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「無限と連続」の数学―微分積分学の基礎理論案内― 単行本 – 2005/9/1
瀬山 士郎
(著)
「ロルの定理」は最大値の存在定理を使って証明されるが
「最大値の存在」は数学的にはどう証明すればいいのか
本書は微分積分学の基礎理論を見つめ、その基盤となる位相空間論の入り口まで読者を誘う。
イメージだけでも理論だけでも理解しづらい難関を、著者ならではのユニークな構成にしたがって、
一つ一つじっくり解説する。
もくじ
第1章 ロルの定理を見直す
第2章 実数の連続性ということ
第3章 数列の極限と四則演算
第4章 関数の連続性について
第5章 関数の一様連続性と積分の存在
第6章 位相空間と連続写像
「最大値の存在」は数学的にはどう証明すればいいのか
本書は微分積分学の基礎理論を見つめ、その基盤となる位相空間論の入り口まで読者を誘う。
イメージだけでも理論だけでも理解しづらい難関を、著者ならではのユニークな構成にしたがって、
一つ一つじっくり解説する。
もくじ
第1章 ロルの定理を見直す
第2章 実数の連続性ということ
第3章 数列の極限と四則演算
第4章 関数の連続性について
第5章 関数の一様連続性と積分の存在
第6章 位相空間と連続写像
- 本の長さ177ページ
- 言語日本語
- 出版社東京図書
- 発売日2005/9/1
- 寸法14.8 x 1.4 x 21 cm
- ISBN-104489007086
- ISBN-13978-4489007088
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登録情報
- 出版社 : 東京図書 (2005/9/1)
- 発売日 : 2005/9/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 177ページ
- ISBN-10 : 4489007086
- ISBN-13 : 978-4489007088
- 寸法 : 14.8 x 1.4 x 21 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 374,461位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 609位数学一般関連書籍
- カスタマーレビュー:
著者について
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2007年6月30日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
「ε-δ論法」を大学教養課程の数学解説書は、「わかるかなー、受験勉強ばっかりやってきた君たちの頭ではちょっと無理かもね」という調子で扱ってきました。
高校の受験参考書になると、「理解出来る余裕のある人はそのさわりだけ紹介します、理解できなくても心配ありません」という調子で、数学を根底から理解しようとする真面目な高校生をスポイルしてきたように思います。その結果、dx/dyは分数なのか演算を表現しているかの疑問を殺して、大学受験生は黙々と演習に励む結果を招いていたのではないでしょうか。
ところが、本書は「ε-δ論法」は解析学が立脚する位相空間論の理解の支点として、無限や連続性の思考が端的に表現されていると捉える点において、類書と全く異なっています。
大学受験勉強でお世話になった「平均値の定理」から始り、「ロルの定理」を通じ「ε-δ論法」を理解の支点として、位相空間理論への道筋をつけていく筆者の構成のうまさは長年大学教養課程の数学教育に携ってこられた豊富な経験からのフィードバックであると理解しました。
本書の最後にはブックガイドがついており、さらに勉強を深めたい読者にも配慮が行届いた構成です。理系の高校3年生や予備校生、「一般均衡解の存在証明に位相空間理論の理解が必要になる経済学部生」が夏休みに読む本として、お奨めします。
高校の受験参考書になると、「理解出来る余裕のある人はそのさわりだけ紹介します、理解できなくても心配ありません」という調子で、数学を根底から理解しようとする真面目な高校生をスポイルしてきたように思います。その結果、dx/dyは分数なのか演算を表現しているかの疑問を殺して、大学受験生は黙々と演習に励む結果を招いていたのではないでしょうか。
ところが、本書は「ε-δ論法」は解析学が立脚する位相空間論の理解の支点として、無限や連続性の思考が端的に表現されていると捉える点において、類書と全く異なっています。
