明智光秀の娘、細川ガラシャの永井路子が描いた世界です。
戦乱時代、基督教、家 と言う経糸と、女性の真理を横糸に紡いで織り上げた歴史ですが、
永井路子さんのタッチが、細川ガラシャを描くには抑え気味なので
上手く堀込めていない感がします。
久し振りに購入し、読み返してみました。

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朱なる十字架 (文春文庫 な 2-42) 文庫 – 2004/7/9
永井 路子
(著)
逆賊明智光秀の娘と罵られ、父と夫への愛と苦悩の極限に心の拠所を禁制のキリスト教に求めた玉。薄幸な生涯を送った女人を描く
- ISBN-104167200422
- ISBN-13978-4167200428
- 出版社文藝春秋
- 発売日2004/7/9
- 言語日本語
- 本の長さ281ページ
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登録情報
- 出版社 : 文藝春秋 (2004/7/9)
- 発売日 : 2004/7/9
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 281ページ
- ISBN-10 : 4167200422
- ISBN-13 : 978-4167200428
- Amazon 売れ筋ランキング: - 190,494位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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4 星
細川ガラシャ
ガラシャが入信してからの記述が比較的すくない内容になっている。この内容からすると後の「ガラシャ夫人」の有名伝にはちょっと迫力がない。三浦綾子氏の「細川ガラシャ夫人」には及ばない。一般文学通算612作品目の感想。通算941冊目の作品。2010/09/23
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2019年1月1日に日本でレビュー済み
明史光秀の娘にして細川忠興の妻となったお玉。後にキリシタン洗礼を受け、細川ガラシャの名で歴史に名を残した女性の生涯を描く歴史小説です。
裏切りと流転が茶飯の仮借なき戦乱の世において、お玉は人に信を置くことに大いなるためらいを覚える日々を送ります。因果応報が世の習いとする仏教哲理には素直に従うことができず、苦悶し続けるのです。
そして味土野の地で長き幽閉の暮らしを強いられるうち、侍女の大弐から教えられた西欧のデウスの教えに活路を見出します。前世の悪因縁という旧来の考えを拭うことができたお玉は、洗礼を請うため地元の聖堂へと赴くのです。
しかし時代の統治者・秀吉はキリシタンへの圧迫を強め始めます。侍女を通してガラシャの洗礼名を受けたお玉が、秀吉没後の混乱期に大いなる決断をするまでが描かれます。
残念ながら私はこの小説を心の底から楽しむことはできませんでした。理由はいくつかあります。
まず、お玉がキリスト教徒になった後の展開に十分な厚みがないことです。わずか281頁のこの小説のうち、お玉がキリストの教えに触れるのは214頁になってからです。物語がほぼ終盤に差しかかってからですから、キリストの教えを細川ガラシャが<実践する>いとまはあまりなく、悲劇の末路へと一直線に進むのです。
また、乱世を悲嘆した末の入信への道のりが、いささか重みに欠ける印象を与えます。お玉には仏への帰依の念がそもそも薄かった様子が描かれるので、宗旨替えにさほどの胆力は不要だったということなのかもしれませんが、大弐から聞かされた教えを思いのほか素直に受け入れる彼女の姿は、浮薄とまでは言わないものの、あまりの葛藤のなさに拍子抜けしてしまったほどです。初めて耳にする南蛮異国の思想の受容史であれば、それなりの山谷がなかったのでしょうか。
とはいうものの、あまり否定的なことだけ書いて締めくくるのも味気ないので、心にとまった言葉を最後に引き写しておこうと思います。
「次々と起こるとまどいの中で、自分の道を選ぶ。そのことがつまり、生きるということなのだ」(43頁)
--------------------------
◆平川新『 戦国日本と大航海時代 - 秀吉・家康・政宗の外交戦略 』(中公新書)
:著者は宮城学院女子大学の学長を務める人物。信長・豊臣・徳川の天下統一期における16世紀から17世紀にかけての日本がスペイン・ポルトガルとの間で結んでいった緊張感あふれる外交関係をひもとく一冊です。知的興奮を味わえる、見事な新書といえるでしょう。
秀吉のキリスト教弾圧の背景がよくわかります。
.
