世界中から非難を浴び、安保理で非難決議まで食らったイスラエルによるイラク原子炉爆撃ですが、
長期的視野で見れば、具体的にはイラクのクウェート侵攻時にイラクが核兵器を実戦配備していたらと考えると、全く違う物が見えてきます。
もし、イスラエルの決断が無かったらどうなっていたことやら…
それにしても、政治的だけで無く、軍事的/技術的にもかなりの綱渡りだったんだなと改めて。

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イラク原子炉攻撃! 単行本(ソフトカバー) – 2007/7/1
ロジャー・クレイア
(著)
- 本の長さ310ページ
- 言語日本語
- 出版社並木書房
- 発売日2007/7/1
- ISBN-104890632158
- ISBN-13978-4890632152
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登録情報
- 出版社 : 並木書房 (2007/7/1)
- 発売日 : 2007/7/1
- 言語 : 日本語
- 単行本(ソフトカバー) : 310ページ
- ISBN-10 : 4890632158
- ISBN-13 : 978-4890632152
- Amazon 売れ筋ランキング: - 591,280位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 85位中東のエリアスタディ
- - 3,477位政治入門
- - 80,317位ノンフィクション (本)
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上位レビュー、対象国: 日本
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2021年10月3日に日本でレビュー済み
ガードの固いイスラエル軍(下手に個人名が漏れると,テロの標的にされるため)のパイロット一人一人にまで取材をしているという,驚嘆すべき本.
そればかりか,(おそらくは)イラク人核物理学者にも取材.
▼
積まれなかった電子妨害装置(p.23)
サダム・フセインの愛好した「歴史」(p.26-27)
カシム首相暗殺未遂の際,パニックを起こしていたサダム(p.32)
その逃亡生活(p.33)
アル=ハザー(p.34)
ハムザの強制帰国(p.35-36)
「イスラエルの核爆弾」なる本(p.38-39)
イスラエルの核武装を推進したペレスの動機(p.41)
ディモナの炉心への立入を禁止される査察官(p.44)
ボタン9個分のプルトニウム(p.45-46)
ディモナの地下の爆弾製造工場(p.46-47)
▼
ソ連流のアコギな商売(p.49)
サダムの食事の検査に使われる研究施設(p.49-50)
ソ連製原子炉が使用不能になった原因(p.50-51)
サダム直々の原子爆弾開発命令(p.53)
フランスからの兵器と原子炉の輸入(p.57)
オシラクとタムーズ(p.58-59)
イスラエル側の見積もり(p.60-61)
外交で解決可能?(p.61)
モサッド側の見解(p.63)
破壊工作(p.68-71)
「ロングナイフの夜」(p.72)
「爆弾用のプルトニウムは,いつになったらできるのかね?」と所長を詰問し,収容所送りにするサダム(p.74-75)
SNIA(p.75)
モサッド潜入(p.76)
ハリム抱き込み(p.75-80)
アル=メシャド(p.86)
磁気濃縮(p.87)
▼
モサッドによる,イラク人核関係者の相次ぐ暗殺(p.87-88)
中止に追い込むためには殆ど影響がなかった暗殺(p.90)
こっそりフランスからイラクへ渡される兵器級ウラニウム(p.89)
放棄されたコマンド作戦(p.90-92)
爆撃のための機種選定(p.92-97)
ジーヴ・ラズ(p.98)
イスラエル国内の社会序列(p.102)
ヤッフェ(p.101-104)
ナチュミ(p.104-107)
SNIAテロ(p.107-108)
F-16の仕様の違い(p.113)
機種転換訓練(p.112,118-)
オシラク内部(p.123-125)
最後の外交(p.126)
「わたしは不人気でも生きていくほうを選ぶね」(p.128)
イスラエル国防軍とペンタゴンとの,意思決定上の違い(p.132-133)
ラモン(p.139-141)
長距離飛行にまつわる問題(p.145-149,169-171)
ヤドリン(p.149)
F-16の燃料タンクの問題(p.150-151)
▼
イラン・イラク戦争は「暗殺未遂」が発端説(p.151)
イランによるオシラク空爆(p.152)
想定される急降下爆撃(p.155-158)
パイロットの事故死(p.160)
スペクター(p.160-169)
リバティ号事件(p.161)
ヤディン(p.172)
世界の航空部隊で撃墜される機体の90%は対空砲火によるもの(p.174)
リスク評価(p.175)
パイロットに持たされるイラク紙幣(p.180)
ペレスのリーク(p.184)
フランスからイラクはウラニウムを受領済み(p.185)
ニーボード(p.198)
SA-6(p.200)
「不時着したならば,すぐに非常用の水を飲め」(p.203)
手袋の指先(p.206)
F-16の故障(p.209-211)
イスラエルのF-16を目撃するヨルダン・フセイン国王(p.216-217)
風邪をひいていても無理矢理参加(p.222)
増水で水没していた,目印の島(p.228)
飛行パターン図解(p.238)
「爆弾が全部,目標から1m以内に落ちるなんて信じられるか!」(p.248)
傷一つない周囲の建物(p.273)
休憩時間に入っていた,対空火器の要員(p.261)
手動による発砲(p.262)
爆発の様子(p.265)
衝撃波のために外れた爆弾(p.266)
原子炉の損傷程度(p.280)
噂(p.280-281)
▼
核兵器取得のための支援要請を行うサダム(p.284)
ベギンの失言(p.287)
ホフィ失脚(p.288-289)
「研究開発室」(p.290)
▼
決して爆撃はたやすいものではなく,入念に計画されて訓練され,また,F-16入手など幸運の要素もあったことが読解可能.