大学受験勉強でお世話になった「平均値の定理」から始り、「ロルの定理」を通じ「ε-δ論法」を理解の支点として、位相空間理論への道筋をつけていく筆者の構成のうまさは長年大学教養課程の数学教育に携ってこられた豊富な経験からのフィードバックであると理解しました。
本書の最後にはブックガイドがついており、さらに勉強を深めたい読者にも配慮が行届いた構成です。理系の高校3年生や予備校生、「一般均衡解の存在証明に位相空間理論の理解が必要になる経済学部生」が夏休みに読む本として、お奨めします。
2018年3月3日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
イプシロンデルタ論法を用いて微分積分学の入り口を独学でしっかり学ぶことが出来る本の一つになると思われます。高校生でも理解できる解説は秀逸です。
2015年7月13日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
解析学の分野での大学レベルの数学の入り口を知るにはいい書籍です。少しでも数学が関連する学部(数学科はもちろんですが、物理学科、情報学科、経済学部、工学部等)の学生が読まれたらいいでしょう。
2020年5月24日に日本でレビュー済み
本書の目的は、「実数の連続性」や「関数の連続性」という概念を、直観に頼らず厳密に捉え直すことにある。これらは、高校数学では感覚的な理解にとどめているが、大学初年度の微分積分学の講義で最初に扱われる内容であり、いわば大学数学の入り口部分である。記述が丁寧で文章も読みやすく、高校数学から大学数学への橋渡しとしてちょうどいい。
ただし、本書の証明の一部には、論理の飛躍が感じられる箇所もある。自分で証明を書き下しながら読み進めるといいだろう。
□
以下、本書の概要を記しておく。
第1章では、まずロルの定理の証明を検討することから始める。ロルの定理は微分積分学にとって最も根本的な定理のひとつである。というのも、微分はその定義からわかるように関数の局所的な性質を調べるための理論であるが、それを大域的に広げていく根拠となるのが、このロルの定理だからである。事実、ロルの定理の一般化として、平均値の定理、テイラーの定理が証明され、さらに、第1次導関数の符号と関数の増減や、第2次導関数の符号とグラフの凹凸など、微分法に関する基本的な定理が導かれることになる。
このロルの定理の証明において、「閉区間上の連続関数は最大値・最小値をもつ」(ワイエルシュトラスの定理)という、直観的には明らかな命題が前提されていることを確認し、これを厳密に証明することが、本書の目標として設定される。以下の章では、実数の連続性の概念や、関数の連続性の概念を、直観に頼らず厳密に定義していくことになる。
第2章では、実数の連続性をデデキントの切断公理によって定める。それが、上限・下限の存在定理、有界単調数列の収束定理、区間縮小法の原理と同値であることが確認される。第3章ではε-N論法によって数列の極限を、そして第4章ではε-δ論法によって関数の極限と連続性を厳密に定義する。こうして、連続関数の性質として、最大値・最小値の定理が証明されることになる。また、中間値の定理の証明も与えられる。第5章の前半では、ボルツァーノ‐ワイエルシュトラスの定理、ハイネ‐ボレルの定理の証明が与えられ、ここまでの内容が概ね高木貞二『解析概論』第1章の内容と重なる。
第5章の後半では、連続関数の性質として原始関数の存在定理が証明される。第6章では、一般的な位相の概念が導入され、最大値・最小値の定理が位相空間におけるコンパクト性という広い観点に立って見直されることになる。
ただし、本書の証明の一部には、論理の飛躍が感じられる箇所もある。自分で証明を書き下しながら読み進めるといいだろう。
□
以下、本書の概要を記しておく。
第1章では、まずロルの定理の証明を検討することから始める。ロルの定理は微分積分学にとって最も根本的な定理のひとつである。というのも、微分はその定義からわかるように関数の局所的な性質を調べるための理論であるが、それを大域的に広げていく根拠となるのが、このロルの定理だからである。事実、ロルの定理の一般化として、平均値の定理、テイラーの定理が証明され、さらに、第1次導関数の符号と関数の増減や、第2次導関数の符号とグラフの凹凸など、微分法に関する基本的な定理が導かれることになる。
このロルの定理の証明において、「閉区間上の連続関数は最大値・最小値をもつ」(ワイエルシュトラスの定理)という、直観的には明らかな命題が前提されていることを確認し、これを厳密に証明することが、本書の目標として設定される。以下の章では、実数の連続性の概念や、関数の連続性の概念を、直観に頼らず厳密に定義していくことになる。
