『自滅する中国』は、ルトワックの提唱する戦略論『戦略における逆説的な論理』を元に
中国の戦略上の誤りを描き出している。
かつてのドイツ帝国の失敗、大日本帝国の戦略上の失敗を事例として参照しながら。
中国で最も重要とされる戦略書は『戦国策』だと言う。
『戦国策』にみられるような詭道、騙し合いが中国の戦略の本道だという。
面白いと思ったのは、中国の領土を拡張する際の外交戦術だ。
陸上であれば、まず、相手国に侵入して銃を撃つ。その際には民間時を盾にして群が深く侵入していく。
そして相手が応戦し、戦争が起きる。その後撤退して、両国間の問題を俎上に載せ交渉で解決する。
そのやり方で、ロシアとは2度の戦争の後に国境を画定した。
この時は農民や家畜を盾にしてソ連軍を攻めたという。
その後、ブータンの領土を占領し、軍隊を持たない、世界で最も幸福な国は一部を中国に占領されたままだ。
ベトナムに侵攻したときには、一方的に追っ払われたようだが、それによってベトナムとの国境を画定した。
今、残っているのはインドとの間の問題だ。
そのためにインドのカシミール地方に侵攻し、戦争を起こし、インドを交渉の席に引っ張り出した。
海上であれば、まず漁船を進入させる。そして漁船保護の目的で準軍艦(海警とか)を送り出し、
他国船を排除した上で実効支配を確立する。南沙、西砂諸島で起きているし、その目的で尖閣にも。
ドイツがなぜ第1次世界大戦を引き起こしたのか?
理解できなかったが、ルトワックを読んで、なんとなく理解できたような気がする。
ドイツの戦争は大艦隊を組織し始めたところから始まっていて欧州の覇権国家を夢見た。
そうして、今後の中国の行く末はどうなるのだろうか?
中国にとって日本は目の上のたんこぶだ。日清戦争、日中戦争で国土を蹂躙された恨みは不快。
何としても叩きつぶさなければならない、目の間のハエなのだ。
だから、歴史戦を仕掛けて世界での日本の位置づけを地に落とし、
なんとしてもひざまずかせなければならない。
また、尖閣、沖縄は中国共産党の人民解放軍が太平洋に出て行くための玄関として、
どうしても獲得しなければならない玄関であって、新型大国関係として太平洋の半分を
手に入れるためにはなんとしても沖縄と尖閣は獲得しなければならない革新的利益だ。
だから、沖縄の基地反対運動と独立運動のスポンサーとなって金銭の支援をし
アメリカと日本を離間させようとしている。
日本はどのようにして、卑怯な戦術に明け暮れ、領土の野心を隠さない、
核兵器の使用にも躊躇しない残酷な中国に対抗したら良いのだろうか?
本書が大きなヒントを与えてくれる。
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自滅する中国 単行本(ソフトカバー) – 2013/7/24
エドワード・ルトワック
(著),
奥山 真司
(翻訳)
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- 本の長さ365ページ
- 言語日本語
- 出版社芙蓉書房出版
- 発売日2013/7/24
- ISBN-104829505907
- ISBN-13978-4829505908
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商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
中国を知り尽くした戦略家が、戦略の逆説的ロジックを使って中国の台頭がいかに自滅的なものかを解説した異色の中国論。
著者について
エドワード・ルトワック
ワシントンにある大手シンクタンク、戦略国際問題研究所(CSIS)の上級アドバイザー。戦略家であり、歴史家、経済学者、国防アドバイザーとしての顔も持つ。国防省の官僚や軍のアドバイザー、そしてホワイトハウスの国家安全保障会議のメンバーを務めた経歴もあり。米国だけでなく、日本を含む世界各国の政府や高級士官学校でレクチャーやブリーフィングを行う。1942年、ルーマニアのトランシルヴァニア地方のアラド生まれ。イタリアやイギリス(英軍)で教育を受け、ロンドン大学(LSE)で経済学で学位を取った後、アメリカのジョンズ・ホプキンス大学で1975年に博士号を取得。同年国防省長官府に任用される。主著の『戦略:戦争と平和のロジック』(未訳)を始め、著書は約20ヵ国語に翻訳されている。邦訳には『クーデター入門:その攻防の技術』、『ペンタゴン:知られざる巨大機構の実体』、『アメリカンドリームの終焉:世界経済戦争の新戦略』、そして『ターボ資本主義:市場経済の光と闇』がある。
