記憶探偵と鍵のかかった少女 ブルーレイ&DVDセット (初回限定生産/2枚組) [Blu-ray]
フォーマット | Blu-ray, 限定版, ドルビー, ワイドスクリーン, 色 |
コントリビュータ | インディラ・ヴァルマ, サスキア・リーヴス, リチャード・ディレイン, マーク・ストロング, ノア・テイラー, ホルヘ・ドラド, アルベルト・アンマン, タイッサ・ファーミガ |
言語 | 英語 |
稼働時間 | 1 時間 39 分 |
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商品の説明
記憶は嘘をつく -あなたはこの謎を見破られるか! ?-
“記憶探偵"が、美少女の記憶に潜入する 謎解きサスペンス! !
他人の記憶に潜入する特殊能力を持つ記憶探偵のジョンに、ある日舞い込んできた、16歳の少女アナの記憶を探る依頼。
それは難事件を解決してきたジョンにとって、簡単な仕事のはずだった。
しかし、ジョンがアナの記憶でみたものは、【実父の事故死】、【母親によてつけられた掌の傷】、【教師による性的虐待】、
【ルームメイトの殺人未遂事件】など、不穏な謎に満ちていた。
捜査を進めるうちにジョンはアナの記憶と食い違う事件関係者の証言を耳にする。
さらに黒ずくめの男から尾行されるようになり…。
果たしてジョンは、アナの記憶に隠された過去の秘密を見つけ出し、すべての真相に辿りつけるのか。
【初回限定特典】特製ブックレット
※初回生産分終了後は、同品番・同価格にて特典抜きの通常版となります。
※パッケージデザインは変更になる場合があります。
登録情報
- アスペクト比 : 2.35:1
- 言語 : 英語
- 製品サイズ : 30 x 10 x 20 cm; 120 g
- EAN : 4548967159172
- 監督 : ホルヘ・ドラド
- メディア形式 : Blu-ray, 限定版, ドルビー, ワイドスクリーン, 色
- 時間 : 1 時間 39 分
- 発売日 : 2015/3/4
- 出演 : マーク・ストロング, タイッサ・ファーミガ, サスキア・リーヴス, リチャード・ディレイン, インディラ・ヴァルマ
- 字幕: : 日本語
- 販売元 : ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント
- ASIN : B00QTFIB88
- ディスク枚数 : 2
- Amazon 売れ筋ランキング: - 172,985位DVD (DVDの売れ筋ランキングを見る)
- - 6,360位外国のミステリー・サスペンス映画
- - 11,033位ブルーレイ 外国映画
- カスタマーレビュー:
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2019年12月6日に日本でレビュー済み
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面白かったですエグいけど…シックスセンス的な展開の終盤も好きです アナの将来の目的が分からないだけに世に放って大丈夫なのか?…美貌が邪魔をしてそこだけ後味悪いです あぁ映画って面白い
2015年10月17日に日本でレビュー済み
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殺し屋とか用心棒とか悪の将軍とか見た瞬間に悪役と分かる
名脇役の第一人者(?)マーク・ストロングが主演です。
ここ最近はいい人役も多くなってきて隠れファンとしては嬉しい限り。
一見線が細そうだけど狡猾な少女に翻弄される探偵役を
好演しています。
少女の記憶と彼女を取り巻く関係者の証言が食い違ったりと
中盤まではサスペンス性があって面白いんですが
クライマックスのオチは演出が悪いのか衝撃の結末とは言い難く
『記憶探偵』という発想は面白いのに残念。
評判は今ひとつのようですがもう一本撮って欲しいですね。
名脇役の第一人者(?)マーク・ストロングが主演です。
ここ最近はいい人役も多くなってきて隠れファンとしては嬉しい限り。
一見線が細そうだけど狡猾な少女に翻弄される探偵役を
好演しています。
少女の記憶と彼女を取り巻く関係者の証言が食い違ったりと
中盤まではサスペンス性があって面白いんですが
クライマックスのオチは演出が悪いのか衝撃の結末とは言い難く
『記憶探偵』という発想は面白いのに残念。
評判は今ひとつのようですがもう一本撮って欲しいですね。
2017年4月16日に日本でレビュー済み
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過去にも似たようなストーリーの映画はありましたが、別の意味でも楽しめた映画でした!!