第2章では、実数の連続性をデデキントの切断公理によって定める。それが、上限・下限の存在定理、有界単調数列の収束定理、区間縮小法の原理と同値であることが確認される。第3章ではε-N論法によって数列の極限を、そして第4章ではε-δ論法によって関数の極限と連続性を厳密に定義する。こうして、連続関数の性質として、最大値・最小値の定理が証明されることになる。また、中間値の定理の証明も与えられる。第5章の前半では、ボルツァーノ‐ワイエルシュトラスの定理、ハイネ‐ボレルの定理の証明が与えられ、ここまでの内容が概ね高木貞二『解析概論』第1章の内容と重なる。
第5章の後半では、連続関数の性質として原始関数の存在定理が証明される。第6章では、一般的な位相の概念が導入され、最大値・最小値の定理が位相空間におけるコンパクト性という広い観点に立って見直されることになる。
2014年5月31日に日本でレビュー済み
(2014/05/31)
まだすべてを理解できていないが、理解できるまで手元において読み返すことができる本だと思う。
本題に至る前の、確認事項にあたる記述も秀逸である。
(2015/01/26追記)
その後、半年ほどかけて読み進み、数列の極限、関数の極限、関数の連続性(イプシロン・デルタ論法)について、それぞれ理解できた。
数列の極限は、自然数(nとは、自然数の意味)での収束を考え、関数の極限を考えるための基礎とする。
関数の極限と、関数の連続性との相違は、ひとつのポイント(91ページ)である。
関数の極限は必ずしもその関数上にない(なくてもいい)のに対し、連続性をいう場合はその関数上で考えなければならない。
瀬山士郎氏の解説がなければ、一生理解することはなかったと確信している。
本書の射程はさらに、一様連続(積分可能性)、集合・位相までも含む(すごいものだ)。
自分は位相はちょっとまだ、というところだが、ゆっくり、進みつ戻りつ理解できればいいと思っている。
(2015/05/06追記)
テーラーの定理の証明(20ページ)について。
「証明技法を十分に鑑賞しましょう」の箇所の備忘。
まず、{f(x)のn階微分}と{(b-x)のn乗}の積の微分は、積の微分の公式による。
積の微分の後、{(b-x)のn乗}の微分は、合成関数の微分の公式による。
つまり、{(b-x)のn乗}の、(b-x)を1つの変数とみた微分は「nと{(b-x)の(n-1)乗}の積」。
これと、(b-x)のxについての微分「-1」とをさらに掛けるのが、合成関数の微分だ。
分からないのは「もちろん(b-x)のr乗は何回でも微分可能だから、」の「rって何?」ということ。
「だから」以下の論理関係(これが結論部分の理由になること)も、分からない。
どなたかお教えいただければ幸いです。
(2017/08/19追記)
142ページの「0=0 という当たり前の式しか出てこない」とは、何を言わんとしているか、やっと分かった。
これは「A=A すなわちA-A=0 すなわち0=0」という、式変形なのだ。
こんなしょ~もないことを理解するのに、3年かかった(2014年~2017年)。
(2018/08/31追記)
とうとうイプシロン・デルタ論法を理解できた気がする。
どんなに小さい関数値イプシロンに対しても、関数に適当なデルタを与えれば、それよりも小さい関数値が得られる、ということ。
以前から、数列の収束については理解できていた。
著者の言い方で「収束しないことの否定」が「収束」という論法のことである。
無限を、ある領域内に取り込むイメージなんだよね。
数列の収束を用いて関数の連続性を表現することも、上記の直前に理解できた(芳沢氏の教科書にも出ている)。
一様連続性が、微分ではなく、積分にかかわるもの大局的性質であることも理解できた。
これらが理解できたので、じゃあイプシロン・デルタも理解できるんじゃないかと思って、再考してみたのだ。
まだすべてを理解できていないが、理解できるまで手元において読み返すことができる本だと思う。
本題に至る前の、確認事項にあたる記述も秀逸である。
(2015/01/26追記)
その後、半年ほどかけて読み進み、数列の極限、関数の極限、関数の連続性(イプシロン・デルタ論法)について、それぞれ理解できた。
数列の極限は、自然数(nとは、自然数の意味)での収束を考え、関数の極限を考えるための基礎とする。
関数の極限と、関数の連続性との相違は、ひとつのポイント(91ページ)である。
関数の極限は必ずしもその関数上にない(なくてもいい)のに対し、連続性をいう場合はその関数上で考えなければならない。
瀬山士郎氏の解説がなければ、一生理解することはなかったと確信している。
本書の射程はさらに、一様連続(積分可能性)、集合・位相までも含む(すごいものだ)。
自分は位相はちょっとまだ、というところだが、ゆっくり、進みつ戻りつ理解できればいいと思っている。
(2015/05/06追記)
テーラーの定理の証明(20ページ)について。