ワシントンにある大手シンクタンク、戦略国際問題研究所(CSIS)の上級アドバイザー。戦略家であり、歴史家、経済学者、国防アドバイザーとしての顔も持つ。国防省の官僚や軍のアドバイザー、そしてホワイトハウスの国家安全保障会議のメンバーを務めた経歴もあり。米国だけでなく、日本を含む世界各国の政府や高級士官学校でレクチャーやブリーフィングを行う。1942年、ルーマニアのトランシルヴァニア地方のアラド生まれ。イタリアやイギリス(英軍)で教育を受け、ロンドン大学(LSE)で経済学で学位を取った後、アメリカのジョンズ・ホプキンス大学で1975年に博士号を取得。同年国防省長官府に任用される。主著の『戦略:戦争と平和のロジック』(未訳)を始め、著書は約20ヵ国語に翻訳されている。邦訳には『クーデター入門:その攻防の技術』、『ペンタゴン:知られざる巨大機構の実体』、『アメリカンドリームの終焉:世界経済戦争の新戦略』、そして『ターボ資本主義:市場経済の光と闇』がある。
登録情報
- 出版社 : 芙蓉書房出版 (2013/7/24)
- 発売日 : 2013/7/24
- 言語 : 日本語
- 単行本(ソフトカバー) : 365ページ
- ISBN-10 : 4829505907
- ISBN-13 : 978-4829505908
- Amazon 売れ筋ランキング: - 351,298位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 36,311位社会・政治 (本)
- カスタマーレビュー:
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2016年8月12日に日本でレビュー済み
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2021年7月23日に日本でレビュー済み
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当分野の多くの本を読んだが、朝貢制度にフォーカスした本は初体験。洞察は当を得ており、さすがと感服。
2016年4月25日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
翻訳がとにかく悪い、日本語の書籍として翻訳者がお互いにぜひ読み返してみてほしい。共同翻訳特有の欠陥は、各翻訳者の力量、経験、能力等の格差にあるので、お互いに査読をすれば、かなり改善できるのにと思うと、とても残念です。
2020年8月20日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
戦略学の「泰斗」であるエドワード・ルトワック氏による、中国の行動を分析した一冊。第1刷発行は2013年7月ですが、今読んでこそ、の書籍と言えます。
著者は、戦略に内在する「逆説的論理(パラドキシカル・ロジック)」と「地経学」の考え方を用いて、中国との向き合い方を示唆。それとともに、中国という巨大国家が持つ「自閉症」と、特に「孫子の兵法」のそれぞれがもたらす害悪について述べています。
この他いくつかの国については、個別に章を設けて問題点などを分析しています(第14章では日本について言及)が、このうちインドネシアについて述べている第18章も、なかなか重要な部分です。この書籍のエッセンスを凝縮しているかのような内容でもあり、じっくり読んでおきたい章です。
最後に、この書籍が登場した時点では予想もできなかった「コロナウイルス」などというものが、現在猛威をふるっていますが、中国はそれすらも利用するがごとき動きを世界で見せています。対して日本は、孤立主義に決して陥ることなく、これまで以上に国際社会の場において存在感を発揮するべきでしょう。そして同時に「自分の事は自分でケリをつける」という要素も、今まで以上に大切なものと捉えるべきです。
たとえ日米同盟を、今後も堅持していくとしても。
本書の理解を助ける上では、文春文庫から発売されている『米中もし戦わば 戦争の地政学』(ピーター・ナヴァロ 著 赤根洋子 訳)の御一読もお薦め致します。