主演のマーク・ストロング扮する記憶探偵が、依頼者の手を握って過去にタイムリープし事件現場を再現するシーンなどは、あのスティーブン・キング原作の「デッドゾーン」を彷彿する出来栄えです。
謎の過去を持つヒロインのタイッサ・ファーミガの美貌と、ラストの完全な裏切りのどんでん返しは見事です!!
主演のマーク・ストロング扮する記憶探偵が、依頼者の手を握って過去にタイムリープし事件現場を再現するシーンなどは、あのスティーブン・キング原作の「デッドゾーン」を彷彿する出来栄えです。
謎の過去を持つヒロインのタイッサ・ファーミガの美貌と、ラストの完全な裏切りのどんでん返しは見事です!!
2016年9月1日に日本でレビュー済み
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1回観ただけではストーリーがよくわかりませんが、主役の二人の演技が素晴らしいのはわかります。特に女性の方はまだお若いにもかかわらずです。
映画の雰囲気はとても良いです。品があります。映像も美しいです。
わかりにくい点があるので、120分程度にして、観ている人にもっと説明があっても良いと思います。ロングバージョンもリリースしてくれないものでしょうか?
映画の雰囲気はとても良いです。品があります。映像も美しいです。
わかりにくい点があるので、120分程度にして、観ている人にもっと説明があっても良いと思います。ロングバージョンもリリースしてくれないものでしょうか?
2015年8月30日に日本でレビュー済み
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この映画は昨年の秋に公開された時に映画館で見ました。秋という時期に見るのにぴったりの内容でした。主演の2人の演技がすばらしいのとハリウッド映画とは対照的な、ヨーロッパテイストの落ち着いた大人が鑑賞する映画という感じでよかったです。色調も全体的に暗く、映画館のスクリーンでは舞台になった森の中の館がとても大きく感じられました。この映画は日本語タイトルでかなり失敗しているのではないでしょうか。そもそも探偵ものという感じではなく、記憶探偵(探偵は間違いではないですが)というより対象者本人の記憶に入り込んでその世界を探り当てる臨床心理士のような役割に思えました。その意味では原題のマインドスケープという方がぴったりです。なので、単なる謎解きではなく、記憶の本質とは何か、といったような深い意味を考えさせる映画だと思います。この映画でおもしろかったのは、手を握って本人の記憶に入っていく際のイントロが映像作品ならではの見せ所だったと思います。少女役を演じたタイッサ・ファーミガは美少女であるのはもちろんですが、台詞をぼそぼそ話すところが、苦悩する役所としてなかなかよかったですし、日本ではなかなかこういった感じの女優はいないのではないでしょうか。B級作品というより、映画らしい映画というか、何度も見て謎を解きたいという感じにさせる作品です。
2018年4月18日に日本でレビュー済み
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記憶探偵というのは、他人の潜在意識下に潜入(?)出来る、いわば超能力者。
その能力で様々な事件を捜査・解決する職業が社会的に認知されている⋯という前提でストーリーは進行します。
ですが、ことこの物語に関しては、探偵と称する程の推理的なミステリー要素は皆無です。