裏切りと流転が茶飯の仮借なき戦乱の世において、お玉は人に信を置くことに大いなるためらいを覚える日々を送ります。因果応報が世の習いとする仏教哲理には素直に従うことができず、苦悶し続けるのです。
そして味土野の地で長き幽閉の暮らしを強いられるうち、侍女の大弐から教えられた西欧のデウスの教えに活路を見出します。前世の悪因縁という旧来の考えを拭うことができたお玉は、洗礼を請うため地元の聖堂へと赴くのです。
しかし時代の統治者・秀吉はキリシタンへの圧迫を強め始めます。侍女を通してガラシャの洗礼名を受けたお玉が、秀吉没後の混乱期に大いなる決断をするまでが描かれます。
残念ながら私はこの小説を心の底から楽しむことはできませんでした。理由はいくつかあります。
まず、お玉がキリスト教徒になった後の展開に十分な厚みがないことです。わずか281頁のこの小説のうち、お玉がキリストの教えに触れるのは214頁になってからです。物語がほぼ終盤に差しかかってからですから、キリストの教えを細川ガラシャが<実践する>いとまはあまりなく、悲劇の末路へと一直線に進むのです。
また、乱世を悲嘆した末の入信への道のりが、いささか重みに欠ける印象を与えます。お玉には仏への帰依の念がそもそも薄かった様子が描かれるので、宗旨替えにさほどの胆力は不要だったということなのかもしれませんが、大弐から聞かされた教えを思いのほか素直に受け入れる彼女の姿は、浮薄とまでは言わないものの、あまりの葛藤のなさに拍子抜けしてしまったほどです。初めて耳にする南蛮異国の思想の受容史であれば、それなりの山谷がなかったのでしょうか。
とはいうものの、あまり否定的なことだけ書いて締めくくるのも味気ないので、心にとまった言葉を最後に引き写しておこうと思います。
「次々と起こるとまどいの中で、自分の道を選ぶ。そのことがつまり、生きるということなのだ」(43頁)
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◆平川新『 戦国日本と大航海時代 - 秀吉・家康・政宗の外交戦略 』(中公新書)
:著者は宮城学院女子大学の学長を務める人物。信長・豊臣・徳川の天下統一期における16世紀から17世紀にかけての日本がスペイン・ポルトガルとの間で結んでいった緊張感あふれる外交関係をひもとく一冊です。知的興奮を味わえる、見事な新書といえるでしょう。
秀吉のキリスト教弾圧の背景がよくわかります。
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2010年9月26日に日本でレビュー済み
ガラシャが入信してからの記述が比較的すくない内容になっている。
この内容からすると後の「ガラシャ夫人」の有名伝にはちょっと迫力がない。
三浦綾子氏の「細川ガラシャ夫人」には及ばない。
一般文学通算612作品目の感想。通算941冊目の作品。2010/09/23
この内容からすると後の「ガラシャ夫人」の有名伝にはちょっと迫力がない。
三浦綾子氏の「細川ガラシャ夫人」には及ばない。
一般文学通算612作品目の感想。通算941冊目の作品。2010/09/23

ガラシャが入信してからの記述が比較的すくない内容になっている。
この内容からすると後の「ガラシャ夫人」の有名伝にはちょっと迫力がない。
三浦綾子氏の「細川ガラシャ夫人」には及ばない。
一般文学通算612作品目の感想。通算941冊目の作品。2010/09/23
この内容からすると後の「ガラシャ夫人」の有名伝にはちょっと迫力がない。
三浦綾子氏の「細川ガラシャ夫人」には及ばない。
一般文学通算612作品目の感想。通算941冊目の作品。2010/09/23
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2009年5月12日に日本でレビュー済み
お玉(細川ガラシヤ)は戦国大名の細川忠興の妻であり、且つキリシタンであったために人生について深く悩むことになります。わたしが知っていた歴史としては、関が原の戦いの際人質になるのをよしとせず自害した悲劇の女性というイメージでしたが、本作品を読むとそうではなく、お玉は死を選択することでようやく魂が救われた、悲劇ではなく高潔な生き方をした女性でした。
その人生最後の選択はお玉自身にとっての救いだっただけでなく、その後の歴史を考えてみるに関が原の西軍の人質作戦はこのお玉の自害により失敗に終わるわけですから、このほかに生じたかもしれないいくつかの悲劇を救ったのかもしれません。
その人生最後の選択はお玉自身にとっての救いだっただけでなく、その後の歴史を考えてみるに関が原の西軍の人質作戦はこのお玉の自害により失敗に終わるわけですから、このほかに生じたかもしれないいくつかの悲劇を救ったのかもしれません。
2011年7月30日に日本でレビュー済み
円環が非常に面白かったため、とりあえず薄そうなこの本を手にとってみました。
途中までは非常に面白かったです。
人間に対して信の目を取るか不信の目を取るか……。
裏切りを見続けてきたけれど、私だけは人を信じて生きたい!そんな切ない願いが見てとれました。
けれど、途中でキリスト教に救いを見出してからは話が(否。ガラシャのキャラが?)ズルズルと変な方向に……。
戦国の世に生きる人ならば、御家取り潰しを避けるためにもっと賢明な生き方をするべきでは??