著者は、戦略に内在する「逆説的論理(パラドキシカル・ロジック)」と「地経学」の考え方を用いて、中国との向き合い方を示唆。それとともに、中国という巨大国家が持つ「自閉症」と、特に「孫子の兵法」のそれぞれがもたらす害悪について述べています。
この他いくつかの国については、個別に章を設けて問題点などを分析しています(第14章では日本について言及)が、このうちインドネシアについて述べている第18章も、なかなか重要な部分です。この書籍のエッセンスを凝縮しているかのような内容でもあり、じっくり読んでおきたい章です。
最後に、この書籍が登場した時点では予想もできなかった「コロナウイルス」などというものが、現在猛威をふるっていますが、中国はそれすらも利用するがごとき動きを世界で見せています。対して日本は、孤立主義に決して陥ることなく、これまで以上に国際社会の場において存在感を発揮するべきでしょう。そして同時に「自分の事は自分でケリをつける」という要素も、今まで以上に大切なものと捉えるべきです。
たとえ日米同盟を、今後も堅持していくとしても。
本書の理解を助ける上では、文春文庫から発売されている『米中もし戦わば 戦争の地政学』(ピーター・ナヴァロ 著 赤根洋子 訳)の御一読もお薦め致します。
2013年9月19日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
多くの情報量を手際よく整理し、ポイントを指摘する形になっていておもしろい。
著者がプレゼンをする相手によって、使う情報の質や置くポイントが違って整理されたペーパーができあがるのだろうと容易に想像される。
記述の中心はやはり中国であるが、各国との関係性を見るため、第13章から第21章まで各国編となっている(第14章が日本編)。
中国は自閉症的であり、他国の感覚や感情に鈍感であるとしているが、これはかなり納得できる説明である。
また、その戦略は孫子とか歴史的な書物に考え方が影響を受けている。しかし、歴史上漢民族が征服されている(過去1000年で漢民族が支配したのは明時代の200年だけ)のを見ても、孫子の考え方が適用するのは漢民族同士であり、他の民族には適用できないという過ちに中国が気づいていないとしている。
また、直接的なパワーを誇示すると、敵対的な対応を呼び起こし、パワー自体を損なうという逆説的な側面を持っているという。
日本に関する記述だが、
・(中国の独自の論理による誤った見方を基に)2010年9月の尖閣での漁船事件で中国が取った行動により、日本は中国との長期的関係を見直すことになったが、これは中国側の読み違いだという(故意に危機をあおることで解決できるとの見方)。
・東日本大震災での活躍により、自衛隊が日本の世論に生じた変化の受けるのは確実。
・北方領土が日本に戻ってくる可能性はほとんどない。それは、対中包囲網の構築上、ロシアが極めて重要であるからだという。
他の各国への中国の行動に関する記述も皮肉が効いていておもしろい。
韓国だが、北朝鮮から攻撃を受けても反撃をしていない。
戦略上の意味合いのある大規模な北朝鮮の攻撃に対しては米国の役割であるが、地域限定の一過性の攻撃に対処すべきは韓国であるにもかかわらずというのは意味深である。
韓国の安全保障の責任逃れをしようとする姿勢は、日本との争いを欲する熱意として表れているという。
さらにモンゴルの編では、韓国人がモンゴル人から搾取するので、韓国人への嫌悪感が高まっているとのことだ。
なお、ノルウェーも出てくる。なぜ、ノルウェーかと言えば、ノーベル賞である。
2010年に平和賞を受賞した反体制派中国人を巡り授賞式への欠席の圧力をかけたことで、帰って反体制派中国人への共感を高めたという。
説得に成功したのは、ロシア、カザフスタン、チュニジア、サウジアラビア、パキスタン、イラク、イラン、ベトナム、アフガニスタンとかだそうで、権威主義的な政府あるいは腐敗した政府にこれらが該当するという著者の説明には納得する。
著者がプレゼンをする相手によって、使う情報の質や置くポイントが違って整理されたペーパーができあがるのだろうと容易に想像される。
記述の中心はやはり中国であるが、各国との関係性を見るため、第13章から第21章まで各国編となっている(第14章が日本編)。
中国は自閉症的であり、他国の感覚や感情に鈍感であるとしているが、これはかなり納得できる説明である。