サダム・フセインの核武装が阻止されたのは,きわどいところでだったと言えよう.
爆撃の瞬間の模様などもスリリング.
▼
読め.
【関心率43.55%:全ページ中,手元に残したいページが当方にとってどれだけあるかの割合.当方にとっての必要性基準】
そればかりか,(おそらくは)イラク人核物理学者にも取材.
▼
積まれなかった電子妨害装置(p.23)
サダム・フセインの愛好した「歴史」(p.26-27)
カシム首相暗殺未遂の際,パニックを起こしていたサダム(p.32)
その逃亡生活(p.33)
アル=ハザー(p.34)
ハムザの強制帰国(p.35-36)
「イスラエルの核爆弾」なる本(p.38-39)
イスラエルの核武装を推進したペレスの動機(p.41)
ディモナの炉心への立入を禁止される査察官(p.44)
ボタン9個分のプルトニウム(p.45-46)
ディモナの地下の爆弾製造工場(p.46-47)
▼
ソ連流のアコギな商売(p.49)
サダムの食事の検査に使われる研究施設(p.49-50)
ソ連製原子炉が使用不能になった原因(p.50-51)
サダム直々の原子爆弾開発命令(p.53)
フランスからの兵器と原子炉の輸入(p.57)
オシラクとタムーズ(p.58-59)
イスラエル側の見積もり(p.60-61)
外交で解決可能?(p.61)
モサッド側の見解(p.63)
破壊工作(p.68-71)
「ロングナイフの夜」(p.72)
「爆弾用のプルトニウムは,いつになったらできるのかね?」と所長を詰問し,収容所送りにするサダム(p.74-75)
SNIA(p.75)
モサッド潜入(p.76)
ハリム抱き込み(p.75-80)
アル=メシャド(p.86)
磁気濃縮(p.87)
▼
モサッドによる,イラク人核関係者の相次ぐ暗殺(p.87-88)
中止に追い込むためには殆ど影響がなかった暗殺(p.90)
こっそりフランスからイラクへ渡される兵器級ウラニウム(p.89)
放棄されたコマンド作戦(p.90-92)
爆撃のための機種選定(p.92-97)
ジーヴ・ラズ(p.98)
イスラエル国内の社会序列(p.102)
ヤッフェ(p.101-104)
ナチュミ(p.104-107)
SNIAテロ(p.107-108)
F-16の仕様の違い(p.113)
機種転換訓練(p.112,118-)
オシラク内部(p.123-125)
最後の外交(p.126)
「わたしは不人気でも生きていくほうを選ぶね」(p.128)
イスラエル国防軍とペンタゴンとの,意思決定上の違い(p.132-133)
ラモン(p.139-141)
長距離飛行にまつわる問題(p.145-149,169-171)
ヤドリン(p.149)
F-16の燃料タンクの問題(p.150-151)
▼
イラン・イラク戦争は「暗殺未遂」が発端説(p.151)
イランによるオシラク空爆(p.152)
想定される急降下爆撃(p.155-158)
パイロットの事故死(p.160)
スペクター(p.160-169)
リバティ号事件(p.161)
ヤディン(p.172)
世界の航空部隊で撃墜される機体の90%は対空砲火によるもの(p.174)
リスク評価(p.175)
パイロットに持たされるイラク紙幣(p.180)
ペレスのリーク(p.184)
フランスからイラクはウラニウムを受領済み(p.185)
ニーボード(p.198)
SA-6(p.200)
「不時着したならば,すぐに非常用の水を飲め」(p.203)
手袋の指先(p.206)
F-16の故障(p.209-211)
イスラエルのF-16を目撃するヨルダン・フセイン国王(p.216-217)
風邪をひいていても無理矢理参加(p.222)
増水で水没していた,目印の島(p.228)
飛行パターン図解(p.238)
「爆弾が全部,目標から1m以内に落ちるなんて信じられるか!」(p.248)
傷一つない周囲の建物(p.273)
休憩時間に入っていた,対空火器の要員(p.261)
手動による発砲(p.262)
爆発の様子(p.265)
衝撃波のために外れた爆弾(p.266)
原子炉の損傷程度(p.280)
噂(p.280-281)
▼
核兵器取得のための支援要請を行うサダム(p.284)
ベギンの失言(p.287)
ホフィ失脚(p.288-289)
「研究開発室」(p.290)
▼
決して爆撃はたやすいものではなく,入念に計画されて訓練され,また,F-16入手など幸運の要素もあったことが読解可能.