『インセプション』の様な多重構造になっているわけでもなく、ビジュアル的にあっと驚くようなこともないです⋯が、
つまらなくはないです。
タイッサ・ファミーガが可愛いので、自分的には満足です。
その能力で様々な事件を捜査・解決する職業が社会的に認知されている⋯という前提でストーリーは進行します。
ですが、ことこの物語に関しては、探偵と称する程の推理的なミステリー要素は皆無です。
『インセプション』の様な多重構造になっているわけでもなく、ビジュアル的にあっと驚くようなこともないです⋯が、
つまらなくはないです。
タイッサ・ファミーガが可愛いので、自分的には満足です。
2015年4月25日に日本でレビュー済み
海外ドラマ『アメリカン・ホラー・ストーリー』の主人公一家の娘・ヴァイオレット役で、ティーンエイジャーの不安定で繊細な心を見事に演じて注目された、タイッサ・ファーミガが主演の映画である。はっきり言って彼女目当てで観たことを告白する(笑)。
他人の記憶に潜入する能力を持った探偵が、事件に挑む物語である。夢枕獏の小説「サイコダイバー」シリーズや、映画ではターセム監督の『ザ・セル』や今敏監督の『パプリカ』など過去にも似たような作品があり、設定自体は決して斬新ではないかもしれないが、筆者的にはけっこうヒットした作品だった。
精神的な問題を抱えている少女アナ(T.ファーミガ)の記憶を、主人公の記憶探偵ジョン(マーク・ストロング)が覗き、その謎に肉薄しようとする物語なのだが、ソフトのパッケージの裏に書かれている文章を読むと、【ジョンが記憶の中で見たものは「実父の事故死」「母親によってつけられた掌の傷」「教師による性的虐待」「ルームメイトの殺人未遂事件」という衝撃的な過去だった!】みたいな文句が書かれていて、まるでよくある「トラウマ少女もの」のありきたりなお話のように思えてしまう。が、それはチョット違うと言わせて頂きたい。
まず本作は、色々と細かいこだわった設定があり、記憶探偵が視たものは刑事事件の証拠としても扱われるのだが、それは「嘘発見器以上」だが「目撃証言やDNA鑑定以下」として扱われる、というものである。それはなぜか - 記憶というのは主観的なものであり、改竄されている事も決して少なくないのだ。つまり、記憶探偵が視たものは、必ずしも真実とは限らない・・・ここがこの映画のミソなのだ。
少女アナはIQがずばぬけて高く、ジョンがまず最初にソシオパス(社会病質者)テストを行おうとすると、全て裏読みして手玉に取ってしまう。彼女は頭が良すぎるために、子供の頃から様々な問題を起こして母親を困らせてきたのだ。アナは、義父が自分を精神異常者に仕立て上げ、施設に入れて遺産を独り占めにしようとしているのだとジョンに訴える。
しかし、彼女の過去に起こった事件を調査するうち、アナの証言や「記憶」との様々な食い違いが浮上してくる。さらに、アナの記憶へのダイブ中に、ジョン自身の記憶が混在しはじめる。実はジョンは過去に妻と幼い子供を亡くして、その心の傷からしばらく一線を退いていたのだ。
最初は、よくあるミステリーにちょっとSF的な要素が加わった物語かと思っていたが、話が進むにつれ、主人公が記憶の迷宮にはまり込んで現実と虚構の区別がつかなくなってゆく不条理スリラーの様相を呈してゆく。そして、クライマックスに突入すると、事件を解決するはずの探偵が事件に「巻き込まれてゆく」物語だという事が判ってくる。おお、これはハードボイルドの構造ではないか!何かの陰謀が進行しているのは確かだ。しかし、裏で糸を引いているのは一体何者でその目的は?