また、その戦略は孫子とか歴史的な書物に考え方が影響を受けている。しかし、歴史上漢民族が征服されている(過去1000年で漢民族が支配したのは明時代の200年だけ)のを見ても、孫子の考え方が適用するのは漢民族同士であり、他の民族には適用できないという過ちに中国が気づいていないとしている。
また、直接的なパワーを誇示すると、敵対的な対応を呼び起こし、パワー自体を損なうという逆説的な側面を持っているという。
日本に関する記述だが、
・(中国の独自の論理による誤った見方を基に)2010年9月の尖閣での漁船事件で中国が取った行動により、日本は中国との長期的関係を見直すことになったが、これは中国側の読み違いだという(故意に危機をあおることで解決できるとの見方)。
・東日本大震災での活躍により、自衛隊が日本の世論に生じた変化の受けるのは確実。
・北方領土が日本に戻ってくる可能性はほとんどない。それは、対中包囲網の構築上、ロシアが極めて重要であるからだという。
他の各国への中国の行動に関する記述も皮肉が効いていておもしろい。
韓国だが、北朝鮮から攻撃を受けても反撃をしていない。
戦略上の意味合いのある大規模な北朝鮮の攻撃に対しては米国の役割であるが、地域限定の一過性の攻撃に対処すべきは韓国であるにもかかわらずというのは意味深である。
韓国の安全保障の責任逃れをしようとする姿勢は、日本との争いを欲する熱意として表れているという。
さらにモンゴルの編では、韓国人がモンゴル人から搾取するので、韓国人への嫌悪感が高まっているとのことだ。
なお、ノルウェーも出てくる。なぜ、ノルウェーかと言えば、ノーベル賞である。
2010年に平和賞を受賞した反体制派中国人を巡り授賞式への欠席の圧力をかけたことで、帰って反体制派中国人への共感を高めたという。
説得に成功したのは、ロシア、カザフスタン、チュニジア、サウジアラビア、パキスタン、イラク、イラン、ベトナム、アフガニスタンとかだそうで、権威主義的な政府あるいは腐敗した政府にこれらが該当するという著者の説明には納得する。
2013年8月3日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
●本書は中国式手品の「種明かし本」的な側面を持っている。
種明かしの内のひとつは本書に記述されている《蛮夷操作》であろう。
本書は言う。「蛮夷操作とは中国の朝貢制度におけるショーアップ・シテ
スムだ」と。
このシステムの最も重要なファクターは皇帝が蛮夷に恵与する《恩賜》、
すなわち《中国式もてなし技術》であり、その技術が最も効果を発揮するの
は、招かれた蛮夷国の使者が大規模な集団であった場合なのだ。
本書はそう指摘している。
この指摘は2009年8月に民主党の政権交代が実現し、同年12月10日から
4日間に渡って展開された小沢訪中団を思い出させる。小沢一郎を団長
とする民主党議員143名と一般参加者など483名で構成された大訪中団が
北京で胡錦濤主席と一人一秒間隔で握手するというショーアップの図は
まさに《蛮夷操作》の図にほかならない。ついでながら、最近しばしば北京に
出没する鳩山由紀夫も、中国の手の平に乗せられて操作される蛮夷だ、
ということになろうか。
●本書で「中国は狡猾で攻撃的な行為をしかける非常識な自閉症国
家だ」と断じている。
自閉症(autism/オーティズム)とは何か。それは社会性や他者との
コミュニケーション能力に困難が生じる障害の一種で、先天性脳機能
障害とされている。
自閉症という日本語の障害名のおかげで、自閉症は誤ったイメージを
持たれがちだが、けっして心を閉ざしているわけでも内気で恥ずかし
がりやでもなく、しばしば驚異的な異能の保持者として我々の前にあ
らわれる。アカデミー賞獲得のハリウッド映画《レインマン》の某シーン
では自閉症の兄を演じたダスティン・ホフマンがラスベガスの賭博場で
大勝ちする。このシーンこそは自閉症人間の持つ《異能》をあらわした
ものにほかならない。
が、とにもかくにも自閉症の人たちは、その場の空気を読むことや、相手
の気持ちを察する事が大の苦手で、コミュニケーションがうまく取れない。
それが自閉症である。
自閉症に生まれてきた人は一生自閉症のままであり、どんなに頑張っても
自閉症が治ることはない。勝手気ままな独自のルールを作り、必死になって
そのルールを周囲に強制し、その世界の中で生きる。さしずめ《核心的利益》
という突飛な五文字熟語に執着する姿がそれにあたるだろう。
本書で中国が自閉症国家だと断ずる端的な事例は、中国軍艦は公海