「証明技法を十分に鑑賞しましょう」の箇所の備忘。
まず、{f(x)のn階微分}と{(b-x)のn乗}の積の微分は、積の微分の公式による。
積の微分の後、{(b-x)のn乗}の微分は、合成関数の微分の公式による。
つまり、{(b-x)のn乗}の、(b-x)を1つの変数とみた微分は「nと{(b-x)の(n-1)乗}の積」。
これと、(b-x)のxについての微分「-1」とをさらに掛けるのが、合成関数の微分だ。
分からないのは「もちろん(b-x)のr乗は何回でも微分可能だから、」の「rって何?」ということ。
「だから」以下の論理関係(これが結論部分の理由になること)も、分からない。
どなたかお教えいただければ幸いです。
(2017/08/19追記)
142ページの「0=0 という当たり前の式しか出てこない」とは、何を言わんとしているか、やっと分かった。
これは「A=A すなわちA-A=0 すなわち0=0」という、式変形なのだ。
こんなしょ~もないことを理解するのに、3年かかった(2014年~2017年)。
(2018/08/31追記)
とうとうイプシロン・デルタ論法を理解できた気がする。
どんなに小さい関数値イプシロンに対しても、関数に適当なデルタを与えれば、それよりも小さい関数値が得られる、ということ。
以前から、数列の収束については理解できていた。
著者の言い方で「収束しないことの否定」が「収束」という論法のことである。
無限を、ある領域内に取り込むイメージなんだよね。
数列の収束を用いて関数の連続性を表現することも、上記の直前に理解できた(芳沢氏の教科書にも出ている)。
一様連続性が、微分ではなく、積分にかかわるもの大局的性質であることも理解できた。
これらが理解できたので、じゃあイプシロン・デルタも理解できるんじゃないかと思って、再考してみたのだ。
2007年11月21日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
しっかりした本で驚きました。区間縮小法による厳密な議論がなされています。特にリーマン積分の存在まで一貫した記述になっていて、これは教えるときにもとても効果的だと思います。
現在大学では理科系でもε-δは教えなくなってきていますが、区間縮小法とともにこの理論を教えれば微積分学の大学における再生が可能になるような気がします。
そして、読了できる本であることがすばらしいです。完読できます。日本語の数学の本でどんな簡単なものでも完読することの困難さは誰もが感じることだとは思いますが、本当に完読できます。従って、楽しい。
現在大学では理科系でもε-δは教えなくなってきていますが、区間縮小法とともにこの理論を教えれば微積分学の大学における再生が可能になるような気がします。
そして、読了できる本であることがすばらしいです。完読できます。日本語の数学の本でどんな簡単なものでも完読することの困難さは誰もが感じることだとは思いますが、本当に完読できます。従って、楽しい。
2012年12月3日に日本でレビュー済み
タイトル通り、微分積分学の基礎レベル、高校で扱われるレベルの内容に対して、感覚的な理解ではなく、数学的に厳密な説明を与えることを目的とした本。扱われているトピックは相当限られており、物足りないようにも思えるが、一方で、この辺りの考え方を理解していれば、他の本もおそらく自力である程度読んでいけるだろうとも思える。そういう意味では、本書をじっくり読み、その内容を完全に理解するのが一番の早道なのかもしれない。
読んでいて気になったのは、説明が非常に丁寧に書かれているところがある一方で、簡単にすませてしまっていて、もっと詳しく説明して欲しいと感じさせる箇所も少なからずあった。例えば、dy/dxの意味など類書にないほど丁寧な説明がある一方で、ε-δ論法のεとδの関係などの説明は特になかったし、関数の連続性についても、連続と一様連続がどう違っているかといったことへの言及はなかった。もちろん、説明の詳しさについて、濃淡が生じるのはしょうがないとは思うが、本書のように、非常に限られたトピックのみを扱っているのならば、どのトピックについても詳しい説明があっても良いと思った。
読んでいて気になったのは、説明が非常に丁寧に書かれているところがある一方で、簡単にすませてしまっていて、もっと詳しく説明して欲しいと感じさせる箇所も少なからずあった。例えば、dy/dxの意味など類書にないほど丁寧な説明がある一方で、ε-δ論法のεとδの関係などの説明は特になかったし、関数の連続性についても、連続と一様連続がどう違っているかといったことへの言及はなかった。もちろん、説明の詳しさについて、濃淡が生じるのはしょうがないとは思うが、本書のように、非常に限られたトピックのみを扱っているのならば、どのトピックについても詳しい説明があっても良いと思った。