筆者は、そこそこウェルメイドに手堅く作られた心理ミステリーで、事件はきれいに解決されて終わるのかと思っていたが、苦いラストも含め(これこそハードボイルド!)、いい意味で予想を裏切られたことが非常に楽しかった。
『アメリカン・ホラー・ストーリー』の延長線上とも言える、冷めた目で大人たちを見つめる繊細で揺れ動く少女、のみならず史上最年少(?)のファム・ファタールまで見事に演じたタイッサ・ファーミガには、やはり拍手を贈りたい。おじさんもうメロメロよ(笑)。あと、脇を固める俳優ではブライアン・コックス(『刑事グラハム 凍りついた欲望』のレクター博士役)が密かにチェックだが、どんな役なのかは観てのお楽しみ(笑)。
さて、本作のアマゾンでの評価を見ると、平均的には★3ぐらいで、ネット上での評価も大体そんな感じ。全体的には、あまりいい評判ではない。それはなぜか。日本人というのは、圧倒的に「ミステリー・マニア」が多いからである。つまり巧妙なトリックが仕掛けられ、あらゆる伏線や謎が水も漏らさぬまでに完璧に解かれる物語が好きなのである。これは、作品を一本の樹に例えると、日本人は根っこや幹よりも枝葉の方に目が行ってしまう、「重箱の隅つつき」が好きな性向が多分に関係しているのである。いわゆる「ミニマリズム志向」である。
で、本作は劇中で提示される様々な謎は、ひとつひとつがいちいち解決されない。観客が考えて想像しなければならない。本作に文句をつけている連中は、細かい事にああだこうだと難癖をつけているのがよく判る。「ミステリー・マニア」には受けない映画なのである。でも面白いのは、その一方で本作は「ミステリー作家」たち、つまり作り手や評者の側からは絶賛されているのだ。
「映像作品ならではの巧妙な仕掛けが随所に光る、実に見事なミステリーエンターテインメント」(綾辻行人)
「記憶探偵という設定をいかしたサプライズ・エンディングは言うまでもなく、全編を覆うミステリアスでちょっとゴシックなムードがうれしい」(有栖川有栖)
「名探偵 vs 名犯人の手に汗握る対決。ミステリアスな16歳の美少女アナを演じるタイッサ・ファーミガがすばらしい」(大森望)
「他人の記憶を甦らせる能力をもった新趣向の探偵という設定がとびぬけておもしろい。入り組んだ迷路に迷い込んだ私は出口を見失い、記憶の闇で途方に暮れた」(小鷹信光)
「心の傷を負った探偵と少女の深い心の闇の迷宮を描いた、現代の悪夢のメルヘンだ」(権田萬治)
「人は、より強い「自分の物語」を生きるためなら、記憶にすら嘘をつき、鍵をかける。 記憶というものの本質を捉えた、傑作ミステリ」(辻村深月)
「こっちのアナは、もっと凄い。 完全にノックアウトされること間違いなし!」(真山仁)
「映画を見る前は記憶の中に潜入する能力があればどんな事件も簡単に解決出来ると思っていました。しかし、その記憶に騙されたり、自分の信じていたものが次から次へとあやふやになってしまう展開に 最後まで目が離せませんでした!」(ミルキィホームズ)
「ハゲタカ」で知られる真山氏の「こっちのアナは、もっと凄い」は名文句ですな。そう、♪ ありの~ままじゃないのよォ~(笑)!しかし皆さん、ネタばれを巧く回避しながら本作を褒めているのはさすが。
上記の様々なコメントからも判る通り、本作は、論理的な作品なのではなく、ギミックが卓越した作品で、ミステリーよりもハードボイルドに近い「人間の業」を描いた作品なのである。本作は「ミステリー」ではなく、強いて言うなら、「ハードボイルド・サイコ・ノワール」・・・あるいは「サイキック・ハードボイルド」とでも呼ぶべき映画なのである。だから「ミステリー性」を求める日本人には、一般的には受けがよくないのである。
主人公の探偵がトラウマを抱えた人物だった、という設定はやや反則だとは思うが(笑)、自分の好みに合わなくて気に食わなかったから「この映画を褒めている人間は関係者だろ」みたいな事を言っている奴は、非常に見識の浅い器のちっちゃな人間だと言わせてもらおう。作品には、その作品に応じた「見方」があるのだ。自分が勝手に決めた一種類の見方で全ての作品の価値を決め付けようとするのは、著しく臨機応変性に乏しい人間だと反論させて頂く。
