発すべきである、というのが二人の認識です。
非常に面白い考えだと思うし、ラグビーをやってきた私にとっては新鮮な考え方。
ただ、二人も対談の中でも言っているように、どうしてもエビデンスがない話が多い。それが、運動経験者には違和感を感じるかもしれません。
しかしながら一方で、その違和感を感じること自体が、数値目標の中で運動能力を高めようとしてきた証なのでしょうね。
こういったわけで、実感としてすんなり理解できているわけではないのが実際のところ。
しかしながら、私もラグビーを子供たちに教えるお手伝いをしているので、二人が主張されている運動能力の開発の方向も念頭においておきたいなと思います。そうでないと、同じことを繰り返すだけですからね。
平易な言葉で会話されていますが、なかなか難しい内容の一冊でした。
それだけに刺激的でしたけど。
スポーツ指導をされている方は、肯定するにしても否定するにしても、一読をお薦めします。

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ぼくらの身体修行論 (朝日文庫) 文庫 – 2015/3/9
思想家にして武道家のウチダ先生と、
元神戸製鋼ラグビー部選手・元日本代表の平尾剛氏が
身体論をめぐって意気投合。
スポーツ嫌いの子どもが増える理由や筋トレの有効性、
勝敗や数値では測れない
カラダの魅力と潜在力について語り尽くす。
読みごたえ十分の文庫版オリジナル特別対談
「進化する身体論」も収録!
【目次】
文庫版のためのまえがき(内田樹)
はじめに
第1章 身体とコミュニケーション
第2章 身体と師匠
第3章 身体と感受性
第4章 おわりに
ボーナストラック特別対談 進化する身体論
文庫版のためのあとがき(平尾剛)
【著者について】
内田 樹(うちだ たつる)
1950年東京都生まれ。
武道家、思想家、多田塾甲南合気道師範、神戸女学院大学名誉教授。
武道と哲学のための学塾「凱旋館」館長。
著書に、『私家版・ユダヤ文化論』(小林秀雄賞)、
『日本辺境論』(新書大賞)、
『街場の五輪論』『街場の戦争論』『内田樹の大市民講座』など。
平尾 剛(ひらお つよし)
1975年大阪府生まれ。
神戸親和女子大学講師。
専門はスポーツ教育、身体論。
元ラグビー日本代表(同志社大学―神戸製鋼)。
著書に、『近くて遠いこの身体』など。
元神戸製鋼ラグビー部選手・元日本代表の平尾剛氏が
身体論をめぐって意気投合。
スポーツ嫌いの子どもが増える理由や筋トレの有効性、
勝敗や数値では測れない
カラダの魅力と潜在力について語り尽くす。
読みごたえ十分の文庫版オリジナル特別対談
「進化する身体論」も収録!
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文庫版のためのまえがき(内田樹)
はじめに
第1章 身体とコミュニケーション
第2章 身体と師匠
第3章 身体と感受性
第4章 おわりに
ボーナストラック特別対談 進化する身体論
文庫版のためのあとがき(平尾剛)
【著者について】
内田 樹(うちだ たつる)
1950年東京都生まれ。
武道家、思想家、多田塾甲南合気道師範、神戸女学院大学名誉教授。
武道と哲学のための学塾「凱旋館」館長。
著書に、『私家版・ユダヤ文化論』(小林秀雄賞)、
『日本辺境論』(新書大賞)、
『街場の五輪論』『街場の戦争論』『内田樹の大市民講座』など。
平尾 剛(ひらお つよし)
1975年大阪府生まれ。
神戸親和女子大学講師。
専門はスポーツ教育、身体論。
元ラグビー日本代表(同志社大学―神戸製鋼)。
著書に、『近くて遠いこの身体』など。
- 本の長さ304ページ
- 言語日本語
- 出版社朝日新聞出版
- 発売日2015/3/9
- 寸法14.8 x 10.5 x 1.2 cm
- ISBN-104022618256
- ISBN-13978-4022618252
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登録情報
- 出版社 : 朝日新聞出版 (2015/3/9)
- 発売日 : 2015/3/9
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 304ページ
- ISBN-10 : 4022618256
- ISBN-13 : 978-4022618252
- 寸法 : 14.8 x 10.5 x 1.2 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 743,306位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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1950(昭和25)年東京都生まれ。東京大学文学部仏文科卒。現在、神戸女学院大学文学部総合文化学科教授。専門はフランス現代思想。ブログ「内田樹の研究室」を拠点に武道(合気道六段)、ユダヤ、教育、アメリカ、中国、メディアなど幅広いテーマを縦横無尽に論じて多くの読者を得ている。『私家版・ユダヤ文化論』(文春新書)で第六回小林秀雄賞受賞、『日本辺境論』(新潮新書)で第三回新書大賞を受賞。二〇一〇年七月より大阪市特別顧問に就任。近著に『沈む日本を愛せますか?』(高橋源一郎との共著、ロッキング・オン)、『もういちど村上春樹にご用心』(アルテスパブリッシング)、『武道的思考』(筑摩選書)、『街場のマンガ論』(小学館)、『おせっかい教育論』(鷲田清一他との共著、140B)、『街場のメディア論』(光文社新書)、『若者よ、マルクスを読もう』(石川康宏との共著、かもがわ出版)などがある。