サダム・フセインの核武装が阻止されたのは,きわどいところでだったと言えよう.
爆撃の瞬間の模様などもスリリング.
▼
読め.
【関心率43.55%:全ページ中,手元に残したいページが当方にとってどれだけあるかの割合.当方にとっての必要性基準】
2012年5月11日に日本でレビュー済み
イスラエルはイランの原子炉攻撃を示唆しているが
この国を取り巻く環境を実感を持ってとらえられない人からすれば
「とんでもない話」である。
しかし、この国が本気で攻撃する可能性を持っていて
かつ、国際世論を敵に回してもそうしなければならない事情があることは
本書を読めばよくわかる。
1981年にイラクの原子炉を航空攻撃により破壊するという
前代未聞のミッションを敢行するまでの歴史的背景やいきさつが
当時の関係者からの取材に基づき書かれている。
ノンフィクションだが
フィクションではないのか?と錯覚するほどのスケール感で
その緊張感は下手なフィクションを寄せ付けない。
本テーマを題材にしたフィクションで「スナップ・ショット」という小説があるが
本書の迫力に及ばない。
今後のイスラエルの動向に関心がある方には
是非読んでほしいし
単なる読み物としても十二分な読み応えがあるのでお勧めです。
この国を取り巻く環境を実感を持ってとらえられない人からすれば
「とんでもない話」である。
しかし、この国が本気で攻撃する可能性を持っていて
かつ、国際世論を敵に回してもそうしなければならない事情があることは
本書を読めばよくわかる。
1981年にイラクの原子炉を航空攻撃により破壊するという
前代未聞のミッションを敢行するまでの歴史的背景やいきさつが
当時の関係者からの取材に基づき書かれている。
ノンフィクションだが
フィクションではないのか?と錯覚するほどのスケール感で
その緊張感は下手なフィクションを寄せ付けない。
本テーマを題材にしたフィクションで「スナップ・ショット」という小説があるが
本書の迫力に及ばない。
今後のイスラエルの動向に関心がある方には
是非読んでほしいし
単なる読み物としても十二分な読み応えがあるのでお勧めです。
2007年9月16日に日本でレビュー済み
本書の主題は言うまでもなく「外科的手法」で敵の核攻撃を未然に防いだイスラエル空軍パイロットの物語。出撃から爆撃、帰還までの刻一刻が手に汗を握る生々しさで描かれている。20年後に米軍がF117ステルス爆撃機で実行したのと同じ事をステルス性のないF16で実行したこと、しかも、実行の半年前にはイラン空軍が同じ原子炉に空爆をかけ対空監視が強化されていた中のミッションであることを考えると、いかにこれが驚異的な成功であったか理解できる。
物語をさらに興味深くしているのは本書の前段。フランス、アメリカ、イランなど関係国家間の政治的経済的思惑がいかにこの地に核をもたらし、ホメイニ革命の勃発によってイスラエル空軍が空爆に必要とする機体F16を入手することになった偶然性、さらには、ヨーロッパからイラクへの核施設機材への移設やイラク科学者に対する実行されたモサドの容赦ない諜報破壊活動が克明に記されている。
「公然の秘密」であるイスラエルの核製造基地の実態、並びに国際査察団を欺いた手法。1954年にイスラエルに核をもたらしたフランスが20年後にイラクに核をもたらした皮肉。1979年フランスの港で出荷を待っていた炉心の爆破。翌年ジュネーブに滞在中のイラク人技術者のなぞのウィルス感染死。スパイ戦につきもののコールガールの活用と暗殺(映画「ミュンヘン」を思い出す)。冷戦時代の米ソの諜報活動はフォーサイスなどの小説で有名だが、こうしたノンフィクションで書かれると、その真実味が全く違う。