最近のハリウッド映画って、大体「予想以上でも以下でもない」、想像したまんまの作品が圧倒的に多くって、つまらなくはないけど面白くもない、そんな映画ばかりで何と言うか張り合いがない。で、本作は「大体こんなもんだろうな」と思っていた予想を、いい感じで裏切ってくれた映画である。一般的には、★3つからひいき目に見ても★4つぐらいの評価であろう。それは致し方ないと思うが、筆者的には後半からラストにかけて・・・確かに決してスッキリはしないが、予想していたものとは違う展開を見せてくれたので、その意外性を楽しませて頂いたという意味で★5つだ。
他人の記憶に潜入する能力を持った探偵が、事件に挑む物語である。夢枕獏の小説「サイコダイバー」シリーズや、映画ではターセム監督の『ザ・セル』や今敏監督の『パプリカ』など過去にも似たような作品があり、設定自体は決して斬新ではないかもしれないが、筆者的にはけっこうヒットした作品だった。
精神的な問題を抱えている少女アナ(T.ファーミガ)の記憶を、主人公の記憶探偵ジョン(マーク・ストロング)が覗き、その謎に肉薄しようとする物語なのだが、ソフトのパッケージの裏に書かれている文章を読むと、【ジョンが記憶の中で見たものは「実父の事故死」「母親によってつけられた掌の傷」「教師による性的虐待」「ルームメイトの殺人未遂事件」という衝撃的な過去だった!】みたいな文句が書かれていて、まるでよくある「トラウマ少女もの」のありきたりなお話のように思えてしまう。が、それはチョット違うと言わせて頂きたい。
まず本作は、色々と細かいこだわった設定があり、記憶探偵が視たものは刑事事件の証拠としても扱われるのだが、それは「嘘発見器以上」だが「目撃証言やDNA鑑定以下」として扱われる、というものである。それはなぜか - 記憶というのは主観的なものであり、改竄されている事も決して少なくないのだ。つまり、記憶探偵が視たものは、必ずしも真実とは限らない・・・ここがこの映画のミソなのだ。
少女アナはIQがずばぬけて高く、ジョンがまず最初にソシオパス(社会病質者)テストを行おうとすると、全て裏読みして手玉に取ってしまう。彼女は頭が良すぎるために、子供の頃から様々な問題を起こして母親を困らせてきたのだ。アナは、義父が自分を精神異常者に仕立て上げ、施設に入れて遺産を独り占めにしようとしているのだとジョンに訴える。
しかし、彼女の過去に起こった事件を調査するうち、アナの証言や「記憶」との様々な食い違いが浮上してくる。さらに、アナの記憶へのダイブ中に、ジョン自身の記憶が混在しはじめる。実はジョンは過去に妻と幼い子供を亡くして、その心の傷からしばらく一線を退いていたのだ。
最初は、よくあるミステリーにちょっとSF的な要素が加わった物語かと思っていたが、話が進むにつれ、主人公が記憶の迷宮にはまり込んで現実と虚構の区別がつかなくなってゆく不条理スリラーの様相を呈してゆく。そして、クライマックスに突入すると、事件を解決するはずの探偵が事件に「巻き込まれてゆく」物語だという事が判ってくる。おお、これはハードボイルドの構造ではないか!何かの陰謀が進行しているのは確かだ。しかし、裏で糸を引いているのは一体何者でその目的は?
筆者は、そこそこウェルメイドに手堅く作られた心理ミステリーで、事件はきれいに解決されて終わるのかと思っていたが、苦いラストも含め(これこそハードボイルド!)、いい意味で予想を裏切られたことが非常に楽しかった。
『アメリカン・ホラー・ストーリー』の延長線上とも言える、冷めた目で大人たちを見つめる繊細で揺れ動く少女、のみならず史上最年少(?)のファム・ファタールまで見事に演じたタイッサ・ファーミガには、やはり拍手を贈りたい。おじさんもうメロメロよ(笑)。あと、脇を固める俳優ではブライアン・コックス(『刑事グラハム 凍りついた欲望』のレクター博士役)が密かにチェックだが、どんな役なのかは観てのお楽しみ(笑)。
さて、本作のアマゾンでの評価を見ると、平均的には★3ぐらいで、ネット上での評価も大体そんな感じ。全体的には、あまりいい評判ではない。それはなぜか。日本人というのは、圧倒的に「ミステリー・マニア」が多いからである。つまり巧妙なトリックが仕掛けられ、あらゆる伏線や謎が水も漏らさぬまでに完璧に解かれる物語が好きなのである。これは、作品を一本の樹に例えると、日本人は根っこや幹よりも枝葉の方に目が行ってしまう、「重箱の隅つつき」が好きな性向が多分に関係しているのである。いわゆる「ミニマリズム志向」である。
