という思想はどうかと思うが、誰かを選ぶ＝それ以外を選ばない、だから誰も選ばないという考え方にはすごく共感できる。
しかしそこから全員選ぶという風に方向性を切り替えたのは、思い切ったなというイメージ。
でも、それはそれとして読めば面白かったと思う。
個人的な見どころとして、「恋愛結婚して失敗したから娘がそれをするのを反対する」という夏川両親の発言は面白かった。
アンチ恋愛脳になるに至った鋭太の両親がそれぞれ恋人を作って出奔。まさかそこは夏川真涼の両親が通ってきた道だったとは思わなかった。
そもそも昨今はお見合いが悪く見られるが、上流階級の夏川の家でなくても昭和の頃は普通の家でもあったこと。
恋愛結婚と違い、お見合いする段階では写真や評判のみの感じだけで恋愛要素は皆無。でもそこで感じが合う人と出会えば愛は育んでいける。そして結婚を前提にしているからなおさら真剣に考える。
逆に恋愛結婚は、確かにその時の熱量はすごいものはあるがそれがどこまで続くかは謎になる。もちろん熱量はなくなっても夫婦になったし子供もいたりで維持を考えるとは思うが結婚生活が必ずしもお見合い結婚に勝るものになるとは限らない。個人的には落ちると思っている。あくまで私の私見ですが。
いつの間にか恋愛結婚が至上のものとテレビドラマや小説、漫画が増えて昔のお見合い結婚＞恋愛結婚の数が今は逆転している。
そして上がる離婚率。
とまあそんな事を思い出したこの巻だった。そういう意味でも評価は高く上げたい。
ちなみに私は冬の子の変化前、後ともによく考えている子だなと感心してしまいます。
見えないところの最近の夏の子も可愛いですが。
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