コンスタンティノープル＝イスタンブールにまつわる豊富な歴史的エピソードは大変に興味深く、
様々な国家(都市)、宗教、民族たちがこの街に複雑で豊かな性格を与えたことはよく理解できた。
しかし、とにもかくにも分かりにくい。致命的なのは、流れがまったくつかめないことにある。時代も
場所も人物もころころ変わり、まったく脈絡がつかめない。
ではエッセーとして気軽に読めるかというと、そうもいかない。まず文章自体が少し変わっている上に、
ポストコロニアリズムの影響なのか、全編に渡って「他者」というキーワードが頻出、というか乱用されている。
それでいて、評論というほど周到な考察があるわけでもない。結局、この本は何がしたかったのだろう？
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