このミッション実行に必要な航続距離を搾り出すため、機体からは対ミサイル電子妨害装置も外され、自己防衛用のミサイルも翼端の2基のみと、実質的に敵の攻撃に対しては丸裸状態。使用する爆弾も飛行中の空気摩擦を減らすためいわゆるスマート爆弾を断念、通常の1トン弾を使用。それでもほぼ全弾ピンポイントで命中させ、かつ全機無事に帰還したのだから世界の関係筋から驚異と言われたのも当然であろう。世界で最優秀の誉れの高いIDFの実力証明というところか。
北朝鮮の核を初めとして日本を取り巻く国際環境に緊張感が増大する中、国の安全保障について考えさせられる一冊。
ただ、ある程度戦闘機や国際政治の知識がないと、ポイントに気付かず読み流してしまうかもしれない。この点だけがちょっと残念。
物語をさらに興味深くしているのは本書の前段。フランス、アメリカ、イランなど関係国家間の政治的経済的思惑がいかにこの地に核をもたらし、ホメイニ革命の勃発によってイスラエル空軍が空爆に必要とする機体F16を入手することになった偶然性、さらには、ヨーロッパからイラクへの核施設機材への移設やイラク科学者に対する実行されたモサドの容赦ない諜報破壊活動が克明に記されている。
「公然の秘密」であるイスラエルの核製造基地の実態、並びに国際査察団を欺いた手法。1954年にイスラエルに核をもたらしたフランスが20年後にイラクに核をもたらした皮肉。1979年フランスの港で出荷を待っていた炉心の爆破。翌年ジュネーブに滞在中のイラク人技術者のなぞのウィルス感染死。スパイ戦につきもののコールガールの活用と暗殺(映画「ミュンヘン」を思い出す)。冷戦時代の米ソの諜報活動はフォーサイスなどの小説で有名だが、こうしたノンフィクションで書かれると、その真実味が全く違う。
このミッション実行に必要な航続距離を搾り出すため、機体からは対ミサイル電子妨害装置も外され、自己防衛用のミサイルも翼端の2基のみと、実質的に敵の攻撃に対しては丸裸状態。使用する爆弾も飛行中の空気摩擦を減らすためいわゆるスマート爆弾を断念、通常の1トン弾を使用。それでもほぼ全弾ピンポイントで命中させ、かつ全機無事に帰還したのだから世界の関係筋から驚異と言われたのも当然であろう。世界で最優秀の誉れの高いIDFの実力証明というところか。
北朝鮮の核を初めとして日本を取り巻く国際環境に緊張感が増大する中、国の安全保障について考えさせられる一冊。
ただ、ある程度戦闘機や国際政治の知識がないと、ポイントに気付かず読み流してしまうかもしれない。この点だけがちょっと残念。
2007年7月28日に日本でレビュー済み
本書は1981年にイスラエル空軍特殊作戦部隊がイラクのオシラク原子炉を攻撃破壊した驚愕の事件を当事者とのインタビュー・現地取材に基づき詳細に記述したノンフィクションである。
昨今の複雑な中東情勢の展開を見るとき、この事件が更に新鮮なものとしてクローズアップされてくる。自国の防衛について平和ボケしかかっている日本人にある意味で警鐘を鳴らしている。
著者とそのチームの念密な取材及び工夫された編集・表現が読者をオシラク作戦(Mission Impossible)の世界に自然と引き込んでしまう。訳文も良くこなれていて、日本の読者が違和感なく読める。航空・軍事に関する的確な言葉づかいが臨場感を更に高めている。中東・アジア情勢に関心のある人にお勧めしたい一冊である。
昨今の複雑な中東情勢の展開を見るとき、この事件が更に新鮮なものとしてクローズアップされてくる。自国の防衛について平和ボケしかかっている日本人にある意味で警鐘を鳴らしている。
著者とそのチームの念密な取材及び工夫された編集・表現が読者をオシラク作戦(Mission Impossible)の世界に自然と引き込んでしまう。訳文も良くこなれていて、日本の読者が違和感なく読める。航空・軍事に関する的確な言葉づかいが臨場感を更に高めている。中東・アジア情勢に関心のある人にお勧めしたい一冊である。