で、本作は劇中で提示される様々な謎は、ひとつひとつがいちいち解決されない。観客が考えて想像しなければならない。本作に文句をつけている連中は、細かい事にああだこうだと難癖をつけているのがよく判る。「ミステリー・マニア」には受けない映画なのである。でも面白いのは、その一方で本作は「ミステリー作家」たち、つまり作り手や評者の側からは絶賛されているのだ。
「映像作品ならではの巧妙な仕掛けが随所に光る、実に見事なミステリーエンターテインメント」(綾辻行人)
「記憶探偵という設定をいかしたサプライズ・エンディングは言うまでもなく、全編を覆うミステリアスでちょっとゴシックなムードがうれしい」(有栖川有栖)
「名探偵 vs 名犯人の手に汗握る対決。ミステリアスな16歳の美少女アナを演じるタイッサ・ファーミガがすばらしい」(大森望)
「他人の記憶を甦らせる能力をもった新趣向の探偵という設定がとびぬけておもしろい。入り組んだ迷路に迷い込んだ私は出口を見失い、記憶の闇で途方に暮れた」(小鷹信光)
「心の傷を負った探偵と少女の深い心の闇の迷宮を描いた、現代の悪夢のメルヘンだ」(権田萬治)
「人は、より強い「自分の物語」を生きるためなら、記憶にすら嘘をつき、鍵をかける。 記憶というものの本質を捉えた、傑作ミステリ」(辻村深月)
「こっちのアナは、もっと凄い。 完全にノックアウトされること間違いなし!」(真山仁)
「映画を見る前は記憶の中に潜入する能力があればどんな事件も簡単に解決出来ると思っていました。しかし、その記憶に騙されたり、自分の信じていたものが次から次へとあやふやになってしまう展開に 最後まで目が離せませんでした!」(ミルキィホームズ)
「ハゲタカ」で知られる真山氏の「こっちのアナは、もっと凄い」は名文句ですな。そう、♪ ありの~ままじゃないのよォ~(笑)!しかし皆さん、ネタばれを巧く回避しながら本作を褒めているのはさすが。
上記の様々なコメントからも判る通り、本作は、論理的な作品なのではなく、ギミックが卓越した作品で、ミステリーよりもハードボイルドに近い「人間の業」を描いた作品なのである。本作は「ミステリー」ではなく、強いて言うなら、「ハードボイルド・サイコ・ノワール」・・・あるいは「サイキック・ハードボイルド」とでも呼ぶべき映画なのである。だから「ミステリー性」を求める日本人には、一般的には受けがよくないのである。
主人公の探偵がトラウマを抱えた人物だった、という設定はやや反則だとは思うが(笑)、自分の好みに合わなくて気に食わなかったから「この映画を褒めている人間は関係者だろ」みたいな事を言っている奴は、非常に見識の浅い器のちっちゃな人間だと言わせてもらおう。作品には、その作品に応じた「見方」があるのだ。自分が勝手に決めた一種類の見方で全ての作品の価値を決め付けようとするのは、著しく臨機応変性に乏しい人間だと反論させて頂く。
最近のハリウッド映画って、大体「予想以上でも以下でもない」、想像したまんまの作品が圧倒的に多くって、つまらなくはないけど面白くもない、そんな映画ばかりで何と言うか張り合いがない。で、本作は「大体こんなもんだろうな」と思っていた予想を、いい感じで裏切ってくれた映画である。一般的には、★3つからひいき目に見ても★4つぐらいの評価であろう。それは致し方ないと思うが、筆者的には後半からラストにかけて・・・確かに決してスッキリはしないが、予想していたものとは違う展開を見せてくれたので、その意外性を楽しませて頂いたという意味で★5つだ。
2016年1月8日に日本でレビュー済み
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16の小娘に振り回されすぎじゃないか?
途中、小娘の言動を疑うに足る状況も多数。
可愛い小娘に頼られて天にも昇る気持ちなのだろうが、観ていてとても呆れる。
途中、小娘の言動を疑うに足る状況も多数。
可愛い小娘に頼られて天にも昇る気持ちなのだろうが、観ていてとても呆れる。