彼女の魂は本当に高潔だったのでしょうか??
私には、ただ単に物珍しいキリスト教の教えに惹かれた結果、ガラシャや彼女に使える者達が悲惨な目に合った……という物語にしか見えませんでした。
途中までは非常に面白かったです。
人間に対して信の目を取るか不信の目を取るか……。
裏切りを見続けてきたけれど、私だけは人を信じて生きたい!そんな切ない願いが見てとれました。
けれど、途中でキリスト教に救いを見出してからは話が(否。ガラシャのキャラが?)ズルズルと変な方向に……。
戦国の世に生きる人ならば、御家取り潰しを避けるためにもっと賢明な生き方をするべきでは??
彼女の魂は本当に高潔だったのでしょうか??
私には、ただ単に物珍しいキリスト教の教えに惹かれた結果、ガラシャや彼女に使える者達が悲惨な目に合った……という物語にしか見えませんでした。
2005年5月24日に日本でレビュー済み
明智光秀の娘、玉姫は、裏切り者の娘として夫によって幽閉されます。
魂を救えるのは仏の教えではなく、キリストの教えでした。
やがて洗礼を受け、細川ガラシャと名乗ります。
キリスト教を禁じられるまでのわずかな間に、聡明な魂と教えは出会いました。
戦国の世にあっても自らの信仰をつらぬいたガラシャに賞賛を送りたいと思います。
魂を救えるのは仏の教えではなく、キリストの教えでした。
やがて洗礼を受け、細川ガラシャと名乗ります。
キリスト教を禁じられるまでのわずかな間に、聡明な魂と教えは出会いました。
戦国の世にあっても自らの信仰をつらぬいたガラシャに賞賛を送りたいと思います。
2002年3月28日に日本でレビュー済み
細川ガラシヤは、戦国時代のヒロインとして余りにも有名である。
彼女は、明智光秀の娘として生まれ、本能寺の変で運命は急変する。
巧に戦国を生き抜く細川家。山崎の戦で明智の誘いに乗らず、見殺しにしてしまう。
昨日の友は明日は敵。
これが戦国である。
光秀は、側室をもたないような当時では珍しい家庭人であり、その家庭で生まれ育った細川ガラシヤは、現代人に近いような倫理観を持っていたのではないか。
この作品の中で、信と不信、という人を信ずるべきか、信じざるべきか、という疑問がガラシヤに付きまとう。
ガラシヤは信じて生きていきたい。
そして、キリスト教に出会う。細川ガラシヤを知るには最適な物語であると思う。
又、ガラシヤに本能寺の変を知らせる細川忠興の様子や明智の姉妹の安否が途!!切れ途切れに伝えられ、そのタイミングによって、不信感を募らせてゆく経過がとても巧く描かれている。
彼女は、明智光秀の娘として生まれ、本能寺の変で運命は急変する。
巧に戦国を生き抜く細川家。山崎の戦で明智の誘いに乗らず、見殺しにしてしまう。
昨日の友は明日は敵。
これが戦国である。
光秀は、側室をもたないような当時では珍しい家庭人であり、その家庭で生まれ育った細川ガラシヤは、現代人に近いような倫理観を持っていたのではないか。
この作品の中で、信と不信、という人を信ずるべきか、信じざるべきか、という疑問がガラシヤに付きまとう。
ガラシヤは信じて生きていきたい。
そして、キリスト教に出会う。細川ガラシヤを知るには最適な物語であると思う。
又、ガラシヤに本能寺の変を知らせる細川忠興の様子や明智の姉妹の安否が途!!切れ途切れに伝えられ、そのタイミングによって、不信感を募らせてゆく経過がとても巧く描かれている。