上で国際儀礼となっている敬礼と答礼の行為をする代わりに火器管
制レーダーをロック・オンするなどの非常識をロシア、アメリカ、インド
の軍艦に対し日常的に行なっていたという事実をもってその自閉症
ぶりを語っている。第二次安倍内閣は海自護衛艦「ゆうだち」に対
する中国海軍レーダー照射事件を2013年2月5日に公表したが、驚
くべきことに日本政府が公表する前から、中国海軍の自閉症は世界
の国防関係者間では常識だった。ちなみに本書で、「韓国は中国の
天下システムにおける典型的な従属国だ」と規定している。よって、
仮に半万年のあいだ、この半島国家が影の形に添うような従属国で
あり続けて今日に到ったのであるならば、この国が中国と同じよう
な自閉症国家になってしまったとしても、何ら不思議はない。
●本書は翻訳モノの宿命を背負っている。原典をより忠実に日本語
へ移しかえようとすればするほど、翻訳結果としての日本語は日本
語離れを起こす。この本もその宿命には逆らえず、読みにくい。評
価としての星の数を4にした理由はそこにある。
種明かしの内のひとつは本書に記述されている《蛮夷操作》であろう。
本書は言う。「蛮夷操作とは中国の朝貢制度におけるショーアップ・シテ
スムだ」と。
このシステムの最も重要なファクターは皇帝が蛮夷に恵与する《恩賜》、
すなわち《中国式もてなし技術》であり、その技術が最も効果を発揮するの
は、招かれた蛮夷国の使者が大規模な集団であった場合なのだ。
本書はそう指摘している。
この指摘は2009年8月に民主党の政権交代が実現し、同年12月10日から
4日間に渡って展開された小沢訪中団を思い出させる。小沢一郎を団長
とする民主党議員143名と一般参加者など483名で構成された大訪中団が
北京で胡錦濤主席と一人一秒間隔で握手するというショーアップの図は
まさに《蛮夷操作》の図にほかならない。ついでながら、最近しばしば北京に
出没する鳩山由紀夫も、中国の手の平に乗せられて操作される蛮夷だ、
ということになろうか。
●本書で「中国は狡猾で攻撃的な行為をしかける非常識な自閉症国
家だ」と断じている。
自閉症(autism/オーティズム)とは何か。それは社会性や他者との
コミュニケーション能力に困難が生じる障害の一種で、先天性脳機能
障害とされている。
自閉症という日本語の障害名のおかげで、自閉症は誤ったイメージを
持たれがちだが、けっして心を閉ざしているわけでも内気で恥ずかし
がりやでもなく、しばしば驚異的な異能の保持者として我々の前にあ
らわれる。アカデミー賞獲得のハリウッド映画《レインマン》の某シーン
では自閉症の兄を演じたダスティン・ホフマンがラスベガスの賭博場で
大勝ちする。このシーンこそは自閉症人間の持つ《異能》をあらわした
ものにほかならない。
が、とにもかくにも自閉症の人たちは、その場の空気を読むことや、相手
の気持ちを察する事が大の苦手で、コミュニケーションがうまく取れない。
それが自閉症である。
自閉症に生まれてきた人は一生自閉症のままであり、どんなに頑張っても
自閉症が治ることはない。勝手気ままな独自のルールを作り、必死になって
そのルールを周囲に強制し、その世界の中で生きる。さしずめ《核心的利益》
という突飛な五文字熟語に執着する姿がそれにあたるだろう。
本書で中国が自閉症国家だと断ずる端的な事例は、中国軍艦は公海
上で国際儀礼となっている敬礼と答礼の行為をする代わりに火器管
制レーダーをロック・オンするなどの非常識をロシア、アメリカ、インド
の軍艦に対し日常的に行なっていたという事実をもってその自閉症
ぶりを語っている。第二次安倍内閣は海自護衛艦「ゆうだち」に対
する中国海軍レーダー照射事件を2013年2月5日に公表したが、驚
くべきことに日本政府が公表する前から、中国海軍の自閉症は世界
の国防関係者間では常識だった。ちなみに本書で、「韓国は中国の
天下システムにおける典型的な従属国だ」と規定している。よって、
仮に半万年のあいだ、この半島国家が影の形に添うような従属国で
あり続けて今日に到ったのであるならば、この国が中国と同じよう
な自閉症国家になってしまったとしても、何ら不思議はない。
●本書は翻訳モノの宿命を背負っている。原典をより忠実に日本語
へ移しかえようとすればするほど、翻訳結果としての日本語は日本
語離れを起こす。この本もその宿命には逆らえず、読みにくい。評
価としての星の数を4にした理由はそこにある。